当wikiは、高橋維新がこれまでに書いた/描いたものを格納する場です。

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二欲不出の法則

A.

 これは、私が提唱している説です。

 「三大欲求は、二つ以上同時に発現しない」という内容です。
 
 三大欲求というのは、皆様ご存知食欲・性欲・睡眠欲です。
 要は、腹が減ると同時にムラムラはしないし、ムラムラすると同時に眠くなることはないし、眠たいときに空腹感は感じないということです。三大欲求が同時に複数前に出てくることはないということです。

 「少なくとも自分には当てはまる」というだけなので、厳密に検証をしてみたら実は正しくなかったという結論になる可能性も大いにあります。だってこんな内容、人に聞けないじゃないですか。「眠たいと同時に腹が減ったことはありますか」ならまだ聞けるでしょうけど、「あなたは性欲と食欲や睡眠欲が同時に発現したことはありますか?」なんてこと両親や弟にしか聞けないですよ。両親や弟にそんなこと答えて欲しくはないし。

 でもまあ、この法則に合理性はあると思います。三大欲求はいずれも生命としての人間の活動に不可欠なものであり、どれかが発現しているときはその欲求の解消に集中させた方が成果が出ると思われるからです。腹が減っているということは食事をしなければ危険な状態になっているということですから、そんなときに眠られたりセックスをされたりしても困ると思うのです。他の欲求も一緒です。眠い時に食欲や性欲も同時に出てしまっては、必要な睡眠がとれなくなると思います。
 ほら、あなたも経験があるんじゃないですか?
 寝ているときに腹が減ったら目が覚めるでしょう。性欲を解消する活動(ソロの場合も、デュオの場合も、トリオ以上の場合もあります)をしている最中に腹が減ったり眠くなったりしないでしょう。逆にその最中に空腹感や眠気を感じたら性欲は引っ込むんじゃないでしょうか。
 多分、正しいですよコレ。少なくとも私はそう思ってますよ。反例があったら是非教えてください。「俺は眠気と空腹感が同時に来ることがある」というような人は是非教えてください。これは嫌味ではなく、純粋に興味があるので。

B.

 「三大欲求に一つ足すとしたら何か」ということを考えたことがあります。

 〇〇欲という名前の欲は三大欲求以外にも色々とあります。金欲・名誉欲・承認欲求……
 
 でも結局このへんは二次的なものだと思うのです。三大欲求の「根深さ」には及びもつきません。これらは、三大欲求を満たすための前段階の欲です。金欲なんぞ、より良い形で三大欲求を満たすための最たるものだろうし、名誉欲もそうでしょう。名誉がある人間には金やセックス相手が寄ってきますからね。承認欲求もそうです。人は承認欲求に基づいて他人から承認されるような行動をとり続けていれば、金やセックス相手が集まってきて、三大欲求を満たせるのです。

 だから、ここに足すべきはもっと生物的で生理的な欲です。それはアレです。排泄欲です。
 「それは欲じゃなくて生理現象だろう」とうちの母は言ってきましたが、そんなことを言い出したら三大欲求も生理現象です。胃が空になったから腹が減るんだし、起きている時間が一定時間に達したから眠くなるんでしょう。それは生理現象以外の何物でもないと思います。排泄も一緒です。溜まってきたから出したくなるのは黄色い液体も白い液体も一緒でしょう。むしろ、「生理現象」というような言い方をされてしまうのは、排泄欲も三大欲求と同じで人間の生命活動に不可欠なものであるということを如実に表しています。

 ここに排泄欲が加わり、三大欲求はめでたく四大欲求となりました。だから尿意と便意も、これからは「尿欲」「便欲」と呼んであげましょう。「おしっこしたい」「うんこしたい」って言うじゃないですか。「たい」は希望の助動詞ですよ。あれも欲求なんですよ。

 ただ、ここで一つ問題が生じました。「尿欲・便欲を分けるべきか問題」です。排泄欲とひとまとめにして四大欲求にするべきか、尿意と便意を分けて五大欲求とすべきかという問題です。

 どうしましょうか。ここでふるい分けに使うべきが前述の「二欲不出の法則」だと私は思っています。つまり、〇大欲求の一つとして肩を並べるからには、他の欲求と同時に発現してはいけないということです。尿欲(尿意)と便欲(便意)が同時に発現することがあるなら両者はまとめて一つだし、そういうことがない(=二欲不出の法則を満たす)のであればそれぞれ独立だということです。

 またサンプルが私しかいなくて恐縮なのですが、私は尿意と便意が同時に来たことはないと思います。と思っていましたが、これを書いている今この瞬間に尿意と便意が同時に来ています。まあ、大は小を兼ねるという言葉にもある通り、洋式便器で座って用を足したら両方出てくることは頻繁にありますしね。まとめてできるものだろうから、両者を分ける合理性もそんなにないですしね。もともと原始的な哺乳類は尿も便も総排出腔という一つの穴から出てましたしね! カモノハシとかまだ総排出腔持ちだし!!
 だから、尿意と便意はひとまとめで排泄欲でいいと思います。

C.

 二欲不出の法則の応用例として、眠気を覚ますために他の欲を昂らせるというものがあります。他の欲が出てくれば、二欲不出の法則に従って睡眠欲は引っ込みますから。
 でも食欲と排泄欲はそう簡単に随意運動だけで呼び起こすことはできません。自分の意思だけで急に腹を減らしたり急にトイレに行きたくなったりということができる人はそういないでしょう。
 そうなると、使えるのはあと一つしかありません。性欲です。

 私も司法試験の勉強中、1日のノルマが終わっていないのにどうしても眠くなった時、エロ動画を見てみたことがあります。ただ、スッキリしてはいけません。スッキリしたら性欲が引っ込んでまた睡眠欲が前に出てきます。あくまでエロ動画を「見る」だけに止めておかなければなりません。
 まあ、眠気は吹っ飛びましたけど、前に出てきた性欲のせいで勉強どころじゃなくなりました。
 ほら言ってるでしょ。私は応用より理論肌なんですよ。

 さとうふみやも言っていましたけど、眠気を解消する一番の方法は睡眠です。どうにもならないときは、諦めて寝るのが一番いいですよ。10分〜15分ぐらいの短時間の睡眠でも随分スッキリするはずです(まあ、そんな短時間で済ませるのが難しい人がいるのは承知しています)。寝ることができない状況というのは、意外とないもんです。どうしても眠い時は、本当に寝てはいけないのかをまず考えてみてください。

D.

 wikipediaに「欲」ってページがあるんですね。
 そこを見たら呼吸も欲だし暑いところから涼しいところに行きたがるのも欲だというようなことが書いてありました。また、「尿便論争」の際に付加的に出てきた論点として、「飲欲」を「食欲」から分けるべきではないかという話もあります。
 結局解決するのは二欲不出の法則です。あなたは腹が減るのと同時に喉が渇いたことがありますか? 思い返してみると、私自身にはそういうことはなかったと思います。だから飲欲と食欲は分けていいと思います。
 こう考えると、三大欲求という括り自体にあまり合理性がない気がしてきました。あの三つだけを抜き出すことにさほどの意味はないと思います。そういう結論でいいのか? いいだろ!?


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