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スーパーロボット大戦α

 感動した4作の一。
 中1ぐらいのときに、父が何の脈絡もなく買ってきた。当時の我が家には、プレステがあった。バンプレのゲームは、スーファミしかなかった時分にも、1本ぐらいウルトラマンを題材にしたシミュレーション的なもの(タイトル不明)をやっていた気がする。当時の筆者には何をどうすればいいか分からず、投げた記憶があった。スーパーマリオブラザーズはひたすら右に進めばクリアできるが、俯瞰のシミュレーションは上下左右にキャラクターを進ませることができる。それだけで選択肢が4倍である。小学校に入った入らないぐらいの自分には高尚過ぎたのである。
 だから、スパロボもできないのではないかという危惧があった。あのとき筆者を苦しめたゲームと同じバンプレ製であるというところだけは、なぜか敏感に察知していた。まあしかし、大体予想がつくとは思うが、杞憂に終わったわけである。
 ドハマりであった。
 別に、ロボットアニメに詳しかったわけではない。
 マジンガーZだけはなんとなく原作のアニメを見た記憶があった(今でも記憶があるのは、さやかが代わりにマジンガーを操縦する回である。何話かは不明だが、wikipediaで調べた限りでは52話のような気がする)し、一話一殺というあたりに筆者が慣れ親しんでいた特撮と同じ臭いを感じていたため、主人公はスーパー系で始めた。1話でグールのミサイルを避けまくるパイルダーの雄姿は今でも目に焼き付いている。当時はガンダムについてはまるで知識がなかったが、ガンダム勢が合流すると盛んに使っていた。やはり敵の攻撃を避けまくるコアブースターの雄姿が目に焼き付いている。とにかくよく分からないが興奮していた。SRXや魔装機神が実在のアニメかどうかもよく分かっていなかったが、とにかく興奮していた。
 スパロボは、複数のロボットアニメが一堂に会し、敵と戦う戦略シミュレーションゲームである。αは、過渡期のスパロボである。α以前のスパロボは、旧シリーズと呼ばれるものであるが、とにかく難易度が高く、またリアル系(スパロボではマジンガーのように攻撃を受けて耐えるロボットをスーパー系、ガンダムのように避けて当てるタイプをリアル系と呼びならわしている。もとは、昭和特撮のようなジャリ向け一話一殺の作品をスーパー系、もう少し大人びた作品をリアル系と呼んでいた節もあったが、その後受けて耐えるロボットのアニメにも大人びた話のものが増えていき、あまり対応が見られなくなったため、上記のような分類基準となった)のロボットやパイロットが強かった。
 αは、旧シリーズで一度完結したストーリーはストーリーとして、新たに別のストーリーを展開し始めた。リアル系の優遇を改め、スーパー系も十分戦えるレベルに持っていった。難易度も全体的に下げ、初心者にも入り込みやすくした。戦闘アニメのスキップといったその後のスパロボに受け継がれるシステムを導入した。それでも、熟練度はまだフラグに近い扱いだったし、リアル系はなお強かったし、レベルアップで習得する2回行動も廃止されていなかった。まだまだ旧シリーズの影響は色濃く残っていたのである。その後スパロボは、2回行動の廃止・援護の導入・強化パーツ装備可能数や精神ポイント消費数の差別化・パイロットの強化システム(PPやスキルパーツ)の導入・複数のユニットをまとめるシステム(小隊制・ツインユニット・PU等)の導入・クリア後の資金引継・1話1ポイントの熟練度などを導入し、その後の次世代スパロボのシステムを次々と確立していった。ちなみに、攻略本にも旧シリーズの攻略本で高名であった辛辣な言い回しがまだ部分的に残っており、この点も過渡期だった気がする(ただ両攻略本の発行元が同じかどうか確信が持てないため、あまり真に受けないでほしい)。
 とはいえ、結局一番売れたのはαであった。筆者も、クリア後の資金引継ぎがない(すなわち昨今のスパロボのように何周もすればするほど改造資金がたまっていき、ユニットを際限なく強化できるようになるわけではない)にもかかわらず、αは13周ぐらいしたと思う。当初はスーパー系を使っていたが、その後リアル系の強さに気が付き、アムロをνガンダムに、クワトロを隠しユニットのサザビーに、カミーユを同じく隠しユニットのヤクト・ドーガ(クェス機)に乗せて、ファンネルを撃ちまくっていた。特にネオ・ジオンのカラフルなモビルスーツ群をファンネルでポコポコ落としていくのが好きであった。αは、それぐらい簡単だったが、1周目の最終話はまだ初心者であった筆者には難しく、投げかけた記憶がある。
 このゲームで、初めてガンダムという作品のほか、各種のロボットアニメの存在を明確に自覚した。また、ゲームに付録のキャラクター大図鑑を通して、声優という職業の存在を明確に自覚した。このキャラクター大図鑑も繰り返し見ていたため、声のついているキャラクターの声優さんは大体覚えたと思う(もう忘れたが)。また、カラオケモードなるものがまだ付いていたため(この点も過渡期である)、アニソンというものも初めて「発見」したのである。「ガンダム」「声優」「アニソン」という筆者の属性の下地を作ったのは、間違いなくスパロボαであった。とはいえここで知った声優やアニソンはいずれも古めの作品のものであるため(恐らくαの参戦作品で一番新しかったのはEVAとGRである。あとガンダムWか)、中高にいたアニヲタとは相変わらず話が通じなかった。


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