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戦争

北方帝国の皇帝パトゥーサが、西方諸国の後押しで草原地方に侵略して草の民との軍事衝突を起こした事件。
戦争は当初パトゥーサ率いる北方帝国軍?の圧倒的優位に進むものの、結局草の民の王ハルバンデフに敗北。
この戦争の怪我が元でパトゥーサが死亡したことにより、北方帝国はその後草の民の逆侵攻を受けることになる。

概要

バキスタの戦いで敗北した西方諸国は、強大な軍事力で自らを脅かす草の民に対して、軍費の負担を条件に北方帝国にその討伐を依頼する。
一方、クーデターで北方帝国の皇帝に即位し、今まで政治の実権を握っていた央機卿をも廃して独裁政治を行っていたパトゥーサも内政の失敗で苦境に立たされていたため、起死回生のためにこの話に乗る。
パトゥーサは討伐軍を編成し、自ら草原地方に親攻を行い破竹の勢いで草原地方を侵略するが、補給戦が延びきってしまい、またハルバンデフの焦土作戦・カーズガンの補給線潰しに遭い侵略はストップしてしまう。パトゥーサハルバンデフと講和を結び軍を引き返そうとするが交渉は失敗、その後撤退戦を行うがその際に怪我を負い軍の指揮がとれなくなる。
残された家臣達はハルバンデフと再交渉し、戦費として西方諸国からもらった財宝と引き換え条件に撤収を行う。しかし、この際の傷が悪化してパトゥーサは死亡する。
このことにより長い北方帝国の没落の歴史が始まる。

戦争の軌跡

開戦前夜

西方諸国
万全の体勢で挑んだはずのバキスタの戦いの敗戦は西方諸国を大きく動揺させた。また、バキスタの戦いで各国政府要人の多くが殺害され、残った政府要人もゼダ家の私兵集団によって救出されたためゼダ家に大きな借りを作ってしまったことは各国政府を大きく混乱させた。
バキスタ地方の要塞化と傭兵集団の大量雇用により急場は凌いだものの、体勢の建て直しを必要とした西方諸国は最後の手段に出る。今まで仇敵として蛇蝎のごとく嫌っていた北方帝国に、戦費の肩代わりを条件に草の民の討伐を依頼したのである。
交渉はバキスタ卿を通して行われ、北方帝国はこれを快諾する。
北方帝国
後継者を決めないまま他界した7代皇帝後の皇帝空位の混乱を制したのは、傭兵上がりの先代皇帝の13子パトゥーサであった。パトゥーサは戦略と策謀、そして蓄えた軍事力で皇帝の座を手に入れた後、3月事件を契機に今まで政治の実験を握っていた央機卿を廃止し、独裁政治を行った。しかし、独裁者に対する国民の風当たりは強く、また失業者問題をはじめとする国内問題を解決できずにいたためその求心力は下がる一方だった。
そのような中、バキスタ卿を通じて西方諸国からの草の民征伐の話が切り出される。戦費の全額負担と褒賞を条件としたこの話に、起死回生をかけてパトゥーサは飛びついた。
パトゥーサは国内の失業者・琉民問題、景気高揚策として新規に遠征部隊を組織し、草原地方への侵略を開始する。
一説によればパトゥーサは西方諸国が、戦後に約束を反故にすることまで読んでおり、草の民との戦争で戦闘経験を積んだ兵団を率いて、いまだ混乱の続く西方諸国に侵攻することも考えていたという。
草の民
バキスタの戦いで西方諸国を下し、西方からの脅威が無くなったハルバンデフ率いる草の民が次に狙うのは北方帝国南部、あるいは亜大陸への玄関口であるトゥルサであった。しかし、北方帝国は政治的混乱が起きているためいつでも侵略できると考えたハルバンデフトゥルサの攻略と宿敵カーズガンの捕縛を急ぐ。
しかし、新たに皇帝になったパトゥーサは予想外の速度で北方帝国を掌握し、草の民の脅威となった。
ハルバンデフも慌てて対北方帝国の戦略を練るが、事態は予想外の速度で進行していた。
そのような最中、皇帝パトゥーサ率いる遠征軍が草原地方へ遠征を開始する。

開戦

アリタルリア丘の戦い
皇帝パトゥーサの侵攻の報を受け、ハルバンデフは軍を編成。両軍は草原地方北部のアリタルリア丘で激突した。
この戦いは両軍にとって様子見の意味合いの強い戦いであったが、パトゥーサは歩兵と弓兵を巧みに用いた見事な用兵でこの戦いに勝利、ハルバンデフはチャハル平原まで敗退する。
チャハル平原の戦い
アリタルリア丘の戦いに敗退したハルバンデフはチャハル平原に陣を敷く。
この時、パトゥーサバキスタの戦いで西方諸国が用いたのと同じ多段攻撃の陣を敷くという情報を得たハルバンデフは、バキスタの戦いと同じ布陣でこれに挑む。
しかし、パトゥーサの用兵は正面の重装部隊を囮として、攻城兵器の射程圏外でゆっくりと後退させ、敵の陣容が崩れた隙に左右から伏兵(実は主力部隊)がこれを掃討するというものだった。しかも、伏兵は草原地方の内部からではなく、大きく迂回してバキスタ地方を経由してハルバンデフ軍に迫っていたのである。
この戦いにハルバンデフは大敗し、敗残兵をまとめて草原地方南部バロベ渓谷まで逃げ延びる。
焦土作戦とカーズガンの反乱
チャハル平原の戦いに勝ったパトゥーサハルバンデフの息の根を止めるべく、バロベ渓谷まで軍を進める。が、ここで大きな問題に直面することになる。食料の現地調達ができなかったことである。
ハルバンデフパトゥーサの侵攻路に位置する草の民の各集落に集落と食料・家畜を焼き、井戸には毒を投げて逃げるように命じたのである。
このことにより戦線の延びきった北方帝国軍は深刻な補給不足に陥り侵攻速度が停滞、加えて本国からの補給部隊がカーズガンが難民を救うために組織したゲリラ部隊によって襲われるようになると、損害を恐れた北方帝国の官僚・諸侯たちが補給を滞らせるようになった。
結果、パトゥーサの軍隊は低い士気のまま草原地方中央部で立ち往生することになってしまう。
講和
遂に深刻な状況に陥った北方帝国軍はハルバンデフに講和を持ちかける。
西方諸国への義理立ては十分に果たしたと考えたのである。
この時にパトゥーサの出した条件は決して草の民にとって有利な条件ではなく、ハルバンデフ北方帝国からの使者を「首と胴体を分けて返した」。
パトゥーサはもう一度使者を送り、今度は公平な条件(草原地方からの全面撤退と領土境界線の戦争前への復帰)での講和を持ちかけたが、今度は使者は鞭打たれ「パトゥーサの首か西方諸国から支払われた財宝全てが条件」と刺青されて戻された。
ここに講和は完全に決裂した。
チェハルスタの戦い
徹底を開始した北方帝国軍に、再集結した草の民の軍隊はバロベ渓谷から出て攻め寄せたが、重装歩兵と弓兵を殿としたようにみせかけ、左右から騎兵を中心とした部隊で敵陣を崩すパトゥーサの戦術の前に草の民は敗北する。
しかし、この戦いでパトゥーサは重症を負い、元々パトゥーサ一人の戦闘指揮によって無敵を誇っていた北方帝国軍首脳部は完全に機能不全に陥る。
ハルバンデフは直後に軍を再編、北方帝国軍を包囲する。

終戦

再講話
窮地に陥った北方帝国軍首脳部は再びハルバンデフに講話の話を持ち出すが、ハルバンデフの条件は同じであった。
そこで北方帝国軍首脳部は影武者の首を差し出し、ありったけの財宝を差し出してハルバンデフとようやく講話を結んだ。
ハルバンデフが差し出された首が影武者のものであると気付いたかどうかは分からないが、ともかく講話は結ばれ、北方帝国軍は全ての物資との引き換えにようやく本国へと帰ることが出来た。
兵力の損耗こそ少なかったものの、開戦当初の勢いが嘘のような惨敗で兵士達の姿は貧民窟の琉民と変わらなかったという。
パトゥーサの死
北方帝国南部の軍事拠点サドミッミで戦いで受けた傷の治療を行っていたパトゥーサであるが、結局破傷風の毒が体内に回って翌年死亡した。
これには暗殺説もある。
このことにより「皇帝パトゥーサの遠征」と呼ばれる戦争は北方帝国の敗北に終わった。

戦後

「皇帝パトゥーサの遠征」によって独裁者であるパトゥーサが死亡したことにより北方帝国国内は完全に混乱した。
幽閉されていた元央機卿達はクーデターを決行。パトゥーサの血を引いていない皇帝一族の男子を皇帝の座につける。
しかし、これに皇帝親衛隊や、パトゥーサによって編成された軍関係者は反発し、各地で謀反を起こした。
この国内の混乱を突きハルバンデフ率いる草の民北方帝国に逆進軍し、一時帝都ソフォフが包囲される事態にまで陥った。
その後、戦争で多額の費用を失った北方帝国では皇帝パトゥーサの遠征や草の民侵攻の際に戦った兵士達に対する給料の不払い問題が発生し、彼らによる暴動・打ちこわし運動が頻発した。
このことにより帝国は急速に力を衰えさせ、やがてリクシャマー帝国による北方帝国制圧戦争が始まる。

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