日本の周辺国が装備する兵器のデータベース


▼Mi-17ヘリコプターに装備されたTY-90(AAM型)の4連装ランチャー

▼Z-9Wヘリコプターに搭載されたTY-90(AAM型)


▼TY-90(SAM型)用ミサイルランチャー


性能緒元
全長1,862mm
直径0.9cm
重量20kg
弾頭重量3kg(HE弾)
最大速度M2
射程500-6,000m
誘導方式全方位赤外線誘導
装備機種Z-10攻撃ヘリコプター
 Z-19攻撃ヘリコプター
 Mi-17/171輸送ヘリコプター(一部のテストベッド機のみ)
 Z-9W武装ヘリコプター
Z-11汎用ヘリコプター(直昇11/AS-350)

TY-90は洛陽光電子技術開発センターと国営航空技術輸出入公司(CATIC)が共同開発した空対空ミサイルであり、1998年に公開された。設計主任は鄭志偉技師。

中国はTY-90を「世界初のヘリコプター専用空対空ミサイル」として宣伝している。開発の前段階としてヘリコプターの兵装に関する調査検討が行われた。その結果、戦闘ヘリの空対空兵装について、携帯式短SAMの流用では射程、威力、命中率の点で限界があり、ジェット戦闘機用の赤外線誘導ミサイルは重量の問題から2発程度しか搭載できないという結論が導き出された。これを受けて、携帯式短SAMより大きくジェット戦闘機用の赤外線誘導ミサイルよりコンパクトなヘリコプター専用の空対空ミサイルをを開発する事が決定された。それがTY-90である。

TY-90の開発では、低空での運動性とチャフやフレアなどの妨害への対抗能力を強化することが求められた。弾体を大きくしたことで、携帯式ミサイルでは搭載不可能な各種の電子装備を搭載することが可能となり、フレア等により幻惑され難くなっている。TY-90はヘリコプターの機体側面にあるポッドに搭載されており、一機あたり4〜8発の搭載が可能。TY-90はヘルメット装着の照準システムと連動して用いられると思われる。TY-90のサイズは全長1,862mm、直径90mm、発射重量は20kg。弾頭重量は3kgでヘリに対して有効な打撃を与えることが可能であり、命中後の撃墜率は80%と試算されている。赤外線シーカーは全包囲攻撃能力を有しており、レーザー近接信管を持つ。ミサイルは後部に固定フィン4枚、前部に可動翼4枚を装備。最大速度はマッハ2、最大機動加重は20G。最大射程は6,000m、最小射程は500m。

2008年11月に開催された珠海航空ショーでは、UAV(Unmanned Aerial Vehicle:無人航空機)搭載用のTY-90が公開された。UAV搭載型TY-90は、ミサイル前半部の設計が変更されており、前部固定フィンの形状はPL-9空対空ミサイル(霹靂9)のそれに似た形になっている。

TY-90は、撃ちっ放しが可能な赤外線誘導方式で、携帯式短SAMに比べて射程が長く各種妨害への抵抗性が高い。この特質を活かしてTY-90をベースとした近距離防空用の地対空ミサイルの開発も行われており、「倚天」近距離対空ミサイルシステム、「猟手」近距離対空ミサイルシステム、「神弓II」ガン・ミサイル複合防空システム等が開発されている。

【参考資料】
軍事研究(株ジャパン・ミリタリー・レビュー)
Jane's Defence Weekly
航空周刊 2005年7月号「中国'天燕'可攻美阿帕奇-訪ty-90'天燕'空空導弾総設計師鄭志偉」
Chinese Defence Today

【関連項目】
TY-90赤外線誘導対空ミサイルの派生型

中国陸軍
中国空軍

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