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【定義】

異類とは、仏果位以外の菩薩衆生などの六道に生きる者をいう。異類中行は、異類の中を行く意味であり、発願利生する菩薩が成仏した後も涅槃にとどまらずに六道の衆生を救うことである。

【内容】

発願利生した菩薩が成仏した後、涅槃にとどまらずに、生死の迷界・六道輪廻に身を転じつつ、一切の衆生を救うことだが、異類中に自己を投げ入れて利他行することを意味している。

道元禅師は、概念に前提されている「自」「他」そして「行」それぞれに考察していくため、本義を書き換えている。
除覚支は、もしみづからがなかにありてはみづからと群せず、他のなかにありては他と群せず、我得你不得なり、灼然道著異類中行なり。『正法眼蔵』「三十七品菩提分法」巻

ここでは、自己とも他己とも対しない絶対の覚を考察するのに「異類中行」が使われている。
いはゆる雲巖道の宗旨は、眼睛乞眼睛なり、水引水なり、山連山なり、異類中行なり、同類中生なり。 「眼睛」巻

自己が自己に再帰的に関わっていくことを「異類中行」とされている。この両方の用法に、単純な「自−他」という区分がないことを重々理解されたい。

【論文】

・新井勝龍「異類中行について」(『宗学研究』34・1992年)
・新井勝龍「大修行巻と深信因果巻 ―異類中行説をめぐって―」(『宗学研究』35・1993年)

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