SPS患者のQOLについてや、車いすの選定について。
簡易型はいわゆる手こぎや介助型の車いすをベースに電動化したもので、普通型に比べ軽い、比較的安価などの特徴がある。室内での利用が主になる人や、折りたたみ機能が必須な人、重い大型の車いすが利用できない人などに適している。
普通型電動車いすは、最初から電動として開発されたもので、簡易型に比べ一般に多機能であり、悪路での走行性能や安定性にも優れているものが多い。反面高価であったり折りたたみ不可であったりのデメリットもある。
- SPS患者は、体幹(胴)と近位四肢(肩から肘までの腕、ひざ上から腰までの足)の筋肉が硬直しやすいため、歩行動作に難がある。
そのため、一度バランスを崩すと修正できず、転倒しやすい。 - さらに、体を捻ったり手を出すなどの受け身動作をとりづらいため、転倒すると大きな怪我につながることが多い。
(『板状(stiff as a board)』や『鉛の兵隊のよう(looks like a tin soldier)』と記述された医学論文もある) - 大きな怪我を伴う転倒により、SPS患者は歩行のとき、支えやつかまる物のないような状況を避けるようになる。
結果として外出しなくなり、自立した生活がより制限されるようになる。
- 車いすによる移動により、歩行時の転倒を回避することが出来る。しかし、病院でよく見るような形状の車いすは、SPS患者にとって悪化の要因にもなり、より高機能な車いすが望ましい。
- 電動車いす。
- 電動車いすの分類。
簡易型はいわゆる手こぎや介助型の車いすをベースに電動化したもので、普通型に比べ軽い、比較的安価などの特徴がある。室内での利用が主になる人や、折りたたみ機能が必須な人、重い大型の車いすが利用できない人などに適している。
普通型電動車いすは、最初から電動として開発されたもので、簡易型に比べ一般に多機能であり、悪路での走行性能や安定性にも優れているものが多い。反面高価であったり折りたたみ不可であったりのデメリットもある。
- 電動リクライニング機能。
- 電動リフト機能。
- 電動チルト機能。
- 電動フットレスト上下機能。
- 求められる車いすが購入基準リストにない。
SPS患者にとっては、車いすの機能として、電動リクライニング・リフト式が望ましい。投薬療法を受けているのであればチルト機能も必要である。症状の悪化時や、悪路や段差を乗り越えるためにはフットレストの上下機能も必要である。しかし、告示の購入基準リストには、この機能のある電動車いすが記載されていない。このため、欲しい機能を持つ車いすの購入を申請するには『特例補装具』という扱いになり、更生相談所等(保健所やリハビリセンターなど)での判定がより厳しくなると予想される。
(判定で購入が却下された場合、同内容での申請は通らない場合が多いようだ) - 参考1:補装具費支給制度の概要。(ページ下部の補装具種目一覧に電動車いすの種類も記載)
- 参考2:補装具費の支給に関する告示、通知
- (PDF)障害者自立支援法に基づく補装具の種目、購入又は修理に要する費用の額の算定等に関する基準。(電動車いすの一覧は73頁から)
- (PDF)補装具費支給事務取扱指針(5頁:『第2 具体的事項』『(2)特例補装具費の支給について』)
- 参考3:障害福祉サービス等に関するQ&A
- (PDF)補装具費支給に係るQ&A(Q8からQ15まで車いす関連の内容)
- 電動車いすの耐用年数は6年です。一度制度で作った場合原則6年間は制度を利用して作れません。
- 6年を待たずして作り直してもらえることもあります。1回の修理代が新品購入費を上回ったりする場合です。
- また複数の電動車いすは公費で作れません。ただし通学用と居宅用など屋外と室内で認められた例もあります。
- 認定されることは難しいですが、本当に必要な機能であると判断された場合「特例舗装具」という枠があり、基準に無いものであっても「特例舗装具」として公費負担が通常の上限を超えて認められることがある。
- 日本ではまだこの特例舗装具の扱いが曖昧なため問題となっており検討事案としてあがっている。
- 1種1級2級の障害者手帳があることが前提です。
- まず区の障害担当窓口に公費で車いすを作りたい旨相談します。
- 業者の選定を聞かれることがありますが、初めてでわからない方は希望の車いすメーカー、車種があればそれを言います。
- 区からの連絡で指定された更正相談所などで医師に問診、診察してもらい、希望も言います。稀少難病の場合は医師が病気を知らないので病気を説明する資料を持っていった方がいいかもしれません。
- 医師の診断結果を元に業者が持ってきたいくつかの車いすに試乗します。体に合わなかったらはっきりと言葉で伝えましょう。長く乗る体の一部ですから遠慮してはいけません。その際業者ではなく更正相談所に試乗車があることもあります、聞いてみましょう。
- 車に載せることや室内でのとりまわしに不安がある場合は、業者またはメーカーからレンタルできないか交渉して注文前に車や家で試してみましょう。
- 医師の診断を元に、車いすが決まります。注文書が書かれ発注されます。
- ライトやヘッドレストなどは車種により自己負担が求められることもありますが、安全のためなるべくつけましょう。公費が認められることもあります。(特
- 出来上がったと連絡をもらったら更正相談所に行き、車いすに乗り調整を行います。
- 完成です。
- 車種により元々ついていない場合など、ライト、ヘッドレスト、クッションなど公費負担が出ないことがあるものについては、注文時に必要であると交渉するか、自己負担で買うことを明言し純正品を発注した方が良い。(参考:ペルモビール社の場合ライトは発注時ならば3万ですが後からつけるとなると10万かかる)。
- もし一部オプションが公費ではなく自己負担になった場合でもためらわないこと
- 後述する「外見と症状の重症度の隔たり」から要望はしっかりと伝えた方が良い。病状を伝えるのは紙面が良い。
- 何をするために必要か伝えることも大事だが、公費にはそれぞれに診断基準があるので(チルトなら低血圧など)それを踏まえしっかり伝えること。
- 公費負担の場合には消耗品を買いなおす時に一部助成が出るが、自己負担のものは全額負担となる可能性が高い。
- SPS患者のなかには、薬の服用により一時的に、つかまり歩行や器具や他人の介助なく歩行ができる人もいる。ただそのような状態の患者であっても、さまざまな要因(音、接触、広い場所や道路の横断時などに感じる不安など)より突然、SPSの症状は重症化する。そのため、歩行が可能であっても、車いすによる移動がより安全であり、安心感を与える。
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