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 ここでは、小学生が”アラレ(霰)数”を楽しむためのヒントを集めてみました。
 ウィキペディアによるアラレ(霰)数の解説は、なし

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アラレ(霰)数

アラレ(霰)数とは、
・ある項が偶数のときはその項を 2 で割ったものを次の項とし、
・ある項が奇数のときはその項の 3 倍に 1 を加えたものを次の項とする、
という漸化式で定義される数列である。 この数列は、初項がいかなる自然数であってもそのうち 1, 4, 2, 1, 4, 2, ... というループに落ち着くであろうと予想されている。

参考

1:1,4,2,1,4,2,…
2:2,1,4,2,…
3:3,10,5,16,8,4,2,1,4,2,…
4:4,2,…
5:5,16,8,4,2,…
6:6,3,10,5,16,8,4,2,…
7:7,22,11,34,17,32,26,13,40,20,10,5,16,8,4,2,…
8:
  • ステップ数や最大値の初期値依存性は?
初期値113383で最大値がオーバーフロー。
初期値113382以下では、
最大値1570824736(初期値7761および103561の時)
ステップ数はあまり急激に増えない。
初期値77031で350ステップ、初期値106239で353ステップを除き、大体200以下のステップ数が多い。
  • 既知のループ以外に別のループは存在するのか?
ないようです。
  • 漸化式をなぶってみる!

その1
・ある項が偶数のときはその項を 2 で割ったものを次の項とし、
・ある項が奇数のときはその項の 3 倍に 1 を引いたものを次の項とする
1:2,1,…
2:1,2,1,…
3:8,4,2,1,…
4:2,1,…
初項が4までの場合は、すべて1,2,1,…というループ1に落ち着く
5:14,7,20,10,5,14,…
初項が5の時は、5,14,7,20,10,5,14,…というループ2に落ち着く
6:3,8,4,2,1,…ループ1
7:20,10,5,14,…ループ2
8:4,2,1,…ループ1
9:26,13,38,19,56,28,14,7,20,10,5,14,…ループ2
10:5,14,…ループ2
11:32,16,8,4,2,1,…ループ1
12:6,3,8,4,2,1,…ループ1
13:38,19,56,28,14,7,20,10,5,14,…ループ2
14:7,20,10,5,14,…ループ2
15:44,22,11,32,16,8,4,2,1,…ループ1
16:8,4,2,1,…ループ1
以上の数列は、全てループ1かループ2に落ち着く
17:50,25,74,37,110,55,164,82,41,122,61,182,91,272,136,68,39,17,…ループ3
ループ3の数列の最大数272までの初期値は、全てループ1〜3に落ち着く。
初期値273以上に別のループがあるか?
ループ1:周期2step, 振幅1
ループ2:周期5step, 振幅15
ループ3:周期18step, 振幅255
第4のループがあるとすれば、周期は65以上、振幅は4500以上か?
初期値32766までは、全てループ1〜3に入る。

その2
・ある項が偶数のときはその項を 2 で割ったものを次の項とし、
・ある項が奇数のときはその項の 3 倍に7 を足したものを次の項とする
1:10,5,22,11,40,20,10,5,…
2:1,10,5,…
3:16,8,4,2,1,10,5,…
4:2,1,10,5,…
5:22,11,40,20,5,…
6:3,16,8,4,2,1,10,5,…
以上、全て5,22,11,40,20,10,5,…というループ1に落ち込む。
7:28,14,7,…ループ2
8〜13:ループ1に落ち込む
14:ループ2
9〜20:ループ1
21:ループ2
22〜27:ループ1
28:ループ2
以後、7の倍数以外の初期値を検討。
初期値32766までは、全てループ1または2に落ち込む。
32767でオーバーフロー
初期値31981でステップ数407でループ1に落ち込む。
別のループは、あるのか?・・・?

その3
・ある項が偶数のときはその項を 2 で割ったものを次の項とし、
・ある項が奇数のときはその項の 5 倍に 3 を引いたものを次の項とする
1:2,1,…ループ1
2:1,…ループ1
3:12,6,3,…ループ2
4:2,1,…ループ1
5:22,11,52,26,13,62,31,152,76,38,19,92,46,23,112,56,28,14,7,32,16,8,4,2,1,…ループ1
6:3,…ループ2
7:32,…ループ1
8:4,…ループ1
9:42,21,102,51,252,126,63,312,156,78,39,192,96,48,24,12,6,…ループ2
10:5,…ループ1
11:52,…ループ1
12:6,…ループ2
13:62,…ループ1
14:7,…ループ1
15:72,36,18,9,…ループ2
16:8,…ループ1
以上、3の倍数はループ2に、それ以外はループ1に落ち込みます。
ところが、
17:82・・・step110でオーバーフロー
18〜26は、3の倍数はループ2に、それ以外はループ1に落ち込みます。
で、
27:132・・・step108でオーバーフロー。27は、3の倍数なので、オーバーフローがなければループ2に落ち込むと予想されます。
28から56は、ループ1および2に落ち込むものとオーバーフローするものがあります。3の倍数でも、オーバーフローするものもあります。
しかし、
57は、オーバーフロー寸前まで行って437ステップでループ2に落ち込みます。
57は3の倍数なので、オーバーフローがなければ全ての3の倍数はループ2に落ち込むと類推できます。
さらに、
3の倍数以外の数でオーバーフローした数は、全てループ1に落ち込むと仮定します。
30000までの数は、全てループ1かループ2、およびオーバーフローする数列に分類されました。
ここではオーバーフローする数も、やがては全てループ1かループ2に落ち込むと仮定します。
600ステップを経てオーバーフローする初期値もあり、もっと大きな整数を扱えるプログラムなら自明でないループを発見できる可能性はあります。
が、ここまでの総当たり的な探索の印象では、自明なループ以外のループもしくはカオスのような非周期的振動はないのではないかと推察できます。力学系のような別のアプローチで説明できないか考えてみます。

その4
・ある項が偶数のときはその項を 2 で割ったものを次の項とし、
・ある項が奇数のときはその項の 5 倍に 1 を足したものを次の項とする
1〜4:ループ1(1-16)
5:ループ2(13-416)
6:ループ1
7:オーバーフロー
8:ループ1
9:オーバーフロー
10:ループ2
11:オーバーフロー
13:ループ2
14:オーバーフロー
15:ループ1
16:ループ1
17:ループ3(17-216)
18:オーバーフロー
19:ループ1
20:ループ2
以上、オーバーフローする初期値も、ループ1,2,3のいずれかのループに落ち込むと仮定します。
以下では、自明なループ1,2,3以外のループに落ち込む初期値が存在するかどうかを探索します。
オーバーフローする初期値は、自明なループに落ち込むと仮定します。

60000までの初期値に対しては、自明なループに落ち込むか、最大値がオーバーフローしてしまいます。
一方、最大ステップ数は632までにとどまっています。力学系による別のアプローチを行うか、長整数が20億以下という制限を回避するプログラムを書く以外には、今後の進展は望み薄です。

後日談

実は、アラレ数については、ラインズの古い本『数、数、…―不思議なふるまい』(M.ラインズ)で知りました。そして、ちょっとエクセルで遊んでみようと思ったわけでした。
その後、ラインズの本を訳した片山さんの本(数学とっておきの12話 (岩波ジュニア新書))にも書いてあったことを思い出し、読み返してみると、随分スマートな方法で中高生にもわかりやすく説明されていました。
で、そういえばイアン・スチュアートの本(『数学の魔法の宝箱』(イアン・スチュアート))にも書いてあったような気がしてきたので、図書館に行って借りてきました。すると、さらりとカオスやフラクタルのことも書かれていて、自虐的な笑いがこみ上げてきました。
ネットでは、英語のサイトを中心に様々な(アマからプロまで)人が研究しており、ひょっとしてもうすぐ証明される?という期待感が。
昔のように、古本の余白にあった誰かの書き込みをちょっと計算してみて・・・なんて時代ではなかったわけですね。ただ、私としては、ラインズの本の語り口が楽しくて、古い本なのに何度も小説のように読んでしまう。で、内容もすぐに忘れてしまう。また、読む・・・。それだけです。

コラッツの問題
ウィキのこのページも最初にラインズの本を読んだ時に、何度も参照していたような・・・。

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