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【定義】

行鉢時に、喫粥等が済んだ鉢盂を洗うこと。全体的な流れとしては、粥時は浄水のみ、飯時は先に香湯(茶)を喫してから浄水(湯)を頭鉢に受け、まず頭鉢の内を鉢刷を用いて洗う。続いて、頭鉢内の湯を頭鐼に移し、その上で頭鉢の内外を洗い、鉢拭(浄巾)を用いて拭き、終わったら鉢拭を、鉢揲の上に置かれた頭鉢の中に入れておく。続いて匙筯(匙と箸)を頭鐼で洗い、鉢拭で拭いて乾かし匙筯袋に入れる。続いて頭鐼と第二鐼を入れ替え、頭鐼の中の湯を第二鐼に移し、その中で頭鐼を洗い、鉢拭でもって拭いて、頭鐼を頭鉢の中に安置する。後は順番に湯を移しながら、第二鐼・第三鐼を洗い、それぞれ頭鉢の中に安置する。終われば折水に続く。

【内容】

洗鉢は、道元禅師が『赴粥飯法』で示された作法が基本となっており、以下の通りである。
洗鉢の法は、先ず衣袖?を収め、鉢盂に触るること莫れ。頭鉢に水を受け〈今は熱湯を用う〉鉢刷を用いて、誠心に右に頭鉢を転じて、洗って垢膩を除かしめて浄からしめ、水を頭鐼に移して、左手に鉢を旋らし、右手に鉢を用い、鉢盂の外、兼ねて鉢盂の内を洗い、如法に洗い訖って、左手に鉢を托え、右手に鉢拭を取って鉢拭を展べしめて、鉢を蓋い両手に鉢を把って順に輪転し、拭きて乾かしむ。然して後、鉢拭を且く鉢孟の内に安じて、外に出さしむること勿れ。鉢盂を鉢揲の上に安じ、次に匙筯を頭鐼に洗う。洗い訖って鉢拭に拭う。この間鉢拭をして全ては鉢盂の外に出さしむること莫れ。匙筯を拭いて以て匙筯袋に盛り、而して横に頭鐼の後に安ず。次に頭鐼を第二鐼に洗うの時、左手を以て頭鐼と鉢刷とを把り合せて略提し、右手を以て第二鐼を把って頭鐼の位に安じ、然して後、水を渡して頭鐼を洗う。第二・第三鐼を洗うこともこれに準ず。鐼子・匙筯を頭鉢の内に洗うことを得ざれ。先ず頭鉢を洗い、次に匙筯を洗い、次に頭鐼を洗い、次に第二鐼を洗い、次に第三鐼を洗い、拭いて極乾し、本の如く頭鉢の内に収め、次に鉢刷を拭いて袋に盛る。 『赴粥飯法

なお、道元禅師が参照されたであろう『禅苑清規』巻1「赴粥飯」項では、以下の通りである。
食し訖りて、鉢中の余物、鉢拭を以て浄めて、而も之を食す。頭鉢もて水を受け、次第に洗う。仍ち頭鉢内に於いて鐼子を洗うことを得ざれ。次第に鉢鐼を拭いて極乾せしめよ。匙筯、洗拭して袋内に盛る。鉢水の余、牀下に瀝することを得ざれ。 『禅苑清規』巻1「赴粥飯」項

他に、道元禅師が参照できた『入衆日用』でも、洗鉢の作法自体は『禅苑清規』に比べれば多少は詳細な記載ではあるが、道元禅師『赴粥飯法』に比べれば簡潔であり、よって、道元禅師は会下の大衆へ極めて詳細に作法を示された様子が理解出来る。

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