二人だけの秘密。何故かと言うと、「秘密にしなければならない」事だから。
名門の血筋。
この荒廃した世界で、殆どの民は企業の下、労働と食事を繰り返すだけの生活を営んでいる。
二人は違っていた。未だに、その家名を保ち続けていた。最大の力、企業に協力という形で、利用される事によって。

莫大な報酬はその家を、二人だけの世界を支えていた。
二人だけの世界となったからこそ、歯止めが効かなくなっていた。
二人にはその異常さが解らない。姉弟揃って、機械に魂を売ってしまったのだから。

出撃から帰還した日は、そういう事が多い。姉は拒んでいた時期もあったが、今では当然のように受け入れていた。

「姉さん…良い?」
「…良いわ。おいで」
弟にとって姉は全てだった。最愛の人であり、女神であり、唯一自分と同じ痛みを知っている相手。
お互い傷だらけの体であるにも関わらず、癒やしているのは姉で、癒されているのは弟だった。
「姉さん…ごめん。僕が止められなかったから…」
「良いのよ。次は私も頑張るわ…」
吸い付く女性の肌は弟に安らぎと、相反する物を芽生えさせていく。美しい女性の体は、弟の目に捉えられていた。
「ジーン?」
「…何?」
「キスから…ね」

弟の思考を読み取るかのように、常に姉はリードした。
戦闘才能は確かに弟の方が上回っていた。そのプレッシャーの反動は、いつも姉が引き受けていた。
姉も、悪い気をしていなかった。

「姉さんは僕が守る…誰にもやらせない…」
「ありがとう…ジーン」


この意志は、弟の才能を掻き立てていく。



…解る人いるかな…orz

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