→作評トップ
Bloodborne
Bloodborne 
SEKIROに感銘を受けたので予言通り遡って手を出してみました。やったのはPLAYSTATION HITSのバージョンです。
SEKIROと同じところもありますが、違うところも多々あるので、SEKIROみたいな感覚でプレイを始めると結構戸惑います。私は総じて、SEKIROの方が楽しめましたが、本作もよくできたアクションゲームなので以下に詳述します。
同じところ
・フロムのアクションゲームである。
・プレイヤーが主人公を操って敵を倒しながら進んでいくゲームである。
・難易度が高い。敵の攻撃力が高く死にやすい。こちらの装備も知識も揃っていない序盤は特にキツい。
・何度も死にながら立ち回りを指に叩き込んでいくスパルタな死にゲーである。
・ただ、経験は裏切らない。何度も挑んでいれば自分の実力が上がっていくことは確かに実感できる。強いボスを倒せた時の感慨はひとしお。
・フィールドの各所にチェックポイントがあり、一度見つければそこはファストトラベルの「駅」になる。
・チェックポイントから各種ゲージの回復や消費アイテムの補充ができるが、一度それをすると倒したザコが全て復活してしまう。
・死ぬとそのまんまオートセーブがされる。一度使ったアイテムは二度と戻ってこない。たとえボスに負けた場合でも。
・セーブデータは一つしか作れない。
・周回プレイをすると1周ごとに強制的に敵のステータスが上がっていく（上限あり）反面、得られるお金や経験値（本作では「血の遺志」という名称のポイントがお金と経験値の双方を兼務している）が増えていく。なお、SEKIROの方が上がり方が緩やかな印象がある。
・ストーリーや世界設定は一応ちゃんとしたものがありそうなのだが、劇中でちゃんとした説明をしてくれないのでプレイヤーが自ら補充しなければならない領域が大きい。
・主人公が無口
違うところ
・ステルスキル（忍殺）はない。背後から溜め攻撃を当てれば敵が隙を晒すので、「内臓攻撃」という高威力の攻撃につなげられるが、低級なザコを除けば撃破までは持っていけないことが多い。
・スタミナゲージがあり、攻撃やステップやダッシュで一定量を消費する。何もせずにいればすぐに回復はする。BotWのがんばりゲージとかに近いか。SEKIROではこのゲージ自体がなく、攻撃もステップもダッシュも無制限にできる。
・「ガード」という概念がない。「ガード」がないので、「弾き」（パリィ）もない。一応盾を装備すればガードはできるが、盾でガードしてもダメージの減衰率が大したことないのでほとんどミスった時の次善の策にしかならない。しかも盾は左手に装備するので、左手のサブ武器枠を潰す必要がある。敵の攻撃は、食らいたくなければ避けなければならない。なお本作でも敵の攻撃が当たる直前にサブ武器の銃弾を当てる「銃パリィ」なるものがあり、成功すれば敵が隙を晒す。
・ダメージを受けても、一定時間内に敵を攻撃すれば敵に与えたダメージに応じて一定割合で体力が回復していく「リゲイン」という仕組みがある。そのため「敵の攻撃は多少当たることを厭わずに懐に飛び込んでガツガツ殴っていくゲームバランスだ」などとも言われているが、実際はそんなことはない。敵の攻撃力は高いので闇雲に飛び込んでもタコ殴りにあって死んでしまう。複数のザコを一度に相手するのは避けた方がいいし、敵ごと、技ごとに距離をとった方がいいのか、懐に飛び込んだ方がいいのかは全てきっちりと分かれている。最適な対処法を何度も死にながら見出していなかければならない点はSEKIROと変わりはない。バカの一つ覚えで懐に飛び込んでごり押しをしても、勝利は覚束ない。
・ただどうしても倒せないボスが出てきた場合は、最終的にこれでもかとレベルアップをしてステータスを上げていけば（少なくとも1周目なら）大体はごり押しで何とかなるのもまた確か（更に、後述のようにオンラインで協力プレイをすることもできる）。SEKIROにはレベルアップによるステータス上げもオンラインプレイも何もないので、プレイヤーが上手くなるしかない。そのためかは分からないが、ネット上の攻略情報もSEKIROの方が充実している（単純に発売日から経過した時間の差かもしれない）。
・武器は複数種類あり、しかも全てのメイン武器はワンボタンで形態が変化する。それぞれの武器や形態ごとに一長一短があるが、難度が高いだけあって全て常識的な範囲の性能に収まっており、これさえ持っておけば大丈夫といったような高性能のものは一つとしてない。
・SEKIROと同じようにワンボタンで体力を回復するアイテムを大量に持ち歩けるが、ゲーム内で休息をするたびに無償で自動補充されるSEKIROと違い、自分で集めなければならない（敵にドロップさせるか、マップに配置されているものを拾うか、血の遺志で買うか）。何度も死んでいるとこの回復アイテムも大量に消費することになるので、たまにこれを補充するためのマラソンをする必要がある。
・この回復アイテムと「水銀弾」というサブ武器の弾以外は、死んだりチェックポイントから拠点に戻ったりしても自動補充されない。携帯上限数を越えて入手したアイテムは全て拠点の保管庫に送られるのだが、いちいちこの保管庫まで行って手動で補充しなければならない。
・そこまで自由度は高くないながらもキャラメイクができる。
・オンラインプレイに対応しており、対戦や協力プレイができる。
・「聖杯ダンジョン」という難度の高いダンジョンがある。
・武器や武器の性能を上げるアイテムを聖杯ダンジョン等でマラソンして発掘するハクスラ要素がある。
・前述のファストトラベルのチェックポイント（本作では「灯り」という名称）では、主人公の拠点に戻ることしかできない。SEKIROのようにその場で休息したり他のチェックポイントに直接移動したりといったことはできない。いずれにせよ、いったん拠点に帰る必要があるので少々煩わしい。
・死ぬとそれまでに稼いだ血の遺志を全て失う（SEKIROは原則的に半減。細かい仕様はSEKIROのページを参照）。死んだ場所に戻れば回収は可能だが、近辺をうろついているザコに拾われることもあり、その場合はそのザコを倒さなければ回収できない。
・完全なるポーズをする手段がPSボタンしかない（PSボタンでもきっちり止まっているかどうかは結構怪しい）。アイテム画面等を開いても、敵はお構いなしに動いてくる。逃げ場のないボス戦では、息をつくこともできない。
・ストーリーは、SEKIROよりもよく分からない。劇中の説明があのSEKIROと比べても圧倒的に少ないので、主人公が今何のために何をやっているのか、何でこのボスと戦う必要があるのかはどれだけゲームを進めてもピンとこない。次にどこに進めばいいのかすらよく分からないくせに一本道というわけでもないので、初心者は戸惑うと思う。適当にうろつくと、その時点では太刀打ちできないザコに殺されて稼いだ血の遺志を失ってしまったということは頻繁に起こるし、漫然と進んでいたらボス戦になってしまった（ボスが来ると分かっているなら血の遺志を使いきっておきたいものである）ということもかなりの頻度で起こる。SEKIROはボスの直前にチェックポイントが配置されている場合が多いが、本作はボスを倒さないとチェックポイントが出てこない場合が非常に多く、ボス部屋から一つ前のチェックポイントまでのストロークが結構長いのである。こういった純粋な難易度以外の部分で初心者を撥ねつけてくるのは少々理不尽だと思う（そういう理不尽な思いをしたくなければ、事前に攻略情報を得つつプレイするのが賢明）。
・ダークファンタジー色のする作品なので、作中の色合いは暗い。ずーっと暗い。敵も背景もオブジェクトも暗い。天気もずーっと悪い。プレイヤーが歩かされるのはずーっと同じような色合いの澱んだ世界で、グロい敵や気持ち悪い敵も多く、流血等のスプラッタ描写も激しいので、苦手な人は避けた方がいいかも。
大体以上のとおりです。まとめると、大きな違いは�．�ードも弾きもない戦闘システム�∋爐縫押湿綸�なバランスの割には繰り返しプレイを妨げそうな不便な点が細かいところに色々とある、という2点です。�△砲弔い討蓮�SEKIROではきちっと改善されています。
なんでSEKIROより楽しめなかったんでしょうねえ。SEKIROのおもしろさは敵の攻撃を弾くことや隙を見て攻撃を入れることにあるのですが、このゲームではそもそも弾きがありませんし、隙を見て攻撃を入れても、敵にデカい異形の化物が多いからか、あんまり有効打を喰らわせてる感じがせず（SEも「ドスドス」聞こえるだけで地味だし、視覚的な演出も目立つものがありません）、快感もそこまでではないのです。SEKIROでは、敵の攻撃を弾けば刀と刀がぶつかり合う金属音、敵に攻撃を入れれば「グサッ」という音が聞けます。どっちも、小気味よいのです。ただ、このへんは好みもあると思います。フロムの高難度アクションゲームとして見れば間違いなく高い完成度を誇っているので、やって損はありません。
→作評トップ
SEKIROと同じところもありますが、違うところも多々あるので、SEKIROみたいな感覚でプレイを始めると結構戸惑います。私は総じて、SEKIROの方が楽しめましたが、本作もよくできたアクションゲームなので以下に詳述します。
同じところ
・フロムのアクションゲームである。
・プレイヤーが主人公を操って敵を倒しながら進んでいくゲームである。
・難易度が高い。敵の攻撃力が高く死にやすい。こちらの装備も知識も揃っていない序盤は特にキツい。
・何度も死にながら立ち回りを指に叩き込んでいくスパルタな死にゲーである。
・ただ、経験は裏切らない。何度も挑んでいれば自分の実力が上がっていくことは確かに実感できる。強いボスを倒せた時の感慨はひとしお。
・フィールドの各所にチェックポイントがあり、一度見つければそこはファストトラベルの「駅」になる。
・チェックポイントから各種ゲージの回復や消費アイテムの補充ができるが、一度それをすると倒したザコが全て復活してしまう。
・死ぬとそのまんまオートセーブがされる。一度使ったアイテムは二度と戻ってこない。たとえボスに負けた場合でも。
・セーブデータは一つしか作れない。
・周回プレイをすると1周ごとに強制的に敵のステータスが上がっていく（上限あり）反面、得られるお金や経験値（本作では「血の遺志」という名称のポイントがお金と経験値の双方を兼務している）が増えていく。なお、SEKIROの方が上がり方が緩やかな印象がある。
・ストーリーや世界設定は一応ちゃんとしたものがありそうなのだが、劇中でちゃんとした説明をしてくれないのでプレイヤーが自ら補充しなければならない領域が大きい。
・主人公が無口
違うところ
・ステルスキル（忍殺）はない。背後から溜め攻撃を当てれば敵が隙を晒すので、「内臓攻撃」という高威力の攻撃につなげられるが、低級なザコを除けば撃破までは持っていけないことが多い。
・スタミナゲージがあり、攻撃やステップやダッシュで一定量を消費する。何もせずにいればすぐに回復はする。BotWのがんばりゲージとかに近いか。SEKIROではこのゲージ自体がなく、攻撃もステップもダッシュも無制限にできる。
・「ガード」という概念がない。「ガード」がないので、「弾き」（パリィ）もない。一応盾を装備すればガードはできるが、盾でガードしてもダメージの減衰率が大したことないのでほとんどミスった時の次善の策にしかならない。しかも盾は左手に装備するので、左手のサブ武器枠を潰す必要がある。敵の攻撃は、食らいたくなければ避けなければならない。なお本作でも敵の攻撃が当たる直前にサブ武器の銃弾を当てる「銃パリィ」なるものがあり、成功すれば敵が隙を晒す。
・ダメージを受けても、一定時間内に敵を攻撃すれば敵に与えたダメージに応じて一定割合で体力が回復していく「リゲイン」という仕組みがある。そのため「敵の攻撃は多少当たることを厭わずに懐に飛び込んでガツガツ殴っていくゲームバランスだ」などとも言われているが、実際はそんなことはない。敵の攻撃力は高いので闇雲に飛び込んでもタコ殴りにあって死んでしまう。複数のザコを一度に相手するのは避けた方がいいし、敵ごと、技ごとに距離をとった方がいいのか、懐に飛び込んだ方がいいのかは全てきっちりと分かれている。最適な対処法を何度も死にながら見出していなかければならない点はSEKIROと変わりはない。バカの一つ覚えで懐に飛び込んでごり押しをしても、勝利は覚束ない。
・ただどうしても倒せないボスが出てきた場合は、最終的にこれでもかとレベルアップをしてステータスを上げていけば（少なくとも1周目なら）大体はごり押しで何とかなるのもまた確か（更に、後述のようにオンラインで協力プレイをすることもできる）。SEKIROにはレベルアップによるステータス上げもオンラインプレイも何もないので、プレイヤーが上手くなるしかない。そのためかは分からないが、ネット上の攻略情報もSEKIROの方が充実している（単純に発売日から経過した時間の差かもしれない）。
・武器は複数種類あり、しかも全てのメイン武器はワンボタンで形態が変化する。それぞれの武器や形態ごとに一長一短があるが、難度が高いだけあって全て常識的な範囲の性能に収まっており、これさえ持っておけば大丈夫といったような高性能のものは一つとしてない。
・SEKIROと同じようにワンボタンで体力を回復するアイテムを大量に持ち歩けるが、ゲーム内で休息をするたびに無償で自動補充されるSEKIROと違い、自分で集めなければならない（敵にドロップさせるか、マップに配置されているものを拾うか、血の遺志で買うか）。何度も死んでいるとこの回復アイテムも大量に消費することになるので、たまにこれを補充するためのマラソンをする必要がある。
・この回復アイテムと「水銀弾」というサブ武器の弾以外は、死んだりチェックポイントから拠点に戻ったりしても自動補充されない。携帯上限数を越えて入手したアイテムは全て拠点の保管庫に送られるのだが、いちいちこの保管庫まで行って手動で補充しなければならない。
・そこまで自由度は高くないながらもキャラメイクができる。
・オンラインプレイに対応しており、対戦や協力プレイができる。
・「聖杯ダンジョン」という難度の高いダンジョンがある。
・武器や武器の性能を上げるアイテムを聖杯ダンジョン等でマラソンして発掘するハクスラ要素がある。
・前述のファストトラベルのチェックポイント（本作では「灯り」という名称）では、主人公の拠点に戻ることしかできない。SEKIROのようにその場で休息したり他のチェックポイントに直接移動したりといったことはできない。いずれにせよ、いったん拠点に帰る必要があるので少々煩わしい。
・死ぬとそれまでに稼いだ血の遺志を全て失う（SEKIROは原則的に半減。細かい仕様はSEKIROのページを参照）。死んだ場所に戻れば回収は可能だが、近辺をうろついているザコに拾われることもあり、その場合はそのザコを倒さなければ回収できない。
・完全なるポーズをする手段がPSボタンしかない（PSボタンでもきっちり止まっているかどうかは結構怪しい）。アイテム画面等を開いても、敵はお構いなしに動いてくる。逃げ場のないボス戦では、息をつくこともできない。
・ストーリーは、SEKIROよりもよく分からない。劇中の説明があのSEKIROと比べても圧倒的に少ないので、主人公が今何のために何をやっているのか、何でこのボスと戦う必要があるのかはどれだけゲームを進めてもピンとこない。次にどこに進めばいいのかすらよく分からないくせに一本道というわけでもないので、初心者は戸惑うと思う。適当にうろつくと、その時点では太刀打ちできないザコに殺されて稼いだ血の遺志を失ってしまったということは頻繁に起こるし、漫然と進んでいたらボス戦になってしまった（ボスが来ると分かっているなら血の遺志を使いきっておきたいものである）ということもかなりの頻度で起こる。SEKIROはボスの直前にチェックポイントが配置されている場合が多いが、本作はボスを倒さないとチェックポイントが出てこない場合が非常に多く、ボス部屋から一つ前のチェックポイントまでのストロークが結構長いのである。こういった純粋な難易度以外の部分で初心者を撥ねつけてくるのは少々理不尽だと思う（そういう理不尽な思いをしたくなければ、事前に攻略情報を得つつプレイするのが賢明）。
・ダークファンタジー色のする作品なので、作中の色合いは暗い。ずーっと暗い。敵も背景もオブジェクトも暗い。天気もずーっと悪い。プレイヤーが歩かされるのはずーっと同じような色合いの澱んだ世界で、グロい敵や気持ち悪い敵も多く、流血等のスプラッタ描写も激しいので、苦手な人は避けた方がいいかも。
大体以上のとおりです。まとめると、大きな違いは�．�ードも弾きもない戦闘システム�∋爐縫押湿綸�なバランスの割には繰り返しプレイを妨げそうな不便な点が細かいところに色々とある、という2点です。�△砲弔い討蓮�SEKIROではきちっと改善されています。
なんでSEKIROより楽しめなかったんでしょうねえ。SEKIROのおもしろさは敵の攻撃を弾くことや隙を見て攻撃を入れることにあるのですが、このゲームではそもそも弾きがありませんし、隙を見て攻撃を入れても、敵にデカい異形の化物が多いからか、あんまり有効打を喰らわせてる感じがせず（SEも「ドスドス」聞こえるだけで地味だし、視覚的な演出も目立つものがありません）、快感もそこまでではないのです。SEKIROでは、敵の攻撃を弾けば刀と刀がぶつかり合う金属音、敵に攻撃を入れれば「グサッ」という音が聞けます。どっちも、小気味よいのです。ただ、このへんは好みもあると思います。フロムの高難度アクションゲームとして見れば間違いなく高い完成度を誇っているので、やって損はありません。
→作評トップ
最新コメント