ロズリア・ヴュ・ガウリン

人物
宰相

ロズゴール王国国王ラファランの孫に当たり、有力貴族であったマスティオ・ヴュ・ガウリンの娘。
ロズゴール王国国王一家が暗殺され、王弟ヴィルジールが意識不明の重態でありながら即位した際に国王代理として5年間政治を束ねた（少女宰相）。
その後、後に王となるレオナールⅡ世以下4人の男子を出産し、ロズゴール王国滅亡の危機を救った。
一般的に「少女宰相」と呼ばれるが、ロズゴール王国の歴史においては「再光后」ともよばれる場合がある。

出生

国王ラファランには3人の王子がいて、2人の王女がいた。
王女のうち姉は第二次継承戦争の後、講和の条件としてリクシャマー帝国の皇帝一家に嫁ぎ一人の男子を産む。彼は成人して後、リクシャマー帝国皇帝になった。
王女のうち妹は降嫁して有力貴族であるマスティオ・ヴュ・ガウリンに嫁いで一人の女子を産んだ。彼女がロズリア・ヴュ・ガウリンである。

国王暗殺事件

彼女が15歳の時（一説には14歳）、国王一家に対する暗殺事件が発生する（7月事件）。
この暗殺事件で国王ラファランは崩御、跡継ぎである王子達は全員死亡、王弟ヴィルジールが意識不明の重態に陥る。
残る王位継承者のうち最高位にあるのは即位したばかりのリクシャマー帝国皇帝であり、皇帝はロズゴール王国に対して王位継承を要求する。時の政府はステアトを仲介に妥協案を提案する。
その条件とは「病床にある王弟が即位し、先王の直系であるロズリアが国政を代行する。王弟が意識を取り戻し子供を残した場合にはその子が王位を継承する。王弟が生存している状態でロズリアが男子を産んだ場合には、その子が王位を継承する。もし王弟が崩御、もしくは王弟が意識を取り戻さない、あるいは子供を残せない状態でロズリアが子供を残さずに死亡した場合にはリクシャマー帝国皇帝がロズゴール王国王位を継承する」というものであった。

少女宰相

この条件に当然ながらリクシャマー帝国は渋ったが、リクシャマー帝国皇帝一族でもあったステアトの公王の働きかけもあり受諾。
ロズリアは宰相として15歳という異例の若さで宮廷入りした（この時にはまだ14歳であったが、年齢を誤魔化して宮廷入りしたという説もある）。
なぜ宰相であったかといえば、当時のロズゴール王国の国法では国王代行職である摂政になれるのは「王族の男子のみ」とされており、女子であり、また既に母親の代に臣籍降下していたロズリアは王族ではなかったため摂政になれなかったが、同時に国法に「宰相になれるのは男子のみ」という条項がなかったためである。
この異例の事態を「少女宰相」というが、ロズリアは腹心である叔父のユーグ・ヴュ・ガウリン、護衛官であり相談役のアヴュー・アー・ゴズマの助力もありこの危機を見事に切り抜け内乱を未然に防ぎ、リクシャマー帝国との対外戦争に勝利して国政をまとめた。
彼女の宰相就任時代の国政が基盤となり、ロズゴール王国は国富を大幅に増やし、後のレオナールⅡ世による最大版図の達成へとつながる。
尚、彼女の施政方針は「政治とは利権の調整場である」であり、この割り切った態度が結果として功を成したため、後世の政治家の中にもこの施政方針を座右の銘とする者が多い。

王子出産

ロズリアが18歳の時に王族の一人と結婚し、20歳の時に男子をもうけた。
この子供が生まれてすぐに王位に就いたことにより、彼女は宰相を辞任して宮廷を去り、この異常事態は終了する。
彼女はその後3人の王子を産み、ロズゴール王国の危機は救われた。
子供達が成人して後は故郷に帰ったとも、修道院に出家したとも言われるが定かではない。