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駆け出しハンターと仲間達4

スレ番号タイトルカップリング作者名備考レス
駆け出しハンターと仲間達4 ハート否エロ104〜106

駆け出しハンターと仲間達4


ここは沼地。常に濃霧がかかり、湿気が高い狩猟の地だ。
今回はリオレイアの討伐でルイスとフレイアはここを訪れた。
「ルイス、いつも通りに行くぞ?」
リオレイアを見つけ、フレイアが戦闘体勢に入る。ルイスは大剣の柄を確かめるように握り頷く。
「さあ、行くぞ!」
フレイアが飛び出し、リオレイアが気付く。その瞬間、強烈な光が発せられた。
リオレイアは悲鳴を上げ、尾を振り回している。
「喰らえ!」
ルイスは二年かけて完成した斬破刀を翼目掛けて振り下ろす。青白い光と共に翼に裂傷が生まれる。
フレイアはレイアの目の前、槍で目を潰す。頭の中から炎が噴き出し、リオレイアが怒りに吼える。
大きく首を持ち上げ、リオレイアが息を吸い込む。
「腹が空いたぞ!切り裂け!」
「言われなくても、そうするさ!」
ルイスは腹の下から斬破刀を大上段に振り下ろす。腹が裂け、血が顔にかかり、独特の獣臭につつまれた。
発せられた火球はフレイアが蒼火竜の甲殻でできた盾で弾く。
爆煙にまぎれてフレイアの目に飛び込んだのは身を低くし、少し後退するリオレイアと、体勢を戻せていないルイスだった。
「ルイス!避けろ!!」
あの動きはリオレイアの最大の攻撃の予兆で、一回転し毒針のついた尾を叩きつけるというものだ。
遠心力、鋼のような棘、小動物なら一滴で殺せる毒の直撃を受ければ、防具など関係なしに致命傷、又は死だ。
ルイスは横に転がろうとしたが泥濘に足が取られ、転んでしまった。
「しまっ・・・」
フレイアが槍と盾を捨てて走る。レイアの尾とルイスの間に飛び込んだ。
「フレイアッッ!!!」
べキッ!!
何かが折れる音がしてフレイアが吹き飛ぶ。だが、何かおかしい。全てがゆっくりだ。
フレイアが血を吐き出しながら跳び、血の一滴までも見える。リオレイアはそれを嘲笑うかのように咆哮し、飛んでいった。


フレイアは10mほど吹き飛び、ピクリともしない。足がおかしな具合に曲がっている。
「フレイア!・・・フレイア!!」
駆け寄り、抱き起こすと微かだがまだ生きている。傷口は、酷かった。脇腹の鎧の上からでも血が見える。
「とにかく回復薬を・・・」
フレイアの胴鎧をはずし、直に傷口を見て、愕然とした。肉が抉れ、紫色に変色を始めている。
「くそっ!頼む、効いてくれ!!」
祈るように手持ちの回復薬と解毒剤を全てぶっ掛けた。するとフレイアが目を開き、何か呟いている。
「す、まな・・・い。回復・・・は無理だ・・・」
耳を口元まで近づけて聞こえてきたのは、悪夢のような言葉だった。
「な、何いってんだよ!大丈夫さ!絶対・・・絶対回復させるから!」
口ではそう言っているが、涙が溢れる。まだ生きてるのに、激しい悲しみに耐えることができない。
「な・・・くな。お前の・・・せ・・・ぃじゃない・・・」
『俺の・・・俺のせいに決まってるだろ!!畜生・・・・』
自分の未熟から招かれたフレイアの様態。自分を守ろうとした為にこうなった。そんな重いがルイスにのしかかる。
「ごめん・・・ごめんよ・・・」
謝っても、気持ちの整理はつかない。謝っても何も変わらないのは事実だ。
「私も・・・お前に謝らないと・・・いけな・・・ぃ。村のこと、を・・・」
フレイアの村は数年前、ラオシャンロンによって潰された、とフレイアに聞いた。そいつを倒すためにハンターをやっていると。
「そうだ!老山龍を倒すんだろ!がんばって生きないとだめだ!!」
「そいつは・・・もう、死んで・・・いるんだ・・・私の村の・・・人間全員・・・で打ち倒した・・・村と命を賭けて・・」
『そんな・・・』
生きる理由もあれば、気力もわくかもしれないと思ったが現実は違った。本当に駄目かもしれない。
「もう・・・限界かもしれん・・・お前を、途中で放り出す・・・ことになって・・本当に、すまない・・・」
フレイアの目から涙がつたう。こんな怪我でも泣かない彼女が、自分の事で涙を流した。
「いやだ!待ってくれ!!俺は、まだ伝えてないことがあるんだ!」
「・・・・」
フレイアの呼吸が止まる。心臓はまだ動いているが、その音色は弱く、細い。やがて、それは終わった。
「フレイア・・・ごめん・・・ほんとに、、、ごめ・・・」
横たわる、元、命を抱きしめ、泣く。苦しく、悲しく、そして何よりも切ない。
「うっく、、うあ、ぁぁ・・・ぐぅ・・・」
ピチョン・・・
背後から、音が立ち、ルイスは振り返った。小型のモンスターかと思ったが、そこに居たのは今まで見たことも無い、
【獣】だった。青白い鱗に、白い鬣と尾。燃える様な赤い瞳に、額には蒼い角がはえている。不思議と、敵意は感じられない。
その獣は、こちらへと近づいてくる。ルイスの目の前まで来ると、その獣は、ビー玉くらいの大きさで、黒い何かを落とした。
「これ、は・・・?」
ルイスはしゃがみ、それを拾った。
(その娘に飲ませなさい。まだ、助かるかもしれません)
そして、聞こえたのは柔らかい声。顔を上げるとさっきの獣は消えていた。しかし「助かる」と言っていた。


藁にも縋る思いで飲ませようとするが大きすぎる。ルイスはそれを口にいれ、躊躇無く、噛み砕いた。
『うぐっ・・!?』
途轍もなく、苦い。一瞬で吐き気が込み上げてくるが、僅かな希望を吐き出すわけにはいかない。
そして、フレイアに口移しで飲ませた。鉄の味がする・・・しかしフレイアの唇に触れたせいで、また現実を突きつけられる。
冷たく、固くなった唇は、もう生気を感じられなかった。が、少しするとフレイアの胸が上下している。
「これは・・・もしかして」
胸に耳を当てると聞こえる、力強く、彼女そのものを模ったように揺るがない心音が聞こえた。
「ル・・・イス?」
「フレイア!!よかった・・・さっきの玉が効いたんだ!」
フレイアは目を覚まし、完全に回復している。傷も無い。折れた足も元に戻っている。
「さっきの玉?これはいったいどういうことだ?」
「それは・・・」
ルイスはさっきの獣のことを話したが、フレイアにも分からないそうだ。だが、今はそんなことどうでも良かった。
「フレイア・・・ほんと、良かった・・・」
また、涙が溢れる。今度のは喜びの、涙だ。フレイアはそんなルイスを見て、優しい微笑を浮かべていた。
「ルイス、座ったままでいいからもう少し近くに来い」
「どうかしたのか?」
そういって近づくと、フレイアはルイスを抱き寄せた。
「ちょ、フレイア?」
抱きしめられ、ルイスは少し戸惑っているがフレイアは、相変わらず笑っている。
そこには、しっかりとフレイアを感じられた。暖かく、軟らかいいつものフレイアがここにいる。ただ、それで十分だった。

「なぁ、狩りに行く前、いつも何処に行ってるんだ?」
キャンプに戻る途中、ルイスは聞いてみた。
「そうだな・・・みてみたいか?」
「フレイアがいいのなら、見てみたい気がする」
「そうか、では今度は一緒に行こう。私のお気に入りの場所だ」
「ああ、頼むよ!」
今度、がある事がこんなにも嬉しいことだとルイスは知らなかった。
永遠なんて事は何処にも無いけれど、せめて最後までを出来るだけ共有したい。
彼女は多くのことを教えてくれる。今までも、そして、これからもそうだろう。そして、二人は街へと帰っていった。

                        続く
2010年07月19日(月) 10:44:21 Modified by sayuri2219




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