当wikiは、高橋維新がこれまでに書いた/描いたものを格納する場です。

 2016年9月22日放映のアメトーークを見た。テーマは「おもしろ人材プロモーション」であり、ひな壇に集まった6人の面々が、それぞれ自分がおもしろいと思う人材がいかにおもしろいかをプレゼンするという内容である。

 「おもしろ人材」と銘打ってはいるが、プレゼンで扱われたのは全員芸人だった(ナイツ塙がプレゼンした「魔法使い太郎ちゃん」だけは番組内でも「芸人」と言われておらず、ただのヤバい一般人にも見えたが、芸人ということでいいだろう)。

 芸人ということになると、「ウケ狙いでわざとボケている人たち」ということになるため、見る方もハードルが上がってしまう。最近で言うと武井壮みたいな、「芸人ではないけど天然でおもしろい人」というのをもっと扱っても良かったと思う。そうすると、視聴者に不意打ちを食らわせられる。もしかしたら、魔法使い太郎ちゃんもそういう枠(芸人ではないけどおもしろい人)という扱いにしたかったのかもしれないが、名前やら風貌やらが明らかに芸人然としていたため、演出だとしたら不十分だった。

 とはいえ、プレゼンは全部高レベルでまとまっていたし、実際に番組に出てきた芸人たちのパフォーマンスも高レベルでまとまっていた。
 プレゼンされた芸人が番組に出られるかどうかは、プレゼンを聞いたMC2人とゲストの小島瑠璃子が「会いたい」と思ったかで決まる仕組みであり、「会いたい」が1票以下だと出られないという形になっていた。これは、実際に「会いたい」が1票以下で番組に登場できないとなったときに、笑いが起きる仕組みになっている。そこにあるのは「わざわざプレゼンまでしてもらったのに出られない」というズレであり、分かりやすい言葉を使うなら「おいしい」というやつである。
 ただ、実際にこのパターンになったのは最後に小籔がプレゼンした今別府直之だけであった(しかも、小籔が抵抗して結局出てきた)。一番ヤバそうな魔法使い太郎ちゃんすら中継で番組に出てきていたので、もう少し「結局出られなかった」というパターンの笑いをやって欲しかったというのは正直なところである。サバンナ高橋が紹介したザ☆健康ボーイズなど、まさにそういう扱いがピッタリだと思ったが、そうはなっていなかった。ただこのパターンをやるとなると、出られなかった芸人がセット裏みたいなところでキレて喧嘩になるとか、審査員の側が出さないことに理不尽な理由を付けるとかいった展開も考えられるところなので、そのへんの練りが全体的に甘かった印象を持ったのも事実である。
 なんというか、プレゼンで扱われたのが全員芸人であること・結局全員がオンエアされたことを併せて考えると、単に事務所が所属芸人のプロモーションをしたかっただけではないかという印象を持ってしまったのは事実である。そうではないとは思いたいが、せっかく「出てこられない」というパターンの笑いを喚起する仕組みも用意されていたのであるから、そこをもう少し有効活用して欲しかった。

管理人/副管理人のみ編集できます