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日本のとある、とっくに廃村になった村の山奥に、2つの道場があります。
一つは僕ら地天蛙流の道場、自慢じゃないが最近増築を終えて弟子達には好評だ。
もう一つの道場は弟子なし、僕の幼なじみにして天地蜂流師範代しかいない存続が危うい道場。
「いい加減にこちらの好意をうけて欲しいな。」
「亜太郎!私は拝金主義に堕落した貴様と馴れ合うつもりはない!」
黒髪ポニーテールの細身の幼なじみは刺すような視線で威圧する。
ああ、昔はあんなに仲が良かったのに……。
爺ちゃんが南国でもらった島からレアメタル鉱脈を見つけて以降、
僕ら地天蛙流は巨万の富を手に入れた。
だけど天地蜂流はその修行と規範の過酷さから弟子は逃げ、
収入は農村からの献上品一本、それも廃村により失われ、
道場の宝物はほぼ質に流れ、もはや進退極まっていた。
「立ち直りたいなら妥協は必要だよ、現代はダイエットやストレス解消のための剣道をするべきだよ。
そのための資金なら融資する、勿論昔からのよしみだから無期限無利子にする。」
「うるさい……去れ、下郎が。」
もはや真剣に手をかける幼なじみ、いつもそうだ、条件を良くすると決まって怒る、
かといって厳しくするにも相手には担保にするものが無い。
「わかったよ。今日はもう帰る、また明日会おう。」
「二度と来るな、潰れ蛙。」
むしろ潰れそうなのはそちらの道場なのでは、
というツッコミは心の奥にしまっておくことにする。
道場を追い出されるように出て、門を出た辺りで4人の浅黒い少女が待つ、
「妓生が4人とはご立派なものだな亜太郎。」
「いやあれは爺ちゃんが南国の王族からの土産だっていって勝手に置いてった人達だから……」
背中から、常人を軽く心不全にできる殺意をだす幼なじみ、
もはや逃げるしかない、本能が叫んでいた。
「さあ待たせたね、帰ろうかみんな。」
4人は無言でついてきてくれた。
すぐ隣だから先に道場に帰っても構わないのに。
そして、僕は自分の道場に帰り結果を親父に報告し、1日の鍛錬を終えて部屋に戻った。
明日こそ、幼なじみを救いたい、お節介とわかっていても、
彼女には武に生きるよりも先に自分を大切にして欲しい、
そう思わずにはいられなかった。




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