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避1-545

ドゴォンと響く音。爆炎。
鳴り響く演奏の音。
彼らはまだ戦っている。
何時間になるだろうか。



「どちらが勝つと思うか?」
「? なんのコトですかニャ?」
「あの下郎とハンター4人の事じゃ」
少女は召使いのアイルーに話しかけた。
召使いのアイルーは暖炉に薪をくべながら少女へと返事をした。
「多分ハンター達が負けますニャ」
「どういう風に?」
「おおかた、解毒薬が切れてテンパるか、
姿が消えてからの不意打ちでなぎ倒されるかのどちらかだと思うニャ」
「うぬ・・・」
少女は頭を抱えた。失敗であったか?
もし失敗したとならば、次はどのような手を打てば良いのだろうか。
「まあ、気にすることではないニャ。
今回の件であのナルガクルガも懲りるだろうし、
きっと出ていくと思うニャ」
「そうであれば良いのだがな・・・」
「出て行ったら森の方に行くニャ。その姿でなくとも、
きっとあそこのあたりに隠れると思うのニャ」
「ん?少々引っかかるが・・・
まあそうするとしようかの」
チラリと砂時計を見る。
もう砂が完全に落ちてしまいそうな状態だった。

「・・・もうそろそろ決着がつくころじゃな。
行くぞ」
「はいニャ」
長い袖を翻し、少女、フィーは立ち上がった。
その後をアイルーがついていった。

「ふと思ったのだが」
「なんですかニャ?」
「なぜにあやつのことに詳しいのだ?」
「それはご主人様、アイルーの情報網ですからニャ」



少し前にきた飛竜は礼儀が正しかった。
五、六頭の四足歩行の飛竜がフィーのもとへとやってきた。
そのうちリーダー格のような飛竜がアイルーの翻訳を通してこういった。
『我らをここに住ませてはくれぬだろうか。
そしてここの主に合わせてくれぬだろうか』
彼らはこの塔に住まう主のことを知っていたようで
フィーを通して会おうとした。
もちろんフィーは快諾した。
彼女の主が言うには
「来るものは拒まず、去る者は追わず。
礼儀と常識さえあれば誰でも住んでいいよ」
とのことだった。
主の言葉は彼女の意思。
彼女はそれを通した。

それ故、今回の件は腹ただしかった。
突如ナルガクルガ(と思わしき竜)が居座り着いたのだ。
今の時期は主が休息しているタイミングであり、
なるべく問題は起こしてしまいたくなかった。
しかし、あのナルガクルガが現れた。
自らが戦う力は持ち合わせていないし
第一それのことが全くわかっていない。

フィーはギルドに調査を依頼した。
最も、これ以上の被害(彼女にとって)をもたらさないこと
を目的としていた。
彼女としては塔にこれ以上ハンターに来て欲しくなかったのだが
彼女に奴を追い払う力がないので、仕方がなかった。
かくしてナルガクルガ撃退クエストが発令された。
ただし、極秘指令扱いで。


「げ・・・撃退しま・・・した・・・」
今回は男と女二人づつのパーティだった。
ゼェゼェと息を荒げる一人の女ハンター。
激戦の跡の傷が目に入る。始め見たときはパッチリしていたナルガZ装備も心なしかたるんで見える。
その近くには力尽きて完全に伸びてしまったハンターが三人。
「予想外だニャ」
「おお、すまんな。大変だったじゃろう。わしの家に来るといい」
ゼハーゼハーと息を荒げるハンター達。
「そ・・・そうさせていただきます・・・」
と言うが最後、バタンと倒れてしまった。
「ギルド計算で49:59。相当かかっているニャ」
「というか、ほぼフルでたたかってるの」
「ネコタクを使うニャ。危険じゃないから200かそこらで使えるニャ」
「ああ、わかった。呼んでおくれ」
アイルーは持っていた角笛を吹いた。
すぐにネコタクがきて、ハンター四人は乗っていく。
(さて、これで後は・・・)
フィーは空を見上げた。満天の星だった。

「ところで・・・依頼主さんよう」
フロギィX装備の男がフラフラしながら言った。
最初に見たときに笛を振り回していた元気はどこへやら。
「なんじゃ?」
「報酬・・・」
「おお。そうじゃった。わしの召使いが払ってくれるじゃろう。
わしの家にもう一人アイルーがいるからの、そいつじゃ。
えーっと、たしか36000zだっただろう?
倒れた分はその中からギルドに払っておくれ。これでいいな」
「お・・・おうっふ」
バタンと倒れる音、アイルーの走り出す音が
同時に聞こえた。
やけに重いらしく、げんなりした表情で走っていった。


ここは塔近辺の森。ギルドも狩猟を認可していないため、ここには
ほとんど人がいない。

そう、"人"は居なかった。

「うぅーいたたたた」
そこには、月白色の着物を着た少年が倒れていた。
体中傷だらけであり、動くこともほとんどできないらしい。
「なんだよぅあのニンゲンたち・・・いきなり襲ってくるし四方から攻撃されまくるし
尻尾を切ろうとするし頭は殴るし、ぼくがなにしたってんだよぉ」

「驚いた。人になるのは古龍だけではなかったのか?」
フィーは目を見開いた。
「もしやご主人、普通のモンスターたちでもごく一部のモンスターは人になることが
できるのを知らないのですかニャ?」
召使いが見上げながら尋ねる。
「ああ。おかげでお主の頭がぶっ壊れていないのがわかった」
「酷いニャ」
「茶番はあとにするぞ。おい、そこのお主」
「うひゃっ!?二二二二二ンゲゲゲゲン!?あいたっ」
少年は飛び上がった。自分の受けた傷を忘れて。
「どもるな落ち着け話を聞け。
わしがここまで来た理由を知らぬのじゃろう?」
「知るもなにも・・・僕はここ、初めて来たんだよ?
ニンゲンさんが僕になんのようさ・・・いてて」
無理して飛び上がった結果、ひっくり返って動けない状態になったナルガ少年(仮)。
フィーは痛そうじゃな、と思いつつ質問をする。
「単刀直入に言うぞ。お主、ここの掟を知っておるかの?」
「しらないよ・・・」
「やはりか。そうでなければ、こんな時期に無断で入ったりはしないだろう。
最も、それを狙っていたのなら最初からこんなところをうろちょろしたり
下郎のごとく居座ったりはしないだろうからな。
ふむ、となれば。
お主、ここに住みたいのか?」

「うん、そうだけど・・・ここって特に誰かが縄張りにしてるようでもないし、
大丈夫かなー・・・って」
「たわけめ。ここには最も偉大な方が治めておられるのだ。
お主も知っておるだろう、"祖なるもの"様の話ぐらい」
2012年11月24日(土) 01:08:48 Modified by kim_kyon




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