最終話「想いを足して立ち上がれ」
最終更新：ID:uRk0P+wu7Q 2009年12月22日(火) 12:06:37履歴
あらすじ
ﾐｻｷとの闘いを越えて、ただがむしゃらに前へ進むｱｷﾗ。たどり着いた封印の地で、世界はどのような結末を迎えるのか。今、最後の物語が語られるようで？
封印の地
( ・□・)「……やっと来たッスか。待ってたッスよｱｷﾗ君」
ｱｷﾗ「貴方が今回の黒幕……」
( ・□・)「黒幕ッスか？ ああ、確かにそうと言えなくもないッスね。メンバーを集めたのも俺ッスし、封印獣を集める計画を練ったのも俺ッスからね」
ｱｷﾗ「じゃあ、里を襲ったのも！」
( ・□・)「もちろん、全部俺の指示ッスよ。特に里ではﾐｻｷさんとあの人が役に立ってくれたッス。まあ、最後は残念な結果になってしまったッスけど」
ｱｷﾗ「……っ。あの人というのは、あいつのことだね。あいつはどこにいるの？」
( ・□・)「どこにもいないッスよ、もうこの世界には。強いて言うなら、ここ」
ﾄﾝﾄﾝ
( ・□・)「魂が俺の中にあるッス。俺の力を増幅させる為に取り込ませてもらったッス」
ｱｷﾗ「……なんで、そんな酷いことができるの？」
( ・□・)「あの人は俺と目的が同じだったッスからね、本当ならこんなことしたくなかったッスよ？ それが何をどう思ったのか、ﾐｻｷさんの分まで自分がこの世界で生きるとか言い出すんスよ。だからやむを得なく……」
( ・□・)「信じられなければ、信じないで構わないッスよ。しかし事実は事実！ ﾐｻｷさんを蘇らせた反魂法。神の力でなければあんなことはできないッス」
ｱｷﾗ「……もし本当に神様だって言うのなら、なんでこの世界を！」
( ・□・)「神だからッスよ。自分が作った愛しい世界、俺にはこの世界の悲鳴が聞こえるんス！ 俺は神として、この世界を楽にさせてやるっスよ！」
ｱｷﾗ「じゃあ貴方が言う、この世界を汚す罪とはなんなの！」
( ・□・)「そんなもの挙げれば切りがないッス！ 同族を愉悦の為だけに殺し！ 大地を汚し！ 意味もなく他の生物を虐[ﾋﾟｰｰｰ]る！」
ｱｷﾗ「それは……」
( ・□・)「俺だって長い間待ったッスよ！ いつかはこの世界が良くなると信じて！ その結果はどうッスか！ 人間同士による戦争！ 自然の汚染！ 他の生物の乱獲！ 時が経てば経つ程、人間達は愚かなことを繰り返す！」
ｱｷﾗ「…………」
( ・□・)「今や一緒に世界を作った仲間達も朽ちて、俺も力を失い自力では世界を消すことすらできなくなったッス。もうこれ以上は待てないッスよ、審判の時は来たッス!!」
ｱｷﾗ「……確かに貴方の言う通り、時々人間は酷いことをするよ。自分とは異なる者を恐れ、拒絶し、傷つけたりもする」
( ・□・)「獣人のｱｷﾗ君になら少しは人間の醜さがわかるはずッス。獣人は人間に迫害されて、隠れ住むようになったッスからね」
ｱｷﾗ「それでも人間には！ 種族の違いを魅力だと言ってくれた、優しい人だっている！ 自分の心の闇と向き合ってなお前へ進める、強い人だっている！ 仲間の為なら危険を顧みず真っ先に闘える、勇気のある人だっている！」
( ・□・)「その程度のことが何だって言うッスか！ そんな小さなことを並び立てても、人間が行った大きな罪は消えないッスよ！」
ｱｷﾗ「人間全体で見たら大きなことじゃないのかもしれないけど！ 人の心を、人の想いを小さいだなんて言わせない！」
( ・□・)「それが小さいって言ってるッスよ！ 心や想いがあるのなら、もっと世界のことも考えろッス！ ……今、ｱｷﾗ君と話してわかったッスよ。人間だけじゃない！ この世界に生きる物、その全てが世界を終わりに向かわせている！ 例え俺が動かなくても、遠くないうちに世界は滅びる。だったら親である俺が世界を消滅させてやるッス！」
ｱｷﾗ「私達が世界を終わりに導くのかはわからない……だけど！ それはあくまでこの世界に生きる私達が決めること！ 突然しゃしゃり出て来た神様なんかに、決められてたまるもんか！」
( ・□・)「そこまで言うのならやってみろッス！ 神に抗うのがどれほど愚かなことか、思い知れッス！」
ｱｷﾗ(これが最後の闘い！)
ｱｷﾗ「いくよ！ バルバロス！ ガーゼット！ 私に力を貸して!!」
ｱｷﾗ「「デュエル!!」」(・□・ )
( ・□・)「俺のターンからッスね、ドロー！ 俺は『宝玉獣サファイア・ペガサス』を召喚するッス。更にサファイアペガサスが召喚されたことにより、デッキから『宝玉獣アンバー・マンモス』を永続魔法として魔法＆罠ゾーンに置くッス！ 一枚伏せてターンエンドッスよ！」
ｱｷﾗ「私のターン、ドロー！ 私は『ジェネティック・ワーウルフ』を召喚！ ワーウルフでサファイアペガサスにアタックするよ！」
(;・□・) LP８０００→７８００
( ・□・)「破壊されたサファイアペガサスは魔法＆罠ゾーンに配置されるッス！」
ｱｷﾗ「宝玉獣だね、私のターンはエンドだよ！」
( ・□・)「俺のターンドロー！ 魔法カード、レア・ヴァリューを発動するッス。ペガサスかマンモス、ｱｷﾗ君の好きな方を墓地に送るッス」
ｱｷﾗ「ここは、サファイアペガサスを」
( ・□・)「わかったッス。そしてレア・ヴァリューの効果で俺は二枚ドローするッス！ ここで『レスキューキャット』を召喚！」
ｱｷﾗ「レスキューキャット！ 厄介なモンスターだね……」
( ・□・)「もちろんレスキューキャットをリリースするッスよ！ デッキから『宝玉獣 アメジスト・キャット』と『コアラッコ』を召喚。更にコアラッコの効果でワーウルフの攻撃翌力は0になるッス！ アメジストキャットでワーウルフにアタック！」
ｱｷﾗ LP８０００→６８００
( ・□・)「しないよりはマシって程度ッスが、コアラッコもダイレクトアタック！」
ｱｷﾗ LP６８００→６７００
ｱｷﾗ「うくっ！ この程度、全然効かないよ！」
( ・□・)「その程度で効かれても困るッス、メインフェイズ２に移行するッスよ！ 所詮宝玉獣などレア・ヴァリューのドロー用。俺の本当の力はこれッス！ 永続罠、光のピラミッドを発動！ 光のピラミッドがあることによりライフを支払い、手札より『アンドロ・スフィンクス』を特殊召喚するッス！」
(;・□・) LP７８００→７３００
ｱｷﾗ「攻撃翌力3000のモンスターを特殊召喚!?」
( ・□・)「代わりに制約として、このモンスターは召喚したターンに攻撃することができないッス。俺のターンエンド！ エンド時にコアラッコとアメジストキャットは破壊されるッスが、アメジストキャットは魔法＆罠ゾーンに行くッス！」
ｱｷﾗ「私のターンドロー！ ここは耐える、モンスターを守備表示で召喚してターンエンドだよ！」
( ・□・)「防戦ッスか、俺のターンドロー！ おっ、ついてるッスね。魔法カード、レア・ヴァリューを発動するッス！ 好きな方を墓地に送ってくれて構わないッスよ」
ｱｷﾗ「……アンバーマンモスを」
( ・□・)「わかったッス。効果で二枚ドローするッスよ！ さて、アンドロ・スフィンクスで守備モンスターにアタック！」
ｱｷﾗ「モンスターは素早いモモンガだよ！」
( ・□・)「アンドロ・スフィンクスには破壊した守備表示モンスターの、攻撃翌力の半分をダメージとして与える効果があるッス！」
ｱｷﾗ LP６７００→６２００
ｱｷﾗ「これならモモンガの回復量が上だよ！」
ｱｷﾗ LP６２００→７２００
ｱｷﾗ「更に素早いモモンガを二体セットする！」
( ・□・)「では俺はライフを支払い『スフィンクス・テーレイア』を守備表示で特殊召喚するッス！」
(;・□・) LP７３００→６８００
ｱｷﾗ「今度は守備力3000、しかも攻撃翌力は2500あるモンスター……」
( ・□・)「当然こいつも召喚したターンに攻撃することはできないッス。ターンエンドッスよ！」
ｱｷﾗ「私のターンドロー！ 魔法カード、簡易融合を発動するよ！ ライフを支払い、星５以下の融合モンスターを融合扱いで特殊召喚する」
ｱｷﾗ LP７２００→６２００
ｱｷﾗ「召喚するのは『メカ・ザウルス』。そしてモモンガ二体とメカザウルスをリリースする！」
ｱｷﾗ(激しいけど温かく、そしてとても心地の良い鼓動。そっか、ﾐｻｷの魂が私に力をくれてるんだね)
ｱｷﾗ「これは私とﾐｻｷ、二人の力！ 『神獣王 バルバロス』アドバンス召喚!!」
バルバロス「俺にまかせろぉぉ!!」
ｱｷﾗ「バルバロスが三体リリースで召喚された時、相手フィールド上のカードを全て破壊する！」
( ・□・)「はははは！ 甘いッスよ！ アンドロ・スフィンクスとスフィンクス・テーレイアが同時に破壊された時、ライフを支払いデッキから特殊召喚できるモンスターがいるッス！」
(;・□・) LP６８００→６３００
( ・□・)「神に仕える獣の長は、神獣王なんかじゃない。さあ今こそ姿を見せるッスよ！ 『スフィンクス・アンドロジュネス』特殊召喚!!」
アンドロジュネス「グアァァァァ!!」
( ・□・)「アンドロジュネスは召喚された時ライフを支払うことで、エンドフェイズまで攻撃翌力を3000上げるッス！」
(;・□・) LP６３００→５８００
( ・□・)「墓地に獣戦士と機械が落ちてるッスからね。獣神機王で追い討ちをかけられる可能性を考えれば、ライフ５００は安いものッス！」
ｱｷﾗ「……くっ！」
( ・□・)「ははは！ ちなみにアンドロジュネスの語源は両性具有から来てるッスよ！」
ｱｷﾗ「……なぜ私を見ながらそんなことを！」
(;・□・)「なんか、言わないといけないような気がしただけッス」
ｱｷﾗ「そう、気を取り直して……くっ！ 攻撃翌力がバルバロスを越える以上何もできないね、私のターンはエンド！」
( ・□・)「俺のターンドロー！ いくッスよ！ アンドロジュネスで神獣王にアタックするッス！」
アンドロジュネス「ガアァァァァ!!」
ｱｷﾗ LP６２００→５７００
ｱｷﾗ「つうっ！ まだまだ！」
( ・□・)「間も無く世界は滅びるッス。二枚伏せて俺のターンエンド！」
ｱｷﾗ「そんなことはさせないよ、私のターンドロー！ 墓地のバルバロスとメカザウルスを除外する！ 神獣王の……真の力を解き放つ！ 『獣神機王 バルバロスＵｒ』特殊召喚!!」
バルバロスＵｒ「鼓動が俺を呼び覚ます!!」
( ・□・)「出たッスね、獣神機王！」
ｱｷﾗ「一緒に駆け抜けようＵｒ！ Ｕｒでアンドロジュネスにアタック!!」
( ・□・)「そんなこと御見通しなんスよ！ 罠カード、次元幽閉を発動！ 獣神機王は除外されるッス！」
ｱｷﾗ「まだ、可能性が消えないうちは耐えて見せるよ。メインフェイズ２に移行、モンスターを守備表示で召喚してターンエンド！」
( ・□・)「神を前にして可能性なんて言葉は存在しないんスよ、俺のターンドロー！ アンドロジュネスで守備モンスターにアタックでするッス！」
アンドロジュネス「グガオォォォォ!!」
ｱｷﾗ「……守備モンスターはバルバロス」
( ・□・)「ははは！ 神獣王の大安売りッスね！ メインフェイズ２へ移行するッス。永続罠カード、光のピラミッドを発動！ そしてライフを支払い、アンドロ・スフィンクスを特殊召喚するッス」
(;・□・) LP５８００→５３００
ｱｷﾗ「また光のピラミッド！」
( ・□・)「可能性なんてないってわかったッスか？ 一枚伏せてターンエンド！」
ｱｷﾗ「今まで楽な闘いなんてなかった、でも私は自分にできることをしてここまで来たんだ！ 私のターンドロー！ ……私の勝ちだよ！ 伏せていた罠カード、異次元からの帰還を発動！ ライフを半分支払い、除外されていたＵｒ二体、バルバロス二体、ガンナードラゴンを特殊召喚する!!」
ｱｷﾗ LP７００→３５０
ｱｷﾗ「更にバルバロスをリリースする！ 今までありがとう……いこう、ガーゼット。『偉大魔獣ガーゼット』アドバンス召喚!!」
偉大魔獣「我に触れれば消え去るのみ!!」
ｱｷﾗ「ガーゼットの攻撃翌力は6000!! Ｕｒ、力を見せて。Ｕｒでアンドロジュネスにアタック！」
( ・□・)「……こんな」
ｱｷﾗ「ＵｒでＴＨＥ ＷＯＲＬＤにアタック！」
( ・□・)「……馬鹿な」
ｱｷﾗ「バルバロス、貴方のおかげで私は戦えた。バルバロスでダイレクトアタック！」
(;・□・) LP３８００→８００
ｱｷﾗ「ガーゼット、今まで長かったよ……これで終わりだね。ガーゼットでダイレクトアタック！」
(;・□・) LP８００→０
( ・□・)「俺の負け……ッスか」
ｱｷﾗ「私の勝ちだよ！ 私達の未来は、私達が決める！」
( ・□・)「……はは……はははは！ あーっはははははは!!」
ｱｷﾗ「な、何がおかしいの？」
( ・□・)「あー、おかしいッス！ そりゃおかしいッスよ！ デュエルに勝ったぐらいで、全てが終わった気でいるんスから！」
ｱｷﾗ「ど、どういうこと！」
( ・□・)「どういうことも何もそのままの意味ッス！ 全てが終わったどころか、今から始まる！ さあ！ 幾千の時を越えて目覚めろ！ 原初の獣!!」
ゴゴゴゴゴ!!
ｱｷﾗ「何で!? 封印獣は私も所持しているはずなのに！」
( ・□・)「封印獣はこの場にあれば良いッスよ。誰が所持しているかなんて関係ないッス！」
ｱｷﾗ「そ、そんな!!」
('A`)「そうだろ？ ｱｷﾗ、よく頑張ったな！ ここからは俺も一緒だ！」
ｱｷﾗ「ﾄﾞｸｵ君!!」
( ・□・)「人間が一人増えたところで結果は同じッス！」
ｱｷﾗ「私は一人じゃなかった。それだけでまだ頑張れる！ はああぁぁぁ!!」
原初の獣「認められぬ」
('A`)「くっ……確かにこれはキツいな！」
ｱｷﾗ「でもまだ諦めるわけには！」
二人で駄目なら三人、でしょ？
ｱｷﾗ「その声は！」
原初の獣「…………認められぬ」
ｱｷﾗ「……そんな……皆の力を合わせても……ダメ、なの？」
('A`)「……おいおい、嘘だろ？」
ξﾟ��ﾟ)ξ「……私達の世界が」
( ´ω｀)「……終わる？」
パアァァァ！
何をしょぼくれてますの？ 最後まで闘って、それでも倒れる時は、前に倒れなさい！
ｱｷﾗ「えっ？ まさか……」
俺達二人の魂もｱｷﾗの中にいるんだぜ？ もっとしゃんとしろよ！
ｱｷﾗ「ﾂﾊﾞｻ!! ﾐｻｷ!!」
私達も、魂の力を全て振り絞って闘います
これが本当のお別れだ、ビシッと決めろよ？
ｱｷﾗ「うわぁぁぁぁ!! 皆の想い足して、もう一度立ち上がれガーゼットぉぉぉぉ!!」
偉大魔獣…………!?
パアァァァ!!
合成魔獣ガーゼット「うおおおぉぉぉぉぉぉ!!」
……次の年の春
カードショップ
(´･ω･｀)「……そろそろ開店時間だね」
(´･ω･｀)「うん、今日も良い天気だ。こんな日は素晴らしい出会いがありそうだよ」
とある遺跡
('∀`)「おっと、その程度のトラップに私が引っ掛かると思いですか？」
ガタン
('∀`)「……あいたた、避けた先に落とし穴とは。……ん、これは？ ふふ、面白い物を見つけました。ﾄﾞｸｵ君への御土産にしましょう」
デュエル世界大会会場
実況「永き時間を越えてここに蘇った！ あの少年は大人となり、再びここへ帰って来た！ 優勝者はギコ！ 最年少記録を打ち立てた、あのギコだぁぁぁ!!」
(,,ﾟДﾟ)「楽しいのも、つまらないのも自分次第。世界がつまらなかったんじゃなくて、俺がつまらない人間になっただけだったんだ。俺が変われば世界は変わる！」
この世界のどこか
( ・□・)「人の想いが神を越える、か。人間が、獣人が……人が。この先どうなるのか、最後まで見届けさせてもらうッスよ」
神獣王の里、ｱｷﾗの家
ﾐｻｷ「クー！ 飯が冷める前にクソ親父を叩き起こして来てくれ！」
川 ﾟ -ﾟ)「ああ！ せっかくのご飯が冷めてしまっては、たまらないからな！ 親父殿をぶっ叩いて来る！」
ﾐｻｷ「いや、叩くのがメインじゃないだろ!? って、母様は料理作らなくて良いからぁぁ!!」
神獣王の里、近隣の森
ﾂﾊﾞｻ「この時期なら寒桜ではなく、普通の桜が咲いてますわね」
ﾂﾊﾞｻ「……ｱｷﾗ。家柄にも、封印獣にも、そして……婚約者の私にも。何にもとらわれず、思ったように生きなさい。きっとこの里は、あなたには小さ過ぎるから」
学校
('A`)「おいブーン、聞いたか？ 今日ウチのクラスに転校生が来るらしいぜ」
( ＾ω＾)「三年で転校生なんて珍しいお。それで女の子なのかお、男なのかお？」
('A`)「いや、チラッと噂で聞いただけだから詳しくは知らね」
( ＾ω＾)「可愛い女の子か、デュエルの強い男だといいお」
('A`)「可愛い女の子だと嬉しいのは同意だが、そういうことはツンの前で言わないように気をつけろよ」
ξ#ﾟ��ﾟ)ξ「……聞こえてるわよ？」
('A`)「……しまった、今年はツンも同じクラスだったな」
(；＾ω＾)「い、今の会話のどこにツンが怒る部分があったお？ ツンには関係ないとしか」
(;'A`)(うおっ！ ……くわばらくわばら)
ξ#ﾟ��ﾟ)ξ「…………アンタねぇ!!」
ガラッ
( ´∀｀)「はい、皆さん席に着いて下さいモナ」
ξﾟ��ﾟ)ξ「……チッ！」
(；´∀｀)「えっ？ 先生、舌打ちされるようなことしたモナ？」
('A`)「先生、ツンは色々アレなんで気にせず続けて下さい」
( ´∀｀)「ああ、はい……それでは皆さん、おはようございます。すでに知ってる人もいるかも知れませんが、今日からこのクラスに新しい仲間が増えますモナ」
('A`)(……そういえばこんなこと、前にもあったような)
( ´∀｀)「皆さん、仲良くしてあげて下さいモナ。それでは君島さん、入って来て下さい」
('A`)(君島？ 前にどこかで聞いたような)
ガラッ
ｱｷﾗ「はい！ 今日からお世話になります、君島ｱｷﾗです。皆さん、よろしくお願いしますね！」
('A`)「そういえば君島って！ あぁぁ!!」
ｱｷﾗ「もう、私のこと忘れちゃったの？ また、よろしくね！」
最終話 完
ﾐｻｷとの闘いを越えて、ただがむしゃらに前へ進むｱｷﾗ。たどり着いた封印の地で、世界はどのような結末を迎えるのか。今、最後の物語が語られるようで？
偉大なる獣と神獣の王のようです
最終話「想いを足して立ち上がれ」
封印の地
( ・□・)「……やっと来たッスか。待ってたッスよｱｷﾗ君」
ｱｷﾗ「貴方が今回の黒幕……」
( ・□・)「黒幕ッスか？ ああ、確かにそうと言えなくもないッスね。メンバーを集めたのも俺ッスし、封印獣を集める計画を練ったのも俺ッスからね」
ｱｷﾗ「じゃあ、里を襲ったのも！」
( ・□・)「もちろん、全部俺の指示ッスよ。特に里ではﾐｻｷさんとあの人が役に立ってくれたッス。まあ、最後は残念な結果になってしまったッスけど」
ｱｷﾗ「……っ。あの人というのは、あいつのことだね。あいつはどこにいるの？」
( ・□・)「どこにもいないッスよ、もうこの世界には。強いて言うなら、ここ」
ﾄﾝﾄﾝ
( ・□・)「魂が俺の中にあるッス。俺の力を増幅させる為に取り込ませてもらったッス」
ｱｷﾗ「……なんで、そんな酷いことができるの？」
( ・□・)「あの人は俺と目的が同じだったッスからね、本当ならこんなことしたくなかったッスよ？ それが何をどう思ったのか、ﾐｻｷさんの分まで自分がこの世界で生きるとか言い出すんスよ。だからやむを得なく……」
ｱｷﾗ「なんで自分の目的の為に他人を平気で犠牲にできるの！ 里の人達も！ お父様も！ ﾂﾊﾞｻも！ ﾐｻｷも！ 最後にはあいつだって！ 皆、生きたいと願っていたのに!!」
( ・□・)「この世界の消滅が俺の望みッスよ？ 過程で何人消えようが最後は同じッス。ただ早く消えた人は運がなかったッスね」
ｱｷﾗ「運が……なかった……から、皆は死んだっていうの？」
( ・□・)「そうッス。別にその人達が特別悪いことをしたってわけじゃないッスよ、ただ運がなかっただけのことッス。世界の消滅は、この世界に生きる者全ての連帯責任ッスからね」
ｱｷﾗ「連帯責任？」
( ・□・)「全て罪のは人間にあるッスが、人間だけを消滅させてももう駄目ッス。人間を消滅させれば、新しく人間に代わる生物が生まれる……だからもう、罪に汚れたこの世界は消滅するしかないッス！」
ｱｷﾗ「高慢だね、まるで神様のようなことを言って」
( ・□・)「……そうッスよ、俺は神ッス。この世界の創世に関わった神の一柱ッス」
ｱｷﾗ「…………神様？ 笑えない冗談だね」
( ・□・)「信じられなければ、信じないで構わないッスよ。しかし事実は事実！ ﾐｻｷさんを蘇らせた反魂法。神の力でなければあんなことはできないッス」
ｱｷﾗ「……もし本当に神様だって言うのなら、なんでこの世界を！」
( ・□・)「神だからッスよ。自分が作った愛しい世界、俺にはこの世界の悲鳴が聞こえるんス！ 俺は神として、この世界を楽にさせてやるっスよ！」
ｱｷﾗ「じゃあ貴方が言う、この世界を汚す罪とはなんなの！」
( ・□・)「そんなもの挙げれば切りがないッス！ 同族を愉悦の為だけに殺し！ 大地を汚し！ 意味もなく他の生物を虐[ﾋﾟｰｰｰ]る！」
ｱｷﾗ「それは……」
( ・□・)「俺だって長い間待ったッスよ！ いつかはこの世界が良くなると信じて！ その結果はどうッスか！ 人間同士による戦争！ 自然の汚染！ 他の生物の乱獲！ 時が経てば経つ程、人間達は愚かなことを繰り返す！」
ｱｷﾗ「…………」
( ・□・)「今や一緒に世界を作った仲間達も朽ちて、俺も力を失い自力では世界を消すことすらできなくなったッス。もうこれ以上は待てないッスよ、審判の時は来たッス!!」
ｱｷﾗ「……確かに貴方の言う通り、時々人間は酷いことをするよ。自分とは異なる者を恐れ、拒絶し、傷つけたりもする」
( ・□・)「獣人のｱｷﾗ君になら少しは人間の醜さがわかるはずッス。獣人は人間に迫害されて、隠れ住むようになったッスからね」
ｱｷﾗ「それでも人間には！ 種族の違いを魅力だと言ってくれた、優しい人だっている！ 自分の心の闇と向き合ってなお前へ進める、強い人だっている！ 仲間の為なら危険を顧みず真っ先に闘える、勇気のある人だっている！」
( ・□・)「その程度のことが何だって言うッスか！ そんな小さなことを並び立てても、人間が行った大きな罪は消えないッスよ！」
ｱｷﾗ「人間全体で見たら大きなことじゃないのかもしれないけど！ 人の心を、人の想いを小さいだなんて言わせない！」
( ・□・)「それが小さいって言ってるッスよ！ 心や想いがあるのなら、もっと世界のことも考えろッス！ ……今、ｱｷﾗ君と話してわかったッスよ。人間だけじゃない！ この世界に生きる物、その全てが世界を終わりに向かわせている！ 例え俺が動かなくても、遠くないうちに世界は滅びる。だったら親である俺が世界を消滅させてやるッス！」
ｱｷﾗ「私達が世界を終わりに導くのかはわからない……だけど！ それはあくまでこの世界に生きる私達が決めること！ 突然しゃしゃり出て来た神様なんかに、決められてたまるもんか！」
( ・□・)「そこまで言うのならやってみろッス！ 神に抗うのがどれほど愚かなことか、思い知れッス！」
ｱｷﾗ(これが最後の闘い！)
ｱｷﾗ「いくよ！ バルバロス！ ガーゼット！ 私に力を貸して!!」
ｱｷﾗ「「デュエル!!」」(・□・ )
( ・□・)「俺のターンからッスね、ドロー！ 俺は『宝玉獣サファイア・ペガサス』を召喚するッス。更にサファイアペガサスが召喚されたことにより、デッキから『宝玉獣アンバー・マンモス』を永続魔法として魔法＆罠ゾーンに置くッス！ 一枚伏せてターンエンドッスよ！」
ｱｷﾗ「私のターン、ドロー！ 私は『ジェネティック・ワーウルフ』を召喚！ ワーウルフでサファイアペガサスにアタックするよ！」
(;・□・) LP８０００→７８００
( ・□・)「破壊されたサファイアペガサスは魔法＆罠ゾーンに配置されるッス！」
ｱｷﾗ「宝玉獣だね、私のターンはエンドだよ！」
( ・□・)「俺のターンドロー！ 魔法カード、レア・ヴァリューを発動するッス。ペガサスかマンモス、ｱｷﾗ君の好きな方を墓地に送るッス」
ｱｷﾗ「ここは、サファイアペガサスを」
( ・□・)「わかったッス。そしてレア・ヴァリューの効果で俺は二枚ドローするッス！ ここで『レスキューキャット』を召喚！」
ｱｷﾗ「レスキューキャット！ 厄介なモンスターだね……」
( ・□・)「もちろんレスキューキャットをリリースするッスよ！ デッキから『宝玉獣 アメジスト・キャット』と『コアラッコ』を召喚。更にコアラッコの効果でワーウルフの攻撃翌力は0になるッス！ アメジストキャットでワーウルフにアタック！」
ｱｷﾗ LP８０００→６８００
( ・□・)「しないよりはマシって程度ッスが、コアラッコもダイレクトアタック！」
ｱｷﾗ LP６８００→６７００
ｱｷﾗ「うくっ！ この程度、全然効かないよ！」
( ・□・)「その程度で効かれても困るッス、メインフェイズ２に移行するッスよ！ 所詮宝玉獣などレア・ヴァリューのドロー用。俺の本当の力はこれッス！ 永続罠、光のピラミッドを発動！ 光のピラミッドがあることによりライフを支払い、手札より『アンドロ・スフィンクス』を特殊召喚するッス！」
(;・□・) LP７８００→７３００
ｱｷﾗ「攻撃翌力3000のモンスターを特殊召喚!?」
( ・□・)「代わりに制約として、このモンスターは召喚したターンに攻撃することができないッス。俺のターンエンド！ エンド時にコアラッコとアメジストキャットは破壊されるッスが、アメジストキャットは魔法＆罠ゾーンに行くッス！」
ｱｷﾗ「私のターンドロー！ ここは耐える、モンスターを守備表示で召喚してターンエンドだよ！」
( ・□・)「防戦ッスか、俺のターンドロー！ おっ、ついてるッスね。魔法カード、レア・ヴァリューを発動するッス！ 好きな方を墓地に送ってくれて構わないッスよ」
ｱｷﾗ「……アンバーマンモスを」
( ・□・)「わかったッス。効果で二枚ドローするッスよ！ さて、アンドロ・スフィンクスで守備モンスターにアタック！」
ｱｷﾗ「モンスターは素早いモモンガだよ！」
( ・□・)「アンドロ・スフィンクスには破壊した守備表示モンスターの、攻撃翌力の半分をダメージとして与える効果があるッス！」
ｱｷﾗ LP６７００→６２００
ｱｷﾗ「これならモモンガの回復量が上だよ！」
ｱｷﾗ LP６２００→７２００
ｱｷﾗ「更に素早いモモンガを二体セットする！」
( ・□・)「では俺はライフを支払い『スフィンクス・テーレイア』を守備表示で特殊召喚するッス！」
(;・□・) LP７３００→６８００
ｱｷﾗ「今度は守備力3000、しかも攻撃翌力は2500あるモンスター……」
( ・□・)「当然こいつも召喚したターンに攻撃することはできないッス。ターンエンドッスよ！」
ｱｷﾗ「私のターンドロー！ 魔法カード、簡易融合を発動するよ！ ライフを支払い、星５以下の融合モンスターを融合扱いで特殊召喚する」
ｱｷﾗ LP７２００→６２００
ｱｷﾗ「召喚するのは『メカ・ザウルス』。そしてモモンガ二体とメカザウルスをリリースする！」
ｱｷﾗ(激しいけど温かく、そしてとても心地の良い鼓動。そっか、ﾐｻｷの魂が私に力をくれてるんだね)
ｱｷﾗ「これは私とﾐｻｷ、二人の力！ 『神獣王 バルバロス』アドバンス召喚!!」
バルバロス「俺にまかせろぉぉ!!」
ｱｷﾗ「バルバロスが三体リリースで召喚された時、相手フィールド上のカードを全て破壊する！」
( ・□・)「はははは！ 甘いッスよ！ アンドロ・スフィンクスとスフィンクス・テーレイアが同時に破壊された時、ライフを支払いデッキから特殊召喚できるモンスターがいるッス！」
(;・□・) LP６８００→６３００
( ・□・)「神に仕える獣の長は、神獣王なんかじゃない。さあ今こそ姿を見せるッスよ！ 『スフィンクス・アンドロジュネス』特殊召喚!!」
アンドロジュネス「グアァァァァ!!」
( ・□・)「アンドロジュネスは召喚された時ライフを支払うことで、エンドフェイズまで攻撃翌力を3000上げるッス！」
(;・□・) LP６３００→５８００
( ・□・)「墓地に獣戦士と機械が落ちてるッスからね。獣神機王で追い討ちをかけられる可能性を考えれば、ライフ５００は安いものッス！」
ｱｷﾗ「……くっ！」
( ・□・)「ははは！ ちなみにアンドロジュネスの語源は両性具有から来てるッスよ！」
ｱｷﾗ「……なぜ私を見ながらそんなことを！」
(;・□・)「なんか、言わないといけないような気がしただけッス」
ｱｷﾗ「そう、気を取り直して……くっ！ 攻撃翌力がバルバロスを越える以上何もできないね、私のターンはエンド！」
( ・□・)「俺のターンドロー！ いくッスよ！ アンドロジュネスで神獣王にアタックするッス！」
アンドロジュネス「ガアァァァァ!!」
ｱｷﾗ LP６２００→５７００
ｱｷﾗ「つうっ！ まだまだ！」
( ・□・)「間も無く世界は滅びるッス。二枚伏せて俺のターンエンド！」
ｱｷﾗ「そんなことはさせないよ、私のターンドロー！ 墓地のバルバロスとメカザウルスを除外する！ 神獣王の……真の力を解き放つ！ 『獣神機王 バルバロスＵｒ』特殊召喚!!」
バルバロスＵｒ「鼓動が俺を呼び覚ます!!」
( ・□・)「出たッスね、獣神機王！」
ｱｷﾗ「一緒に駆け抜けようＵｒ！ Ｕｒでアンドロジュネスにアタック!!」
( ・□・)「そんなこと御見通しなんスよ！ 罠カード、次元幽閉を発動！ 獣神機王は除外されるッス！」
ｱｷﾗ「まだ、可能性が消えないうちは耐えて見せるよ。メインフェイズ２に移行、モンスターを守備表示で召喚してターンエンド！」
( ・□・)「神を前にして可能性なんて言葉は存在しないんスよ、俺のターンドロー！ アンドロジュネスで守備モンスターにアタックでするッス！」
アンドロジュネス「グガオォォォォ!!」
ｱｷﾗ「……守備モンスターはバルバロス」
( ・□・)「ははは！ 神獣王の大安売りッスね！ メインフェイズ２へ移行するッス。永続罠カード、光のピラミッドを発動！ そしてライフを支払い、アンドロ・スフィンクスを特殊召喚するッス」
(;・□・) LP５８００→５３００
ｱｷﾗ「また光のピラミッド！」
( ・□・)「可能性なんてないってわかったッスか？ 一枚伏せてターンエンド！」
ｱｷﾗ「それでも負けられない、私のターンドロー！ 魔法カード、手札抹殺を発動するよ！ 私は手札から『可変機獣 ガンナードラゴン』、『イグザリオン・ユニバース』、トレード・インを捨てて三枚ドロー！」
( ・□・)「俺は『不幸を告げる黒猫』、光神化、サイクロンを捨てて三枚ドローッス！」
ｱｷﾗ「更に魔法カード、貪欲な壺を発動！ 墓地のワーウルフ、モモンガ三体、イグザリオンをデッキに戻して二枚ドロー……繋がった、勝利への道！ 墓地のバルバロスとガンナードラゴンを除外する！ 私とﾂﾊﾞｻの絆が、世界を守る力になる！ 獣神機王バルバロスＵｒ特殊召喚!!」
バルバロスＵｒ「世界を守る、俺達が守る!!」
( ・□・)「何度やったって勝利への道なんてできないッスよ！ 罠カード、奈落の落とし穴発動！ 獣神機王を破壊して除外するッス！」
ｱｷﾗ「私はまだ負けてない！ 守備表示でモンスターを召喚して、二枚伏せてターンエンド！」
( ・□・)「俺のターンドロー！ 気に食わない表情ッスね、まだ勝てる気でいるッスか」
( ・□・)(雰囲気から察するに、伏せは除去カードではないみたいッスが……)
( ・□・)「だったら力ずくでねじ伏せるッス！ 手札抹殺で回りがよくなったのはそっちだけじゃないッスよ！ 俺はスフィンクス・テーレイア二体とアンドロ・スフィンクスを特殊召喚するッス！」
(;・□・) LP５３００→３８００
ｱｷﾗ「そんな、最上級モンスターがフィールドに五体も!?」
( ・□・)「面白いのはここからッスよ、スフィンクス・テーレイアを二体リリース！ さあ審判の時は来た！ 世界よ、自身の力で己の在り方を決めろ！ 『アルカナフォースＸＸＩ−ＴＨＥ ＷＯＲＬＤ』アドバンス召喚!!」
ＴＨＥ ＷＯＲＬＤ「我、ガイアと共にあり」
ｱｷﾗ「ざ、ＴＨＥ ＷＯＲＬＤ……凄い力を感じる！」
( ・□・)「ＴＨＥ ＷＯＲＬＤは召喚された時コイントスを行う。判決は……当然表ッス！ アンドロ・スフィンクスで守備モンスターにアタック！」 ｱｷﾗ「モンスターは『ダンディライオン』！ ダンディライオンが墓地に送られた瞬間、綿毛トークン二体を守備表示で特殊召喚するよ！」
( ・□・)「アンドロ・スフィンクスが守備表示のモンスターを破壊したことにより、微々たるものだけどダメージが発生するッス！」
ｱｷﾗ LP５７００→５５５０
ｱｷﾗ「ダメージのうちにも入らないよ！」
( ・□・)「ＴＨＥ ＷＯＲＬＤとアンドロジュネスでアタックして綿毛トークン二体を破壊するッス。そしてターンエンド……」
ｱｷﾗ「私のターン！」
( ・□・)「ははは、待つッス！ ターンエンドの前にＴＨＥ ＷＯＲＬＤの効果が発動されるッス！ 表の効果を得たＴＨＥ ＷＯＲＬＤは、自フィールド上のモンスター二体を墓地へ送り……相手のターンをスキップする!!」
ｱｷﾗ「なっ!? そんな……」
( ・□・)「アンドロ・スフィンクス二体を墓地へ送り効果を発動するッスよ!!」
( ・□・)「もう一度俺のターン、ドロー！ さあ！ ＴＨＥ ＷＯＲＬＤでダイレクトアタック!!」
ｱｷﾗ LP５５５０→２４５０
ｱｷﾗ「うぐぅぅ!! まだ、勝負はついてない！」
( ・□・)「……これで終わりッス。大丈夫、皆一緒に消えるから寂しくないッスよ。アンドロジュネスでダイレクトアタック!!」
ｱｷﾗ「そう簡単にぃぃ!! 速攻魔法、収縮発動！ アンドロジュネスの攻撃翌力を半分にする！」
ｱｷﾗ LP２４５０→７００
ｱｷﾗ「がはっ!! ……はあ、はあ、まだ、終わって、ない、でしょ？」
( ・□・)「いい加減しつこいッスね。さて……」
( ・□・)(手札は地砕き一枚。ターンをスキップして下級モンスターを引ければほぼ勝ちは決まっている。しかし最上級二体をリリースしてろくなカードが引けず、フィールドをガラ空きにして相手に渡すのはどう考えても愚か……)
ｱｷﾗ「……今できることをやらない者に未来なんてない」
( ・□・)「……いきなり何を言うッスか」
ｱｷﾗ「私は里を出て以来、自分のできることを全力でやって来た。あの時ああしていればなんて、後から悔やむのはもうしたくなかったから」
( ・□・)「挑発してるッスか？ だがそんなものには乗らないッス、俺のターンエンドッスよ！」
ｱｷﾗ「今まで楽な闘いなんてなかった、でも私は自分にできることをしてここまで来たんだ！ 私のターンドロー！ ……私の勝ちだよ！ 伏せていた罠カード、異次元からの帰還を発動！ ライフを半分支払い、除外されていたＵｒ二体、バルバロス二体、ガンナードラゴンを特殊召喚する!!」
ｱｷﾗ LP７００→３５０
ｱｷﾗ「更にバルバロスをリリースする！ 今までありがとう……いこう、ガーゼット。『偉大魔獣ガーゼット』アドバンス召喚!!」
偉大魔獣「我に触れれば消え去るのみ!!」
ｱｷﾗ「ガーゼットの攻撃翌力は6000!! Ｕｒ、力を見せて。Ｕｒでアンドロジュネスにアタック！」
( ・□・)「……こんな」
ｱｷﾗ「ＵｒでＴＨＥ ＷＯＲＬＤにアタック！」
( ・□・)「……馬鹿な」
ｱｷﾗ「バルバロス、貴方のおかげで私は戦えた。バルバロスでダイレクトアタック！」
(;・□・) LP３８００→８００
ｱｷﾗ「ガーゼット、今まで長かったよ……これで終わりだね。ガーゼットでダイレクトアタック！」
(;・□・) LP８００→０
( ・□・)「俺の負け……ッスか」
ｱｷﾗ「私の勝ちだよ！ 私達の未来は、私達が決める！」
( ・□・)「……はは……はははは！ あーっはははははは!!」
ｱｷﾗ「な、何がおかしいの？」
( ・□・)「あー、おかしいッス！ そりゃおかしいッスよ！ デュエルに勝ったぐらいで、全てが終わった気でいるんスから！」
ｱｷﾗ「ど、どういうこと！」
( ・□・)「どういうことも何もそのままの意味ッス！ 全てが終わったどころか、今から始まる！ さあ！ 幾千の時を越えて目覚めろ！ 原初の獣!!」
ゴゴゴゴゴ!!
ｱｷﾗ「何で!? 封印獣は私も所持しているはずなのに！」
( ・□・)「封印獣はこの場にあれば良いッスよ。誰が所持しているかなんて関係ないッス！」
ｱｷﾗ「そ、そんな!!」
( ・□・)「これで原初の獣の封印は完全に解かれたッス！」
原初の獣「我を目覚めさせた者よ。願いを言え」
( ・□・)「原初の獣よ！ 俺の願いはこの世界の消滅ッス！」
原初の獣「わかった。では汝の力を我に示せ」
( ・□・)「良いッスよ。その為に力を温存して来たッスからね！ 俺の全力を受けるッス！ はああぁぁぁぁ!!」
ｱｷﾗ「……凄い……これが神の力…………」
原初の獣「……汝の力、確かに示された。願いをかなえよう」
ｱｷﾗ「待って！ 原初の獣よ！ その願いは取り消して！」
( ・□・)「……くっ……はあ、はあ、無駄ッスよ！ 願いを取り消す方法は一つ。より強い力を原初の獣に示し、願いを上書きすること。そして俺より強い力を持つ者など存在しないッス」
ｱｷﾗ「……それでも、方法がないわけじゃないんだね？」
( ・□・)「ないって言ってるんスよ。もう原初の獣は止まらないッス」
ｱｷﾗ「やってみなきゃわからないよ！ 原初の獣よ！ 私の力を示してあげる！ はああぁぁぁ!!」
原初の獣「その程度では認められぬ」
ｱｷﾗ「神獣の王よ！ 私に力を貸して！」
神獣王バルバロス「俺の力、見せてやるぜぇぇ!!」
ｱｷﾗ「偉大なる獣よ！ 私の想いを二倍にして！」
偉大魔獣ガーゼット「我が巫女の想いに応えよう!!」
ｱｷﾗ「はああぁぁぁ!! これが私の全力!! これでどう!?」
原初の獣「……その程度では認められぬ」
ｱｷﾗ「……そ、そんな……私、こんなにも頑張ったのに！ 父様の、幼馴染みの、妹の、仲間達の、皆の想いを背負ってここまで来たのにぃぃ!! なんで、私の想いを二倍にしてもとどかないの!!」
一人の想いを二倍にしてとどかないなら、二人の想いを足せばいいさ
ｱｷﾗ「…………え？」
('A`)「そうだろ？ ｱｷﾗ、よく頑張ったな！ ここからは俺も一緒だ！」
ｱｷﾗ「ﾄﾞｸｵ君!!」
( ・□・)「人間が一人増えたところで結果は同じッス！」
ｱｷﾗ「私は一人じゃなかった。それだけでまだ頑張れる！ はああぁぁぁ!!」
原初の獣「認められぬ」
('A`)「くっ……確かにこれはキツいな！」
ｱｷﾗ「でもまだ諦めるわけには！」
二人で駄目なら三人、でしょ？
ｱｷﾗ「その声は！」
ξﾟ��ﾟ)ξ「待たせたわね！ それとも御邪魔だったかしら？」
ｱｷﾗ「ツン！」
ξﾟ��ﾟ)ξ「遅れた分、取り戻させてもらうわ！ はああぁぁぁ!!」
( ・□・)「……この力はまさか？ だがまだまだ俺には遠く及ばないッス！」
原初の獣「認められぬ」
ξﾟ��ﾟ)ξ「……はあ、はあ、随分堅物なやつね！ 認めてくれても良いじゃない！」
('A`)「まだまだだ！」
ｱｷﾗ「私達の世界を終わらせたりしない！」
本物のＨＥＲＯは一番の見せ場で現れる、なんてお
ｱｷﾗ「来るのが遅いよぉ！」
( ＾ω＾)「皆、待たせたお！」
ｱｷﾗ「ブーン！」
( ＾ω＾)「通路が長い長い、体力不足を痛感したお。さて、疲れた身体に鞭打って頑張るとするかお！」
( ・□・)「また人間が一人増えただけッス！ そんなものじゃ俺の力は越えられないッスよ！」
ｱｷﾗ「一人増えたんじゃないよ、仲間が揃ったんだ！ これが私と仲間の全力！ いっくよぉぉぉぉぉ!!」
原初の獣「…………」
ｱｷﾗ「これでぇぇ！ どおぉぉぉ!!」
原初の獣「…………認められぬ」
ｱｷﾗ「……そんな……皆の力を合わせても……ダメ、なの？」
('A`)「……おいおい、嘘だろ？」
ξﾟ��ﾟ)ξ「……私達の世界が」
( ´ω｀)「……終わる？」
パアァァァ！
何をしょぼくれてますの？ 最後まで闘って、それでも倒れる時は、前に倒れなさい！
ｱｷﾗ「えっ？ まさか……」
俺達二人の魂もｱｷﾗの中にいるんだぜ？ もっとしゃんとしろよ！
ｱｷﾗ「ﾂﾊﾞｻ!! ﾐｻｷ!!」
私達も、魂の力を全て振り絞って闘います
これが本当のお別れだ、ビシッと決めろよ？
ｱｷﾗ「うわぁぁぁぁ!! 皆の想い足して、もう一度立ち上がれガーゼットぉぉぉぉ!!」
偉大魔獣…………!?
パアァァァ!!
合成魔獣ガーゼット「うおおおぉぉぉぉぉぉ!!」
……次の年の春
カードショップ
(´･ω･｀)「……そろそろ開店時間だね」
(´･ω･｀)「うん、今日も良い天気だ。こんな日は素晴らしい出会いがありそうだよ」
とある遺跡
('∀`)「おっと、その程度のトラップに私が引っ掛かると思いですか？」
ガタン
('∀`)「……あいたた、避けた先に落とし穴とは。……ん、これは？ ふふ、面白い物を見つけました。ﾄﾞｸｵ君への御土産にしましょう」
デュエル世界大会会場
実況「永き時間を越えてここに蘇った！ あの少年は大人となり、再びここへ帰って来た！ 優勝者はギコ！ 最年少記録を打ち立てた、あのギコだぁぁぁ!!」
(,,ﾟДﾟ)「楽しいのも、つまらないのも自分次第。世界がつまらなかったんじゃなくて、俺がつまらない人間になっただけだったんだ。俺が変われば世界は変わる！」
この世界のどこか
( ・□・)「人の想いが神を越える、か。人間が、獣人が……人が。この先どうなるのか、最後まで見届けさせてもらうッスよ」
神獣王の里、ｱｷﾗの家
ﾐｻｷ「クー！ 飯が冷める前にクソ親父を叩き起こして来てくれ！」
川 ﾟ -ﾟ)「ああ！ せっかくのご飯が冷めてしまっては、たまらないからな！ 親父殿をぶっ叩いて来る！」
ﾐｻｷ「いや、叩くのがメインじゃないだろ!? って、母様は料理作らなくて良いからぁぁ!!」
神獣王の里、近隣の森
ﾂﾊﾞｻ「この時期なら寒桜ではなく、普通の桜が咲いてますわね」
ﾂﾊﾞｻ「……ｱｷﾗ。家柄にも、封印獣にも、そして……婚約者の私にも。何にもとらわれず、思ったように生きなさい。きっとこの里は、あなたには小さ過ぎるから」
学校
('A`)「おいブーン、聞いたか？ 今日ウチのクラスに転校生が来るらしいぜ」
( ＾ω＾)「三年で転校生なんて珍しいお。それで女の子なのかお、男なのかお？」
('A`)「いや、チラッと噂で聞いただけだから詳しくは知らね」
( ＾ω＾)「可愛い女の子か、デュエルの強い男だといいお」
('A`)「可愛い女の子だと嬉しいのは同意だが、そういうことはツンの前で言わないように気をつけろよ」
ξ#ﾟ��ﾟ)ξ「……聞こえてるわよ？」
('A`)「……しまった、今年はツンも同じクラスだったな」
(；＾ω＾)「い、今の会話のどこにツンが怒る部分があったお？ ツンには関係ないとしか」
(;'A`)(うおっ！ ……くわばらくわばら)
ξ#ﾟ��ﾟ)ξ「…………アンタねぇ!!」
ガラッ
( ´∀｀)「はい、皆さん席に着いて下さいモナ」
ξﾟ��ﾟ)ξ「……チッ！」
(；´∀｀)「えっ？ 先生、舌打ちされるようなことしたモナ？」
('A`)「先生、ツンは色々アレなんで気にせず続けて下さい」
( ´∀｀)「ああ、はい……それでは皆さん、おはようございます。すでに知ってる人もいるかも知れませんが、今日からこのクラスに新しい仲間が増えますモナ」
('A`)(……そういえばこんなこと、前にもあったような)
( ´∀｀)「皆さん、仲良くしてあげて下さいモナ。それでは君島さん、入って来て下さい」
('A`)(君島？ 前にどこかで聞いたような)
ガラッ
ｱｷﾗ「はい！ 今日からお世話になります、君島ｱｷﾗです。皆さん、よろしくお願いしますね！」
('A`)「そういえば君島って！ あぁぁ!!」
ｱｷﾗ「もう、私のこと忘れちゃったの？ また、よろしくね！」
最終話 完
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