「ね〜〜ね、タカトシ君、大丈夫?」
「正直、大丈夫とは言い難い」
「大変だね、生徒会役員も?はい、カットバン」
「わりいな、三葉」
「へへ、結構気ィきくっしょ、私?」
「自分で言わなきゃ本当に気が利く奴なんだけどな、お前」
「あ、ひど〜〜い」
「痛テッ!って、傷口を叩くな!三葉!」
「ぶ〜〜〜、だってタカトシ君が」
「いつつ。悪かったって」
「ところでタカトシ君?ぶっちゃけ誰狙いなの?」
「へ?」
「巨乳お嬢様系の七条先輩?ロリ系ツンデレの荻村先輩?
それともハ○ヒ系不条理美少女の天草先輩?ねね、どれが好み?」
「……………あのなあ、三葉」
「それとも、三人まとめて丼一気食いのハーレム狙いなの?」
「お前やみんなが思うほど良いもんじゃないし、それに先輩らをそんな目で見たことないよ」
「ふ〜〜〜ん、熟女は苦手なんだ、津田君は」
「熟女ってなあ………先輩らが聞いたら怒るぞ」
「じゃ、噂通りシスコン?もしくはロリ?」
「先輩らといいお前といい、なんでみんなして俺を変態にしたがるのかなぁ…………」
「それはタカトシ君が悪いよ」
「は???なんで?」
「だってタカトシ君、中学生の頃からモテてたのに、全然女の子の噂無かったじゃん?
一時期ホモ説もあったくらいなんだよ?」
「………マジっすか?」
「マジっすよ。私も何度か聞かれたくらいだし」
「はぁ〜〜、んなわけねーだろーが………ん?!ちょっと待て、三葉。そう言えば中三のとき、
妙にクラスの女子が俺を避けてた時期があったよな?お前まさか悪ノリして」
「なはははは、バレた?」
「やっぱりか。さてはお前!」
「正解〜〜〜。タカトシ君は若干薔薇気味だって言っちゃった♪」
「……………のなぁ。それ、最悪の冗談だぞ」
「だって、タカトシ君がモテるの、イヤだったんだもん」
「???はぁ?なんでだよ」
「意味は自分で考えること。さて、そろそろ部活だ。じゃ〜〜ね〜〜」
ちろッ、と小さく真っ赤な舌をタカトシに出してみせると、ムツミは軽やかに教室を出ていった。
「??ヘンな奴」
そして、なにやら胸のモヤモヤを抱えたままの青年がひとり。
ムツミとタカトシ。腐れ縁なのか、それとも………ただの仲良しなのか。
それは、神のみぞ知る―――

END

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