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CONTROL

 このゲームを知ったきっかけは福満先生がファミ通で描いてる4コマだったかと思います。

 TPSのアクションシューティングです。ジェシーという女性主人公を操って、「オールデスト・ハウス」と通称される「連邦操作局」なるお役所の庁舎を、敵を倒しながら探索するゲームです。ジェシーは銃器と近接戦闘の他に、物を吹き飛ばしたり、空中を一定時間浮揚したりといった超能力が使えます。この銃器もサービスウェポンと呼ばれる特殊な武器で、様々な形態(散弾銃であったり連射銃であったり)を使い分けることができるほか、未使用で一定時間が経過すれば弾薬が自動で補充されるようになっています。

 TPSのアクションシューティングゲームとしては、普通です。普通というのは悪く言いすぎですが、中の上くらいです。超能力も使えるアクションゲームなんて今までいくらでも例があると思います。特に新機軸はありません。

 なのでここからは悪口になってしまいますが、改善して欲しい点を箇条書きにしておきます。

●ロードが長め
 ファストトラベルをするたびに長めのロード時間が挟まります。
●マップが見づらい
※DLC第1弾の日本配信に伴うアップデートで階層ごとに色の濃さが分けて表示されるようになり、若干改善されました。
 方向キーの上を押すと全体マップが表示されますが、全階層を一つの地図にまとめたものしか表示されず、各階層ごとに分けて表示するといったようなことはできません。何階層も重なっているような場所にいると現在地や進路の把握が困難です。
 またロードを挟むと、読み込みが追い付いていないのかなんなのか、マップを出しても完全に表示されないということがしばしば起こります。
●ジェシーがしゃくれている
 パッケージに描かれているのはジェシーですが、ゲーム内で描画されているジェシーとは別人に見えます。フォトショ詐欺と言われても仕方ないレベルです。
●敵のバリエーションが多くはない
 戦っていて飽きます。特に、色は赤を基調としたやつらばっかりで、視覚的な楽しさがありません。設定上それで統一したということだと思われるので、仕方ない部分かもしれませんが。
●字幕その他翻訳のクオリティが高くない
・字幕によく<br>みたいな文字列が入ります。
・字幕もなぜか中央揃えで変な位置に改行が入るので、美しくありません。
・誤字脱字も、ムチャクチャ多いわけではないですが、悪目立ちしている感は否めません。
・ゲーム内の専門用語の翻訳もどうかと思われるものがいくつかあります。
 まず舞台となる「連邦操作局」ですが、原語は"Federal Bureau of Control"です。ゲームタイトルの元となった「コントロール」という言葉が使われており、かつタイトルはそのまんま"Control"なんですから、この単語をわざわざ日本語に直す必要があったんでしょうか。「連邦コントロール局」でも良かったと思います。連邦捜査局(Federal Bureau of Investigation=FBI)と引っ掛けたのかもしれませんが、音が同じで紛らわしいだけだと思います(もっと分かりやすく言うと、ウケ狙いでやったのであればスベっていると思います)。
 サービスウェポンの各形態も日本語に訳されてしまっているので分かりにくくなっています。例えば原語では"Spin"という名称だった形態は、日本語では「連射」という名称になっています。確かに連射銃の形態ではあるのですが、「連射で敵を10体撃破せよ」みたいなことを言われても何のことだかよく分かりません。そのまんま「スピン」と訳してもよく分からないので、ここは大胆に分かりやすい名称を付けてもらった方が良かったと思います。同じように"Pierce"は「貫通」、"Charge"は「爆破」と訳されています。これらも慣れないうちはよく分かりません。
 あと、これは私の記憶でしかないですが、「貫通」という形態のことを単に「貫通」と言う時もあれば「貫通モード」と言う時もあって、用語法が統一されていないので、余計に混乱します。"Grip"という通常の形態も、そのまんま「グリップ」と言ってみたり「通常」と言ってみたりとバラバラなのです。
・追加DLCの翻訳も結構いい加減です。第2弾の舞台は「捜査セクター」なのですが、私の記憶だと最初に「エレベーターで『リサーチセクター』に行け」と指示をされました。エレベーターに乗ってもそんな行き先はないので、混乱します。捜査セクターでファストトラベルする際も、「AWE貨物区画」という名称のポイントが2つあるんです。地図の方を見ると今度は「AWE貨物区画」というポイントはなく、代わりに「AWE運搬区画」というポイントが2つあります。どこかでごっちゃになったのでしょう。
●強化アイテムの最大所持数が少ない
 銃や主人公本人に装備して使うものですが、結構頻繁に入手するわりに最大所持数が少ないので、後半はちょくちょく入れ替え作業をすることになります。ソート等もできないので、入れ替えのたびに一つずつ性能を確認せねばならず面倒です。
●ストーリーが非常に難解
 これは賛否両論あると思います。この手の作品を形容するときに私がよく持ち出すのですが、テレビ版のEVAにそっくりです。ジェシーが何のために何をやっているのかはサッパリ分かりません。ゲーム中で拾える膨大な数のファイルを全て読み込みながら必死で考えないと、理解が追いつかないと思います。私は、自分自身が全部分かるように説明したがるタチなので、その手の作品は好きではありません。

 追加DLCが2つ出ましたが、両方ともやっております。ひとえに、追加トロフィーがあったからです。
 逆に言うと、トロフィーが追加されないのであれば買ってまでやらなかったと思います。思考がどんどんトロファーになってますね。

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