初めて、出張ヘルスを雇った。
一時間もしない内に、ドアのチャイムが鳴り、負けん気の強そうな背の小さい少女が現れた。
「お前を雇ったのは、この俺さ」
幼女が顔に似合った、ふてぶしい言葉使いをする。
彼女は部屋にヅケヅケと入り込み、ズベンと名乗った。
不愉快になる。
しかも、意味不明。……雇ったのは私だ。
「そうとも知らずに、おめでたい野郎だ」
ズベンとやらは、私の部屋を見回しながら、顔に嘲笑を浮かべる。
「何をしに現れた? ここは只の幼女が来るべき場所では無い」
若干キツく、私は彼女を諭そうとする。
「だが安心しな。直ぐに楽にしてやるよ!」
……聞きやしない。
私は目眩を覚えつつ、彼女に掴みかかり、帰ってもらおうとすると。
いい加減チェンジしなければ……私のドミナントが熱暴走を訴えている。
エラー音がビービーとやかましい。

ちいさな体を小脇に抱えるが、ズベンがもの凄く暴れる。
俺のサウスネイルでお前の、どうのこうのと叫びだすが、意味が一切不明だ。
エリートの私も流石に怒りを覚え、揺れる彼女の臀部をひっぱたいた。
ズベンが小さく悲鳴を上げる。
私は気にせず、何度となく手のひらを打ちつけた。
「じょ、冗談じゃ……」
痛みのためか、プライドを傷つけられたせいか、ズベンが小さな瞳に涙を溜めて懇願するように私を見上げる。
しかし、こちらはアラインス戦術部隊のエヴァンジェ。妥協は許さない。
更に手のひらを打ちつける。
「こんなはずじゃ……おい、早く加勢してくれ!」
誰にだ。
またも騒ぎ出す彼女を、部屋から放り出し、そのまま吹き抜けの廊下から駐車場目掛けて叩き出した。
尾を引く悲鳴を聞きながら、私は部屋へと戻ろうとする。
チェンジしなければ……こちらはアライアンス戦術部隊のエヴァンジェ。未来を担うドミナントだ。
そんな私に声がかけられる。
「加勢するつもりなど、元より無い」

ワールド・レポート
11:00
後24時間切ってるってのに、エヴァンジェがバーテックス討伐の作戦に参加しなかったそうだ。
しかも、ジャック・O率いる部隊に建設途上のアライアンスの基地を破壊され、遅れて戻ってきた副隊長等に半裸で「見事な引き際だな」と言って、スーパードミナントっぷりを見せたそうだ。

……私的な意見で悪いが、バーテックス側に付いた方が良いぜ。


シーラ「そんな……これで終わりだなんて」

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