曹洞禅・仏教に関するwikiです。人名・書名・寺院名・思想・行持等々について管理人が研究した結果を簡潔に示しています。曹洞禅・仏教に関する情報をお求めの方は、まず当wikiからどうぞ。

【定義】

叢林で修行僧の安居の無事円成を祈念して行われる法会のこと、楞厳勝会。『楞厳呪?』を読誦する。『瑩山清規』では、4月15日の結制から、7月15日の解制まで行う(禅林寺本の疏の可漏から推定)。かつては毎日斎罷(午時)に行っていたが、最近では朝課の前か午時にて行う。
楞厳勝会は、秘密神呪を誦するものなり。右潜かに以れば、楞厳勝会は、本師釈迦如来、宝光を無見頂相より湧かし、舌相を大千沙界に覆い、十方仏土を照らし、一切諸仏を集め、無数恒沙の菩薩をして、二十五種の円通を説かしむ。独り観音菩薩の得処を以て、殊に聞声悟道の表準となす。遂に秘蜜神呪を演説して、正に開悟の直道を闡示したまう。楞厳勝会は此の会より肇り、長期の誦呪は此の呪を専らにす。日限を百日に約し、人数を什員に結ぶ。仏祖九旬安居の旧規あり、叢林三月行道の勝会を建つ。 禅林寺本『瑩山清規』「楞厳会啓建疏」

【内容】

楞厳会の始まりには諸説あって、一説に依れば中国の大通神秀から始まるともいうが、現在のような内容と意義を持ったのは、中国曹洞宗の真歇清了禅師からであるという。
楞厳会は禅規に見へず、伝説に真歇和尚より始り、回向の偈は真歇和尚の作と云ふ。すれば、禅規のころ、なきはずなり。 面山瑞方『洞上僧堂清規考訂別録』第五巻「楞厳会考訂」

楞厳会は『禅苑清規(=禅規)』には見えないが、それは同清規が1103年に成立しており、真歇禅師の生没年が1088〜1151年であることから推定されたものである。真歇禅師は楞厳会の普回向も作ったとされる。なお、『楞厳呪』が叢林安居を行う修行僧を守る理由について、以下の一文がある。
但、是、諸仏菩薩衆賢聖等帰命し、及び呪願加被を叙し、諸悪鬼病等の諸難を離る。 長水子璿『首楞厳経義疏注経』

教善一致を説いた長水はこのように『楞厳呪』の功徳を説く。

【差定】

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

管理人/副管理人のみ編集できます