妖々夢編〜春を探しに

妖々夢編〜春を探しに


緑風が幻想郷に来てからしばらく経ち、時期は5月。緑風は博霊神社にいた。
「・・・・・・幻想郷はこんなに冬が長いのか?」
「そんなわけないでしょ。」
「じゃあなんでまだ雪があるんだよ!」
幻想郷ではいまだに雪が降っていた。
「霊夢、これは異変じゃないのか?」
「そうね・・・・・・」
「解決しに行かないのか?」
「私、寒いの苦手なのよ。」
霊夢はこたつに入ったままそう答えた。
「しょうがない・・・これやるよ。」
緑風はポケットから赤い六角形の石を取り出し、霊夢に渡した。
「何これ?・・・・・・ってあったかい!」
霊夢は受け取った石があたっかく驚いた。
「マジックアイテムの一つだ。持っているだけであったかくなる。しかしこまめに魔力を込めないと意味が無い。」
「便利なもの持ってるわね・・・・・・。それじゃあ行くわよ、緑風!」
「どこに?」
「異変を解決しによ!」
「まあ、俺がいないとその石は意味無いしな。では、行くか!」
2人は神社を出発した。しばらく飛んでいると・・・・・・
「霊夢、あれって魔理沙じゃないか?」
「そうね。」
少し前を飛んでいる魔理沙を見つけた。魔理沙は2人の声が聞こえたらしく止まった。
「魔理沙も異変解決に動いてるのか?」
「なら、一緒に行きましょう。」
「そうするぜ。」
3人は再び飛び始めた。その少し後ろで
「あの3人が動いてるみたいなら私は行かなくていいわね。」
と咲夜が呟いていた。
3人は話しながら飛んでいた。
「寒いぜ。」
「確かにな。」
「いつもならもう眠る季節だっていうのに。」
「春眠暁を覚えず、かい?」
誰かが3人の会話に入ってきた。
「どっちかっつーと、あんたらの永眠かな?」
「てかお前だれだよ?」
「私はレティ・ホワイトロック。ところで人間は冬眠しないの?」
「普通はしないぜ。」
「なら私が眠らせてあげるわ!」
そういうとレティは弾幕を撃ってきた。3人は回避した。
「3人でやるか?」
「そうね、その方が早いわね。」
「いや、見たところ氷か雪の妖怪だから俺が1人でやるよ。」
「そう、まかせたわ。」
「頼んだぜ。」
霊夢と魔理沙は緑風に任せ安全圏に避難した。
「寒符『リンガリングコールド』」
「寒いから速攻けりをつける。炎壁『ファイヤーウォール』」
緑風は自分の前に炎の壁を出して弾幕をすべて消した。
「これで終わりだ!炎符『スパイラルフレア』」
レティに向かって大量の槍の形をした炎が向かっていった。
レティは避けていたが被弾して下に落ちた。
「よし、終わり。」
「じゃあ行きましょう。」
3人は再び進み始めた。しかししばらくすると周りの景色が変わってきた。
「ねえ、こんなところに家なんかあったかしら?」
「さあ・・・?」
「けど、猫とか犬とか、狐が住みそうなところだな。」
魔理沙がそう言ったとき、
「ここへ迷い込んだら最後!」
緑の帽子をかぶった赤い服の女の子が出てきた。
「最後?」
「誰だ?」
「私は橙(ちぇん)。それはさておき、迷い家へようこそ。」
「迷い家?迷い家って確かここにあるものも持ち帰れば幸運になれるって・・・」
「本当か、緑風!?」
緑風の言葉に魔理沙が目を光らせた。
「なれるわよ。」
緑風じゃなく、橙が答えた。
「霊夢!」
「わかってるわよ、魔理沙!」
『じゃあ、略奪開始ー(だぜ)』
「やめんか!」
魔理沙と霊夢が持っていけそうなものを探しに行こうとした時、緑風がどこからかハリセンを出し、2人を後ろから叩いた。
「痛っ!」
「なにすんだぜ!」
「本来の目的を忘れるな!で、橙っていったな。俺たちはこの冬を終わらせるため動いてるんだ。ここから出たいんだが出口はどっちだ?」
「あっちだよ。」
橙は奥のほうを指した。
「ありがとな、お礼にこれやるよ。ほら、2人とも行くぞ!」
緑風は橙に小さい袋を渡して、霊夢と魔理沙を引っ張りながら先に進んだ。
そして迷い家を抜け、しばらく進んでいた。
「夜になったな。」
「うう、寒いぜ。」
「見つけたわよ、魔理沙!」
3人が後ろを向くと、人形と一緒に飛んでいる金髪の少女がいた。
「げっ、アリス・・・」
「魔理沙、今日こそはこの前持っていった本を返してもらうわよ!」
「あ、あれは借りてるだけだぜ。」
「問答無用!行きなさい、上海!」
魔理沙に向かって人形が飛んでいった。
「緑風、行きましょう。」
「えっ、けどいいのか?」
「いいのよ。いつものことよ。」
2人は魔理沙をおいて先に進んだ。
後ろから
「2人ともひどいぜ・・・・・・」
「よそ見してていいのかしら?操符『マリオネットパラレル』」
と声が聞こえた。
霊夢と緑風がしばらく進むと大きな門が見えた。
「桜がこんなところで舞っているとは・・・・・・」
「ともかくこの門の先が目的地っぽいわね。」
「で、そこの幽霊達は誰だ?」
緑風は前にいた楽器を持った、3人の幽霊に声をかけた。
「私はリリカ・プリズムリバー。」
「私はメルラン・プリズムリバー。」
「・・・ルナサ・プリズムリバー」
「私達は騒霊演奏隊〜、お呼ばれできたの。」
「これからお屋敷でお花見よ、私達は音楽で盛り上げる。」
「でもあなた達は演奏できない。」
「私もお花見したいわ。」
「そうだな。」
「あなた達はお呼びでない。」
「まあ、確かにな。」
「雑音は排除するまで。」
「望むところだ!行くぞ、霊夢!」
「わかったわ、緑風!」
プリズムリバー3姉妹と霊夢、緑風は弾幕を一斉に出した。
しばらくは通常弾幕の打ち合いだったが・・・
「弦奏『グァルネリ・デル・ジェス』」
「管霊『ヒノファンタズム』」
「冥鍵『ファツィオーリ冥奏』」
プリズムリバー3姉妹が同時にスペルを使った。
「(くっ、避けきれん・・・!)霊夢、任せた!」
「わかったわ!夢符『二重結界』」
霊夢と緑風は避けていたが三人同時のスペルはきつく、霊夢がスペルを使い避けきった。
「合騒『プリズムコンチェルト』」
プリズムリバー3姉妹は三角形の形に並び弾幕を撃ってきた。
「霊夢、チャンスだ!まとまってる今のうちに倒すぞ!」
「わかったわ。霊符『夢想封印』」
「とっておきだ!属性『エレメントシュート』」
2人のスペルはプリズムリバー達に直撃した。
「やった、お花見場所確保!」
「で、目的はお花見ジャック?」
「違うだろ、霊夢・・・・・・。行くぞ。」
2人は門の結界を破り先に進んだ。


ー次回予告ー
ついに黒幕の近くまできた2人。
黒幕の所に続いてると思われる階段を上ってる最中、いきなり出てきた少女に切りかかられる。
緑風は剣士の相手をして、霊夢を先に進ませる。

次回 妖々夢編〜魔法使いVS剣士(仮)

「この妖怪が鍛えた桜観剣に切れぬものなどあまり無い!」
「そこは無いって言いきれよ!」

お楽しみに






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2010年10月26日(火) 20:48:31 Modified by kq800




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