最終更新:ID:lCYpRbxWkA 2010年03月27日(土) 16:18:22履歴
('A`)「物語もだいぶ集まったし、それにこれ以上は時間がないか。いつまでもあいつを自由にさせておくわけにはいかないからな」
从 ゚∀从「おい、ドクオ! なにこんなとこでボーっとしてんだ。そんなんだからボッチになるんだぜ」
('A`)「ハインか、相変わらずだな。初めて会ったときもそんなことをいっていたぞ」
从 ゚∀从「そうだったか? まあでも三つ子の魂百までってわけじゃないけどよ、半年やそこらで人間変わらないって」
('A`)「ははは、それもそうだな」
从 ゚∀从「……やっぱ前言撤回だ。お前さ、変わったよ。前よりも明るくなった」
('A`)「そうか? 自分ではわからないが、前からこんなものじゃなかったか?」
从 ゚∀从「全然違うぜ。初めて会ったときのドクオはさ、なんていうか見ていて危なっかしくてよ。ほうっておけないから声をかけたんだ」
('A`)「そうか。では、もし俺がいい方向に変われたのなら、それはハインのおかげだということだな。ありがとう、ハイン」
从//∀从「真顔でいうのはよせよ、恥ずかしいだろうが!」
('A`)「恥ずかしいということはないだろう。世話になった人には礼をいう、それが礼儀というものだ」
从 ゚∀从「なんだよ、世話になったって」
('A`)「それは……」
从 ゚∀从「冗談だよ、いわなくてもわかってるって。出ていくんだろ? ここからさ」
('A`)「ああ。その通りだ」
从 ゚∀从「普通はこの学園都市から出ることなんてできやしない。だけどドクオは普通じゃないからな」
('A`)「この普通で素朴な少年を捕まえてなにをいう」
从 ゚∀从「誰が普通で素朴な少年か。詳しい事情は知らないけどよ、なにかやらないといけないことがあるんだろ? だからさ、餞別代わりといっちゃなんだが俺の能力ももらっていってくれよ」
('A`)「俺の絵本のこと、知っていたのか?」
从 ゚∀从「ああ。実は何回かドクオがデュエルするところを見ていたからな」
('A`)「そうだったのか。デュエルを見られていたというのは気恥ずかしいものだな」
从;゚∀从「それはあのテンションのせいだと思うぜ」
('A`)「テンション? 俺としては平常心をモットーとしていたつもりだったんだが。……最後までハインにはもらってばかりだった気もするが、ありがたく頂いていくとするよ」
从 ゚∀从「俺も色々もらったさ、思い出とかな。これってデュエル中にしか受けとれないんだろ? やろうぜデュエル! 本当はデュエルなんて大嫌いなんだけどよ、今日だけは特別だ。ちょっと楽しみにすら感じるぜ」
('A`)「いつもデュエルを避けていたのはそういうわけだったのか」
从 ゚∀从「デュエルや能力のせいで家族とも離れさせられて、こんなところで管理される。……嫌いにもなるさ」
('A`)「そう、だな」
('A`)(くっ、俺達の物語のせいでハインはっ!)
从 ゚∀从「デュエルや能力の強さが絶対の学園都市、ここではデュエルを交わすことで友人となるのが普通だ。俺達は普通と逆になったな、それを嬉しく思うぜ。さあ、始めようぜ!」
('A`)「手加減は無用だ! 最後の、最高の思い出を作ろうか!」
('A`)「「デュエル!!」」从∀゚ 从
('A`)「俺のターンからだ、ドロー! まずは魔法カード、闇の誘惑を発動。二枚ドローして手札の『堕天使スペルビア』を除外する!」
从 ゚∀从(ドクオのデッキは天使中心。だがコイントスモンスターやらなんやら出て来るから油断できないぜ!)
('A`)「そして『ダーク・ヴァルキリア』を召喚だ。一枚伏せてこれでターンエンドといこうか!」
从 ゚∀从「俺のターンドロー! まあ、例えなにが出て来ようと俺の闘いかたは一つ……力でねじ伏せるだけだ! 魔法カード、融合だ! 手札の『沼地の魔神王』と『バスター・ブレイダー』を融合して『超魔導剣士‐ブラック・パラディン』融合召喚!」
('A`)(ブラパラか! 魔法無効化はきついな)
从 ゚∀从「ブラックパラディンでダークヴァルキリアにアタック!」
(;'A`) LP4000→2900
从 ゚∀从「俺のデッキに伏せるカードなんてねえ! ターンエンドだ!」
('A`)「俺のターンドロー! 俺も小細工はしない! 俺は『コーリング・ノヴァ』を召喚。更に永続罠、奇跡の光臨を発動だ! 除外されているスペルビアを特殊召喚する!」
从 ゚∀从「両者の攻撃力は互角か!」
('A`)「スペルビアでブラックパラディンにアタック! 相打ちだ! コーリングノヴァでダイレクトアタック!」
从;゚∀从 LP4000→2600
('A`)「これで俺のターンエンドだ!」
从 ゚∀从「やるな、俺のターンドロー! 魔法カード、融合回収を発動! 墓地の融合と沼地の魔神王を手札に加える! その魔法カード、融合を発動だ!」
('A`)(更に融合だと!)
从 ゚∀从「手札の沼地の魔神王と『デス・カンガルー』を融合して『マスター・オブ・OZ』融合召喚! こいつでコーリングノヴァにアタックだ!」
(;'A`) LP2900→100
('A`)「くっ、なんて攻撃力だ! だがコーリングノヴァが破壊されたことにより、デッキから守備表示でコーリングノヴァを特殊召喚する!」
从 ゚∀从「ノッてきたぜ! こいよ、ドクオ! 俺のターンエンドだ!」
('A`)「俺のターンドロー!」
('A`)(なんだ、この心が沸き立つ感じは……? もしかして、これが楽しいという感情なのか?)
('A`)「こんなデュエルは初めてだ! いくぞハイン! コーリングノヴァをリリースして『堕天使ディザイア』アドバンス召喚! ディザイアの攻撃力を下げてOZを墓地に送る! 攻撃力2000となったディザイアでダイレクトアタックだ!」
从;゚∀从 LP2600→600
从 ゚∀从「くうっ! 今のは効いたぜドクオ!」
('A`)「さあ、次はハインのターンだ! 一枚伏せて俺のターンエンド!」
从 ゚∀从「ああ、俺のターンドロー! 魔法カード、融合回収を発動! 墓地の融合と沼地の魔神王を手札に加える! その魔法カード、融合を発動だ!」
('A`)(またしても融合回収から融合!?)
从 ゚∀从「手札の沼地の魔神王と『カオス・ソルジャー』を融合して『究極竜騎士』融合召喚!」
('A`)(そうか、この物語の効果は……! だ、だが俺はこんな物語を知らない! ページがわからないっ!)
从 ゚∀从「究極竜騎士でディザイアにアタック! 通れば終わりだ!」
('A`)「記入もしていないのに終われるものかっ! 罠カード、和睦の使者発動! モンスターは破壊されずダメージも受けない!」
从 ゚∀从「ディザイアは除去能力を持っている、このままターンを回せば負けか。だったら! 魔法カード、龍の鏡を発動! 墓地の沼地の魔神王とカオスソルジャーを除外して、究極竜騎士をもう一体召喚だ! これでターンエンド!」
('A`)「俺のターンドロー!」
('A`)(わからない、わからないはずなのに、知っている気がする……。知っている、そう!)
('A`)「俺はこの物語を知っている! そうだ、これは俺のための物語! 全てを記す絵本よ! 物語を記入する!」
('A`)(ありがとうハイン。お前のおかげで俺は大切な物を手に入れることができた)
从 ゚∀从「……記入ってやつは済んだのか?」
('A`)「ああ! だがまだデュエルは終わっていない。ディザイアの攻撃翌力を下げて究極竜騎士を一体墓地へ送る! そして俺は『きまぐれの女神』を召喚! 装備魔法、団結の力をきまぐれの女神に装備する!」
从 ゚∀从「きまぐれの女神の攻撃力は2550。コイントスを当てる能力を使えば倍になって究極竜騎士を越えるか、見事だぜドクオ!」
('A`)「確かに物語を使えばコイントスは当たるだろう、だが俺は物語を使わない!!」
从;゚∀从「な、なにをいってんだよ!? 負けたらどうするんだ!」
('A`)「負ければ今まで記入してきた物語の数ページを失う。それでも俺は自分の力でハインに挑む! これだけは譲れない!!」
从 ゚∀从「ドクオ、やっぱお前は普通じゃないな。最っ高に面白いやつだ! さあこい! 受けて立つぜ!」
('A`)「きまぐれの女神の効果でコイントスをおこなう! 表なら二倍! 裏なら半分だ!」
从 ゚∀从(結果は……)
('A`)(………………………………裏!)
('A`)「俺は自分の力で闘った、悔いはない。むしろこの闘いだけは物語を使って勝てば後悔しただろう。俺のターンエンドだ!」
从 ゚∀从「俺のターンドロー! 最高だ……お前は最高だっ!! もし今のお前を見て笑うやつがいたら俺がぶん殴ってやる!! 究極竜騎士でディザイアにアタック!」
(;'A`) LP100→0
('A`)「最高に楽しいデュエルだったな」
从 ゚∀从「ああ、楽しかったぜ。最高の思い出をありがとよ」
('A`)「こちらこそありがとう。もしまた会えたら、次も……いや、なんでもない」
从 ゚∀从「もしまた会えたら、次も最高のデュエルをしようぜ!」
('A`)「あ、ああ、そうだな……」
从 ゚∀从「なんだよ、気のない返事だな? て、ドクオ! お前泣いてんのか」
('A`)「たぶん、もう会うことはないだろう。さよならだ……最初で最後の友よ!」
从;゚∀从「お、おい!」
物語を紡ぐ舞台
('A`)「久し振りだな、兄貴!」
('∀`)「やっと帰ってきたのか。今までなにをしていたんだい?」
('A`)「なにを? 決まっている! お前を殺すために爪を研いでいたのさ!」
('∀`)「そう怖い顔するなよ、俺達は二人きりの兄弟なんだ。昔のようにまた二人で物語を見ようじゃないか」
('A`)「もう俺達の世界は終わったんだ! 昔みたいにはいかないんだよっ! これ以上この世界の人に迷惑をかけるのはやめろ!」
('∀`)「終わったのなら作ればいいんだよ。幸いこの世界はまだ若い、今度こそ二人でずっと物語を見ていような」
('A`)「……俺、兄貴のこと大好きだったよ。兄貴が物語を見せてくれてたから、二人きりの世界でも寂しくなかった」
('∀`)「お前は物語が好きだったもんな。俺はお前を楽しませるために99の物語を作った。今度はもっとたくさんの物語を作ってやるからな」
('A`)「もう、いいんだよ。俺達も世界と一緒に終わるべきだったんだよ!」
('∀`)「そんなこというなよ。あっ、そうそう! お前がいない間にたくさんの物語を振りまいたんだぞ。この世界中が俺の作った物語で溢れている。見にいかないか?」
('A`)「物語に感染した人間は二十歳で死ぬ! それがわかっててやってるのかよっ!!」
('∀`)「この世界の人間なんてどうでもいいじゃないか。最終的に俺達二人がいればいいんだよ」
('A`)「……どうでもいいわけがない。俺がこの世界で出会った人は、全て素晴らしい人だった! 一途な恋をしていたり! うどんが大好きだったり! お菓子のクリームにこだわったり! 勉強で悩んでいたり! 俺と友達になってくれたりする! そんなやつらだった!」
('∀`)「ははは、変なことをいうやつだな。俺にはそれのどこが素晴らしいのかさっぱりだよ」
('A`)「やっぱり今の兄貴は間違っている! ここで俺と一緒に消えてもらう! 全てを記す絵本よ、全ての物語を語れぇぇぇ!!」
('∀`)「兄弟喧嘩もたまにはいいか。開幕のブザーが鳴る、客席の明かりが落ちる、緞帳が上がる、スポットライトが当たる……さあ、舞台の開幕だ! 全てを記す戯曲よ、全ての物語を歌い演じろ!!」
('A`)「いくぞ! これでっ! 第13ページ! その名は《導きだした答え》!」
('∀`)「小手調べか? 第28ページ! その名は《絶対王者の風格》!」
('A`)「怯む……ものかぁぁぁ!! 第32ページ! その名は《日常のわずかな幸福》!」
('∀`)「まだまだだな! 第45ページ! その名は《ひび割れゆく日々》!」
('A`)「負けられ、ないんだ……よぉぉぉ!! 第48ページ! その名は《見渡せる限りの世界》!」
('∀`)「どれどれ! 第61ページ! その名は《私を愛してくれる私》!」
('A`)「くっ、まだこれからだっ!! 第72ページ! その名は《既に定められていた運命》!」
('∀`)「甘いな! 第84ページ! その名は《運命の分岐路》!」
('A`)「こいつを使うしかないっ! この物語には何度も助けられたっ!! 第89ページ!! その名は《神に愛され過ぎた者》!」
('∀`)「90代まで使わせるとは、やるようになったな! もう手加減はしないぞ? 第94ページ!! その名は《時の渡り鳥》!」
('A`)「ここで押し切るっ! 出し惜しみはしないぃぃぃ!! 第96ページ!! その名は《幸せな偽りの一時》!」
('∀`)「……これで決着をつけようか。これ以上のページは存在しない! 弟よ、諦めろっ!! 第99ページ!! その名は《全てを知る者》!」
('A`)「ぐああああああぁぁぁぁぁぁ!! 99ページより後は存在しなくてもっ! 前は存在するんだよぉぉぉぉぉぉ!! ハイン、力を貸してくれぇぇぇぇぇ! 全てを記す絵本よぉぉぉぉぉぉ! 物語を語るぅぅぅぅ! それはっ! 絵本の表表紙!! その名は《出会えた奇跡》!!」
('∀`)「表表紙? 俺はそんな物語を作った記憶は……」
('A`)「発動条件は常時発動っ!! 能力はデッキの好きなカードをドローできるようになるっ!!」
全てを記す絵本「絵本の表表紙、出会えた奇跡。それはたった一人の弟のために想いをつづり、たった一冊の本を描いた兄の、たった一つの小さな奇跡の物語」
('A`)「これでとどめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
('∀`)「…………いつまでも、俺が面倒見てやらなければいけないと思ってたんだがなあ。いつの間にか強くなったな、弟よ」
('A`)「さあ、一緒に家へ帰ろうよ。兄貴……」
学園都市
从 ゚∀从「ズゾゾゾゾ! 誰かさんのせいですっかり俺も蕎麦好きになっちまったぜ。学食の蕎麦は最高だ! でもよ、やっぱ一人で食う飯は味気ねえよ……」
从 ゚∀从「……あれ? さっきまで嫌になるくらいはっきりしていた俺の能力が、急に感じられない。能力が……消えた? 俺は能力者じゃなくなったのか!」
从 ;∀从「なんだ? 嬉しいはずなのに、能力が消えて嬉しいはずなのに。なんで俺は泣いてるんだよ!」
('A`)「ズゾゾゾゾ! よかったな、ハイン。これでお前も家に帰れるぞ」
从 ゚∀从「ドクオ!? ……いない。幻聴だったのか? いや、幻聴なんかじゃない。きっとドクオが俺の能力を消してくれたんだ! いつかまた会えるよな、ドクオ!」
最終話 完
从 ゚∀从「おい、ドクオ! なにこんなとこでボーっとしてんだ。そんなんだからボッチになるんだぜ」
('A`)「ハインか、相変わらずだな。初めて会ったときもそんなことをいっていたぞ」
从 ゚∀从「そうだったか? まあでも三つ子の魂百までってわけじゃないけどよ、半年やそこらで人間変わらないって」
('A`)「ははは、それもそうだな」
从 ゚∀从「……やっぱ前言撤回だ。お前さ、変わったよ。前よりも明るくなった」
('A`)「そうか? 自分ではわからないが、前からこんなものじゃなかったか?」
从 ゚∀从「全然違うぜ。初めて会ったときのドクオはさ、なんていうか見ていて危なっかしくてよ。ほうっておけないから声をかけたんだ」
('A`)「そうか。では、もし俺がいい方向に変われたのなら、それはハインのおかげだということだな。ありがとう、ハイン」
从//∀从「真顔でいうのはよせよ、恥ずかしいだろうが!」
('A`)「恥ずかしいということはないだろう。世話になった人には礼をいう、それが礼儀というものだ」
从 ゚∀从「なんだよ、世話になったって」
('A`)「それは……」
从 ゚∀从「冗談だよ、いわなくてもわかってるって。出ていくんだろ? ここからさ」
('A`)「ああ。その通りだ」
从 ゚∀从「普通はこの学園都市から出ることなんてできやしない。だけどドクオは普通じゃないからな」
('A`)「この普通で素朴な少年を捕まえてなにをいう」
从 ゚∀从「誰が普通で素朴な少年か。詳しい事情は知らないけどよ、なにかやらないといけないことがあるんだろ? だからさ、餞別代わりといっちゃなんだが俺の能力ももらっていってくれよ」
('A`)「俺の絵本のこと、知っていたのか?」
从 ゚∀从「ああ。実は何回かドクオがデュエルするところを見ていたからな」
('A`)「そうだったのか。デュエルを見られていたというのは気恥ずかしいものだな」
从;゚∀从「それはあのテンションのせいだと思うぜ」
('A`)「テンション? 俺としては平常心をモットーとしていたつもりだったんだが。……最後までハインにはもらってばかりだった気もするが、ありがたく頂いていくとするよ」
从 ゚∀从「俺も色々もらったさ、思い出とかな。これってデュエル中にしか受けとれないんだろ? やろうぜデュエル! 本当はデュエルなんて大嫌いなんだけどよ、今日だけは特別だ。ちょっと楽しみにすら感じるぜ」
('A`)「いつもデュエルを避けていたのはそういうわけだったのか」
从 ゚∀从「デュエルや能力のせいで家族とも離れさせられて、こんなところで管理される。……嫌いにもなるさ」
('A`)「そう、だな」
('A`)(くっ、俺達の物語のせいでハインはっ!)
从 ゚∀从「デュエルや能力の強さが絶対の学園都市、ここではデュエルを交わすことで友人となるのが普通だ。俺達は普通と逆になったな、それを嬉しく思うぜ。さあ、始めようぜ!」
('A`)「手加減は無用だ! 最後の、最高の思い出を作ろうか!」
('A`)「「デュエル!!」」从∀゚ 从
('A`)「俺のターンからだ、ドロー! まずは魔法カード、闇の誘惑を発動。二枚ドローして手札の『堕天使スペルビア』を除外する!」
从 ゚∀从(ドクオのデッキは天使中心。だがコイントスモンスターやらなんやら出て来るから油断できないぜ!)
('A`)「そして『ダーク・ヴァルキリア』を召喚だ。一枚伏せてこれでターンエンドといこうか!」
从 ゚∀从「俺のターンドロー! まあ、例えなにが出て来ようと俺の闘いかたは一つ……力でねじ伏せるだけだ! 魔法カード、融合だ! 手札の『沼地の魔神王』と『バスター・ブレイダー』を融合して『超魔導剣士‐ブラック・パラディン』融合召喚!」
('A`)(ブラパラか! 魔法無効化はきついな)
从 ゚∀从「ブラックパラディンでダークヴァルキリアにアタック!」
(;'A`) LP4000→2900
从 ゚∀从「俺のデッキに伏せるカードなんてねえ! ターンエンドだ!」
('A`)「俺のターンドロー! 俺も小細工はしない! 俺は『コーリング・ノヴァ』を召喚。更に永続罠、奇跡の光臨を発動だ! 除外されているスペルビアを特殊召喚する!」
从 ゚∀从「両者の攻撃力は互角か!」
('A`)「スペルビアでブラックパラディンにアタック! 相打ちだ! コーリングノヴァでダイレクトアタック!」
从;゚∀从 LP4000→2600
('A`)「これで俺のターンエンドだ!」
从 ゚∀从「やるな、俺のターンドロー! 魔法カード、融合回収を発動! 墓地の融合と沼地の魔神王を手札に加える! その魔法カード、融合を発動だ!」
('A`)(更に融合だと!)
从 ゚∀从「手札の沼地の魔神王と『デス・カンガルー』を融合して『マスター・オブ・OZ』融合召喚! こいつでコーリングノヴァにアタックだ!」
(;'A`) LP2900→100
('A`)「くっ、なんて攻撃力だ! だがコーリングノヴァが破壊されたことにより、デッキから守備表示でコーリングノヴァを特殊召喚する!」
从 ゚∀从「ノッてきたぜ! こいよ、ドクオ! 俺のターンエンドだ!」
('A`)「俺のターンドロー!」
('A`)(なんだ、この心が沸き立つ感じは……? もしかして、これが楽しいという感情なのか?)
('A`)「こんなデュエルは初めてだ! いくぞハイン! コーリングノヴァをリリースして『堕天使ディザイア』アドバンス召喚! ディザイアの攻撃力を下げてOZを墓地に送る! 攻撃力2000となったディザイアでダイレクトアタックだ!」
从;゚∀从 LP2600→600
从 ゚∀从「くうっ! 今のは効いたぜドクオ!」
('A`)「さあ、次はハインのターンだ! 一枚伏せて俺のターンエンド!」
从 ゚∀从「ああ、俺のターンドロー! 魔法カード、融合回収を発動! 墓地の融合と沼地の魔神王を手札に加える! その魔法カード、融合を発動だ!」
('A`)(またしても融合回収から融合!?)
从 ゚∀从「手札の沼地の魔神王と『カオス・ソルジャー』を融合して『究極竜騎士』融合召喚!」
('A`)(そうか、この物語の効果は……! だ、だが俺はこんな物語を知らない! ページがわからないっ!)
从 ゚∀从「究極竜騎士でディザイアにアタック! 通れば終わりだ!」
('A`)「記入もしていないのに終われるものかっ! 罠カード、和睦の使者発動! モンスターは破壊されずダメージも受けない!」
从 ゚∀从「ディザイアは除去能力を持っている、このままターンを回せば負けか。だったら! 魔法カード、龍の鏡を発動! 墓地の沼地の魔神王とカオスソルジャーを除外して、究極竜騎士をもう一体召喚だ! これでターンエンド!」
('A`)「俺のターンドロー!」
('A`)(わからない、わからないはずなのに、知っている気がする……。知っている、そう!)
('A`)「俺はこの物語を知っている! そうだ、これは俺のための物語! 全てを記す絵本よ! 物語を記入する!」
('A`)(ありがとうハイン。お前のおかげで俺は大切な物を手に入れることができた)
从 ゚∀从「……記入ってやつは済んだのか?」
('A`)「ああ! だがまだデュエルは終わっていない。ディザイアの攻撃翌力を下げて究極竜騎士を一体墓地へ送る! そして俺は『きまぐれの女神』を召喚! 装備魔法、団結の力をきまぐれの女神に装備する!」
从 ゚∀从「きまぐれの女神の攻撃力は2550。コイントスを当てる能力を使えば倍になって究極竜騎士を越えるか、見事だぜドクオ!」
('A`)「確かに物語を使えばコイントスは当たるだろう、だが俺は物語を使わない!!」
从;゚∀从「な、なにをいってんだよ!? 負けたらどうするんだ!」
('A`)「負ければ今まで記入してきた物語の数ページを失う。それでも俺は自分の力でハインに挑む! これだけは譲れない!!」
从 ゚∀从「ドクオ、やっぱお前は普通じゃないな。最っ高に面白いやつだ! さあこい! 受けて立つぜ!」
('A`)「きまぐれの女神の効果でコイントスをおこなう! 表なら二倍! 裏なら半分だ!」
从 ゚∀从(結果は……)
('A`)(………………………………裏!)
('A`)「俺は自分の力で闘った、悔いはない。むしろこの闘いだけは物語を使って勝てば後悔しただろう。俺のターンエンドだ!」
从 ゚∀从「俺のターンドロー! 最高だ……お前は最高だっ!! もし今のお前を見て笑うやつがいたら俺がぶん殴ってやる!! 究極竜騎士でディザイアにアタック!」
(;'A`) LP100→0
('A`)「最高に楽しいデュエルだったな」
从 ゚∀从「ああ、楽しかったぜ。最高の思い出をありがとよ」
('A`)「こちらこそありがとう。もしまた会えたら、次も……いや、なんでもない」
从 ゚∀从「もしまた会えたら、次も最高のデュエルをしようぜ!」
('A`)「あ、ああ、そうだな……」
从 ゚∀从「なんだよ、気のない返事だな? て、ドクオ! お前泣いてんのか」
('A`)「たぶん、もう会うことはないだろう。さよならだ……最初で最後の友よ!」
从;゚∀从「お、おい!」
物語を紡ぐ舞台
('A`)「久し振りだな、兄貴!」
('∀`)「やっと帰ってきたのか。今までなにをしていたんだい?」
('A`)「なにを? 決まっている! お前を殺すために爪を研いでいたのさ!」
('∀`)「そう怖い顔するなよ、俺達は二人きりの兄弟なんだ。昔のようにまた二人で物語を見ようじゃないか」
('A`)「もう俺達の世界は終わったんだ! 昔みたいにはいかないんだよっ! これ以上この世界の人に迷惑をかけるのはやめろ!」
('∀`)「終わったのなら作ればいいんだよ。幸いこの世界はまだ若い、今度こそ二人でずっと物語を見ていような」
('A`)「……俺、兄貴のこと大好きだったよ。兄貴が物語を見せてくれてたから、二人きりの世界でも寂しくなかった」
('∀`)「お前は物語が好きだったもんな。俺はお前を楽しませるために99の物語を作った。今度はもっとたくさんの物語を作ってやるからな」
('A`)「もう、いいんだよ。俺達も世界と一緒に終わるべきだったんだよ!」
('∀`)「そんなこというなよ。あっ、そうそう! お前がいない間にたくさんの物語を振りまいたんだぞ。この世界中が俺の作った物語で溢れている。見にいかないか?」
('A`)「物語に感染した人間は二十歳で死ぬ! それがわかっててやってるのかよっ!!」
('∀`)「この世界の人間なんてどうでもいいじゃないか。最終的に俺達二人がいればいいんだよ」
('A`)「……どうでもいいわけがない。俺がこの世界で出会った人は、全て素晴らしい人だった! 一途な恋をしていたり! うどんが大好きだったり! お菓子のクリームにこだわったり! 勉強で悩んでいたり! 俺と友達になってくれたりする! そんなやつらだった!」
('∀`)「ははは、変なことをいうやつだな。俺にはそれのどこが素晴らしいのかさっぱりだよ」
('A`)「やっぱり今の兄貴は間違っている! ここで俺と一緒に消えてもらう! 全てを記す絵本よ、全ての物語を語れぇぇぇ!!」
('∀`)「兄弟喧嘩もたまにはいいか。開幕のブザーが鳴る、客席の明かりが落ちる、緞帳が上がる、スポットライトが当たる……さあ、舞台の開幕だ! 全てを記す戯曲よ、全ての物語を歌い演じろ!!」
('A`)「いくぞ! これでっ! 第13ページ! その名は《導きだした答え》!」
('∀`)「小手調べか? 第28ページ! その名は《絶対王者の風格》!」
('A`)「怯む……ものかぁぁぁ!! 第32ページ! その名は《日常のわずかな幸福》!」
('∀`)「まだまだだな! 第45ページ! その名は《ひび割れゆく日々》!」
('A`)「負けられ、ないんだ……よぉぉぉ!! 第48ページ! その名は《見渡せる限りの世界》!」
('∀`)「どれどれ! 第61ページ! その名は《私を愛してくれる私》!」
('A`)「くっ、まだこれからだっ!! 第72ページ! その名は《既に定められていた運命》!」
('∀`)「甘いな! 第84ページ! その名は《運命の分岐路》!」
('A`)「こいつを使うしかないっ! この物語には何度も助けられたっ!! 第89ページ!! その名は《神に愛され過ぎた者》!」
('∀`)「90代まで使わせるとは、やるようになったな! もう手加減はしないぞ? 第94ページ!! その名は《時の渡り鳥》!」
('A`)「ここで押し切るっ! 出し惜しみはしないぃぃぃ!! 第96ページ!! その名は《幸せな偽りの一時》!」
('∀`)「……これで決着をつけようか。これ以上のページは存在しない! 弟よ、諦めろっ!! 第99ページ!! その名は《全てを知る者》!」
('A`)「ぐああああああぁぁぁぁぁぁ!! 99ページより後は存在しなくてもっ! 前は存在するんだよぉぉぉぉぉぉ!! ハイン、力を貸してくれぇぇぇぇぇ! 全てを記す絵本よぉぉぉぉぉぉ! 物語を語るぅぅぅぅ! それはっ! 絵本の表表紙!! その名は《出会えた奇跡》!!」
('∀`)「表表紙? 俺はそんな物語を作った記憶は……」
('A`)「発動条件は常時発動っ!! 能力はデッキの好きなカードをドローできるようになるっ!!」
全てを記す絵本「絵本の表表紙、出会えた奇跡。それはたった一人の弟のために想いをつづり、たった一冊の本を描いた兄の、たった一つの小さな奇跡の物語」
('A`)「これでとどめぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
('∀`)「…………いつまでも、俺が面倒見てやらなければいけないと思ってたんだがなあ。いつの間にか強くなったな、弟よ」
('A`)「さあ、一緒に家へ帰ろうよ。兄貴……」
学園都市
从 ゚∀从「ズゾゾゾゾ! 誰かさんのせいですっかり俺も蕎麦好きになっちまったぜ。学食の蕎麦は最高だ! でもよ、やっぱ一人で食う飯は味気ねえよ……」
从 ゚∀从「……あれ? さっきまで嫌になるくらいはっきりしていた俺の能力が、急に感じられない。能力が……消えた? 俺は能力者じゃなくなったのか!」
从 ;∀从「なんだ? 嬉しいはずなのに、能力が消えて嬉しいはずなのに。なんで俺は泣いてるんだよ!」
('A`)「ズゾゾゾゾ! よかったな、ハイン。これでお前も家に帰れるぞ」
从 ゚∀从「ドクオ!? ……いない。幻聴だったのか? いや、幻聴なんかじゃない。きっとドクオが俺の能力を消してくれたんだ! いつかまた会えるよな、ドクオ!」
最終話 完
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