血滴子

 「空飛ぶギロチン」の名で知られる武器。ショウブラザース映画『血滴子』でデビュー。鎖の先に伸縮する駕籠に刃がついており、駕籠を犠牲者の首にかぶせてから操作をすると刃が飛び出し首を斬るという恐怖の武器。『Kill Bill Vol.1』のGOGO夕張愛用の「ゴーゴーボール」のモデルとなった。

 そもそも血滴子とは清の雍正帝(ようぜいてい)によるスパイ組織のことであったが、そこからイマジネーションを膨らませてこの狂ったオリジナル武器が誕生した。
 映画『血滴子』では青空を背景に陳觀泰らが爽やかに首切り訓練をし、さらには組織で仲間割れして互いの首をふっとばしまくる狂気の展開となる。
 だがこの武器を使用する最も有名な映画といえば、『獨臂拳王大破血滴子』(英語タイトル"One-Armed Boxer vs The Flying Guillotine" 邦題『片腕カンフーVS空飛ぶギロチン』)であろう。血滴子を操る封神無忌と片腕の兪天竜の死闘を描いたこの作品は、登場人物のほぼ全員が狂気にとりつかれルール無用の残虐ファイトをするという無惨な映画である。中でも片腕と見るや首を斬り、人違いとわかっても「まあよい、片腕は皆殺しじゃ」と呟いて手榴弾で証拠隠滅をはかる封神無忌の姿と、あまりに卑怯な兪天竜には誰しも感銘を受けた(と思われる)。斬首映画というジャンルにおいて欠かせないエポックメーキングな武器――それがショウブラザースが種を蒔き、王羽が育てた「血滴子」なのである。
2005年08月06日(土) 23:34:58 Modified by kizurizm




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