最終更新:ID:kVmmA7G3iQ 2008年06月03日(火) 20:51:58履歴
「……まいった」
不意の雨に降られ、軒下へと逃げこんだマサヒコ。
「やむかな?……無理か。むしろ激しくなりそうだな」
空の様子からもそれは間違いない様子で、「ならば」と覚悟を決めようとした所で。
「あ!小久保君だ!」
仲良し三人組――ミサキ、リンコ、アヤナ――は皆傘をさしている。
これぞ天佑。
「ちょうどいいや。誰かいれてってくれないか?」
マサヒコの何気ない言葉に三人の空気が代わる。
お互いを牽制する空気。
「小久保君!」
「私の傘に!」
「入っていって!」
「お、おお!??」
三人同時に傘を差し出されマサヒコがびびったその瞬間、
大型トラックが派手に水を跳ね飛ばし、四人を直撃。
あっという間にずぶ濡れだ。
四人はしばらく呆然と顔を見合わせ、そして、
「「「「あっははははっ!!」」」」
大爆笑した。
「あーもうずぶ濡れ!傘なんて意味ないね」
「ねえ、ウチに寄らない?着替えとあったかい紅茶出して上げるわよ」
「わーい!アヤナちゃんちの紅茶おいしいんだよね〜。行こう行こう!」
「小久保君もどう?着替えがスカートになってもよかったら」
「な、なにぃ!!?」
「冗談よ」
よっぽどマサヒコの顔が面白かったのか、三人は笑い転げて。
マサヒコは一人不機嫌そうに眉をひそめて。
四人、雨に打たれながら仲良くアヤナの家へと向かった。
END
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