「盾にしてね」

あの時返事はなかった。
それでも私は自機を彼と敵の間に居る。

目の前で死なれるのは嫌いだ。あの人の背を思い出してしまう。
このご時勢に“あの程度”ありふれたものだっていうのはもう知ってる。

それでも、嫌だから。




『盾にしてね』

確かに彼女はそう言った。
そして今火花を散らす体躯を引きずり自分と砲門の間に在る。

けど、庇われるのは嫌いなんだ。あれを思い出すから。
このご時勢に“あの程度”ありふれたものだっていうのはもう知ってる。

それでも、嫌なんだ。

―――だから

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