ニュー速VIP及び製作速報のスレッド「( ^ω^)ブーンが遊戯王の世界で頂点を目指すようです」のまとめwikiです

前回のあらすじ
精霊村で食料、そしてデュエルデヴァイスを手に入れたコウ達はクー達の待つ旧校舎に帰る。
だがその入り口にはアーリーの使徒に操られたちゅるやがコウの前に立ちはだかる。
デュエルでちゅるやに勝利したコウだったが、ちゅるやは校舎の階段を颯爽と上っていってしまった。
それを追いかけるコウ、ミズキ、ヒート。
果たして校舎で何が起こっているのか。

TURN-15「Fearlessness-剣闘獣VSサレナ 恐怖の骸竜」

――コウ、ミズキ、ヒートの三人が走って階段を駆け上がる。
先頭を行くコウ、羽織っている赤いジャケットが走ることによりなびいている。
校舎は三階立ての小さなもので屋上にはすぐ着いた。
そしてコウをが勢いよく扉を開くとそこには……。

鉄の柵に囲まれ、薄汚れた白タイルの床で空を除ける屋上、広さはそれなりにある。
アカデミア組、コウ達を除く全員がそこにはいた。
ただし屋上の入り口の扉のすぐ近くにいるのは三沢、クー、サレナ。
奥のほうにはブーン、ちゅるや、サキ、そしてコウも見知らぬ三人の男女がいた。

右手側の一人はオレンジ色のクセ毛の少年、コウ達と同じ歳くらいだろうか。
服装は白いタンクトップに豹柄で七分丈のズボンという涼しそうでラフなもの。
首からはシルバーのアクセサリーをぶら下げている。

もう一人、とても小さな小学校高学年くらいの女の子がいた。
明るいブラウンのショートカットに白くて可愛いらしいカチューシャを頭に付けている。
服は白いワンピース一枚に色物のサンダルを履いている。
そして両手でギュッと黒い犬のぬいぐるみを抱きかかえている。

そして真ん中で段に腰掛けている最後の一人は若い男だった。
黒髪で目がキリッとしてどこかしっかりした雰囲気を出している。
ダークグリーンの長袖の服に黒いズボンという格好。
歳はコウと同じくらいかそれより少し上といった感じ、だがかなり大人びている。

「おっ、来たな」

屋上に入ってきた三人を見て、中央で段に腰掛けている長身の男が立ち上がる。

「始めまして、だな。わかってるとは思うが俺達はアーリーの使徒。俺の名前は……」

バハム「よぅ、来たなお前ら! 俺っちの名前はバハムっていうさ! 人呼んで大地のバハム!」

男が言おうとした瞬間、バハムと名乗るオレンジ髪に男が割り込む。

バハム「そんでこっちのちっこいのが蒼海のレヴァイア! まあ俺達はレヴィって呼んでる」

バハム「んでこっちの目つきの悪いのがが天空のジズ、さ。自己紹介終わり!」

勝手に自己紹介をすすめるバハムという男。
その行動に皆が戸惑い、ジズと紹介された男が突っ込む。

ジズ「ったく……だからその枕詞付けるのはやめろって」

ジズ「それに誰も呼んでいない、お前が勝手に付けているだけだ」

バハム「ヘヘヘ、いいじゃんか。こういうのあったほうが格好いいっさ」

ジズと呼ばれた男とバハムが少し言い争う。

レヴィ「……そんなことより早く」

その様子を見た小さな女の子がボソッと言った。

ジズ「ああ、そうだったな。自己紹介が終わったところで用件と行こうか」

コウ「俺達に何の用があるんだ」

コウが尋ねる。

ジズ「率直に言うと、俺達の仲間になってもらう」

この答えをコウ達はある程度予測していた。
ヒートが言っていたアーリーの使徒の目的と共通していたからだ。

ジズ「だが力づくではない。俺達とデュエルして俺達のほうが勝てば、って条件だ」

ミズキ「なるほど、だけどデュエルする理由がありませんね。何より僕達にメリットはない」

ジズ「そう言うのも予測済みだ。それなら、これはどうかな」

ジズがポケットから一枚の真っ黒なカードを取り出すと、突然ジズ達の傍にいるブーン、ちゅるや、そしてサキがポケットからT字ナイフ

、俗に言うプッシュダガーを取り出す。
そして三人は無言でそれを自分の首に縦に突きつけたのだった。

コウ「これは……!」

ジズ「そう、この三人は少しだけ預からせてもらった」

ジズ「このシャームカード、ヘルコントロールの力でね」

ジズが言う黒いシャームカード。
ヒートも地図を表示したりするのに使ったものと同じ特殊なカードのようである。

ジズ「こいつの使用条件は対象者にデュエルで勝つこと、持続時間は30時間」

ジズ「その間対象者を自分の意のままに操ることが出来る」

ミズキ「そして人質……ですか。あまりよいやりかたではないですね、ジズさんとやら」

ミズキがジズのほうを見てそう言い放つ。
いつもニコニコと笑っているミズキだったが、今ミズキはジズのほうをにらみつけている。

ジズ「だが人質と言ってもそれはお前達が俺達とデュエルをすればいいだけだ。勝ち負けにかかわらずこの三人は解放する」

レヴィ「……ジズ」

ジズ「わかってる、あの女だけはどうにかする」

尋ねてくるレヴィに小声でジズが言う。
レヴィの目線にはナイフを突き立てているサキがいる。

コウ「わかった、条件は飲もう。だがまずそいつらの洗脳を解くんだ」

ジズ「そいつはダメだな。俺達とデュエルを終える度、人質は解放しよう」

コウ「そんなの……!」

ミズキ「それでいいですよ」

コウ「おい! ミズキ!」

ミズキ「今は三人の安全を優先しましょう。いいですね、コウ君」

コウ「……わかった」

渋々ミズキの意見にコウは承諾する。

ミズキ「それでは行って下さい。サレナさん」

サレナ「わ、私ですか!?」

突然ミズキに指名されたサレナはびっくりしているようである。
確かにサレナは好戦的なタイプでもなく、かなりの引っ込み思案である。
見知らぬ相手との危険なデュエルをさせることはコウとしてはあまり薦めたくないことだった。

ミズキ「三人選ばないといけないですからね。メンバーはサレナさん、コウ君、そしてクーさんにしましょう」

サレナ「でも……それならミズキさんが行ったほうがいいんじゃないんですか? 私何かより……」

ミズキ「いえいえ、実力順ですよ。僕何か弱いですから」

ニコニコしながら自分が弱いというミズキ。
何か思惑が隠しているのか、それとも単にデュエルがしたくないだけなのか。

ミズキ「ヒートさんは実力がないっていうわけじゃありませんが。前のお仲間であってはやりにくいでしょう?」

ヒート「…………」

ミズキがヒートに目配せするが、ヒートは俯いて何も言わなかった。

≦`・ω・)「俺もいるぞ!」

前に出てくる三沢だったが。

ミズキ「あなたはデッキを持ってないじゃないですか」

≦´・ω・)「ショボーン」

ミズキ「それにあなたはクーさんにも勝ってる」

そう、確かにTURN-04でサレナはクーにも勝っているのだ。
実力が相当高いのはミズキ含めて皆が認めていた。

クー「サレナちゃん! 頑張れ!」

サレナ「クーさんがそう言うなら……わかりました。行きます」

クーに激励されてサレナはデュエルすることを決意した。
サレナはクーとコウとは仲がよかった。おそらく学校での自分が友達と思えるのはこの二人だけであろう。
だから期待されるのならデュエルはしたいと思い、決意をした。

コウ「(俺はサレナちゃんに任せるのが心配なんだが……ここはミズキに任せよう)」

サレナが前へと歩み寄り、デュエルディスクを構えた。

サレナ「私が……相手です。そちらは誰が来ますか?」

ジズ「……バハム、行け」

サレナの問いにジズがバハムにデュエルするように命じる。

バハム「俺っちからさ? 俺っちあの茶髪の兄ちゃんとやりたいんだけど」

ジズ「あの女を倒せたら次あの男とやっていい。それでいいか?」

バハム「ん、そういうことならいいっさ」

ジズの提案を飲み、バハムも前へと歩み出る。

バハム「あんたみたいにか弱そうなお嬢ちゃんが本当にデュエルするんかい?」

サレナ「はい……」

バハム「……まあいいさ。外見では判断しない、俺っちも本気で飛ばしていくぜ! デヴァイスドライブ! アースグラディエーター!」

バハムが青とオレンジのデュエルデヴァイスをディスクへと変化させる。

バハム「いくぜぇ!」

バハム「デュエル!」サレナ

サレナ「私からです……ドロー」

サレナ「私はモンスターをセット。ターンエンドです」

バハム「俺っちのターン! ドローっさ!」

バハム「俺っちは手札からフィールド魔法! 剣闘獣(グラディアルビースト)の檻−コロッセウムを発動!」

《剣闘獣(グラディアルビースト)の檻−コロッセウム》
フィールド魔法
モンスターがデッキからフィールド上に特殊召喚される度に、
このカードにカウンターを1つ置く。
フィールド上に表側表示で存在する「剣闘獣」と名のついたモンスターは、
このカードに乗っているカウンター1つにつき、
攻撃力と守備力が100ポイントアップする。
このカードがカードの効果によって破壊される時、
手札から「剣闘獣の檻−コロッセウム」1枚を捨てる事でこのカードは破壊されない。

フィールドが発動され周りが岸壁の檻に囲まれる。

コウ「くっ! 見えない!」

フィールドのせいでギャラリーからデュエルが見えなくなってしまう。
二人だけの孤独な戦いになる。
コロッセウム……その中央には大剣が地面に突き刺さっていた。

バハム「コロッセウムの剣。勝者こそがこの剣、栄光を手に入れることが出来るんさ」

サレナ「…………」

バハム「さらに俺は剣闘獣ディカエリィを召喚!」

《剣闘獣(グラディアルビースト)ディカエリィ》
効果モンスター
星4/地属性/獣族/攻1600/守1200
このカードが「剣闘獣」と名のついたモンスターの効果によって
特殊召喚に成功した場合、このカードは1度のバトルフェイズ中に
2回攻撃をする事ができる。
このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時に
このカードをデッキに戻す事で、デッキから「剣闘獣ディカエリィ」以外の
「剣闘獣」と名のついたモンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する。

バハム「ディカエリィで裏守備を攻撃! ホーンハンド・インパクト!」

サレナ「裏守備はジャイアントウィルス。破壊されたのであなたに500のダメージ、さらにデッキから同じくジャイアントウィルス2体を

攻撃表示で特殊召喚します」

《ジャイアントウィルス/Giant Germ》
効果モンスター
星2/闇属性/悪魔族/攻1000/守 100
このカードが戦闘によって墓地へ送られた時、
相手に500ポイントのダメージを与える。
さらにデッキから同名カードをフィールド上に
表側攻撃表示で特殊召喚する事ができる。
その後デッキをシャッフルする。

バハム LP8000→7500「こんなのかすり傷にさえなってないっさ! バトルフェイズ終了時にディカエリィの効果発動! ディカエリィを

デッキに戻し、デッキから剣闘獣ムルミロを特殊召喚!」

バハム「(ジャイアントウィルス。おそらく生け贄確保なんだろうが、そうはさせんさ!)ムルミロの効果発動! ジャイアントウィルス

の一体を破壊!」

《剣闘獣(グラディアルビースト)ムルミロ》
効果モンスター
星3/水属性/魚族/攻 800/守 400
このカードが「剣闘獣」と名のついたモンスターの効果によって
特殊召喚に成功した時、フィールド上の表側表示モンスター1体を破壊する。
このカードが戦闘を行ったバトルフェイズ終了時に
このカードをデッキに戻す事で、デッキから「剣闘獣ムルミロ」以外の
「剣闘獣」と名のついたモンスター1体を自分フィールド上に特殊召喚する。

サレナ「…………」

恐らくサレナにとって初めて見るカードであろう剣闘獣(グラディアルビースト)とその効果。
だがサレナは全く動じてはいなかった。
ブーンを完膚なきまでに叩きのめした剣闘獣。
サレナはどう立ち向かうのか。

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

どなたでも編集できます