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強制利尿(急性薬物中毒)

[要約]

 強制利尿 (forced diuresis)は、中毒起因物質の排泄を促進することを目的として、尿量を増加させる治
療法である。急性中毒の標準的な治療法の一つとして広く実施されており、時間尿量250〜500mlを目標
として輸液負荷と利尿薬投与を行うことが多い。さらに、尿中への排泄を促進するために尿のアルカリ化
や酸性化を行う場合がある。しかし、理論的に有効性が期待できる物質は非常に少なく、臨床的効果が
示された物質はさらにごく一部(バルビタール、サリチル酸など)である。そのため、多くの中毒例において
は、脱水の補正・防止と腎血流量維持以上の効果があるか疑問視されている。なお、尿の酸性化は、従
来は適応があるとされてきた物質(アンフェタミン、キニンなど)を含めて、現在は推奨されなくなっている。
脱水、意識障害、呼吸抑制、痙攣などに対する対策が適切になされるならば、強制利尿を実施すること
による臨床的有用性は非常に乏しいと考えられる。

[禁忌]

 腎不全(乏尿、無尿)、肺水腫、心不全、重篤な電解質異常のある場合など

[実施方法]

1)静脈路(末梢および中心静脈)の確保と膀胱カテーテルの留置を行う。
2)必要に応じて心電図、酸素飽和度、血圧、中心静脈圧、体温などのモニターと血液ガス、血糖・尿糖、
電解質(血清、尿)、浸透圧(血清、尿)、pH(尿)、胸部X線、体重測定などの検査を行う。
3)循環動態が不安定な場合や利尿が得られない場合はSwan-Ganzカテーテルや心エコーによる心機能
の評価を行う。
4)十分な補液がなされており、腎機能障害がないことを確認した上で輸液投与を開始する。
5)輸液製剤:乳酸リンゲル液あるいは生理食塩水と5%ブドウ糖液の等量配合液を用いる。なお、電解質
のチェックを定期的に行い、電解質の補正を行う。特に低カリウム血症をきたしやすいので、血清カリウ
ム値4mEq/lを目標としてカリウムの補給を行う。カリウム(KCl)は輸液製剤内に混入するかポンプで微量
持続注入し、1時間あたり20mEqを超えないようにする。乏尿や無尿の患者にはカリウムを投与しない。
6)投与量:500mlから1000mlを30分から1時間で負荷し、以後は250ml/時から500ml/時の輸液を継続す
る。
7)尿量:時間尿量として250mlから500mlを目標とする。
8)利尿薬:輸液負荷だけで目標とする利尿の得られない場合は利尿薬(フロセミド、マニトール)やドパミン
を用いる。利尿薬を用いる場合には、時間毎の水分バランスと尿pHをモニターする。
9)投与期間:原則として12時間ないし24時間経過した時点で、強制利尿の効果と適応を再評価する。
10)尿のアルカリ化:尿pH値7.5以上を目標として、重炭酸ナトリウム液20mlから40ml(重炭酸イオン17−
33mEq)の反復静注または点滴静注を行う。ただし、特に人工呼吸器などで補助換気を受けている患者
では、重篤なアルカローシスをきたさないように注意する。
11)尿の酸性化:原則として行わない。行う場合は5モル塩化アンモニウム20mlを生理食塩水500mlに希釈
して点滴静注する。

[合併症]

 肺水腫、脳浮腫、腎不全、心不全、SIADH、電解質異常(高ナトリウム血症、低カリウム血症、低ナトリ
ウム血症など)、高血糖(糖液使用の場合)、低体温など
2007年02月25日(日) 19:20:14 Modified by eu5yiwdr




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