当wikiは、高橋維新がこれまでに書いた/描いたものを格納する場です。

 2018年6月10日放映のアメトーークを見た。今回は2時間スペシャルで、テーマは「徹子の部屋芸人」だった。

 最初に感想を言うと、非常におもしろかった。
 「徹子の部屋」に芸人がゲストとして登場すると、徹子本人はお笑いのセオリーをことごとく無視した傍若無人で自由奔放な振る舞いに終始し、司会の役目を全く果たさない。
・エピソードトークに割って入ったり、途中で余計な相槌や茶々を入れたりして邪魔する。
・エピソードトークのオチを先に言ってしまう。
・自分でフったネタに笑わない。
・フリの部分で笑ってしまう。
・どうでもいい細部に食いついて掘り下げようとする(芸人もそこに食いつかれることは予想していないので掘り下げても笑いにはつながらない)。
・根本的な問題として彼女本人のツボがかなり独特なので、普段はウケるネタをやってもあまりウケないことが多い。
・本人も言う通り本当におもしろくなければ笑わないので、ウソでも笑って盛り上げるということをしない。

 「徹子の部屋芸人」は、この徹子のムチャクチャさの前に散っていった芸人たちを「徹子の部屋」本編の映像で振り返りながら、その徹子のムチャクチャさにツッコミを入れて笑う企画である。「司会のくせに振る舞いやツボがムチャクチャだ」というのもズレであり、笑いを生むからである。そのズレはかなり新鮮で、見応えがあった。

 ただ徹子のムチャクチャさにも一定のパターンや法則があり、雛壇の面々はその法則をある程度掴んでいたようなので、何回もやると見ている方も飽きてしまうだろう。筆者は初見だったので全部が楽しかったが、繰り返し同じ企画をやるなら今回のように何年かスパンをあけた方がいいだろう。

 それにしても芸人がゲストの回の「徹子の部屋」は笑いや番組として成立していないので、何であんなに長い間続いているのかが不思議になってしまった。無論、徹子のムチャクチャさにツッコミを入れられれば笑いは生まれるのだが、徹子をイジることは許さないスタッフや番組全体の空気があるので、芸人は気圧されてしまう。宮迫レベルでようやく優しく指摘ができるだけである。そのうえ編集も薄めにしかされていないので、テロップやらナレーションやらでの助けも入れられないのである。

 芸人じゃない人がゲストだとちゃんとトークをしているんだろうか。そういう風にもあんまり見えないけどなあ。まあ、見てもいないのに勝手なことを言うのはやめておこう。

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