当wikiは、高橋維新がこれまでに書いた/描いたものを格納する場です。

 この記事を書いているのは2018年5月30日です。北海道では「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで」は火曜日の25時(水曜日午前1時)から1週遅れで放映されるからです。

 今回の内容は「16年後の未来から来た未来人」に扮するくっきーがガキメンバーに未来の風習を色々と教えるというコント企画でした。そういうムチャクチャな人物のムチャクチャな振る舞いに周りが振り回されるという内容は、ごっつでの類似のコントを髣髴とさせました。
 ごっつで今回のくっきーのようなボケの中核を担っていたのは松本でしたが、くっきーは松本と比べると全てがダメダメでした。狂ったキャラに徹しきる胆力がありません。メンバーから未来のことについて聞かれるとその場でアドリブでボケる必要があるのですが、おもしろいことが言えません。1回スベると焦るのか素に戻ってしまいます。ガキメンバーのガヤ(多分くっきーの悲惨さを悟ったのかかなり優しめでしたが)に負けてしまうのです。松本は、こういう状況でも自分のキャラを演じ切って単発でもレベルの高いボケを出すことができるし、1回スベっても演技を続けたり逆ギレしたりして盛り返すことができます。くっきーみたいに素に戻ってしまってグダるということがありません。

 お笑いは、知れば知るほどさんちゃんと松ちゃんの凄さが身に沁みて分かります。後が出てきていないのは、寂しい限りです。
 くっきーは多分、事前に考えておいたボケの決め打ちはある程度得意なんでしょうが、アドリブはかなり苦手だと思います。この手のアドリブが多めのコントをやらせると悲惨になるので、やめておいた方がいいでしょう。まあ、そうやって追い詰められて悲惨な感じでグダっていくくっきーを嘲笑うのがスタッフや松本の狙いだったのかもしれません。村上ショージの教室シリーズと同じ楽しみ方です。結局くっきーは、「変なボケ」を一生懸命自分で考えているマジメ人間なんです。そういう人間なので、彼が考えておいたボケから少しでもはみ出たことを聞くと、しどろもどろになってしまいます。アドリブができないから、狂気キャラで売っている割に「普通の人が一生懸命変なことを考えた感」が抜けないのです。本当の狂人は、アドリブで狂った受け答えができるはずでしょう。狂っているように見える諸々にも、本人としては真面目に考えてそうなっているんだから全てに説明できる理由があります。くっきーはサングラスにマントというかなり変な出で立ちでした。彼の考えたボケでしょうけど、本当に未来人を演じるならサングラスをつけている理由もマントをつけている理由も全てが説明できなければなりません(そしてその理由説明一つ一つが全部ウケると理想的です)。それが、演じるという仕事です。「マントをつけたらおもしろいんじゃないか」というとこで思考停止してはダメなのです。「マントをつけている理由」は絶対に聞かれると思って、そこにもおもしろい受け答えを用意しておく必要があるのです。事前に考えなければいけないことは、ムチャクチャたくさんあります。松本みたいな瞬発力がある人はアドリブでもある程度対応できますが、そうではない凡人はそこのハードワークをサボってはいけません。

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