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【定義】

万仭道坦が記した、寺院相続に関する問題を展開する著作。全1巻、筆写で残された。通称『伽藍相続弁』。

【内容】

この著作は、江戸時代の宗学の一翼を担った万仭道坦が、宗統復古運動以降に、未だに「伽藍法」に固執する者が多いことを嘆いて、その問題を明らかにした著作である。日本曹洞宗では、元禄16年(1703)に、卍山梅峰などの運動によって、「伽藍法」中心の寺院相続から、「人法」中心の相続法に改められた。

これにより、『嗣書』は、一生に一度のみ受けて、これを自らの伝法を表信する証とし、『大事』『血脈』については、寺院を改める際に、再度受け直すという方法が採られるようになった。万仭は、その最中に於いて、宗門の伝法とは、人法中心であるべきことが当然であるとしながら、もし開山法系とは違うお寺に入ったとしても、それは法系の断絶を意味しないことなどを明らかにした。同著の最後には、『大事』『血脈』の意義を明かにした。なお、この著作は、広く公開することを目的に書かれたのではなくて、万仭がその弟子達に対して、室中の秘として語ったものである。

現在であれば、『曹洞宗全書』「室中」巻、『永平正法眼蔵蒐書大成』巻20などで見ることができる。

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