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「金が欲しいなら、こいつの頭をこの44マグナムで打ち抜いてみろ」
くく、目の前に蹲る男に震える銃口を向けて躊躇っているのを見るのは、
やはり面白い。この女は俺を愉しませてくれそうだ。
「そ、そんな……っ、私、出来ません……」
やはり、この女は銃を膝の前あたりに垂らしてしまって、結局撃たなかった。
だから、俺は助け船を出してやる。そうすれば、こいつはもっと迷うだろう。
「そうか、ならお前の妹は死ぬな。病院に払う金も無いんだろう?」
どうせ目の前の男もこの女が殺さなければ俺が殺すのだし、
撃てばそれはそれで面白い。撃たなければこいつの妹が死ぬ。
ただそれだけだ。
「……っ」
俺の助け船が聞いたのか、再び銃をもたげる女。
唇が恐怖で震えている。トリガーを握る指は、力を入れようか入れまいか迷っていた。
引いてしまえ。俺は心の中で念じる。
殺しをするなど思ってもみなかった奴が人を殺す様ほど面白いものはない。
その後の罪悪感で悶える様が、何より俺を悦ばせる。
さあ、引いてしまえ。その男の脳漿をぶちまけてしまえ。
「私……私、は……あの子を――」
女はそんな事を云ったかと思うとトリガーを握る指に力を入れた。
元々白い指が、更に白くなる。黒く鈍い光を放つ銃と合わせて見ると、
それはよく映えていた。俺は笑う。喉をくつくつと鳴らしながら嗤った。
「た、助けなきゃ……助けないと、でもそれにはお金が……」
最早自分が何をしようとしているのか、
この女の無意識の防衛本能が忘れさせているのだろう。
女は焦点の定まらない目をぎらつかせながら、一心に男の顔を見遣っていた。
大量の汗が額から流れて、前髪が貼り付いている。
俺は、止めと云わんばかりに、「やれ」と一言冷然と言い放った。
「あの子は、私が――」
暗い路地裏に、空気を抜いたような音がした。
それがサイレンサーを付けた銃声なのだと、女が理解する時が楽しみだ。
俺は頭を撃ち抜かれてぴくりとも動かない男を一瞥して、
女がどう壊れるか、好奇の眼差しで見詰めていた――。




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