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ラテン語古典ラテン語ガリア戦記ガリア戦記第1巻
ガリア戦記語彙集

ヘルウェーティイー族の出発準備(2)

Erant omnino itinera duo, quibus itineribus domo exire possent:
(ヘルウェーティイー族が)故郷から旅に出て行くことができる道は全く一つであった。

unum per Sequanos, angustum et difficile, inter montem Iuram et flumen Rhodanum,
一つ(の道)はセークァーニー族のところを通るもので、狭くて困難であり、ユラ山脈とロダヌス川の間にあり、

vix qua singuli carri ducerentur,
四輪荷車が一つずつ引かれて行くのがやっとであり、

mons autem altissimus impendebat, ut facile perpauci prohibere possent;
他方で最も高い山が頭上に差し迫っており、わずかな者で(通行を)容易に妨害することができる。

alterum per provinciam nostram, multo facilius atque expeditius,
もう一つ(の道)は我々(ローマ)の属州を通るもので、はるかに容易で楽なものであるが、

propterea quod inter fines Helvetiorum et Allobrogum, qui nuper pacati erant,
というのは、ヘルウェーティイー族および最近(ローマに)平定されたアルロブロゲス族の領土間には

Rhodanus fluit isque non nullis locis vado transitur.
ロダヌス川が流れており、これは徒歩で渡られる場所がなくはないからである。

Extremum oppidum Allobrogum est proximumque Helvetiorum finibus Genava.
アルロブロゲス族のはずれの町であり、かつヘルウェーティイー族の領土に最も近いのはゲナーワ(現ジュネーヴ)である。

Ex eo oppido pons ad Helvetios pertinet.
その町から橋がヘルウェーティイー族(の領土)へかかっている。

Allobrogibus sese vel persuasuros,
アルロブロゲス族を彼ら(ヘルウェーティイー族)はあるいは説得するだろう。

quod nondum bono animo in populum Romanum viderentur, existimabant
なぜなら(ア族は)まだローマ人民に対して良い心でいると見られていない、と見なしていたからである。

vel vi coacturos ut per suos fines eos ire paterentur.
あるいは彼ら(ア族)の領土を通って彼ら(ヘ族)が行かせるように力で強いるだろう。

Omnibus rebus ad profectionem comparatis
出発するためのすべての事が準備され、

diem dicunt, qua die ad ripam Rhodani omnes conveniant.
ロダヌス川の川岸へ皆が集まる日を(ヘ族の者が)言う。

Is dies erat a. d. V. Kal. Apr. L. Pisone, A. Gabinio consulibus.
それは、ルキウス・ピーソーとアウルス・ガビーニウスが執政官(の年)で、3月28日であった。

ガリア戦記1-7へ続く)

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