最終更新:ID:vfyHNFfXow 2008年10月12日(日) 00:55:38履歴
『ふわ〜あ。なんか、眠くなって来ちゃった。』
時は中間テスト前、ムツミとタカトシのカップルは事前の勉強を共にする為、
桜才学園から程近いタカトシ宅のタカトシの部屋にいた。
先程まで集中して勉強を進め、一息ついていた矢先、あくびをしながら、ムツミは呟いた。
『少し寝ても良い?』
『ああ、構わないけど、家族が帰ってくるし、あんまり、長いことは無理だぞ。』
『ん。大丈夫。一時間ぐらい。』
『まぁ、それ位なら。』
『一時間経ったら起こしてね。』
そう言って、ムツミはタカトシのベッドに入る。
そのまま、目を閉じ、本格的な睡眠に入ろうとする。
タカトシはそんなムツミを見ながら、やりかけの問題集に目を映していく。
"バンバン"
ふと、聞こえる音にタカトシは気づく。
見るとムツミは布団をめくりあげ、開いたスペースを叩いている。
『どうした、ムツミ?』
『いや、タカトシくんも一緒に寝ないかなって…』
あっけらかんとした様子でムツミが告げる。
いや、そもそも、1時間経ったら起こす約束だったはずでは等と思いつつ、タカトシは聞く。
『急にどうした?』
『いや、男の人と一緒に寝ると胸が大きくなるってアリア先輩が…』
『また基本に忠実な間違いを…』
『それにシノ会長もタカトシくんは胸の大きな娘が好きだって言ってたし…』
『いや、まぁ、時と場合によるというかなんというか…』
『ねぇ、ダメ?』
タカトシに有無を言わせる間など無くムツミは畳み掛ける。
そして、最後の『ダメ?』は反則過ぎた。
自分の彼女からそんな風に言われてしまうともはや、タカトシに断る事など出来ず。
色々とやばい気はするが、タカトシはムツミに応じることにした。
………………………………
"ぎゅっ"
『えへへ…タカトシくん抱きまくら。』
ベッドに入るなりタカトシに抱き着いたムツミはそんな事を呟く。
そうすると自然と顔同士はかなりの至近距離になるわけで…
"ちゅっ"
当然のようにムツミはキスをしてくる。
タカトシはムツミから漂う良い薫りや体温に顔が火照るのを感じる。
『一度、ベッドの中でこんな風にいちゃいちゃしてみたかったんだよねー。』
なんでもないようにムツミは呟く。
タカトシに回した手にやや力を込めながら。
『ねぇ、タカトシくんもキスして?』
『あぁ…』
それだけ言うとムツミの唇に自らの唇を押し付けるタカトシ。
やっぱりタカトシも自然とムツミの背に回した腕に力が入ってしまう。
軽く唇を合わせて離すと次はどちらからともなく唇を合わせていく。
『ちゅっ、ふ、はっ、ちゅっ、ん、…』
1回、2回、3回…
互いに回した手に力と、互いに共有する熱をもちながら2人は唇を合わせていく。
『ふ、はっ、あむ、ん、ちゅっ…』
何度かのキスを交わした後、キスは啄む動きへと、
ただ、ただ、互いを好きという思いから始まった行為も、そこに付随する熱が物足りなさを2人に与えていく。
互いの唇をはみながら、互いに先に進むタイミングを推し量る。
『あむ……ん、ふ、……ちゅっ、っつ、……ずっ、ふぢゅっ、あっ、ん、』
先に舌を伸ばしたのはタカトシ。
ムツミの唇を突き、開かれた隙間から舌を侵入させていく。
タカトシの舌の侵入を受け止め、控えめながらムツミも舌を絡めていく。
『ぷはっ。タカトシくん私…』
息継ぎで顔を離し、興奮と熱で頬を赤くし、目を潤ませながらムツミは呟く。
『ムツミ…』
タカトシは恋人の名前を呼ぶと、顔を南下させていく。
『ん、ふ、くすぐったい…』
ムツミの首筋を舌先で時折なぞりながらキスをしていくタカトシ。
その行為に身を任せ、譫言のようにしかしながら確かにタカトシを感じると言わんとするが如くムツミが応える。
その言葉に不快感は無いとタカトシは理解し、その行為を続けていく。
背中に回した手は優しくほんとに優しく、ムツミを愛でるように背中を撫でていく。
ムツミの素肌を滑るタカトシの唇。
恋人同士だからすること、恋人同士だから出来ること。
互いを刻み込むように2人は互いを求めていく。
………………………………
『私だって女の子だもん。その行為ぐらい分かるよ…』
顔を真っ赤にしながらムツミがタカトシに言ったのは、
2人が同じクラスとなり、ムツミがタカトシに惹かれ、タカトシがムツミに惹かれ、
付き合いだし、いくつかのイベントを共に過ごした後だった。
今、タカトシの口撫を好意的に受け止めるムツミのように情欲と愛おしさに頬を染めながら呟かれた言葉。
ムツミは2人きりになると、良くタカトシにキスをねだる。
付き合いだした頃からそれは変わらない。
曰く、自らの好意を相手に伝えられるから。
曰く、相手の好意を受け取れるから。
安心できるから、もっと好きになれるから、気持ちいい(性的ではなく精神的なもの)から、等々。
タカトシは数限り無くその理由を耳にした。
その日もやはりじゃれあうように2人は互いを確かめ合っていた。
外は雨。
2人きりの部屋。
周りを掻き消す雨音。
状況がじゃれあいをエスカレートさせる。
縺れ合うように2人はその場に倒れ込む。
キスの興奮が2人に自然とその先を促したのか、
2人はその体位となったことも意に介さずただ、互いを求めていく。
その興奮の先に待っていたのは情欲の炎。
情欲の火が灯り、タカトシの男性としての部分は形を変え、目に見える形として顕現する。
密着した状態でのその変化には嫌でもムツミも気付く。
今まで超えてはいなかった一線。
タカトシとしては少なからず望んだ行為。
しかしながらムツミの普段の言動から無知であろうことは想像に難くない。
だからこそ忌避してきた一線。
動きの固まった2人と沈黙に彩られた部屋。
『タカトシくんがシたいなら…』
先に時を刻みだしたのはムツミの方だった。
その行為を知っているムツミに対して驚きさえ隠せないタカトシ。
そして、紡がれるその先。
『私だって女の子だもん。その行為ぐらい分かるよ…好きな人との行為への憧れだって…』
その言葉で十分だった。
あとは成り行き任せで。
普段のムツミが会長達のエロボケに反応を示さないのは、ただ単にそれらが行為と結び付かないだけ。
『…っ、くぅ…イタイよ、タカトシ、くん、っ!』
破瓜の痛みに涙を流すムツミ。
タカトシの目に映る鮮血。
その時に感じた愛おしさ。
全てをタカトシは覚えている。
………………………………
タカトシに身を任せ、なすがまま受け止めていたムツミは手を伸ばすとタカトシの下半身を撫であげる。
再び唇を合わせ、2人は舌を絡めていく。
『ん、ちゅっ、……じゅっ、っ……ふ、んっ!』
ムツミの手の動きに合わせるようにタカトシもムツミの下半身をまさぐり出す。
ショーツの上から筋に沿わせるように奥から手前へ。
『んん、ふ……っ、あっ…』
くぐもったような声をあげるムツミ。
その声に自然とタカトシの手にも熱がこもっていく。
ただ撫でていた手は意識してショーツ越しにムツミの中に食い込ませるように。
手を動かしていると自然とぶつかる突起はそのまま意に介さないようにはじく。
『…ん、あぁ!!、もっと……ふ…ん、あ!』
その瞬間にムツミの身体がビクリと跳ねる。
タカトシが責め立てる度に熱い愛液を流すものだから、
気付けばショーツはムツミに張り付き、その感触がさらなる興奮をタカトシに促す。
夢中でタカトシはムツミを責め立てていく。
『ちょ、んっ、ふっ……あっ、あっふあっ、……ん、ああ…っ!』
ムツミはタカトシの性器を撫でる事など出来ず、ただ目を潤ませながらタカトシのなすがままになっていく。
タカトシもムツミの顔を見つめながら愛撫に耽っていたので嫌でもその表情が目に入ってくる。
妙に艶っぽい表情。
普段の快活なムツミからは遠く離れ、その表情を見たことがあるのはタカトシだけ。
ムツミは信頼してタカトシに自らの身を委ねる。
恋人だから。
恋人同士だからこそタカトシが知っているムツミの表情。
『あっ……ん、ショーツ、んんっ……あっ、ベタベタになっちゃう……ん、あん、ふっ………』
ムツミの言葉でほうけるようにムツミの表情を見ていたタカトシは我に帰る。
『わ、悪い…』
『ううん。良いの。寝るとか言ったのにね。』
タハハ等と普段っぽく笑うムツミ。
『……でも、』
次の瞬間にはやはりまた元に戻る。
『このままじゃ、私、やだよ。最後まで…』
頬を染め、恥じらいつつそう言うムツミ。
『ああ。』
そんなムツミに一言だけタカトシが返事を返すと2人は服を脱いでいく。
………………………………
『……っあはぁ……あ……。ふあぁ……』
正常位でタカトシがムツミに挿入していくと、ムツミはうっとりとしながらそれを受け止めていく。
何気なくタカトシはムツミの中に出入りする自らの性器に目を落とす。
ムツミの性器を押し広げ、ムツミの蜜を絡ませながら出入りする性器が視覚的にタカトシを刺激していく。
『こらぁ……あうぅ、ん、んあぁ……っ!ソコばっか見てないで、こっち……』
ムツミの手がタカトシの顔を挟んで向きを変えさせる。
ムツミは困ったような顔をしていた。
『こっち、見て……。ん、くはぁ……』
そうしながらムツミは唇を突き出す。
キスをしてほしいという合図だ。
『ちゅう……ん……ん……、ちゅ……んふ、ん……』
それに応えタカトシは身体を倒し、ムツミとキスをしていく。
ムツミの好きなキス。
それをするだけでムツミの中が蕩かされたように熱くなるのがわかる。
『ちゅ、ちゅぷ……んんーっ!ぺちゅ、ん、ちゅう、んはっ、あ……ん、』
何度もキスをしながら、タカトシは腰を回すように動かしてムツミの中を掻き混ぜる。
『ちゅ、ん……あはぁっ!ん……んんんん〜っ!』
腰の動きが激しくなり、2人の唇は自然と離れてしまう。
ムツミもタカトシもひたすら快感を求める獣になって、互いの事を貪りあう。
『ふあぁっ!くっ、んんんーっ!タカトシくん……っ!』
悲鳴にも似た声でムツミはタカトシを呼ぶ。
『ムツミ……もうすぐ……っ?』
『あう……! ふぁ……っ!』
『じゃあ、もっと……』
タカトシがムツミの腰を掴んで、強く引き寄せる。
『くぁ……んんっ、ふああぁぁあぁ〜……っ!!』
ムツミの中はぐにゅぐにゅと蠢きながら、タカトシを強く締め付けてくる。
『すごく……気持ちいいよ。』
タカトシが呟く。
『うぁ……すご……、タカトシくんの、一番奥まで来て……あはぁ、んん……っ!』
タカトシは溺れるように腰を揺すっていく。
ムツミの中を往復していく。
ムツミの口の端からよだれが垂れる。
切れ切れの喘ぎが理性の残りを根こそぎ焼き払っていく。
『ふうぅ、ふううぅ……、も、もうダメ、わたしもう……っ!
タカトシくん……イキそうだよぉ……っ』
『俺ももうちょっと……』
2、3、言葉を交わすとタカトシが揺すっている腰に体重をかけ強い動きに変化させていく。
『くふああぁぁぁあぁぁ……っ!!!』
そうしてあがったペースの前にムツミの方が一歩先に達する。
『ふええぇ……!?んんんっ!くあ……ああぁぁ…っ!』
絶頂を迎えて痙攣する。
ムツミの中を荒々しく往復するタカトシ。
強すぎる快感に、ムツミは歯を食いしばって耐える。
『も、もうダメっ!タカトシくぅん、わたしもうダメだよぉぉ……っ!
んんんん、くうぅ……くあぁぁ……っ!』
『もう少しだから……っ』
涙目のムツミを抱きしめると稲妻のようにタカトシに射精感が上がって来る。
『で、出るっ!』
『んんんんあぁぁあぁぁぁ……っ!』
タカトシは思い切り射精する。
すんでのところで引き抜いてムツミの下腹部に白いものを撒き散らした。
途端に心地良い疲労感と深い充足感が体を重くしていく。
『はふ……はぁっ…、ん……ふあぁぁ……』
荒い息を整えながらムツミはベッドに身体を預けた。
………………………………
『結局しちゃったね。』
『ああ。』
後始末を終え、ムツミに習い、タカトシもムツミの横に寝転がる。
『でも、まぁ、良いかな。嬉しかったし。』
えへへ等と笑うムツミ。
そんなムツミは反則的に可愛くて、タカトシはすっかりムツミに魅入られていることを自覚する。
『ムツミ?』
『ん、なぁに?』
ニコニコと笑みを顔に貼付けながらムツミがタカトシに答える。
『愛してるぞ』
自分でも言っていて恥ずかしくなる台詞だなとタカトシは思う。
それでも、今のタカトシの心情を言い表せるのは、
ムツミへと伝えるべき言葉はこれしかなかった。
『えへへ、なんか照れるね。でも、嬉しい。ありがとう。』
そういって頬を染めながら嬉しそうな表情のムツミ。
そんなムツミの表情にドキリとし、タカトシは改めてムツミに惚れているということを自覚せずにはいられなかった。
きっと、それはムツミもおなじことなのだろうなとタカトシは思う。
そんなタカトシの考えを読んでいるのか目をそらさないムツミ。
タカトシはそんなムツミの手を握って優しくキスをした。
時は中間テスト前、ムツミとタカトシのカップルは事前の勉強を共にする為、
桜才学園から程近いタカトシ宅のタカトシの部屋にいた。
先程まで集中して勉強を進め、一息ついていた矢先、あくびをしながら、ムツミは呟いた。
『少し寝ても良い?』
『ああ、構わないけど、家族が帰ってくるし、あんまり、長いことは無理だぞ。』
『ん。大丈夫。一時間ぐらい。』
『まぁ、それ位なら。』
『一時間経ったら起こしてね。』
そう言って、ムツミはタカトシのベッドに入る。
そのまま、目を閉じ、本格的な睡眠に入ろうとする。
タカトシはそんなムツミを見ながら、やりかけの問題集に目を映していく。
"バンバン"
ふと、聞こえる音にタカトシは気づく。
見るとムツミは布団をめくりあげ、開いたスペースを叩いている。
『どうした、ムツミ?』
『いや、タカトシくんも一緒に寝ないかなって…』
あっけらかんとした様子でムツミが告げる。
いや、そもそも、1時間経ったら起こす約束だったはずでは等と思いつつ、タカトシは聞く。
『急にどうした?』
『いや、男の人と一緒に寝ると胸が大きくなるってアリア先輩が…』
『また基本に忠実な間違いを…』
『それにシノ会長もタカトシくんは胸の大きな娘が好きだって言ってたし…』
『いや、まぁ、時と場合によるというかなんというか…』
『ねぇ、ダメ?』
タカトシに有無を言わせる間など無くムツミは畳み掛ける。
そして、最後の『ダメ?』は反則過ぎた。
自分の彼女からそんな風に言われてしまうともはや、タカトシに断る事など出来ず。
色々とやばい気はするが、タカトシはムツミに応じることにした。
………………………………
"ぎゅっ"
『えへへ…タカトシくん抱きまくら。』
ベッドに入るなりタカトシに抱き着いたムツミはそんな事を呟く。
そうすると自然と顔同士はかなりの至近距離になるわけで…
"ちゅっ"
当然のようにムツミはキスをしてくる。
タカトシはムツミから漂う良い薫りや体温に顔が火照るのを感じる。
『一度、ベッドの中でこんな風にいちゃいちゃしてみたかったんだよねー。』
なんでもないようにムツミは呟く。
タカトシに回した手にやや力を込めながら。
『ねぇ、タカトシくんもキスして?』
『あぁ…』
それだけ言うとムツミの唇に自らの唇を押し付けるタカトシ。
やっぱりタカトシも自然とムツミの背に回した腕に力が入ってしまう。
軽く唇を合わせて離すと次はどちらからともなく唇を合わせていく。
『ちゅっ、ふ、はっ、ちゅっ、ん、…』
1回、2回、3回…
互いに回した手に力と、互いに共有する熱をもちながら2人は唇を合わせていく。
『ふ、はっ、あむ、ん、ちゅっ…』
何度かのキスを交わした後、キスは啄む動きへと、
ただ、ただ、互いを好きという思いから始まった行為も、そこに付随する熱が物足りなさを2人に与えていく。
互いの唇をはみながら、互いに先に進むタイミングを推し量る。
『あむ……ん、ふ、……ちゅっ、っつ、……ずっ、ふぢゅっ、あっ、ん、』
先に舌を伸ばしたのはタカトシ。
ムツミの唇を突き、開かれた隙間から舌を侵入させていく。
タカトシの舌の侵入を受け止め、控えめながらムツミも舌を絡めていく。
『ぷはっ。タカトシくん私…』
息継ぎで顔を離し、興奮と熱で頬を赤くし、目を潤ませながらムツミは呟く。
『ムツミ…』
タカトシは恋人の名前を呼ぶと、顔を南下させていく。
『ん、ふ、くすぐったい…』
ムツミの首筋を舌先で時折なぞりながらキスをしていくタカトシ。
その行為に身を任せ、譫言のようにしかしながら確かにタカトシを感じると言わんとするが如くムツミが応える。
その言葉に不快感は無いとタカトシは理解し、その行為を続けていく。
背中に回した手は優しくほんとに優しく、ムツミを愛でるように背中を撫でていく。
ムツミの素肌を滑るタカトシの唇。
恋人同士だからすること、恋人同士だから出来ること。
互いを刻み込むように2人は互いを求めていく。
………………………………
『私だって女の子だもん。その行為ぐらい分かるよ…』
顔を真っ赤にしながらムツミがタカトシに言ったのは、
2人が同じクラスとなり、ムツミがタカトシに惹かれ、タカトシがムツミに惹かれ、
付き合いだし、いくつかのイベントを共に過ごした後だった。
今、タカトシの口撫を好意的に受け止めるムツミのように情欲と愛おしさに頬を染めながら呟かれた言葉。
ムツミは2人きりになると、良くタカトシにキスをねだる。
付き合いだした頃からそれは変わらない。
曰く、自らの好意を相手に伝えられるから。
曰く、相手の好意を受け取れるから。
安心できるから、もっと好きになれるから、気持ちいい(性的ではなく精神的なもの)から、等々。
タカトシは数限り無くその理由を耳にした。
その日もやはりじゃれあうように2人は互いを確かめ合っていた。
外は雨。
2人きりの部屋。
周りを掻き消す雨音。
状況がじゃれあいをエスカレートさせる。
縺れ合うように2人はその場に倒れ込む。
キスの興奮が2人に自然とその先を促したのか、
2人はその体位となったことも意に介さずただ、互いを求めていく。
その興奮の先に待っていたのは情欲の炎。
情欲の火が灯り、タカトシの男性としての部分は形を変え、目に見える形として顕現する。
密着した状態でのその変化には嫌でもムツミも気付く。
今まで超えてはいなかった一線。
タカトシとしては少なからず望んだ行為。
しかしながらムツミの普段の言動から無知であろうことは想像に難くない。
だからこそ忌避してきた一線。
動きの固まった2人と沈黙に彩られた部屋。
『タカトシくんがシたいなら…』
先に時を刻みだしたのはムツミの方だった。
その行為を知っているムツミに対して驚きさえ隠せないタカトシ。
そして、紡がれるその先。
『私だって女の子だもん。その行為ぐらい分かるよ…好きな人との行為への憧れだって…』
その言葉で十分だった。
あとは成り行き任せで。
普段のムツミが会長達のエロボケに反応を示さないのは、ただ単にそれらが行為と結び付かないだけ。
『…っ、くぅ…イタイよ、タカトシ、くん、っ!』
破瓜の痛みに涙を流すムツミ。
タカトシの目に映る鮮血。
その時に感じた愛おしさ。
全てをタカトシは覚えている。
………………………………
タカトシに身を任せ、なすがまま受け止めていたムツミは手を伸ばすとタカトシの下半身を撫であげる。
再び唇を合わせ、2人は舌を絡めていく。
『ん、ちゅっ、……じゅっ、っ……ふ、んっ!』
ムツミの手の動きに合わせるようにタカトシもムツミの下半身をまさぐり出す。
ショーツの上から筋に沿わせるように奥から手前へ。
『んん、ふ……っ、あっ…』
くぐもったような声をあげるムツミ。
その声に自然とタカトシの手にも熱がこもっていく。
ただ撫でていた手は意識してショーツ越しにムツミの中に食い込ませるように。
手を動かしていると自然とぶつかる突起はそのまま意に介さないようにはじく。
『…ん、あぁ!!、もっと……ふ…ん、あ!』
その瞬間にムツミの身体がビクリと跳ねる。
タカトシが責め立てる度に熱い愛液を流すものだから、
気付けばショーツはムツミに張り付き、その感触がさらなる興奮をタカトシに促す。
夢中でタカトシはムツミを責め立てていく。
『ちょ、んっ、ふっ……あっ、あっふあっ、……ん、ああ…っ!』
ムツミはタカトシの性器を撫でる事など出来ず、ただ目を潤ませながらタカトシのなすがままになっていく。
タカトシもムツミの顔を見つめながら愛撫に耽っていたので嫌でもその表情が目に入ってくる。
妙に艶っぽい表情。
普段の快活なムツミからは遠く離れ、その表情を見たことがあるのはタカトシだけ。
ムツミは信頼してタカトシに自らの身を委ねる。
恋人だから。
恋人同士だからこそタカトシが知っているムツミの表情。
『あっ……ん、ショーツ、んんっ……あっ、ベタベタになっちゃう……ん、あん、ふっ………』
ムツミの言葉でほうけるようにムツミの表情を見ていたタカトシは我に帰る。
『わ、悪い…』
『ううん。良いの。寝るとか言ったのにね。』
タハハ等と普段っぽく笑うムツミ。
『……でも、』
次の瞬間にはやはりまた元に戻る。
『このままじゃ、私、やだよ。最後まで…』
頬を染め、恥じらいつつそう言うムツミ。
『ああ。』
そんなムツミに一言だけタカトシが返事を返すと2人は服を脱いでいく。
………………………………
『……っあはぁ……あ……。ふあぁ……』
正常位でタカトシがムツミに挿入していくと、ムツミはうっとりとしながらそれを受け止めていく。
何気なくタカトシはムツミの中に出入りする自らの性器に目を落とす。
ムツミの性器を押し広げ、ムツミの蜜を絡ませながら出入りする性器が視覚的にタカトシを刺激していく。
『こらぁ……あうぅ、ん、んあぁ……っ!ソコばっか見てないで、こっち……』
ムツミの手がタカトシの顔を挟んで向きを変えさせる。
ムツミは困ったような顔をしていた。
『こっち、見て……。ん、くはぁ……』
そうしながらムツミは唇を突き出す。
キスをしてほしいという合図だ。
『ちゅう……ん……ん……、ちゅ……んふ、ん……』
それに応えタカトシは身体を倒し、ムツミとキスをしていく。
ムツミの好きなキス。
それをするだけでムツミの中が蕩かされたように熱くなるのがわかる。
『ちゅ、ちゅぷ……んんーっ!ぺちゅ、ん、ちゅう、んはっ、あ……ん、』
何度もキスをしながら、タカトシは腰を回すように動かしてムツミの中を掻き混ぜる。
『ちゅ、ん……あはぁっ!ん……んんんん〜っ!』
腰の動きが激しくなり、2人の唇は自然と離れてしまう。
ムツミもタカトシもひたすら快感を求める獣になって、互いの事を貪りあう。
『ふあぁっ!くっ、んんんーっ!タカトシくん……っ!』
悲鳴にも似た声でムツミはタカトシを呼ぶ。
『ムツミ……もうすぐ……っ?』
『あう……! ふぁ……っ!』
『じゃあ、もっと……』
タカトシがムツミの腰を掴んで、強く引き寄せる。
『くぁ……んんっ、ふああぁぁあぁ〜……っ!!』
ムツミの中はぐにゅぐにゅと蠢きながら、タカトシを強く締め付けてくる。
『すごく……気持ちいいよ。』
タカトシが呟く。
『うぁ……すご……、タカトシくんの、一番奥まで来て……あはぁ、んん……っ!』
タカトシは溺れるように腰を揺すっていく。
ムツミの中を往復していく。
ムツミの口の端からよだれが垂れる。
切れ切れの喘ぎが理性の残りを根こそぎ焼き払っていく。
『ふうぅ、ふううぅ……、も、もうダメ、わたしもう……っ!
タカトシくん……イキそうだよぉ……っ』
『俺ももうちょっと……』
2、3、言葉を交わすとタカトシが揺すっている腰に体重をかけ強い動きに変化させていく。
『くふああぁぁぁあぁぁ……っ!!!』
そうしてあがったペースの前にムツミの方が一歩先に達する。
『ふええぇ……!?んんんっ!くあ……ああぁぁ…っ!』
絶頂を迎えて痙攣する。
ムツミの中を荒々しく往復するタカトシ。
強すぎる快感に、ムツミは歯を食いしばって耐える。
『も、もうダメっ!タカトシくぅん、わたしもうダメだよぉぉ……っ!
んんんん、くうぅ……くあぁぁ……っ!』
『もう少しだから……っ』
涙目のムツミを抱きしめると稲妻のようにタカトシに射精感が上がって来る。
『で、出るっ!』
『んんんんあぁぁあぁぁぁ……っ!』
タカトシは思い切り射精する。
すんでのところで引き抜いてムツミの下腹部に白いものを撒き散らした。
途端に心地良い疲労感と深い充足感が体を重くしていく。
『はふ……はぁっ…、ん……ふあぁぁ……』
荒い息を整えながらムツミはベッドに身体を預けた。
………………………………
『結局しちゃったね。』
『ああ。』
後始末を終え、ムツミに習い、タカトシもムツミの横に寝転がる。
『でも、まぁ、良いかな。嬉しかったし。』
えへへ等と笑うムツミ。
そんなムツミは反則的に可愛くて、タカトシはすっかりムツミに魅入られていることを自覚する。
『ムツミ?』
『ん、なぁに?』
ニコニコと笑みを顔に貼付けながらムツミがタカトシに答える。
『愛してるぞ』
自分でも言っていて恥ずかしくなる台詞だなとタカトシは思う。
それでも、今のタカトシの心情を言い表せるのは、
ムツミへと伝えるべき言葉はこれしかなかった。
『えへへ、なんか照れるね。でも、嬉しい。ありがとう。』
そういって頬を染めながら嬉しそうな表情のムツミ。
そんなムツミの表情にドキリとし、タカトシは改めてムツミに惚れているということを自覚せずにはいられなかった。
きっと、それはムツミもおなじことなのだろうなとタカトシは思う。
そんなタカトシの考えを読んでいるのか目をそらさないムツミ。
タカトシはそんなムツミの手を握って優しくキスをした。
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