最終更新:ID:+Xwrtkf4FQ 2007年11月02日(金) 15:21:11履歴
前回のあらすじ
ヒートとヒートと同じアカデミアからやって来たヴァーミリオン教官が行方不明に。
コウ達は二人が消えたという山のふもとの旧校舎へと向かうが、そこには何故か三人のカードプロフェッサーがいた。
何故こんなところにカードプロフェッサーがいるのか、謎は深まるばかり。
ミズキ、サキ、サレナがデュエルでこの三人を退け、校舎の中へ入ろうした時。ある男がコウ達の前に現れた。
そしてその男は、何とコウ達の知っている人物だった。
TURN-06「Burn Deck-火野先生のバーンデッキ 直接ダメージの恐怖」
クー「え? 火野先生なの?」
コウ「な……何で先生がここに!?」
コウ達は驚いていた、何故ならそこにいる男性はアカデミアの教師だったからだ。
彼の名は火野碓氷(ひのうすい)。歳は今年で26になる。
眼鏡をかけており、髪はまるで女性のように長い明るいブラウン。
そして服は白いワイシャツ一枚にスラックスというものだった。
かなり爽やかな印象のある人だった。
それは好青年なミズキとは違う、また大人びた爽やかさだった。
火野「いえ、私はヴァーミリオンとは旧知の仲でね」
ミズキ「やはりこの件はヴァーミリオン教官が関係あるのですか?」
(;^ω^)「もしかしてあのカードプロフェッサー達もヴァーミリオン教官が雇った人たちなんじゃ……」
火野「えぇ、そういうことになりますね。まぁあの方達はあくまで保険なんですけど……」
保険とはどういう意味なのだろうか……。
サレナ「ほ、保険……ですか?」
火野「そうですよ。まぁ私もその保険……なんですけどね」
サキ「火野先生。これはどういうことですか? もしヒートさんとヴァーミリオン教官の居場所を知っているのなら教えてくださるかしら」
火野「おや、岩倉先生もいらっしゃってたんですか。今日もお美しいですね」
サキは顔をしかめる。
サキ「……話を逸らさないでください」
火野「失礼。いいでしょう、ヒートさんとヴァーミリオン教官は旧校舎の屋上にいます」
(;^ω^)「何のためにそんなところにいるんだお?」
サレナ「(お外で風景を見ながら愛を語り合う……なわけないか)」
火野「二人を……平地君と須名さんを待っているんですよ。デュエルをするためにね」
コウ「俺とクーを待ってる?」
クー「デュエルをするためにだと……何のために」
火野「あぁ、それはちょっと……今は教えられません」
サキ「ふざけないでください。さぁ、みんな行きましょう」
サキはみんなを連れて校舎の中に入ろうとしたが、火野はそれを止めようとする。
火野「だめですよ。今は皆で来るべきときではありません」
ミズキ「何で止めるんですか先生! そこをどいてください!」
火野「それは無理ですね……来るのは平地君。君だけです」
コウ「何でだ? それに俺だけじゃなくクーも待ってるんじゃないのか?」
火野「君には私とデュエルしていただきたいのです」
コウ「俺と……先生が? 何で?」
火野「まぁさっきも言ったとおり保険ですよ、ヴァーミリオンからしたらなんですが」
火野「私自身があなたと純粋にデュエルがしたい……ではいけませんかね?」
火野は純粋にデュエルがしたい……と言ったが本当なのだろうか。
もしかして罠かもしれない、みんなは思った。
だがコウは火野とデュエルすることにした
コウ「ここじゃいけないのか?」
火野「ギャラリー付きなのは個人的に嫌なんですよ、すいません」
コウ「いいだろう、やろうか」
(;^ω^)「ちょっと待つお兄貴! 罠かもしれないお!」
ミズキ「そうですよ、怪しすぎます。何が目的なのかわからないし……」
コウ「だから俺とのデュエルだろ?」
サキ「だ・か・ら、それがウソかもしれないでしょ?」
サレナ「そ、そうですよコウさん。ここは一旦様子を見て……」
(;^ω^)「クーさんも止めるお!」
クー「…………」
クー「いや、コウ。行ってきて」
サキ「な……!」
サレナ「クーさん?」
クー「コウが決めたんならそれでいいよ……」
クー「それにわたしも何となくわかる。火野先生がウソはついてないって」
コウ「あぁ、先生は俺と本気でデュエルしたがっている。それだけはわかるんだ」
コウとクー、この二人だけにわかるものがあるのだろうか。
クー「コウ、がんばってね。でも、無理はしないで」
コウ「わかってるって。よし、火野先生。やろうぜ!」
火野「それじゃこの校舎の奥のほうにデュエルフィールドがあるからそこでお願いします」
コウ「わかった!それじゃみんな、行ってくるぜ」
そういうとコウは火野に連れられて校舎の中へと入っていった。
それをクーはじっと見守る。
サキ「クーちゃん止めなくてよかったの?」
ミズキ「そうです、コウ君が危ない目にあってもいいんですか?」
(;^ω^)「そうだお! 彼女なのにいいのかお?」
クー「わたしは……」
クー「わたしはコウの枷にだけはなりたくはないから……」
サレナ「枷……?」
クー「それにコウなら大丈夫、信じてるから……」
クー「これが好きな人を信じるってことだと思う。そう思いたい」
クー「なんか薄情かもしれないけどね……コウをそれでも信じてあげたい、縛りたくないの」
みんなは思った。一番心配なのは、不安なのは、苦しいのはクーなのだと。
それでもコウを信じていたかったクーは断腸の思いでコウを見送ったのだ。
みんなはそう悟って、それ以上は何も言わなかった。
コウと火野は校舎の中にある狭い室内デュエルフィールドへとついた。
コウ「ここですか?」
火野「えぇ、そうです」
火野「あ、心配ないですよ。罠なんてありませんし、本当に私はあなたとデュエルがしてみたかっただけですから」
コウ「わかってる。それじゃ早速やるか」
コウ「火野先生のバーンデッキ。見せてもらうぜ!」
火野「おや、お見通しでしたか。教師もツライものですね、いきますよ」
コウ「デュエル!」火野
コウ「俺からいくぜ、ドロー!」
コウ「俺はこのモンスターをセット! ターンエンド!」
火野「私のターン、ドロー」
火野「私は暴れ牛鬼を召喚。効果発動」
火野「裏を宣言してコイントスします」
《暴れ牛鬼/Abare Ushioni》
効果モンスター
星4/地属性/獣戦士族/攻1200/守1200
コイントスで裏表を当てる。
当たった場合、相手ライフに1000ポイントダメージを与える。
ハズレの場合、自分は1000ポイントダメ−ジを受ける。
この効果は1ターンに1度だけ自分のメインフェイズに使用する事ができる。
コウ「(火野先生は一風変わったバーンカードの使い手、暴れ牛鬼も安定しないカードだ)」
コウ「(実は俺も先生と一回デュエルしてみたかったんだよな……)」
火野はポケットからコインを取り出す。
火野「平地君。念のためにコインに仕組みがないか見ますか?」
コウ「あぁ。それと念のためにコイントスは俺に降らせてくれないか?」
火野「いいでしょう、千年パズルがあるほうが表。ウジャト眼のみ移ってるほうが裏で」
コウ「把握した」
そういうとコウは空に向かってコインを弾いた。
それが地面について少し跳ねると、コインの向きはウジャト眼のある面だった。
火野「1000ダメージ……ですね」
コウ LP8000→7000「あぁ、だが念のためにもう一度コイントスさせてくれ」
火野「いいですよ」
コウがもう一度コイントスをする。
コインの向きはさっきと違い、パズルのほうをさしていた。
コウ「疑ってすまなかった。裏だけが出るってわけでもなかったようだな」
火野「いえ、確認するのは当然ですからね」
火野「……それにしても平地君。今の動作を見て思いました」
火野「あなた、結構慣れてますね」
コウ「……何のことだ」
火野「コインに仕組みがあると疑うなら普通は効果でのトスをする前に確認をするはず」
火野「だけどあなたはそれを後にした」
コウ「忘れていただけだよ」
火野「仮に前に確認してイカサマが判明するのと、後に確認してイカサマが判明するのは違います」
火野「もし効果発動後にしたのならより一層相手の狡猾が際立つでしょうね」
火野「そう、試合を無効にして相手の負けにしてしまうことも、そちらのほうがやりやすい」
コウ「……お喋りはいいから続けようぜ、先生」
コウの口調が何故か厳しくなった。
確かにコウはこのようなやりとりには慣れていた、昔が昔だからだ。
だがそれは昔の話……今は真っ当なデュエリストだ。
コウはそう思っていたのかもしれない。
火野「おっとすいません。私はカードを1枚セット、そして永続魔法、デンジャラスマシン TYPE−6を発動」
火野「さらに黒蛇病も発動してターンエンドです」
《デンジャラスマシン TYPE−6/Dangerous Machine TYPE-6》
永続魔法
自分のスタンバイフェイズ毎にサイコロを1回振る。
出た目の効果を適用する。
1.自分の手札を1枚捨てる。
2.相手の手札を1枚捨てる。
3.自分はカードを1枚ドローする。
4.相手はカードを1枚ドローする。
5.相手フィールド上のモンスター1体を破壊する。
6.このカードを破壊する。
《黒蛇病/Black Snake Syndrome》
永続魔法
自分のスタンバイフェイズ毎にお互いのライフに200ポイントダメージを与える。
2ターン目以後自分のスタンバイフェイズ毎にダメージは2倍になる。
コウ
LP :7000
手札 :5枚
モンスター:裏守備
魔法or罠 :なし
伏せカード:なし
火野
LP :8000
手札 :2枚
モンスター:暴れ牛鬼
魔法or罠 :デンジャラスマシーン 黒蛇病
伏せカード:1枚
コウ「え? 攻撃しないのか?」
火野「あなたも知っているでしょう。私のデッキはバーンデッキだから攻撃はあまりしないんですよ」
火野「裏守備だから確証がありませんからね。リクルーターから繋ぎで何かやられたりとか……いろいろ可能性はあります」
コウ「(確かにな……よし、集中しろ俺!)俺のターン! ドロー!」
コウ「俺は手札のネオスペース・コンダクターを墓地に送りフィールド魔法! ネオスペースを手札に持ってくる!」
《ネオスペース・コンダクター/Neo Space Pathfinder》
効果モンスター
星4/光属性/戦士族/攻1800/守 800
このカードを手札から墓地に捨てる。
自分のデッキまたは墓地に存在する「ネオスペース」1枚を手札に加える。
コウ「そしてフィールド魔法! ネオスペースを発動!」
《ネオスペース/Neo Space》
フィールド魔法
「E・HERO ネオス」及び「E・HERO ネオス」を融合素材とする
融合モンスターの攻撃力を500ポイントアップする。
「E・HERO ネオス」を融合素材とする融合モンスターは、
エンドフェイズ時にデッキに戻る効果を発動しなくても良い。
コウ「そして俺はフィールドのC(コクーン)・パンテールを生け贄に捧げ、デッキからN・ブラック・パンサーを召喚!」
《C(コクーン)・パンテール/Chrysalis Pantail》
効果モンスター
星2/闇属性/獣族/攻 800/守 300
フィールド上に「ネオスペース」が存在する時、
このカードを生け贄に捧げる事で手札またはデッキから
「N・ブラック・パンサー」1体を特殊召喚する。
コウ「(頼むぜ、クーとの絆)ブラック・パンサーの効果発動! 暴れ牛鬼の効果をコピーする!」
火野「おや、暴れ牛鬼の効果をコピー……ですか。だが下手すると自分にダメージがいきますよ」
コウ「いや、俺は引かない! パンサーのコピー効果を発動! コイントスを行う! 宣言するのは表!」
コウはコイントスをした。そしてコインはコウの宣言通りに表をさす。
火野 LP8000→7000「……あなたもなかなか度胸がありますね。気に入りましたよ」
コウ「……さらに俺は手札からE・HERO アナザー・ネオスを召喚!」
《E・HERO(エレメンタルヒーロー) アナザー・ネオス/Elemental Hero Neos Alius》
デュアルモンスター
星4/光属性/戦士族/攻1900/守1300
このカードは墓地またはフィールド上に表側表示で存在する場合、
通常モンスターとして扱う。
フィールド上に表側表示で存在するこのカードを通常召喚扱いとして再度召喚する事で、
このカードは効果モンスター扱いとなり以下の効果を得る。
●このカードはフィールド上に表側表示で存在する限り、
カード名を「E・HERO ネオス」として扱う。
コウ「いくぜ! まずはアナザー・ネオスで攻撃!」
火野「ここは罠カード、和睦の使者発動です」
コウ「防がれたか……ターンエンドだ!」
火野「私のターン、ドロー」
火野「スタンバイフェイズにデンジャラスマシーンの効果発動」
そういうと火野はコウにサイコロを投げ渡した。
火野「どうぞ、あなたが振ってください」
コウ「あぁ、そうさせてもらう」
コウがサイコロを振るとサイコロの目は5をさした。
火野「これは運がいい……効果であなたのアナザー・ネオスを破壊します」
コウ「くっ!」
火野「さらにスタンバイフェイズに黒蛇病の効果でお互い200ダメージ」
火野 LP7000→6800
コウ LP7000→6800
火野「そして私は暴れ牛鬼の効果発動。宣言は裏、どうぞコイントスをしてください」
コインは裏だった
コウ LP6800→5800「マズイ……」
火野「そして暴れ牛鬼でパンサーを攻撃」
コウ LP5800→5600「くそっ! パンサーがっ!」
火野「私はカードを2枚セット、ターンエンドです」
ヒートとヒートと同じアカデミアからやって来たヴァーミリオン教官が行方不明に。
コウ達は二人が消えたという山のふもとの旧校舎へと向かうが、そこには何故か三人のカードプロフェッサーがいた。
何故こんなところにカードプロフェッサーがいるのか、謎は深まるばかり。
ミズキ、サキ、サレナがデュエルでこの三人を退け、校舎の中へ入ろうした時。ある男がコウ達の前に現れた。
そしてその男は、何とコウ達の知っている人物だった。
TURN-06「Burn Deck-火野先生のバーンデッキ 直接ダメージの恐怖」
クー「え? 火野先生なの?」
コウ「な……何で先生がここに!?」
コウ達は驚いていた、何故ならそこにいる男性はアカデミアの教師だったからだ。
彼の名は火野碓氷(ひのうすい)。歳は今年で26になる。
眼鏡をかけており、髪はまるで女性のように長い明るいブラウン。
そして服は白いワイシャツ一枚にスラックスというものだった。
かなり爽やかな印象のある人だった。
それは好青年なミズキとは違う、また大人びた爽やかさだった。
火野「いえ、私はヴァーミリオンとは旧知の仲でね」
ミズキ「やはりこの件はヴァーミリオン教官が関係あるのですか?」
(;^ω^)「もしかしてあのカードプロフェッサー達もヴァーミリオン教官が雇った人たちなんじゃ……」
火野「えぇ、そういうことになりますね。まぁあの方達はあくまで保険なんですけど……」
保険とはどういう意味なのだろうか……。
サレナ「ほ、保険……ですか?」
火野「そうですよ。まぁ私もその保険……なんですけどね」
サキ「火野先生。これはどういうことですか? もしヒートさんとヴァーミリオン教官の居場所を知っているのなら教えてくださるかしら」
火野「おや、岩倉先生もいらっしゃってたんですか。今日もお美しいですね」
サキは顔をしかめる。
サキ「……話を逸らさないでください」
火野「失礼。いいでしょう、ヒートさんとヴァーミリオン教官は旧校舎の屋上にいます」
(;^ω^)「何のためにそんなところにいるんだお?」
サレナ「(お外で風景を見ながら愛を語り合う……なわけないか)」
火野「二人を……平地君と須名さんを待っているんですよ。デュエルをするためにね」
コウ「俺とクーを待ってる?」
クー「デュエルをするためにだと……何のために」
火野「あぁ、それはちょっと……今は教えられません」
サキ「ふざけないでください。さぁ、みんな行きましょう」
サキはみんなを連れて校舎の中に入ろうとしたが、火野はそれを止めようとする。
火野「だめですよ。今は皆で来るべきときではありません」
ミズキ「何で止めるんですか先生! そこをどいてください!」
火野「それは無理ですね……来るのは平地君。君だけです」
コウ「何でだ? それに俺だけじゃなくクーも待ってるんじゃないのか?」
火野「君には私とデュエルしていただきたいのです」
コウ「俺と……先生が? 何で?」
火野「まぁさっきも言ったとおり保険ですよ、ヴァーミリオンからしたらなんですが」
火野「私自身があなたと純粋にデュエルがしたい……ではいけませんかね?」
火野は純粋にデュエルがしたい……と言ったが本当なのだろうか。
もしかして罠かもしれない、みんなは思った。
だがコウは火野とデュエルすることにした
コウ「ここじゃいけないのか?」
火野「ギャラリー付きなのは個人的に嫌なんですよ、すいません」
コウ「いいだろう、やろうか」
(;^ω^)「ちょっと待つお兄貴! 罠かもしれないお!」
ミズキ「そうですよ、怪しすぎます。何が目的なのかわからないし……」
コウ「だから俺とのデュエルだろ?」
サキ「だ・か・ら、それがウソかもしれないでしょ?」
サレナ「そ、そうですよコウさん。ここは一旦様子を見て……」
(;^ω^)「クーさんも止めるお!」
クー「…………」
クー「いや、コウ。行ってきて」
サキ「な……!」
サレナ「クーさん?」
クー「コウが決めたんならそれでいいよ……」
クー「それにわたしも何となくわかる。火野先生がウソはついてないって」
コウ「あぁ、先生は俺と本気でデュエルしたがっている。それだけはわかるんだ」
コウとクー、この二人だけにわかるものがあるのだろうか。
クー「コウ、がんばってね。でも、無理はしないで」
コウ「わかってるって。よし、火野先生。やろうぜ!」
火野「それじゃこの校舎の奥のほうにデュエルフィールドがあるからそこでお願いします」
コウ「わかった!それじゃみんな、行ってくるぜ」
そういうとコウは火野に連れられて校舎の中へと入っていった。
それをクーはじっと見守る。
サキ「クーちゃん止めなくてよかったの?」
ミズキ「そうです、コウ君が危ない目にあってもいいんですか?」
(;^ω^)「そうだお! 彼女なのにいいのかお?」
クー「わたしは……」
クー「わたしはコウの枷にだけはなりたくはないから……」
サレナ「枷……?」
クー「それにコウなら大丈夫、信じてるから……」
クー「これが好きな人を信じるってことだと思う。そう思いたい」
クー「なんか薄情かもしれないけどね……コウをそれでも信じてあげたい、縛りたくないの」
みんなは思った。一番心配なのは、不安なのは、苦しいのはクーなのだと。
それでもコウを信じていたかったクーは断腸の思いでコウを見送ったのだ。
みんなはそう悟って、それ以上は何も言わなかった。
コウと火野は校舎の中にある狭い室内デュエルフィールドへとついた。
コウ「ここですか?」
火野「えぇ、そうです」
火野「あ、心配ないですよ。罠なんてありませんし、本当に私はあなたとデュエルがしてみたかっただけですから」
コウ「わかってる。それじゃ早速やるか」
コウ「火野先生のバーンデッキ。見せてもらうぜ!」
火野「おや、お見通しでしたか。教師もツライものですね、いきますよ」
コウ「デュエル!」火野
コウ「俺からいくぜ、ドロー!」
コウ「俺はこのモンスターをセット! ターンエンド!」
火野「私のターン、ドロー」
火野「私は暴れ牛鬼を召喚。効果発動」
火野「裏を宣言してコイントスします」
《暴れ牛鬼/Abare Ushioni》
効果モンスター
星4/地属性/獣戦士族/攻1200/守1200
コイントスで裏表を当てる。
当たった場合、相手ライフに1000ポイントダメージを与える。
ハズレの場合、自分は1000ポイントダメ−ジを受ける。
この効果は1ターンに1度だけ自分のメインフェイズに使用する事ができる。
コウ「(火野先生は一風変わったバーンカードの使い手、暴れ牛鬼も安定しないカードだ)」
コウ「(実は俺も先生と一回デュエルしてみたかったんだよな……)」
火野はポケットからコインを取り出す。
火野「平地君。念のためにコインに仕組みがないか見ますか?」
コウ「あぁ。それと念のためにコイントスは俺に降らせてくれないか?」
火野「いいでしょう、千年パズルがあるほうが表。ウジャト眼のみ移ってるほうが裏で」
コウ「把握した」
そういうとコウは空に向かってコインを弾いた。
それが地面について少し跳ねると、コインの向きはウジャト眼のある面だった。
火野「1000ダメージ……ですね」
コウ LP8000→7000「あぁ、だが念のためにもう一度コイントスさせてくれ」
火野「いいですよ」
コウがもう一度コイントスをする。
コインの向きはさっきと違い、パズルのほうをさしていた。
コウ「疑ってすまなかった。裏だけが出るってわけでもなかったようだな」
火野「いえ、確認するのは当然ですからね」
火野「……それにしても平地君。今の動作を見て思いました」
火野「あなた、結構慣れてますね」
コウ「……何のことだ」
火野「コインに仕組みがあると疑うなら普通は効果でのトスをする前に確認をするはず」
火野「だけどあなたはそれを後にした」
コウ「忘れていただけだよ」
火野「仮に前に確認してイカサマが判明するのと、後に確認してイカサマが判明するのは違います」
火野「もし効果発動後にしたのならより一層相手の狡猾が際立つでしょうね」
火野「そう、試合を無効にして相手の負けにしてしまうことも、そちらのほうがやりやすい」
コウ「……お喋りはいいから続けようぜ、先生」
コウの口調が何故か厳しくなった。
確かにコウはこのようなやりとりには慣れていた、昔が昔だからだ。
だがそれは昔の話……今は真っ当なデュエリストだ。
コウはそう思っていたのかもしれない。
火野「おっとすいません。私はカードを1枚セット、そして永続魔法、デンジャラスマシン TYPE−6を発動」
火野「さらに黒蛇病も発動してターンエンドです」
《デンジャラスマシン TYPE−6/Dangerous Machine TYPE-6》
永続魔法
自分のスタンバイフェイズ毎にサイコロを1回振る。
出た目の効果を適用する。
1.自分の手札を1枚捨てる。
2.相手の手札を1枚捨てる。
3.自分はカードを1枚ドローする。
4.相手はカードを1枚ドローする。
5.相手フィールド上のモンスター1体を破壊する。
6.このカードを破壊する。
《黒蛇病/Black Snake Syndrome》
永続魔法
自分のスタンバイフェイズ毎にお互いのライフに200ポイントダメージを与える。
2ターン目以後自分のスタンバイフェイズ毎にダメージは2倍になる。
コウ
LP :7000
手札 :5枚
モンスター:裏守備
魔法or罠 :なし
伏せカード:なし
火野
LP :8000
手札 :2枚
モンスター:暴れ牛鬼
魔法or罠 :デンジャラスマシーン 黒蛇病
伏せカード:1枚
コウ「え? 攻撃しないのか?」
火野「あなたも知っているでしょう。私のデッキはバーンデッキだから攻撃はあまりしないんですよ」
火野「裏守備だから確証がありませんからね。リクルーターから繋ぎで何かやられたりとか……いろいろ可能性はあります」
コウ「(確かにな……よし、集中しろ俺!)俺のターン! ドロー!」
コウ「俺は手札のネオスペース・コンダクターを墓地に送りフィールド魔法! ネオスペースを手札に持ってくる!」
《ネオスペース・コンダクター/Neo Space Pathfinder》
効果モンスター
星4/光属性/戦士族/攻1800/守 800
このカードを手札から墓地に捨てる。
自分のデッキまたは墓地に存在する「ネオスペース」1枚を手札に加える。
コウ「そしてフィールド魔法! ネオスペースを発動!」
《ネオスペース/Neo Space》
フィールド魔法
「E・HERO ネオス」及び「E・HERO ネオス」を融合素材とする
融合モンスターの攻撃力を500ポイントアップする。
「E・HERO ネオス」を融合素材とする融合モンスターは、
エンドフェイズ時にデッキに戻る効果を発動しなくても良い。
コウ「そして俺はフィールドのC(コクーン)・パンテールを生け贄に捧げ、デッキからN・ブラック・パンサーを召喚!」
《C(コクーン)・パンテール/Chrysalis Pantail》
効果モンスター
星2/闇属性/獣族/攻 800/守 300
フィールド上に「ネオスペース」が存在する時、
このカードを生け贄に捧げる事で手札またはデッキから
「N・ブラック・パンサー」1体を特殊召喚する。
コウ「(頼むぜ、クーとの絆)ブラック・パンサーの効果発動! 暴れ牛鬼の効果をコピーする!」
火野「おや、暴れ牛鬼の効果をコピー……ですか。だが下手すると自分にダメージがいきますよ」
コウ「いや、俺は引かない! パンサーのコピー効果を発動! コイントスを行う! 宣言するのは表!」
コウはコイントスをした。そしてコインはコウの宣言通りに表をさす。
火野 LP8000→7000「……あなたもなかなか度胸がありますね。気に入りましたよ」
コウ「……さらに俺は手札からE・HERO アナザー・ネオスを召喚!」
《E・HERO(エレメンタルヒーロー) アナザー・ネオス/Elemental Hero Neos Alius》
デュアルモンスター
星4/光属性/戦士族/攻1900/守1300
このカードは墓地またはフィールド上に表側表示で存在する場合、
通常モンスターとして扱う。
フィールド上に表側表示で存在するこのカードを通常召喚扱いとして再度召喚する事で、
このカードは効果モンスター扱いとなり以下の効果を得る。
●このカードはフィールド上に表側表示で存在する限り、
カード名を「E・HERO ネオス」として扱う。
コウ「いくぜ! まずはアナザー・ネオスで攻撃!」
火野「ここは罠カード、和睦の使者発動です」
コウ「防がれたか……ターンエンドだ!」
火野「私のターン、ドロー」
火野「スタンバイフェイズにデンジャラスマシーンの効果発動」
そういうと火野はコウにサイコロを投げ渡した。
火野「どうぞ、あなたが振ってください」
コウ「あぁ、そうさせてもらう」
コウがサイコロを振るとサイコロの目は5をさした。
火野「これは運がいい……効果であなたのアナザー・ネオスを破壊します」
コウ「くっ!」
火野「さらにスタンバイフェイズに黒蛇病の効果でお互い200ダメージ」
火野 LP7000→6800
コウ LP7000→6800
火野「そして私は暴れ牛鬼の効果発動。宣言は裏、どうぞコイントスをしてください」
コインは裏だった
コウ LP6800→5800「マズイ……」
火野「そして暴れ牛鬼でパンサーを攻撃」
コウ LP5800→5600「くそっ! パンサーがっ!」
火野「私はカードを2枚セット、ターンエンドです」
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