何もない暗い空間でまどろんでいると、不意に誰かの声を聞く。声からして中年の女性と予測できる。
やがてその空間に暖かな光が差したと思うと、いつの間にか自分は見覚えのない寝室で横たわっていた。
声の主は以外にも若く、これまで見たこともない程の美貌に黒髪を持つ女性だった。
背中にはもう一人の女性。こちらは美人だが見覚えのある、オペレータの少女、エマ・シアーズだった。
「セレ・クロワール!」
「待っていました。二人とも。」
落ち着いた話し方でセレは続ける。どこか艶めかしい色気を含んだ声で。
「さあ、始めましょうか。」

―管理者が破壊されて数カ月。地上が人類の元に返されたと同時にその領域は姿を現した。
企業は今までと変わらず抗争を続け、彼らに金で雇われた我々しがない傭兵達は相変わらず血で血を洗い戦う。同業者に銃を向けることや、白昼のテロ行為など日常茶飯事だ。
そんな日々の中発見された「もうひとつのレイヤード」。その正体が姿を現し始めると同時に各地では不審な出来事が起こるようになった。

私に宛てられたメール。一種の主観的な社会風刺や管理者の正体について書かれているのだが、差出人は聴き憶えのない名前の女性だった。
そしてコーテックスがレイヤードの追及を進めると同時にメールの数は多くなり、次第に私は夜、「夢」の中で彼女と話すようになっていた。
(彼女は何かを私に託そうとしているのか?)
そんな推測も妄想に過ぎず、今はただ眠るだけだ。

―今私は二人の女性に愛撫されている。
セレは淫乱な、しかし可愛らしい顔つきで私の物を咥え、エマはというと恥ずかしそうな顔で私の姿を見ながらオナニーをしている。
「私ね、貴方に大切な事をしてもらうつもりだったの。でもどうでも良くなっちゃった。」
「今はお互い満足しあえるだけで十分だわ。」
叩けばそのまま自分の手が吸い込まれそうな空間の壁。その中で自身の精神が彼女によって操作されると思うとぞっとする。
セレは豊かな胸で私の物を挟み、先端を舐めながらむず痒さとも言える快感に耐える私の表情を伺った。

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