マサヒコはゆっくりと近づくと、両腕をアヤナの背中に回した。
アヤナの体は、すっぽりとマサヒコの胸の中に納まるかっこうになった。
「こ、小久保君?」
「…恥ずかしいんだろ?若田部…」
「…」
「だから…今日じゃなくてもいいんだ。俺たちにはさ、まだ時間があるんだし…。
もっとゆっくりと、ゆっくりとでいい。俺は…今でも若田部のことが好きだ。でも…時間をかければ、
もっともっと…ずっとずっと、若田部のことが好きになれる。だから…いつでもいいんだぞ?」
「こくぼ…くぅん…」
アヤナは、また涙が出そうになっていた。正直言って、マサヒコが自分を…自分の肉体を、
どう思うのかについては自信がなかった。彼とて、男である以上──アヤナの裸体を見て、
獣性を剥き出しにして、のしかかってくる可能性はゼロではなかったはずだ。
しかし、マサヒコの最初の言葉はアヤナのことをいたわる、とても優しいものだった。
(やっぱり…あたし、間違ってなかった…あたしの…運命のひとは、小久保君だったんだ…)
思いを強くしたアヤナは、ゆっくりと乳房をおさえていた両手を外し、マサヒコの背中に回した。
“むにゅ…”
マサヒコの裸の胸に、アヤナの乳房の柔らかさがダイレクトに伝わってきた。
「わ、若田部?」
「小久保君…あなただけだからね?」
「へ?」
「あたしの…胸を…二回も見るの。あいつらには…一回だけ見られちゃったけど…。
あなたになら…もう一回見て欲しいの。だから…体を離して」
「で、でも…若田部」
「お願い。小久保君…あたしのカラダを、見て…」
上目使いで、アヤナはマサヒコを見た。その懇願するような…すがるような口調に、
マサヒコは何も言えず、ただうなずくしかなかった。
§

アヤナは、顔を真っ赤にして、抱きついていたマサヒコから体を離した。
“すっ…”
「あ…」
思わず小さく、マサヒコは声をあげていた。─────キレイだった。美しかった。
それぐらいしか、思いつかなかった。息をのんで、アヤナの裸体をただ呆然と眺めていた。
あのときは…アヤナは呆然としていたし、マサヒコも早く彼女を助け出そうとしていたため、
一瞬しか見えなかったのが実際だった。とはいえ、そのときの豊満なアヤナの乳房の記憶はその後
しばらくマサヒコを夜な夜な悩ますのに十分なものだった。しかし、今マサヒコの目の前には───
座ったままでもわかる、豊かな腰周りから、なめらかに細くなるウェスト。
そしてその細さからはとても想像がつかないほどにたわわに実った真っ白な乳房。
流線型を描く二つの白い果実の先には、少し陥没気味のピンク色の乳首がちょこん、と乗っていた。
アヤナは、目を閉じ、口元に手を置いてマサヒコの視線を受け止めていた。
「…変?あたしの胸…」
無言のままのマサヒコに不安になったアヤナが声をかける。
「…い、いや…すっごく…きれいだ…昔美術の時間に見た…絵か、大理石の彫刻みたいだ…」
息をのんで、マサヒコはそう答えた。事実、マサヒコには、目の前の風景はどうしても
いやらしさや卑猥さと結びつかなかった──それはむしろ、高貴な芸術品のように見えた。
「ホント?小久保君…」
「う、うん…なんだか…スゴイ。絶対に…これを…若田部を、汚しちゃダメだ。俺は…そう思う」
「小久保君…」
嬉しかった。マサヒコは裸の自分を受け入れてくれていた。自分のカラダを、キレイだと言ってくれた。
…だが。アヤナは、自分自身の気持ちが昂ぶってきていることにも気付いていた。
(そんな風に…言ってくれるのは…嬉しいんだけど…)
アヤナは、まだ呆然としたままのマサヒコの右手を取ると、自分の胸へと導いた。
「!*>?わ、若田部?」
「…さわって。小久保君…」
§

「で…でも…」
「いいの。小久保君になら…。あたしね、この前のとき…あいつらにここを触れられて、
最低な気分だった。だから…小久保君に、さわって欲しいの。あたしのここを…あなたの手で、
さわって欲しいの。あいつらの感触を、二度と思い出さないようにさせて欲しいの。お願い…」
アヤナの目は、真剣そのものだった。目の前の少女があの不幸な出来事を、
いまだに忘れずにいて…傷ついたままだということに、胸が痛んだ。そしてそれ以上に…。
彼女がそれをマサヒコによって清めて欲しい、と言っていることに彼自身が揺り動かされていた。
「若田部…なら、さわるけど…痛かったり、気持ち悪かったりしたら、言ってくれよ?すぐ止めるから」
「う…うん」
マサヒコは、震える手でアヤナの胸を揉み始めた。
“ふにゅ…むにゅ…”
(うわ…な、なんだコレ?思ったより…ずっとやらかくて…あったかくて…でも、なんか張りがあって)
自分の手の中で、自在に形を変えるアヤナの乳房に感動しながら、
童貞君丸出しの感想を思うマサヒコ。一方アヤナも…。
(ん…あ…。こくぼくん…乱暴じゃなくて…さわりかた、優しい…自分でするより…ずっといいかも)
こちらも処女丸出しの感想を思うのであった。
が、マサヒコはいつまでもただ揉んでいるだけではもはや我慢できなくなっていた。
「あの…若田部?」
「…んッ…な、なあに?小久保君」
「あのさ…若田部の、ココに…キスしても、いいかな?」
「!…う、ウン、いいよ…」
「じゃあ…」
“ちゅ…”
「あッ!…」
マサヒコのくちづけに、思わず声をあげ、びくん、と体を大きく震わせるアヤナ。
「あ…ごめん、ダメだった、俺?」
§

「う…ううん、違うの。なんだか今一瞬、体に電流が走ったみたいになって…でも大丈夫。
嫌じゃなかったよ?続けて…小久保君」
「あ、ああ…なら…」
“ちゅ…っつ、ちゅう…”
真っ白で柔らかなアヤナの乳房を、くまなくマサヒコは口づけていった。
ほんのりと汗ばんだそこからは、アヤナの匂いがした。
「なあ…若田部?」
「んッ…あ…こ、今度はなに?小久保君」
「若田部ってさ、なんか香水とかつけてる?」
「?ううん…だって学校で禁止されてるもん。制汗スプレーぐらいなら…。
あ、もしかしてあたし、汗臭い?」
「いや、そうじゃないんだけど…ならこれ、若田部の匂いなんだな…みかんみたいな…いいニオイ」
「あ…シャンプーとか、シトラスオレンジ使ってるから…でも、みかんって…もう!小久保君は…」
「いや、だってみかんだろ?オレンジって」
「…ムードないなあ…ふふふ、でもなんだか小久保君らしいよね…みかんの匂いかあ…おいしそう?」
「うん…すっげえ可愛くいて…いい匂いで、おいしそうだよ?若田部のカラダ」
「!ち、違うの、あたし、そういう意味で言ったんじゃ…」
「?だってホントだぜ?おいしいよ、若田部の、おっぱい…」
そう言うと、マサヒコはアヤナの乳房を乳首からぷくり、と口に含んだ。
「!あん…」
そしてそのマサヒコの口撫に思わず声をあげてしまうアヤナ。
“ちゅッ…こりッ…”
口の中で、アヤナの小粒な乳首をねぶるマサヒコ。
転がし、軽く噛み、吸い…そしてまた転がすように…思いつく限りの愛撫を加え続けた。
「あっ…んんッ…あン…」
そしてアヤナも艶やかな声で、カラダをくねらせるようにして過敏なまでに反応していた。
§

(可愛い…若田部…)
自分の拙い愛撫に激しい反応を見せるアヤナに、愛しさを抱きながら…。
マサヒコは、自身も心と体が激しく昂ぶっていくのを感じていた。
“ちゅぷっ”
マサヒコが乳房から口を離す。
「はあッ…ふう…」
アヤナは荒い息を吐き、頬を赤く染めてうつむいていた。
「若田部…感じて…くれた?」
「う…ウン…これが、感じるとか、そうなのかまだあたしも良くわからないんだけど…。
でも、気持ちよかったよ?小久保君…」
「そっか…なら、良かった…俺、嬉しいよ、若田部が気持ちいいなら。それで…えっと…」
今度はマサヒコがモジモジする番だった。
「…?」
「えっと…だね、その…そろそろ…」
(まさか…若田部、さわって終わりってことは…ないよな?…でも、さっき俺も
かっこつけてあんなこと言っちゃったし…まあ若田部がイヤっていえばここでやめるけど…)
やはりマサヒコも立派に思春期バースト状態の男子である。頭の中はそれでいっぱいなのであった。
「…!あ、ふふふ…そう言うことか。んふ、良いよ?小久保君。そのかわり…だ・っ・こ」
「へ?」
「前の保健室のときみたいなのは、ダメだよ?
きちんと、女の子を抱くときのだっこでベッドまで連れて行ってね?」
悪戯っぽく微笑みながら、アヤナが両手を伸ばす。その手をとりながら、マサヒコが呟いた。
「やっぱりさ、可愛いよな、若田部は」
「?え?な、なによ、いきなり…」
「自分ではあんまり気付いてないかもしれないけど…若田部の笑顔ってさ、
反則気味に可愛いんだよな…マジで」
§

真顔でそう言いながら、マサヒコはアヤナの体に手を回すと、彼女を抱きかかえて立ち上がった。
「小久保君だって…いつもいきなりそういう風なこと言って、
あたしをドキドキさせてばっかりで…あなたこそ、反則だもん」
「?いや、俺はそんなことねーだろ?だって若田部が可愛いのは本当だし」
「も〜〜〜う、知らないッ!」
恥ずかしさから、顔を真っ赤にしてぷい、と横を向くアヤナ。その様子は…やはり、可愛いのである。
マサヒコは、微笑んでそんな彼女を見守るようにしながら…ベッドまで、体を運び、ゆっくりと横たえた。
“ふぁさ”
人魚のように幻想的な、アヤナの体がベッドの上にあった。
改めてその美しさに息を飲み、じっくりと見入ってしまうマサヒコ。
「小久保君…もう一回、キスして…」
「う、うん…」
“ちゅ…ちゅ”
(若田部の唇…さっきより、熱くなってる…)
とろん、と潤んだ目でマサヒコのキスを夢中で受け入れるアヤナ。
彼女自身、既に興奮状態になっているようだ。
(な、なら…ここも…いいよな?)
“すっ…”
マサヒコが、アヤナのパンティに手を伸ばす。
「あッ…」
敏感に声を出すアヤナだが、そこには拒絶の色はなかった。マサヒコもそれを感じ取り…。
おずおずとだが、白い布の中へと指を入れていった。
“しゅり…”
マサヒコの指にまず絡みついてきたのはアヤナの恥毛だった。それを少しずつかきわけ、
ゆっくりと、ゆっくりと…奥のほうへと指を侵入させていく。
“ふぁむ…”
§

マサヒコの指が、アヤナの裂け目に辿りついた。
かすかに汗ばんで…いや、興奮のためだろうか?そこはしっとりと湿気ばんでいた。
“すっ…じゅり…する…”
恥丘の周辺を、裂け目の周りを…撫で、くすぐるように…慎重に指を動かすマサヒコ。
「んッ…ああッ…はぁ――――ッ」
そしてアヤナは溜め息にも似た声をあげ、切なげな表情でそれに応えていた。
そんな彼女の表情を見たマサヒコは、次なる行動を決意する。
「若田部?」
「んっ…なあに?」
「指…入れるよ?若田部の中に…だから…力抜いて…」
「!は、はい…優しく、お願いします…」
なぜか敬語で答えるアヤナ。だが普段はツッコミ役のマサヒコも、それに気付かぬほど興奮していた。
“ぴちゃ…”
マサヒコの右手の人差し指が、アヤナの中へと入れられた。
「ふ…ふぁ…」
ぴくり、と一度小さく震え、そのあと小刻みにからだを震わせるアヤナ。
マサヒコはなおも徐々に…徐々に、探るように指を挿入していった。
「ふ…ふぁ──っ、はぁ──」
アヤナはうっすらと涙を浮かべながら、マサヒコの指撫に反応していた。
マサヒコの指が少し右へ向かえば低い声で…奥へ向かえば少し高めの声で…。
まるでそれによってスイッチを入れられるかのように、声をあげていた。
(若田部…感じてくれてる…すっげえ可愛い声と顔で…俺の…指に…)
自分の愛撫によって、目の前で少女から大人の女へと変貌しようとしているアヤナ。
そんな彼女の様々な痴態に心臓が張り裂けそうなほど興奮したマサヒコは、
さきほどは口づけることのなかったアヤナの左の乳房を口に含んだ。
“ぷちゅ…”
§

「あっ!ダメ…そんな、一気にそこもなんて…ダメぇ!」
乳房と膣の二ヶ所を同時に責められ、思わず拒絶の言葉を口にするアヤナだが、
マサヒコは構わずに愛撫を続ける。
“ちゅぷ…つる、ぷしゅ…っじゅっ…”
「あン…ふう…ああッ…ふわぁ──っ、んん──ッ」
(へ…ヘンなの…震える…カラダの中が…中から…震えてきちゃう…)
頭がボーっとして何も考えられなくなるアヤナ。そしてマサヒコは…。
(ココ?さっきから…若田部、この…入り口から少しいった、ちょっとざらっとしたとこ撫でると…。
一番声が高くなる感じ…ココなのかな?えっと…ココが一番気持ち良いのかな?)
一点に狙いを定めると、そこを重点的に責めることを決めた。
“ちゅ…じゅ、ぷじゅッ…”
「ひ…ひゃん…ダメ…小久保君。そこばかりさわらないで…あたし…あたし、ヘンになっちゃいそう…
ああぁぁぁぁ…いやぁぁぁッ!ん…んんっ、ダメ…ダメなのぉ!」
アヤナは声を押し殺そうと、必死に指を噛んでいた。ますます愛おしくなったマサヒコは、
乳首もさらに激しくこねくり回すように舐め、指の動きも早めていった。
アヤナはじっとりと背中に汗をかいて悶え、乱れていた。
「ん…んん、んく…ふ、ふあ…ふわぁ…お願い…許して。
そんなにされたら…気絶しちゃいそう…。もう…だめ…ダメ…ダメぇッ!!!!」
アヤナが鋭い声をあげて果てたあとに、裂け目からじっとりと熱い液があふれだしてきたのを
マサヒコは感じていた。指責めから開放すると、アヤナはくたっと崩れ落ちた。
「ご…ゴメン、大丈夫?若田部…」
「ふ…はあ、はあ…はっ、ひ、ひどいよ…小久保君…あたし、止めてって言ったのに…」
頬を染め、完全に涙目でマサヒコに訴えるアヤナ。自分が責められているのは自覚しながらも、
そんな彼女の姿のすさまじい色っぽさに再び興奮してしまうマサヒコであった。
「ゴメン…だって若田部がさ、すっげえ可愛くて、色っぽくて…俺、止まんなくなっちゃって…」
「ひん…ぐす、だってあたし…どっかにいっちゃいそうな感じだったんだもん…死んじゃうかと思った…」
§

「…なあ、若田部…俺もよく知らないんだけど…それってさ、イッたってことなんじゃないか?」
「え?」
「だって…気持ち悪かった?若田部」
「う…ううん、その逆。ずっと気持ち良かったんだけど…途中から、
ふわっとカラダが浮いちゃうような感じになって…それで、頭の中が真っ白になって…」
「だから…男とは違うけどさ、それ…多分、若田部、イッたんだと…思うんだけど」
「そ…そうなの?これが…イクってことなの?」
実はオナニーですらまだ絶頂未体験だったアヤナは、初めての体験に戸惑うしかなかった。
「うん…ちょっと俺もさ、調子に乗っちゃったね…ゴメン。で…若田部、もう…いいかな?」
マサヒコは情けなさそうに自分の下半身を指差した。
トランクス越しからでもはっきりとわかるほど、それは痛々しいくらいに膨れ上がっていた。
「う…ウン…でも…そ〜〜〜〜っとね…そ〜〜〜〜〜っとだよ?お願いね?」
「あ…ああ…なるべく…努力します…」
“す…”
マサヒコが、トランクスを脱いだ。パンパンに勃起した、ペニスが顔をのぞかせた。
「う…うわあ…お、おっきい…そんなスゴイの…入るのかな…」
ペニスの登場を凝視していたアヤナが思わず言った。
「いや…比べたことないけど、俺のは普通くらいだと思うけど?大丈夫…じゃないかな?」
実は男にとってアヤナのセリフはかなりな褒め言葉なのだが…童貞君であるマサヒコは、
その意味を知ることもなく、ただアヤナの言葉の後半部だけに真剣に答えてしまっていた。
「ごめん若田部…ちょっと…ちょっとだけ、ガマンしててね…」
「うん…」
“する…”
マサヒコはアヤナのパンティを脱がし、くるぶしのあたりまで下ろすと…。
ゆっくりと、腰を落としてアヤナの中へと入っていった。
“ず…にゅうる…”
§

「い、いたァっ!!!!」
(な、なにコレ…)
まだ入り口付近なのにもかかわらず、悲鳴をあげるアヤナ。
「えっと…力抜いて…できる?若田部?」
「無理…絶対ムリ〜〜〜」
“ぎゅッ”
(イテ…)
アヤナは必死な形相でマサヒコの腕をつかんでいた。
(う…い、痛い…背中に…なにかが刺さってるみたい…)
そして予想以上の激痛に、涙を浮かべていた。
“ずる…”
するとマサヒコは入りかけたペニスを引き抜くと…笑顔を作り、優しくアヤナの髪を撫でた。
「あ…」
「えっとさ…やっぱ今日は、止めとこうか、若田部?」
「え?」
「別に今日無理してすることじゃないし…若田部を泣かせてまですることじゃないし…。
俺がヘタクソなのをさ、無理にしたってお前がまた傷ついちゃうのもなんか嫌だし…」
「…違うの…イヤじゃないの…あのね、小久保君?」
「?な、なんだ?」
「小久保君は…その…あたしとセックスしたいんだよね?」
「う…うん。そりゃあ…したいけど…」
「あたしも…したいんだけど…」
「へ??…だ、だって…あんなに痛がってたのに?」
「それとこれとは、別なの。カラダは確かに痛いんだけど…気持ちではね、
あなたと早く一緒になりたいの。でも…そうだ!ねえ、小久保君、もう一回チャレンジしてみて?」
「で、でも…」
§

「あのね…一回あたしをぎゅっと抱きしめて…もっと密着して、体くっつけると…違うと思うの」
「?…わ、わかった…」
ふたりはゆっくりとからだを近づけ、見詰め合うと…。
“ちゅ…”
ゆるやかにキスをして、ぴったりと抱き合った。
「…」
「…」
しばし無言のふたり。
「あの…小久保君?」
「わ、若田部?」
「…多分、あたしたち、おんなじこと思ってるよね?」
「う、うん…あのさ、えっと…」
「「あったかくて…気持ちいい」」
見事にハモるふたり。
「ぷっ…あはははっは」
「はははっはは…カラダくっつけるのって…ただそれだけで気持ちイイんだな…初めて知ったわ、俺」
「ははは…ウン、いいねこの感じ。小久保君?あたしもね…今すっごい幸せで気持ちイイよ?」
「俺もそうだ…幸せで…気持ちいい」
「ねえ…ひとのからだの温度ってさ、気持ちいいんだね…小久保君…あたし、今なら大丈夫だと思う」
「そ…そう?」
「ウン。でね…小久保君?絶対に、ゴメンとか謝っちゃイヤだからね?キチンと…あたしを愛してね?」
「わ、わかった…じゃあ行くよ?若田部」
「うん…来て、小久保君」
マサヒコはペニスに片手をあてがい、ゆっくりとアヤナの裂け目に添えると…再び挿入していった。
“ずッ…ずるぅ…”
「あっ!あああッ!」
§

「あ…ご…」
「ダメっ!」
「え?」
「今…ごめんって、言おうとしたでしょ、小久保君」
「?あ…そうかも…だけどさ…」
「謝っちゃダメ。あたしは…初めてのひとに小久保君に選んだのを、後悔なんてしない。
だって…あたし、小久保君が好きだもん。あたしはこの痛みも忘れないけど…。
小久保君の感触を、絶対、ず―――――っと覚えてる。だからあなたにも…後悔して欲しくないの」
「若田部…」
マサヒコは自分の下で抱かれている少女の告白を、感動しながら聞いていた。
「俺も…絶対に、忘れない。だから…わかったよ、若田部。もっと…深く入るよ?」
「うん…お願い…」
“ぬぅ…ぬぷ、ずぶぅ〜…”
「あ…くぅっ、はあッ…」
「若田部…全部…全部、俺のが若田部の中に…入ったよ?わかる?」
「う…うん。わかる…あたしの中に…確かに、小久保君のが…ある…」
「すごくあったかくて…優しく包まれてるみたいだ…」
「あ…小久保君のも…あったかい…」
ふたりは、やっとつながった感触を確かめあうように互いを見つめていた。
「若田部…まだ、痛い?」
「う…うん。まだ少しね…でも、だいぶよくなってきたかも…」
「じゃあ…俺、動いてもいい?」
「は、はい…でも…ゆっくりと、そ――――っとだよ?」
「うん…なるべく…ゆっくり、優しくするよ…」
“ぬう…ずるッ…ぬちゅう…”
マサヒコはゆっくりと腰を動かし、ピストン運動を続けていた。
アヤナのそこは…小さくだが、ひくりとうごめき─ぬるぬると、マサヒコのペニスをおさえつけていた。
§

「あ…はあッ…ふっ…あん…おっ…」
そしてアヤナも…初めての、破瓜の痛みを過ぎて…。
マサヒコの動きに、徐々にではあるが快楽を得はじめていた。
“ぐちゅ…ずっちゅ…にゅる…”
「はあ――っ、アッ、はあぁ…んッ…小久保君…、小久保…くうん」
「わか…たべ、うっ…あ…若田部…ああッ…」
部屋の中には、ふたりの吐く荒い息と、互いの性器をぶつけあう淫靡な音が満ちていた。
マサヒコのペニスは優しくこすられ、包まれていく。
そしてアヤナの中もマサヒコでいっぱいになり、震え、マサヒコの動きに共振していった。
(若田部…)
目の前では、汗ばんだアヤナの乳房が揺れていた。たまらなく扇情的なそんな光景に、
思わずマサヒコは腰を動かしながらそれに口づけていた。
“ちゅぷ”
「あ!ああっ!ダメ…あたし…さっきよりずっと…ああ!乳首が…すごく…」
「気持ちいいの?若田部…」
「ダメ…そこ、弱いの…」
「可愛いよ…それに…おいしくて…ココをこうすると…んッ…なんだか、
若田部の中もきゅっと締め付けてきて…俺も気持ちいい…」
「あっ…いい…いいのぉ…ああッ…」
“ずっ…ずぶう…”
乱れたアヤナの痴態を見ながら、マサヒコは少し強めに突き上げた。
そして…彼自身の、最後のときが近づいてきつつあるのを感じていた。
「うっ…ダメだ…ごめん、若田部…俺、もう…終わりそう…」
「うん…いいよ…小久保君。あたしも…いい。でも…あッ、いくときは…外で…」
「う、うん…大丈夫…わかってる…」
「あの…それで、それでね…あン…最後にキスして…それから…ふう…名前で、呼んで…」
§

「わかった…」
「天野さんが…あなたに『ミサキ』って呼ばれてるの、あっ…ああッ…すごく…すごく、
うらやましかったの…だから…お願い。アヤナって…はんッ…呼んで…」
“ちゅ…”
言葉が終わるのを待って、マサヒコがアヤナと口付けを交わす。
「好きだ、アヤナ…だから…いくよ?」
「はい…お願い…」
“ずっ…ぐっしゃ、ぐしゅ…ぶしゅ!”
最後の思いをこめて、マサヒコは動いていた。
(ああ…若田部の…アヤナの中、すげえ気持ちいい…も、もう…だめだ…)
「かはあっ…あっ…イイ…ふ…ふわぁあ…」
“ずるっ…”
その瞬間、マサヒコはアヤナの中からペニスを引き抜くと…。
青い性を、思いっきりアヤナの体の上に吐き出した。
“ぴゅっ…どぷ…ピッ…”
勢いのついたそれは、元気良く飛び…アヤナの乳房にまでかかってしまっていた。
“どふ…ぴゅる…”
呆然とそれを見つめるアヤナの前で…三度…四度と、マサヒコのペニスが暴発し続け…。
いつの間にか、アヤナの白い肉体のうえには幾筋もの青白い線ができてしまっていた。
「…ご、ごめん…わかた…」
「だめ…アヤナでしょ?それに…また謝ってる…」
「あ…うん。でも…」
「いいの…小久保君は、あたしになにをしても…小久保君だけは、いいの…」
「アヤナ…」
マサヒコは、もう一度しっかりとアヤナを抱きしめた。
そして、自分の体にもはりついてしまった精液と…アヤナのそこから少しだけ染み出た鮮血を、
丁寧にティッシュで拭った。少し恥ずかしそうにだが…アヤナはマサヒコの行為に身を任せていた。
§

「あたしね…小久保君のことが、ずっと好きだったけど…」
「き、嫌いに…なった?」
「ウウン…もっと、好きになった!」
そう言って満面の笑みを浮かべるアヤナ。その笑顔に思わずくらり、としてしまうマサヒコ。
(もう…大丈夫なのかな?若田部…普通に…笑えるように…なったのかな?)
「でね…小久保君…あたし…さっき…忘れないとか…言っちゃったけど」
「?」
「ずっと…ずっとね、小久保君があたしを愛してくれていれば…忘れるなんてこともないんだからね?
あなたは、あたしのはじめてのひとで…さいごのひとになるんだからね?約束だからね?」
「う…ウン」
「えへ…今、ウンって小久保君言った…あたし、忘れないよ?
それって…将来あたしと結婚するってことなんだからね?」
「?!?へ?ってそういう意味なの?」
「そ・う!最初で最後のひとってことは…あたしのだんな様になるってことなの…ふふ…忘れないゾ?」
悪戯っぽく微笑むと、アヤナはマサヒコの頬にキスをした。
(まあ…元気になってくれたのはいいけど…)
なんだか尻に敷かれそうだな、とマサヒコは思っていた。
(にしても…結局、メガネの言うとおりになっちゃったな…俺。アレ?そう言えば…。
しばらくあの人のこと、見てないな…ん?…な、なんだ?なんなんだ?このヘンな感じは…)
マサヒコは、背中にぞくり、と冷たいものが走るのを感じていた。
そしてその予感は─────的中するのである。

そして舞台は同じ日の夜、あのプールそばの倉庫―――。
「ぎゃ、ぎゃああああァァ!」
そこには先ほどから悲鳴を上げ続ける少年と、それを冷然と見つめる長身の女性がいた。
読者にはもうおわかりだろう、中村と―――今回の事件の犯人のひとり、杉山少年である。
「だ…だから、俺は…中山に誘われて…最初はそんな気は無かったんだッ!ほ、本当なんだ」
“ジュッ”
「がああああ!!!!」
中村は吸いさしのタバコを、両手両脚を縛られて上半身裸の杉山の腹に押しつけた。
「ふん。せっかく禁煙できてたってのに…アンタらのせいでまた吸っちゃったじゃない。
タバコの火ってのはね…そんなに高そうに見えないけど、800℃くらいあるわけ。
目玉に押しつければ失明間違いなしってトコロね」
ひどくつまらなそうに、中村は話していた。
彼女の淡々とした語り口に、逆に恐怖心を煽られた杉山が更に懇願する。
「お…お願いだ…もう若田部には手は出さない…約束する。み、見逃して…」
“ドスッ…メリぃ…”
「ぎゃッ!…がああああ!!!!」
無表情のまま中村は脚を上げると、勢いをつけて杉山の股間に叩き落とした。
肉の中にヒールが鋭くめり込み、ぐしゃり、となにかが潰れたような音がした。
「あ〜あ、この靴結構気に入ってたのに…もう使えないじゃない…」
「ぐ…がああ…」
白目を剥き、涎を垂らしながら呻き声をあげる杉山だが、
中村は彼の髪を無造作につかむと乱暴に持ち上げた。
「オラ、まだオチるには早いっつの!だらしないわねえ…中山君だっけ?
彼の方がま〜だ楽しませてくれたわよ?ねえ、杉山君?奴がなんて言ったか知りたい?」
「…」
恐怖と激痛で目を見開いたまま、杉山はなにも答えられない。
§

「同じようにさんざん可愛がっていたぶってあげたのに、元気が良くてさ…。
『女なんてどうせ男と付き合ったり結婚すれば、散々ヤりまくるんじゃねえか、
たかだか1回レイプされかけたぐらいで被害者ヅラすんな』って…そんなこと言ってくれたわけ。
あはははは…AVとかでしか女を知らない腐れチンポ野郎君らしいお言葉だわね。
男はねえ、どんな相手でも出しさえすりゃあ気持ち良くなれるのかもしれないけど…。
女ってのはイヤな奴に無理矢理ヤられると妊娠の危険もあるうえ、最低な気持ちになるの」
「…」
「ま、それはともかくさ、そんな元気な中山君には教育が必要だと思ってね…。
ねえ杉山君?君、成績良いらしいから聞くけど、カンガンって言葉知ってる?」
「…」
「あら、知らないの?古代中国で…王様の後宮、ハーレムだわね。そこのお世話役の
役人のことなのね。でも美女だらけのところに、男なんて放り込んだらどうなるかわからないでしょ?
そこでね、昔の王様は考えたわけ。男じゃ無くしちゃえばいいじゃん、って。
具体的にはね、チンポを切り取っちゃったわけよ。死亡率は三割ぐらいだったらしいけど」
「!!!!」
「切り取った跡は糸できゅっと絞って縫いつけたの。あとは焼けゴテみたいのを押しつけて、
そんで尿道を作ったんだって。昔の人って頭イイわよねえ、ホント…。
で、去勢するとすごく大人しくなるらしいのよ…。中山君もそうだったけどね」
「!!!お、おま、お前、中山に!」
「ま、安心しな…あたしもそこまでするつもりはないわ。第一そんな技術もないし、
三割の確率でも死んじゃったらマズイもんね?その代わり、コレ。わかる?」
「…?」
「最近の子は知らないか。万力…あらやだ、マンリキって妙にイヤラシイ響き。
こいつでね、中山君のタマを挟んで…潰してあげたわけ」
「!!!!」
「タマだとまず死ぬことはないし、潰しちゃえば勃起もしなくなるし。あははは…でもさ、
ぐしゃっ、てタマが潰れたとき、あの子イイ声で鳴いてくれたわ…今思い出してもゾクゾクするくらい」
§

楽しそうな表情のままウットリとそう言うと、中村は杉山の下半身に手を伸ばした。
「やめ…止めろ!ヤメロおおお!」
精一杯暴れて抵抗しようとする杉山だが…。
「ほ〜ら、ダメよ、杉山君?」
中村は大振りのナイフを取り出すと、ぴたぴたと杉山の頬に張り付けた。
「アンタらはこんな風にアヤナを脅したんだろ?あたしとしちゃ、アンタの喉をここで
かっ切ってやりたいところだけど…タマで済ましてやってるのよ?有り難く思って欲しいわねえ…」
杉山は、震えた。この女は本気でイカれている―――中村の目を見てそう思った。
「頼む…た、助けて…助けてくれ…」
か細い声で、懇願する杉山。その股間はぐっしょりと濡れ、湯気が立ち始めた。
「あらあら、お漏らし?情けないわねえ…。アンタたちも散々嫌がったアヤナを
無理矢理ヤろうとしたわけよね…その気持ちをたっぷりと味わってもらうわよ?」
手際良く中村は杉山の濡れた股間を剥いでいった。
「あら〜、元気の無いコト。縮みあがって…体の中にめりこんでるみたいじゃない。
こんな粗チンでよくアヤナをレイプしようなんて考えたもんねえ…」
すっかり萎縮した杉山のモノを指でつまみ上げると、その下に隠れていた睾丸を万力で挟む。
ひんやりとした金属感が自分の睾丸から伝わり、腰から力が抜けていくのを杉山は感じていた。
「助けて…たす、けてクレ…」
涙を流しながら、ひたすら繰り返す杉山。
「泣けば許してもらえると思ってんの?そのあたりガキよねえ…さて、まず一回転、と」
“ぎちぃ…”
万力が、締まる。まださほどの圧力ではないのだが…恐怖のあまり、凍りつく杉山。
「あ…あああ…」
「あらあら、口をぱっくり開けて…不細工なツラねえ…じゃ、二回転…」
“ぎちぃ…”
「はがああああ!!!!」
――――――――――――――――――――――――――――――――
§

“バシャ〜〜ン”
「あ…ああああ…」
水を浴びせられ、ずぶ濡れになった杉山が低い呻き声をあげながら目を覚ました。
「やっとお目覚め?しかし根性の無い男ねえ…」
「生きてる…ああ、俺、生きてる…!タマは…俺の…タマは!」
「本気で潰すつもりだったけどね〜、気絶したんじゃ面白くないから止めたわけ。じゃ続きいこっか?」
「がががががが、お、おへがいです!許して…許してください!」
「まあ、またウンコやら小便やらを漏らされても臭いだけだしね〜、
今回はこれぐらいにしておいてあげるわ。…ただし」
“ボスッ”
「があああ!」
中村の重いキックが杉山の腹に炸裂した。
「今後アヤナやマサヒコ、そしてその周りの人間にまたおかしなことをしたら…。
そんときはあたしが間違いなく、アンタらを殺す。ついでに言っとくけど、今日のことを
誰かに言っても殺す。ま、この写真を見ればそんな気は無くなるだろーけどね♪」
“はらり…”
杉山の目の前に、何枚かの写真が落とされた。そこには丸裸にされて糞尿にまみれ、
さらに尻の穴にも棒をつっこまれた自分と―――同じようにされた、中山の醜態が写っていた。
「ポラにも撮ったしデジカメにも撮ったし。ネガも取っておくからね。
今後、ちょっと噂聞いただけでも速攻でこれを学校や商店街にバラまくわよん♪」
無言で涙を流し続けながら、ガクガクと何度もうなずく杉山。
「さ〜てと…それじゃ、帰るとするかね」
「…?あ、あの…俺はどうすれば」
「さあ?運が良ければ誰か見つけてくれるんじゃない?じゃ、さいなら〜♪」
(悪魔だ…あの女は、人の皮をかぶった悪魔だ…)
杉山は、涙で目の前が霞む中、そう思っていた。

                       END

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