当wikiは、高橋維新がこれまでに書いた/描いたものを格納する場です。

 2017年11月26日放映のアメトーークを見た。テーマは「仮面ライダー芸人」である。

 過去にもやっている企画である。筆者が見たことがあるのは2016年8月4日放映のもの同年11月27日放映のものである。

 まあ今回も仮面ライダーの紹介に終始していたので、ライダーファン以外はそんなに楽しめなかったんじゃなかろうか。今回は昭和ライダーと平成ライダーの比較を一つの軸にしていたため、笑いに徹するなら、昭和アニソンvs平成アニソンの時のように、平成をフリにして昭和のツッコミどころをひたすらバカにしていくやり方が考えられる。今回は平成ライダーにも笑われている部分が結構あったため、少し散らかってしまった印象がある。

 それにしても、昭和から平成の仮面ライダー数十作品全てを語れないと「仮面ライダー芸人」を名乗れないのは非常にハードルが高いと思う。筆者は仮面ライダーストロンガーのデルザー軍団編(特に、VHSで繰り返し見ていた最後の3話)とクウガは好きであるが、他はあんまりちゃんと見たことがないし、そんなに好きでもない。仮面ライダー芸人や世の仮面ライダーオタクは、本当に、全部に目を通しているのだろうか。本当に仮面ライダーであれば何でも無条件で好きなのだろうか。仮面ライダーであれば自分の肌に合わなくても全部を見なきゃいけないというのは非常に苦痛だと思うが、それでいいのだろうか。別に趣味なんだから、自分がおもしろいと思える奴だけつまみ食いすればいいではないか(他方で、仮面ライダー芸人は「仕事」で仮面ライダーを語ることになるため、自分がおもしろいと思えない奴も目を通しておいた方がいいとは思う)。
 何が言いたいかというと、「筆者みたいな中途半端な見方でも、仮面ライダーを語ることを許してほしい」ということである。好きじゃない仮面ライダーにも全て目を通すという苦行を経なければ仮面ライダーを語れないというのは、あまりにハードルが高い。本来人間の好みなんてもっと微に入り細を穿つものであって、仮面ライダーであれば何でも好きなんていう大雑把な好みの人は存在しないはずである。
 あとその高すぎるハードルのせいで、世の仮面ライダー好きが好きでもない作品を見ることをも強いられているのは非常に滑稽で可哀想だと思うので、彼らをその枷から解放してやりたいという思いもちょっとある。ちょっとだけ。
 これは仮面ライダーだけの話ではない。スーパー戦隊もウルトラマンもプリキュアもガンダムも一緒である。宝塚好きも、ミスチル好きも、筒井康隆好きも一緒である。これらのファンやオタクはその「ファン」や「オタク」に高いレベルを求めすぎるせいで、自ら間口を狭めてはいないだろうか。そのせいで、自分で自分の首を絞めていないだろうか。

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