「帰ってきたか…」
 モニターを見ると白い機体が見える。
ラインアーク防衛という、きな臭い依頼を受け数ヶ月が経った。
彼―――名前はあえて言わないでおこう―――が無事に任務を果たし帰還した。
単純に言えば嬉しいことだが、少々気がかりでもある。
彼は任務に行くというより、むしろ殺しが楽しくなっている節があるのだ。
多数のAF撃破、ランカー1の撃墜。
オッツタルバの撃墜後、ラインアーク側から得た報酬は多額の金と一機のネクスト。
通称ホワイトグリントというACを受領したのち、彼はおかしくなっていたのかもしれない。
亡霊のようなネクストに取り付かれたのかもしれないのだ。
彼のネクストは様々の激戦を潜り抜け最早修理が不可能となっていた。
 そこで、ネクストの支援をおこなったのがラインアークというわけだ。

彼を拾ったのは数年前、どこにでもいるようなレイヴンだった。
ノーマルを駆り、そこそこの戦果を挙げる平凡な傭兵。
彼に目をつけたのは、過去に私が行ったくだらない作戦の一つ。
とある基地防衛部隊の壊滅というごく簡単な作戦。
私はネクストを駆り、すぐに作戦を成功させた。
だが、一つのノーマルに多少の損害を被った。
ノーマルで中破させられたのは初めてだった。
コアを開けると、血だらけになっている若いレイヴン。
彼にネクストを与えたら―――と興味が沸いてきたのだ。

結果は案の定だ。
AFを訳も無く撃破し、多数のネクストを撃墜する。
教官として接してきたがそれも過去の話だ。
機体から降りてくる彼を見ると、私はすぐにハンガーへと向かった。



「企業連の重要施設を破壊した気持ちはどうだ?」
彼は困った顔して断言した。
「別に、クレイドルの人間が何人死のうと俺には関係ないです」
「そうか?あの作戦でORCAは歓喜しているだろうな」
「ORCAには感謝している。俺を利用してきた企業に復讐するチャンスを与えてくれて」
「ふむ、貴様が選んだ道だ。私は干渉しない」
「先生、今夜もよろしいですか?」
「…疲れていそうだが貴様は大丈夫か?」
「ええ、問題ないです」
私は頷き、自室に向かう。彼は笑顔で私の後ろをついてきた。

部屋に入るとシャワーを浴びた。個人で使う管制室にエアコンという上等のものはない。
少々汗臭い体を洗い流す。
背後から音がした。
「おとなしく待っていろ。発情期の雄犬ではないだろ、お前は?」
彼は、何も答えず胸を触ってくる。さすがに私も驚いた顔を隠せなかった。
「先生も困った顔は可愛いのですね」
快感に耐えれるはずも無く、呆気なくされるがままだ。
彼は私の華奢な身体を壁に押しつけて更に深く唇を重ねる。
「んんっ!んん…んっ!ふぅ…ん、ふぅ…」
ただのくぐもった鼻息が、段々と悩ましい吐息となって私の口から溢れた。
「んは…はぁっ……貴様…どうしてこんな事…」
「先生の困った顔が見たかったんですよ」
「……今回だけだからな」
「分かっていますよ」
私は胸から額を離すと、彼にに微笑みかけ。長い腕を、彼の頭にまわし、少し引き寄せる。ようやく覚悟を決めた唇に、唇を重ねた。
 彼のしたいようにさせ。自らは、片手は髪をなでながら、反対の手を動かして、彼ののベルトに触れた。片手で器用に外した。
彼は一旦唇を離し、皮肉げに笑った。
「巧いですね、どこで教わりました?」
 彼の骨っぽい手が、私の乳房を服の上から掴み、揺さぶるようにし て揉む。
「無粋な男だな。女にはそういうことは訊くものじゃない」
「ああ、それもそうですね」
再び唇を重ねる、先ほどよりも激しく。
ボタンを外すのももどかしげに、服の裾から手を入れシャワーから浴びた熱がまだ残り白い乳房はほんのりと桜色になっている。
その柔らかさを確かめるよう、彼は何度も何度も揉む。
私は彼の下を脱がせてやると、それが堅くなっているのを確認し手を離す。
自分のうっすらとした茂みに囲われた、姫部に触れ、受け入れる準備を始める。
彼は強引に指を差し入れることなく、執拗に胸を揉み、尻を揉んだ。
「っや、ぁ、あ!!」
「ん、どうしました。そんなにいいのすか?これが」
 小さいながらも形を柔らかく変える胸。彼はそれの感触を楽しんでいるようだった。
「だめだっ。こんなのっ、は、ぁ。」
戸惑いながらも快楽に溺れそうになっている。
「さっきの強気な態度はどうしたんです?もっと抵抗してもらわないと楽しみがなくなりますよ。それとも、もうこの快楽に耐えられない?」
「馬鹿にっ、するなっ」
「それでいいです。最後まで楽しませてください」
 そう言って、二つの膨らみの上で形を主張し始めたものを右手で、もう片方を唇で転がした。
「・・・っ!!!!!ああっ!!!」
 私の身体は電気が走ったかのようにビクンと跳ねた。
「ああっ。やめろっ!やめるんだっ!!!」
 そう言ってもやめるはずもなく、彼は口に唾液を溜め、音を立てて乳首をすすった。
「ひ、ああああっ!」
「この調子だと『ここ』もいい感じになってそうだな・・・。」
 胸への愛撫をやめた彼は、私の両脚を掴むと、そのまま開かせた。
「なにをっ!やめろ!」
「一人で盛り上がっては困るんですよ」
 彼は体重を前へ押し出した。
「っ!んんん!はいって、きて、る!」
「っく、これは。」
 すべて入ったそれは私の中で、吸われているような押し出されているような異様な気持ちよさに、ドクンと跳ねて反応していた。
「あつい、あついのが入って」
 侵入を試みた時の快楽に飲まれたらしく、鏡で見る限り私の顔には痛みの表情はない。
「動きますよ」
 すべて入ったそれをギリギリまでひくと、膣の壁がまるで吸盤のように彼を吸って締め付ける。
「ああああ!」
 ギリギリまでひいたそれを押し出すと私の膣はものを外に出そうと壁を絡ませて押し返してくる。
「んんんん!!!!すごいぃ。すごいのぉ!!」
(っく・・・これは、想像していたより・・・)
 そう思いながらも、彼はペースを緩めず私の中を犯し続ける。
「あああ!いい!いいよぉ!!」
 彼のものが往復するたびに周りには淫乱な水音と身体と身体がぶつかる音がした。
「は、ぁあ!!あん!!すご、ひぃ!!あああ!!」
「っく、そろそろ、いくぞ。」
「はん!ああ!わたしもっ、わたひも、イク!イっちゃう!」
 彼は最後の一突きを私の奥に突き刺した。
「は、ぁぁあ・・・。あついのが・・・わたしのなかに・・・。」
 私は開いた両脚をビクビクと震えさせて絶頂に達した。

よく考えれば、彼に中だしをされたのは、今回が初めてだった。
子供が出来たらいいな、と私は単純にそう思った。


2ヵ月後、彼はオールドキングの依頼を受ける。
私はやめろ、と懇願したが彼は耳を貸さず、ホワイトグリントと共に出撃した。
思えば、あのネクストに乗ってから、彼は変わったのかもしれない。
クレイドルの破壊。
それは、企業連に対する宣戦布告であり、同時に彼は全人類の敵となったのだ。
数日後、私は企業の依頼を受けた。
企業連総意のミッション。
それは愛する人を殺すこと。
腹部をさする。彼から授かった子供は、父親の顔を見ずに成長していくだろう。
涙は流せなかった。
人殺しを育てたのは他でもない、私なのだから。

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