ニュー速VIP及び製作速報のスレッド「( ^ω^)ブーンが遊戯王の世界で頂点を目指すようです」のまとめwikiです

その頃ミズキは……なんと村の外へと出ていた。
ヒートも言っていたが夜は危ないのだ。
夜行性の野性精霊(ハギオン)がウトウトといるらしい。

だがミズキは村の外の荒野を歩いている。
そして突然ミズキの前にモンスターが現れた。
女王親衛隊、魅惑の女王(アリュール・クィーン) LV3、5、7である。

ミズキは囲まれていた。

ミズキ「おやおや……やっと来ましたね」

ミズキはニコニコと笑顔でそう呟く。
そして魅惑の女王の一番年上であろうLV7が話始めた。

魅惑の女王(アリュール・クィーン) 長女(LV7)「あなた無用心ですね……夜遅くにこんなところにいるなんて」

魅惑の女王 長女「こんな遅くまでお外でウロウロしてると精霊に襲われますよ」

魅惑の女王 次女(LV5)「ってもう私達が襲ってるどねw お姉さま。さっさと狩っちゃいましょうか」

魅惑の女王 三女(LV3)「可愛い顔してるね、この人間の男。生きたまま捕らえてコレクションにしましょう」

魅惑の女王 次女「そうね。親衛隊、生きたまま捕らえてちょうだい」

女王親衛隊「おおせのままに、我が女王様」

赤いサングラスをかけた親衛隊が剣を持ってミズキに襲い掛かる。
親衛隊は三人、黒髪の若い男、白髪の紳士、そしてスキンヘッドの黒人であった。

親衛隊 紳士「安心しろ、命は取りはしない。大人しく捕まるんだな」

ミズキ「えっと、デュエルとかしないんですか?」

親衛隊 ハゲ「貴様にそのような余裕を与えてる暇はない、我々は忙しいのでな!」

ミズキがため息を着く。

ミズキ「ハァ……そうですか。ならさっさと終わらせて上げましょうかね」

ミズキ「デヴァイスドライブ! マジックミラージュ!」

ミズキがポケットから緑と白のデュエルデヴァイスを取り出すてそう叫ぶ。
デヴァイスは光に包まれ、ミズキの左腕にデェルディスクが装着された。

ミズキ「さて……いけますかね。精霊召喚! ブラック・マジシャン!」

ミズキの前にブラック・マジシャンの精霊が現れる。

親衛隊 黒髪「こいつ、精霊が出せるのか!」

親衛隊 ハゲ「怯むな! こんな優男の出した精霊など!」

ミズキ「お久しぶりですね……大丈夫ですか? ブラック・マジシャン」

ブラック・マジシャン「主、私を舐めているのか?」

ブラック・マジシャン「あんな野性精霊など……ものの数ではない」

ミズキ「そうですか、じゃあやっちゃってください」

ブラック・マジシャン「了解、さぁ早く唱えるがいい」

ミズキ「急かさないでくださいよ」

そう言うと笑っていたミズキの顔つきが変わる。

ミズキ「我が下僕、ブラック・マジシャンに命ずる」

ミズキ「余計なことは言わん、消せ。ウィザードリー・カノン」

ミズキがブラック・マジシャンに命ずると同時にブラック・マジシャンが両手で持つ杖の先から巨大な黒い魔砲を放つ。
一直線に、極太のレーザーのようにそれは延びていった。
一瞬だった……親衛隊は叫ぶ暇も、自分が死することを認識する間もなく一瞬にしてその超魔力により蒸発してしまった。
もはや跡形も残ってはいない、荒野の地面に攻撃の痕が深く残っている。
それを見た魅惑の女王達はひどく怯えていた。

ミズキ「……ちょっとやりすぎですよ、ブラック・マジシャン。向こうの村まで届いちゃったらどうするんですか」

ブラック・マジシャン「久しぶりだから手加減がわからなかった。すまない、主」

魅惑の女王 三女「し、親衛隊が一瞬で……」

魅惑の女王 次女「ど、どうしますか? 姉様?」

魅惑の女王 長女「……逃げても無駄でしょうし、挑んでもあの魔力じゃ恐らく……」

ミズキ「さて、次はあなた達ですね。ブラック・マジシャン」

ブラック・マジシャン「あぁ、すぐに消そう」

魅惑の女王 三女「ちょ、ちょっと待って」

ミズキ「ええ待ちましょう、デュエルですね?」

魅惑の女王 次女「そ、そうよ!」

ミズキ「あなた達の誰かが僕とデュエルして勝てば逃がしてあげましょう、でも負けたら全員消します」

魅惑の女王 長女「……私がデュエルをします、それでよろしいですか?」

ミズキ「はい、それで。じゃあやりましょうか」

魅惑の女王 長女「え、ええ……」

魅惑の女王の腕が光に包まれ、その光はデュエルディスクとなり装着される。

魅惑の女王 次女「お姉さま、頑張って!」

魅惑の女王 三女「ファイト!」

ミズキ「デュエル!」魅惑の女王

ミズキ「レディファーストです、お先にどうぞ」

魅惑の女王「それじゃあお言葉に甘えて……ドロー」

魅惑の女王「私はモンスターをセット、ターンエンドです」

ミズキ「僕のターン、ドロー」

ミズキ「僕は熟練の黒魔術師を召喚。熟練で裏守備を攻撃です」

魅惑の女王「裏守備はキラー・トマト、デッキから魅惑の女王 LV3を特殊召喚します」

ミズキ「リクルでしたか、定石ですね。ターンエンドです」

魅惑の女王
LP   :8000
手札   :5枚
モンスター:魅惑の女王 LV3
魔法or罠 :なし
伏せカード:なし

ミズキ
LP   :8000
手札   :5枚
モンスター:熟練黒
魔法or罠 :なし
伏せカード:なし

魅惑の女王「(私の命がかかってる……負けられない)私のターン、ドローします」

魅惑の女王「私は手札からアメーバを召喚、そして手札から強制転移を発動。熟練の黒魔術師をとをアメーバを交換してもらいます」

魅惑の女王「アメーバの効果であなたに2000のダメージです」

《アメーバ/Ameba》
効果モンスター
星1/水属性/水族/攻 300/守 350
フィールド上で表側表示になっている
このカードのコントロールが相手に移った時、
相手に2000ポイントのダメージを与える。
この効果は表側表示で存在する限り1度しか使えない。

ミズキ LP8000→6000「…………」

魅惑の女王「そして魅惑の女王 LV3の効果発動。アメーバを魅惑の女王に装備、再び従えます」

《魅惑の女王(アリュール・クィーン) LV3/Allure Queen LV3》
効果モンスター
星3/闇属性/魔法使い族/攻 500/守 500
1ターンに1度だけ自分のメインフェイズ時に
相手フィールド上のレベル3以下のモンスター1体を選択し、
装備カード扱いとしてこのカードに装備する事ができる
(この効果で装備できる装備カードは1枚まで)。
このカードが戦闘によって破壊される場合、
代わりに装備したモンスターを破壊する。
自分ターンのスタンバイフェイズ時、
この効果で装備カードを装備したこのカードを墓地に送る事で、
「魅惑の女王LV5」1体を手札またはデッキから特殊召喚する。

魅惑の女王「いきます、熟練の黒魔術師と魅惑の女王でダイレクトアタック」

ミズキ LP6000→3600「ふぅ……」

魅惑の女王「ターンエンド、ずいぶん落ち着いてますのね」

ミズキ「そりゃ負けたって僕には何もないですからね……ま、あなたが負けた場合は死んじゃいますが」

三女「(こいつ……)姉様! もう少しよ!」

ミズキ「ということで頑張ってくださいね。僕のターン、ドロー」

ミズキ「僕は伝説の賭博師(レジェンド・ギャンブラー)を召喚します、効果発動。コイントスを行います」

《伝説の賭博師(レジェンド・ギャンブラー)》
効果モンスター
星4/闇属性/魔法使い族/攻 500/守1400
コイントスを3回行う。
3回とも表だった場合、相手フィールド上モンスターを全て破壊する。
2回表だった場合、相手の手札をランダムに1枚捨てる。
1回表だった場合、自分フィールド上に存在するカード1枚を破壊する。
3回とも裏だった場合、自分の手札を全て捨てる。
この効果は1ターンに1度だけ自分のメインフェイズに使用する事ができる。

3回中コインは2回表をさした。

ミズキ「2回ですね、効果発動。あなたの手札をランダムに1枚捨てます」

魅惑の女王「……手札からおジャマトリオが捨てられます」

ミズキ「僕は二重召喚を発動。伝説の賭博師(レジェンド・ギャンブラー)を生け贄に闇紅の魔導師(ダークレッド・エンチャンター)を召喚します」

ミズキ「闇紅の魔導師にカウンターを2つ乗せます、これで攻撃力は2300」

《闇紅の魔導師(ダークレッド・エンチャンター)》
効果モンスター
星6/闇属性/魔法使い族/攻1700/守2200
このカードが召喚に成功した時、
このカードに魔力カウンターを2個乗せる。
自分または相手が魔法カードを発動する度に、
このカードに魔力カウンターを1個乗せる。
このカードに乗っている魔力カウンター1個につき、
このカードの攻撃力は300ポイントアップする。
また、このカードに乗っている魔力カウンターを2個取り除くことで、
相手の手札をランダムに1枚捨てる。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。

ミズキ「いきます、闇紅の魔導師で熟練の黒魔術師を攻撃。闇紅衝撃波導(ダークレッド・ショック・ウェイブ)!」

魅惑の女王 LP8000→7600「……まだまだですわ」

ミズキ「メイン2に闇紅の魔導師(ダークレッド・エンチャンター)の効果発動。闇紅に乗っている魔力カウンターを2つ取り除き、また手札をランダムに1枚捨ててもらいますよ」

魅惑の女王「……死のマジックボックスが捨てられます」

ミズキ「おっと危なかったですね。ターンエンドです」

魅惑の女王
LP   :7600
手札   :2枚
モンスター:魅惑の女王 LV3
魔法or罠 :アメーバ
伏せカード:なし

ミズキ
LP   :3600
手札   :3枚
モンスター:闇紅の魔導師
魔法or罠 :なし
伏せカード:なし

三女「あいつハンデスばっかり……汚いわ」

ミズキ「おや、何か言いましたか?」

三女「い、いえ……何も」

ミズキ「そうですか、それならいいのですが」

魅惑の女王「……私のターン、ドロー」

魅惑の女王「スタンバイフェイズに魅惑の女王 LV3を墓地に送り、デッキから魅惑の女王 LV5を召喚しますわ」

《魅惑の女王(アリュール・クィーン) LV5/Allure Queen LV5》
効果モンスター
星5/闇属性/魔法使い族/攻1000/守1000
「魅惑の女王 LV3」の効果で特殊召喚した場合、
1ターンに1度だけ自分のメインフェイズ時に
相手フィールド上のレベル5以下のモンスター1体を選択し、
装備カード扱いとしてこのカードに装備する事ができる
(この効果で装備できる装備カードは1枚まで)。
このカードが戦闘によって破壊される場合、
代わりに装備したモンスターを破壊する。
自分ターンのスタンバイフェイズ時、
この効果で装備カードを装備したこのカードを墓地に送る事で、
「魅惑の女王 LV7」1体を手札またはデッキから特殊召喚する。

ミズキ「ですが闇紅の魔導師はレベル6、魅惑の女王LV5じゃ装備出来ませんよ」

魅惑の女王「それならこれを使いますわ。装備魔法、降格処分。対象は闇紅の魔導師です」

《降格処分/Demotion》
装備魔法
このカードを装備したモンスターのレベルを2つ下げる。

魅惑の女王「このカードで闇紅の魔導師はレベル4、魅惑の女王 LV5で装備します」

ミズキ「……厄介ですね」

魅惑の女王「そして魅惑の女王 LV5でダイレクトアタックしますわ」

ミズキ LP3600→2600「…………」

魅惑の女王「カードを1枚セットしてターンエンドです」

ミズキ「僕のターン、ドローです」

ミズキ「僕は古のルールを発動、手札からブラック・マジシャンを召喚」

ミズキ「ブラック・マジシャンで魅惑の女王を攻撃します。黒・魔・導(ブラック・マジック)」

魅惑の女王「和睦の使者発動。このターンの戦闘ダメージを無効にします」

ミズキ「防がれましたか、ターンエンドです」

魅惑の女王
LP   :7600
手札   :1枚
モンスター:魅惑の女王 LV5
魔法or罠 :闇紅
伏せカード:なし

ミズキ
LP   :2600
手札   :2枚
モンスター:なし
魔法or罠 :なし
伏せカード:なし

魅惑の女王「私のターン、ドロー」

魅惑の女王「スタンバイフェイズに魅惑の女王 LV5の効果を墓地に送り、デッキから魅惑の女王 LV7を召喚します」

魅惑の女王「そして魅惑の女王 LV7の効果発動。そちらのブラック・マジシャンを装備」

ミズキ「おっと、捕らわれてしまいましたか……」

《魅惑の女王(アリュール・クィーン) LV7/Allure Queen LV7》
効果モンスター
星7/闇属性/魔法使い族/攻1500/守1500
「魅惑の女王 LV5」の効果で特殊召喚した場合、
1ターンに1度だけ自分のメインフェイズ時に
相手フィールド上のモンスター1体を選択し、
装備カード扱いとしてこのカードに装備する事ができる
(この効果で装備できる装備カードは1枚まで)。
このカードが戦闘によって破壊される場合、
代わりに装備したモンスターを破壊する。

魅惑の女王「魅惑の女王 LV7でダイレクトアタックです」

ミズキ LP2600→1100「おっと、ピンチですね」

魅惑の女王「いえ、これで終わらせますわ。さらに速攻魔法、ディメンション・マジックを発動。魅惑の女王 LV7を生け贄に手札からコスモクイーンを特殊召喚」

《ディメンション・マジック/Magical Dimension》
速攻魔法
自分フィールド上に魔法使い族モンスターが
表側表示で存在する場合に発動する事ができる。
自分フィールド上のモンスター1体を生け贄に捧げ、
手札から魔法使い族モンスター1体を特殊召喚する。
その後、フィールド上のモンスター1体を破壊する事ができる。

《コスモクイーン/Cosmo Queen》
通常モンスター
星8/闇属性/魔法使い族/攻2900/守2450
宇宙に存在する、全ての星を統治しているという女王。

次女「やったわ、これでお姉さまの勝ち!」

魅惑の女王「とどめです、コスモクイーンでダイレクトアタック! コズミック・ムーア」

ミズキ「すみません、手札からクリボーを捨ててそのダメージは無効です」

魅惑の女王「!!」

三女「な、何でクリボーなんか入れてるの!?」

ミズキ「同じブラック・マジシャン使いのデュエルキングも入れてますからね……それに僕は伊達でクリボーのみを入れてるわけではありませんよ」

魅惑の女王「タ、ターンエンド……」

ミズキ「僕のターン、ドロー」

ミズキ「僕はモンスターを1枚セット、ターンエンドです」

魅惑の女王
LP   :7600
手札   :なし
モンスター:コスモクイーン
魔法or罠 :なし
伏せカード:なし

ミズキ
LP   :1100
手札   :2枚
モンスター:なし
魔法or罠 :なし
伏せカード:なし

魅惑の女王「私のターン、ドロー」

魅惑の女王「コスモクイーンで裏守備を攻撃!」

ミズキ「これはメタモルポットです、お互い手札を全て捨ててカードを5枚ドローします」

魅惑の女王「……カードを2枚セットしてターンエンドです」

ミズキ「僕のターン、ドローします」

ミズキ「……さて、このターンで終わらせましょうか。まずは大嵐を発動」

魅惑の女王「……伏せカードはミラーフォースと強制脱出装置、どちらも破壊」

ミズキ「おっと、またも危なかったですね」

三女「でもこのターンで終わらせるなんて……まだお姉さまのライフは7600もあるのに」

ミズキ「行きますよ。まずは創世の預言者を召喚します」

ミズキ「そして効果発動します、手札の混沌の黒魔術師を捨て墓地のブラック・マジシャンを手札へ」

《創世の預言者》
効果モンスター
星4/光属性/魔法使い族/攻1800/守 600
手札を1枚捨てる。
自分の墓地に存在するレベル7以上のモンスター1体を手札に加える。
この効果は1ターンに1度しか使用できない。

魅惑の女王「……まさか!」

ミズキ「そう、あなたが先ほど使ったのと同じようにです。こちらもディメンション・マジック発動」

ミズキ「創世の預言者を生け贄に捧げ手札のブラック・マジシャンを特殊召喚、さらにコスモクイーンを破壊です」

魅惑の女王「くっ……でもその程度じゃ終わりませんわ!」

ミズキ「ブラック・マジシャンで攻撃します。黒・魔・導(ブラック・マジック)!」

魅惑の女王 LP7600→5100「まだまだ……」

ミズキ「いえ、まだ僕のバトルフェイズは終了していませんよ」

魅惑の女王「え?」

ミズキ「僕は手札から速攻魔法、光と闇の洗礼を発動。ブラック・マジシャンを生け贄に捧げ墓地から混沌の黒魔術師を特殊召喚します」

《光と闇の洗礼/Dedication Throught Light and Darkness》
速攻魔法
自分フィールド上の「ブラック・マジシャン」を生け贄に捧げる事で発動する事ができる。
自分の手札・墓地・デッキの中から「混沌の黒魔術師」を1体選択して特殊召喚する。

ミズキ「そして混沌の黒魔術師の効果発動。墓地のディメンションマジックを手札へ回収します」

《混沌の黒魔術師/Dark Magician of Chaos》
効果モンスター(制限カード)
星8/闇属性/魔法使い族/攻2800/守2600
このカードが召喚・特殊召喚に成功した時、
自分の墓地から魔法カード1枚を選択して手札に加える事ができる。
このカードが戦闘によって破壊したモンスターは墓地へは行かず
ゲームから除外される。
このカードはフィールド上から離れた場合、ゲームから除外される。

ミズキ「さらに混沌の黒魔術師で攻撃です。ダデ……じゃなくて滅びの呪文―デス・アルテマ」

魅惑の女王 LP5100→2300「くっ! でもまだ終わりはしません!」

ミズキ「僕が戻したカードはディメンションマジック、そしてそれ含めて僕の手札は二枚」

ミズキ「この意味がお分かり頂けますか?」

魅惑の女王「あ……」

ミズキ「僕の二枚のうちもう一枚は二枚目のブラック・マジシャンですよ。行きます。ディメンション・マジック発動、混沌の黒魔術師を生け贄に捧げて手札からブラック・マジシャンを特殊召喚!」

魅惑の女王「そ、そんな……」

ミズキ「あなたの負けですね、それでは約束通り。ウィザードリー・カノン」

魅惑の女王「ちょ、ちょっと待っ……あっ!」

先ほどのようにブラック・マジシャンがウィザードリー・カノンを放つ。
魅惑の女王 LV7の体は跡形もなく黒い魔砲の軌跡に飲み込まれた。

ミズキ「さて、次はあなた方ですね」

魅惑の女王 三女「よ、よくも姉さまを! あいつを倒すのよ! 親衛隊!」

魅惑の女王 LV3がカードを前に突き出し、再び女王親衛隊を召喚する。

ミズキ「抵抗しますか……ならもう一度お願いします、ブラック・マジシャン」

だがやはりブラック・マジシャンには到底敵わない。
先ほどとなんら変わらないやり取りだった。
巨大な魔砲は全てを飲み込む。一瞬にして親衛隊、そしてLV3はこの世から命も、骸さえも消え去った。まさに瞬殺。
ブラック・マジシャンは本当に強い……もはや無敵の強さだった。

それを傍で見ていた魅惑の女王 LV5は尻餅をついて震えていた。
よく見ると地面にシミのようなものが見える。
あまりにも怯えているのか、失禁してしまったのだろう。

魅惑の女王 LV5「お、お願い……助けて……」

ミズキ「最初に襲おうとしたのはあなた達ですし、それに約束ですよ? 僕が勝ったなら殺すと」

魅惑の女王 LV5「そうだ、私をあなたの持ちカードにしませんか? あなたの傍でお役に立たせてください!」

ミズキ「僕は魔法使い族のエキスパートでしてね、魅惑の女王くらい持ってますよ」

魅惑の女王 LV5「そんな……な、何でもしますから! だから命だけは……お願い……」

ミズキ「野性精霊(ハギオン)のくせに命乞いですか……簡単に他の者の命は奪うくせに。やれやれ……」

魅惑の女王 LV5「うぅ……何で! 何でこんなことを……」

ミズキ「あなた達から襲ってきたからじゃないですか、専守防衛ですよ」

ミズキ「……ってのは方便ですね。本当はわざと襲われたかったのです」

魅惑の女王 LV5「何のために……」

ミズキ「しばらく僕は精霊を使っていなかったので、肩慣らしというか練習というか」

ミズキ「今もブラック・マジシャンは半分も力が出せてませんしね」

魅惑の女王 LV5「(あれで半分以下……)」

ミズキ「目的のために力が必要なのですよ」

ミズキ「それに約束したでしょう? 僕が勝ったらあなた達を消すと。ちゃんと守ってくださいね」

魅惑の女王 LV5「い、いや! まだ死にたくない!」

ミズキ「だめですよ」

魅惑の女王 LV5「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……」

ミズキ「謝ってもだめです」

魅惑の女王 LV5「これだけ謝ってるのに……お願い、助けて……」

魅惑の女王が泣いて謝り続け命を乞う。
ミズキはそれをじっと見ていた。
ついにはただすすり泣くだけになった。

魅惑の女王 LV5「うぅ……うぅ……」

魅惑の女王の中に渦巻いてる感情はどうしようもなく哀しく激しいものであった。
もうすぐ自分の命が消える。
それだけは嫌だ、強く思っているだろう。
だがどんなに後悔をしても今の状況には抗えはしない。
自分はこれから殺される。
突然のことである、もちろん覚悟など出来ていない。
ただ魅惑の女王は泣き続け、今の自分の状況を悔やむだけだった。

しばらくミズキはそれを見ていたが、ついにブラック・マジシャンに命ずる。

ミズキ「ブラック・マジシャン……消せ」

ミズキが命ずると共にブラック・マジシャンは杖を魅惑の女王に向けてビュッと振るう。
杖が風を切る音と共に魅惑の女王 LV5の首が後方に飛ぶ。
そしてすぐに魅惑の女王の体は光の粒子となり消えた。

ブラック・マジシャン「終わったぞ、主」

ミズキ「…………」

ミズキは額に指を指を添えて俯いている。

ブラック・マジシャン「どうかしたか?」

ブラック・マジシャンのその問いにミズキは顔をあげ答える。

ミズキ「いえ、反撃してくるのならいいんですがね……どうもああいうのはやりにくい」

ブラック・マジシャン「最後に首を飛ばしたやつか」

ミズキ「ええ。でも、それでも僕は非情に徹さなければならない」

ブラック・マジシャン「主……」

ミズキ「あ、また来ましたよ」

休む間もなくミズキの前にまた野性の精霊が現れた。
それはゴブリン突撃舞台の群れであった。
ざっと30匹ほどのゴブリンが岸壁の上から見下ろしている。

ゴブリンA「ぐは、いい獲物発見だぜ! おい兄ちゃん、命が惜しかったら持ってるもん全部置いてきな」

ゴブリンB「ぐへ、お前どうせ殺すくせによう! しかしこんな夜中にいい獲物見つけたな」

ミズキ「何を言ってるのですか獲物は……そっちのほうです」

ゴブリンA「何!?」

ゴブリンB「てめぇ! いてもうたらぁ!」

ゴブリンの群れがミズキのほうへと押し寄せてきた。
だがミズキは冷静だ。
もちろんブラック・マジシャンの強さはゴブ突とは比べ物にならないほどの強さだからだ。

ミズキ「……ブラック・マジシャン、まだまだ夜は長いですよ。どんどん消しましょう」

ブラック・マジシャン「あぁ、私も久しぶりに暴たい」

ミズキ「元気ですねぇ……それじゃ、やっちゃってください」

ミズキがそう言うと再びブラック・マジシャンは杖を振るって戦い……いや、殺戮を続けた。

ブラック・マジシャンを駆り夜中をかけて、精霊を練習という名で殺戮し続けるミズキ。
何故精霊召喚が出来るのか、デヴァイスを持っているのか?
そして果たして彼方瑞貴は何者なのだろうか……それはまだ分からなかった。

つづく

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

どなたでも編集できます