『何でも食べたい物言えよ。』
数時間前の俺。
今日はカナミの入学式だった。
今年から、両親は長期出張で家には不在。
カナミのこの日には立ち会えなかった。
両親を笑顔で送り出した妹の晴れの日だから、と、かけた言葉。
『何でも良いぞ。』
カナミは遠慮しているのかななんて思って、続けて発した俺の言葉に続いたのは、
『………………本当に何でも良いの?』
もの欲しげな視線で俺を見つめながらの、こんな言葉。
カナミお得意の本気か嘘かよく分からないエロボケ。
『えっと………』
どう反応したものかわからなくて、息が詰まる。
高校1年生になって、妹はますます思春期だ。
こんなやりとりが、日常になりつつある。
けして、慣れたくない日常の1コマだ。
だから、息が詰まってしまう。
まだ、独特の良い笑顔を浮かべているうちは良い。
一目でエロボケとわかるから。
でも、俺を絡めてのものは、判別がつきにくい…
『なんてね。』
暫くの沈黙を打ち破ったのは、カナミだった。
『私、お酒飲んでみたい。』
カナミは続けた。
『いや、お前、酒って…』
未成年の飲酒はご法度。
高校に入学した初日からはちょっと…
そう思った。
カナミにも、それは説明した。
『ふーん。高校生はお酒飲んじゃいけないんだ…』
俺の言葉に意味ありげな視線。
それ以上は何も言わず、再び沈黙を引き連れる。
『……………………』
その視線が意味するところは1つ。
妹は、俺が両親に隠れて、時たま酒を飲んでいたのを知っていたらしい。
『……………………』
そうなると、立場が悪くなるのは俺で、沈黙に異様な重さが加わる。
『だー、分かった。分かったよ!』
で、ついにはギブアップ。
ヘタレとでも何でも言ってほしい。
かくして、俺とカナミは一緒に酒を口にすることになった。

………………………………

さてさて、前置きが長くなってしまった。
あ、酒を飲んで良いのは20歳から。
これは、厳守で!!
誰に対して言っているのかよく分からない台詞を、脳内で弄ぶ。
端的に言えば、今俺は酔っ払っている。
自らの感覚でわかるくらいなのだから、余程なんだろうなぁ。と思う。
で、かく言う言い出しっぺがどういう状態かと言うと…
「ふにゃあああぁ…」
ゆらゆら揺れながら、向かいに座っている。
向こうも大分良い感じらしい。
最早、意志の疎通は可能なのかと思ってしまうほど、弛緩しきってしまっている。
「大丈夫か?」
とりあえず声をかける。
「ふにゃあああぁ」
返ってくるのは間の抜けた声。

うん。やっぱり意志の疎通は無理みたいだ。
あまりにも成り立たない意志の疎通に半ば諦めの気持ちになる。
まぁ、時間が経てばマシになるかな。
そんなことを考えて、俺は、先程開けたチューハイを再び口に運ぶ。
もういい感じに酔っ払ってはいるのだが、何と言うか開けてしまったものを捨てるのは勿体ない。
だから、これを飲み干すまでは頑張ろうなんて思いながら、2口目を口に運ぶ。
なにせ安いものでは無いのだ。
とは言え、カナミの入学祝いに外食していたことを思えば、遥かに安上がりではある。
カナミに何度か目撃(したらしい)されていると言っても、俺が口にしたのは数えるほど。
バイトもしてない高校生が気軽に嗜めるものではない。
はぁ、また無駄遣い減らさないと…
そんなことを考える。
月末に欲しい本もあるし。
チューハイをまたまた口に運びながら、逆算をする。
指折り数えて、中々な節制生活になりそうだなんてことを考える。
両親が長期不在となるど頭からこれでは、先行きが不安になるなぁなんて、
意識しなくても苦笑いがこぼれてしまう…
「うにゃあああぁぁぁ!」
何故か先程から、喋る言語が猫と化してしまっている、酔っ払った我が妹の絶叫に驚く。
俺がそちらに意識を向けたのと、ソファからカナミが転げ落ちて、床にへたりこむのはほぼ同時だった。
先程とは違った色の苦笑を貼付けて、俺はそちらへと向かう。
まぁ、こんなことでもなければ見れなかったカナミの情けない姿。
普段から家事をこなし、勉強でもかなりの成績をたたき出すカナミにしては、この姿は珍しい。
最初、酒と言われた時は乗り気では無かった。
途中から、猫星人と化したカナミを見て、何だかなぁとも思った。
けれど、ことここに至って、悪いものでは無かったなぁとやっと思えた気がする。
何はともあれ、猫星人と化してしまった妹を救出に行かないとな。
気分はもはや悪い異星人と闘うヒーローのそれで、カナミへと手を伸ばす。
「ほら、カナミ。自力で立てるか?」
「うにゃ?」
あぁ、もはや完全に猫星人に体を乗っ取られたカナミ。
気分だけはノリノリ。
アルコールが支配する脳は馬鹿なことを考える。
「……………………ぱくっ!」
「へ?」
………………………はう。
あまりに予想外の出来事に、俺の脳は完全に出遅れてしまった。
視界で捕らえてようやく事態を理解する。
そう、俺の指を自らの口内に招き入れているカナミを見て。
「ん、……ちゅっ、じゅ、じゅぱ……」
しきりに俺の指を口内で出し入れするカナミ。
だが甘いぞ、猫星人。
こんなことで、俺はやられん。


……………………こっぱずかしいことを考える脳を宇宙の果てまでかっ飛ばしたい。
今岡なら可能だろうか?
「ちゅぴ、ちゅ、ふ、……あむ……」
さて、今、このリビングの光景はおかしいなものと化してしまっている。
どうしたものか?
「ちゅぱ、は、ふ、ん……ちゅ、」
兄弟2人だけのリビングに響く水音。
俺が何かを考えて沈黙していても、それは自然と響く。
「……ん、ちゅ、ちゅぱ、ふ…」
俺を無視して続くカナミの行為に、部屋はピンク色な空気に…
「ちょっと待て。」
そこまで考えて、やっと気づく。
とにもかくにも、このままの空気はよろしく無いことに。
慌ててカナミの頭を掴んで、自らの指から遠ざける。
「……ん、れろれろ……」

「……は、う、そのれろれろを辞めろ!」
思わず漏れるマヌケな声。
指から遠ざけても、辛うじて届く人差し指へカナミの舌撃が続行されたから。
今度は両手で頭を掴み、カナミを遠ざける。
「………………………」
気の抜けたような瞳を向けるカナミと目が合う。
次の瞬間…
「えい!!」
「ふぎゃ!」
体勢は逆転。
ソファに座らされ、その上にカナミが腰を下ろす。
酒が入ったからなのか、ちょっと高めな体温が懐かしくて、妙に心地好い。
それはともかく、
「カナミ、お前酔っ払ってるだろ。」
現状を打破しなくてはならない。
先程から、コミュニケーションさえ危ういカナミに声をかける。
「ん〜酔っ払ってるよ〜、酔っ払ってますよ〜」
おぉ、カナミが言葉を喋った。
今まで鳴き声しか発さなかったカナミとようやく会話が成り立つ。
「ほら、カナミ離れろよ。」
会話が成り立ったところで本題を告げる。
「嫌。」
「嫌ってお前…」
「…酔っ払ってるよ?」
ええい、何故疑問形なんだ?
とりあえず会話は成り立っても意志の疎通は不可能なのか?
そんなことを思ってしまう。
「女の子が酔っ払ってるんだよ?」
「??????」
なおも同じ台詞をカナミは続ける。
多分、コレ分かってて繰り返したよな…
カナミの言わんとしていることは、未だに検討もつかない。
「何が言いたいんだ?」
検討もつかない内容を探り当てて、正解を得るという意志は端から無かった。
正直ごちゃごちゃと、頭で考えるのが面倒だった。
だから、直に言葉でカナミに問う。
「目の前に酔っ払った女子高生がいるのに、手を出さなくて良いの?」
……そしたらそしたらで、明確に答えは返って来てしまうわけで…
っつか、もはや、酔いなんて微塵も感じらんねーし。
妹の変化に密に毒づく。
だって、カナミの口から語られた内容はあまりにバカげていたから。
「……てやっ!」
「はう…」
カナミの頭にチョップを一発。
カナミが頭を抑える。
「妹相手にそんな気起こすかよ…ほら、降りろカナミ。」
そんなカナミに一言。
「う゛ー……」
それでも、カナミは腰を上げる気配は無い。
涙目で俺を睨んでくる。
ここまで、頑なに抵抗されるとは思わなかった…
「……お兄ちゃんは欲情しなくても、私は……」
「ん、何だ?」
ポソポソと何かをカナミが呟く。
「ふ……っ、ちゅ、」
………………………はう。
その言葉が聞き取れなくて、聞き返した俺の問いには答えずに、
カナミはおもむろに俺の首筋へと吸い付いてくる。
そして、本日何度目になるかわからないリアクションを繰り返した俺は、まだ酔いが抜けきらないらしい。
そんなどうでも良い事を考えてしまう。

「ん、ふ、ちゅ……ちゅぱ、れる……」
そうこうしている内にカナミの舌撃は2次作戦を敢行中。
状況を無視して、悪ふざけにも似た方向に脳は暴走中。
あ、今ちょっと韻踏んだ。
余計な事を考えるほど、脳内はぶっ飛んでいく。
「れろれろっ……ふ、ちゅうぅぅ……っ、」
………脳の暴走を許す間に事態はより一層深刻な方向に進んでいってそうな空気が…
「あの、カナミさん…今何を?」
寸前に強く吸い付いて離れていったカナミの熱が気になって、恐る恐るお伺いを立てる。
「ふふ。付けちゃった。」
その言葉に、カナミは俺の首の裏に手を回して、ぶら下がるようにしながら、笑みを貼付けて言う。
「キスマーク♪」
我が妹はなんでこんなに楽しそうなんでございましょうか?
とにもかくにも、その言葉が耳朶をなぞっていくのと同時に、俺は自らの首筋を撫でる。
とは言っても撫でたところでその部位の確認は不可能だが…
「案外はっきりと残るもんだNE☆」
俺のそのリアクションは、カナミの楽しさの燃料となるらしい。
まさしくご機嫌で、語尾に☆マークまで付けながら言う。
で、ここまでされてしまえば、兄として退くことは出来ない訳で…
「にゃろー、お返しじゃー」
「きゃー、お兄ちゃんに犯されるー♪」
体勢を入れ換えた俺は、ノリノリなカナミを無視しながら、顔をカナミの首筋へと伸ばす。
「ちゅ、…ちゅう……っ」
「ふ、……あぅ……ふぁっ!」
……………………
…………………
………………

どうして艶っぽい声を出しやがりますか!!(←気分はここフォント2倍表示)

と、まぁ、馬鹿ゲーにありがちなシナリオ演出を脳内で再現してしまうほど俺は驚く。
今なら、
( Д) =゚ ゚を使ったり、
今のカナミの表情を(//▽//)って表現することも可能な域に達しているはずだ。
とにかく、俺は激しく動揺してしまう。
しかも、よくよく今の体勢を見てみれば…
カナミを押し倒す兄の姿…
そこまでを認識して、慌てて身体を離す。
「ハァハァ、私は止めてって言ったのに……」
俺の身体が離れると、わざとシナを作りながら、カナミがそんなことを言う。
カナミはカナミでノリノリだ。

「……カナミ」
「ん、何、お兄ちゃん?」
「なんでお前、そんなに嬉しそうなんだ?」
今まで聞けなかった事。
本気で俺と身体を交えることも厭わないというカナミの態度。
今だって嬉しそうに、俺の前に佇んでいる。
「………女の子にそこまで言われなきゃわからないの?」
瞬間真顔になるカナミ。
そう言って再び俺の方へと近づいてくる。
「そんなんじゃ、いつまで経っても童貞のままだよ…」
カナミの手が頬に触れる。
本当は酔った勢いだけで言ったはずなのに、はぐらかせるはずなのに、逃げちゃいけない気がする。
ぶっちゃければ、思考能力がまるで足りていない。
「ん、ちゅ……ふ…ちゅ」
なすがままに、カナミと口づけを交わす。
普段から巧妙に本音と嘘を出し入れして、俺の心を弄ぶカナミ。
酔っているからなのか、はたまたキスのせいなのか、これ以上無いほどカナミにドギマギとしてしまう。
「ね?今なら全部お酒のせいだよ?」

甘い言葉を囁きながら、俺の頬に手を当てたまま、カナミが柔らかく微笑む。

………………………………

「ふにゃ、ふぁぁ、らめぇ〜、乳首〜〜っ!」
カナミの乳首を左手で扱き上げる。
「ふあっ、あっ、っ、くぅ……っ!刺激強ふ…ぎ……っ!」
右手でカナミの膣口を弄る。
胸的にはがっかり感満載なカナミ。
でも、それ以外のところは非常に女性らしい身体つき。
「あっ、ふあっ、っ……っ!お兄…ひゃん、〜〜っ!」
舌ったらずで感じている姿がなんとも可愛くて、カナミの脇腹にキスをする。
「ふにゃ、キス、キふ……っ!」
キスされた事に驚いたのか、感じたのか、カナミが『キス』という単語を繰り返す。
その声におねだりされてるような気がして、何度も何度も繰り返す。
「ふあっ、っ、あっ……うにゃ……っ!」
やっぱり猫星人に身体を乗っ取られてるんじゃ無かろうか?
そんな風に思う。
左手でカナミの乳首を、右手でカナミの膣口を弄って、脇腹にキス。
そうされる事に感じて、あげるカナミの声に混じる猫っぽさ。
俺は別段カナミに身体を触れられているわけでも無いのに、
先程からやばいくらい温かい気持ちが押し寄せる。
多分普段から、少しずつカナミに惹かれてたのか?なんて思う。
カナミのエロボケで、ドキッとさせられる機会は確かに最近増えてきていた。
それでも最後に呟いた『酒のせい』は反則過ぎただろう。
「あっ、うにゃ、ふあっ、っ、くぅ……っ、」
心の中で毒づきながら、カナミの身体を弄る手に少し力を込める。
横から被さるように位置取った俺の下でカナミが身体をよじる。
本気で身悶えるように。
「あっ、ふあぁっ、……っ!」
素晴らしい程に感度良好なカナミ。
指の強弱に合わせて、嬌声をあげる。
「ん、ふあ、ぁっふ、……っ、あぅ、」
その様は俺を非常に興奮させる。
普段から思春期発言で、俺を驚かすカナミだけど、やっぱりそれ相応にオナニーはするのかな?とか、
それともただ単に、『貧乳は感度が良い』とかっていう都市伝説級な事に由来してるのか?
とか色々考えてしまう。
初めて触れる異性の身体だから、というのもあると思う。
俺は俺で、興奮の坩堝と化しつつある。
実際、俺のペニスには血が集まっていくような感覚があるわけで…
「ふあっ、っ、あっ……んにゃ、ふ、お兄ちゃん……っ!」
それでも焦らずに、カナミの身体に愛撫を重ねていく。
丁寧とはもはや呼びがたいものはあるけれど。
「お兄、ひゃん……っ、ふあっ!大ふぃ……っ!」
当然その様子には、カナミも気付く。
「ふ、あっ……っ、ふあっ、」
一体どんな風に思うんだろうか?
そんな事を考える。
だって、さっきカナミに『妹には欲情する訳が無い』なんて言い放ってからそんなに時間は経ってない。
「んん、ふにゃ、ふ、ん、あん、〜〜っ、」
ぶっちゃけとんだヘタレだよなぁ…
ちょっと嫌になる気もする。
「ふぁ、あっ、お兄ちゃん……っ!」
「く、あっ、カナミ……っ!」
そんな事を考えていた、次の瞬間、カナミの手がペニスに触れる。
「お兄ちゃんも、っ、ふ、あっ、感じ…る…?っ!!」
上下にカナミの手が動く。
「カナミ……っ!」
そうされることで突き抜けた快感に、一気に腰が抜けそうになる。

それに伴って思わず手が止まってしまう。
っつか、こいつ、妙に上手くないか?
「ふふ、上手いって思ったでしょ?」
俺の心を見透かすように、耳に届くカナミの声。
「お兄ちゃんの弱いところはよく知ってるよ。」
そんな言葉を続ける。
「お兄ちゃんも初めてにしちゃ、上手だね…ふ、あっ、」
そう口にしながら、自らの膣口に手を這わす。
「だって、こんなに濡れちゃったもん……」
そうして、自らの指先に着いた愛液を確認する。
「これぐらい、濡れてれば大丈夫なのかな?」
「さぁ?」
そんな事はわからない。
「ねぇ、お兄ちゃん、そろそろキテ?」
そう呟く。
「いや、でも……っ、こらっカナミ……っ!」
『でも』そう呟こうとした俺の言葉はカナミの手の動きに制される。
「このまま、手コキでイって貰っても構わないけど?」
「…っ、分かったから、やめてくれ……っ、」
「それでOK。私ね、SEXは性欲だけ満たす為にするものじゃないと思うの。」
カナミに被さるようにしていた俺は身体を起こす。
「好きな人と心も満たされる為にするんだと思うの。」
「っつか、性欲の部分は否定しないんだな…」
「だって、それが根本的に相手を求めることでしょ?」
カナミはそう言って笑う。
「だから、ね。私は早くお兄ちゃんが欲しいの…」
最後だけ純情な乙女の表情でそう告げてくる。
全くさっきの『酒のせい』発言といい…
つくづくカナミに降参せざるをえないなと思う。
そして、今のカナミの発言に妙に説得力があったから。
俺はカナミの求めに応じざるを得ないようだ。

………………………………

「っ…ふあっ、いたぁ…」
自らのペニスをカナミの膣口に押し当てて体重をかけていく。
ペニスは呆気ないほど簡単にカナミの膣内に埋もれていく。
その呆気なさについつい忘れそうにはなってしまうが、カナミはしっかり破瓜の痛みを感じている。
目尻にうっすらと涙をたたえ、しかめた面を作る。
「すまん、カナミ…」
「……っ、っ、ん、大丈夫…、…初めてはやっぱり痛いね…」
俺の声に、カナミは涙を溜めながら笑顔を作る。
「………………」
その姿は痛々しい。
「ん、っ、……」
笑顔を崩した後で、カナミは再び表情を強張らせる。
どうしていいのかが分からなくて、俺は黙り込んでしまう。
今までAVを見た経験が無いと言ったら嘘になる。
画面越しに見てきた女性達は、何度もの行為を熟してきた者達。
当然、今のカナミのような表情を浮かべるような事はない。
「………………………」
実妹にそんな表情を作らせた張本人は俺なんだと思うと恐ろしくなってくる。
いっその事、最後までは諦めた方が良いんじゃないかという考えが頭に浮かぶ。
─ギュッ
「???カナミ?」
俺の思考でも読んだのだろうか?
俺の頭に後悔という感情が浮かんだ刹那、カナミは俺の下半身に自らの足を絡めてくる。
「…っ、ふ、抜いちゃヤダよ……っ、お兄ちゃん…」
耳に届くカナミの呟き。

「私が、ふぁ、っ、望んだことだから……っ、」
そう続ける。
「ね?動いて…っ、」
「あ、あぁ…」
普段のカナミとは違う表情。
確かに、痛みに顔をしかめている、ただ、それとは違った、温かみのある表情。
その表情に取り憑かれるように、言われるまま、俺はゆっくりと腰を揺すりだす。
「ん、ふ……っ、ふ……っ!」
変わらずにカナミは辛そうな息を吐き出す。
それでも、僅かに赤みを帯びたカナミの愛液と絡んで、
挿入した箇所からグジュっという音が耳を捕らえる。
カナミの膣内が、これだけ潤っていれば、続けるうちに徐々に良くなっていくのだろうか?
なにせ、予備知識が無い。
俺は、せめてカナミの膣内を不必要に傷つけないように、これ以上出血が酷くならないよう、
気を使いながら、腰の出し入れを繰り返していく。
「ふあっ、……っ、ふ、んんっ……っ!」
繰り返すこと数度。
「あっ、っ、ふあっ、ん……っ、」
少しずつカナミの表情と声色から、辛そうな色が消えはじめるのが分かる。
それに、カナミに挿入したペニスから伝わる感触も徐々に柔らかくなっていく。
「んんっ、ふあっ、あっ、……っ、お兄ちゃん……っ!」
「……っ、カナミ……っ!」
それはどんどん伝わって来て、そうこうするうちに、俺のペニスへと絡み付くような動きになる。
奥へと腰を送れば、それを包み込み、腰を引けば、いかせまいと引き止めるような動き。
それを俺が強く感じれば感じるほど、気持ちよさそうに、カナミはうっとりと瞼を閉じる。
「んんっ、ふあっ、あっ、……っ、お兄ちゃん、知ってる?……っ、」
「何が、だ?……っ!」
ペニスから伝わる快感に腰が砕けそうになりながら、カナミの問いに返す。
呻くように漏れた声が非常に情けない。
「兄妹は……っ、最高に、ふあっ、っ、身体の相性良いんだよ〜〜っ!あぅ、ふ、」
それはカナミも同じな様で、途切れがちに言葉を紡ぐ。
確かに、これは、身体の相性良いよな…
正気をぶっ飛ばしそうな程の快感の前にそんな事を思う。
実際に、ぴったりと隙間なく俺のペニスをくわえ込み快楽を与え続けてくるカナミの膣内。
ただ、キツイだけじゃなくて、しっかりと無理なく包み込まれるような感覚。
「あ、ん、ぅ、あ、ふあっ……、お兄ちゃんの形を、ふあっ、しっかり、私に覚えさせて……あふっ!」
そう言って、シーツを掴みながら、カナミが顎をのけ反らす。
「…あっ、…っあ、ふぁ……お兄ちゃん以外のが、合わなくなるように、あっ、ふ……っ!」
イヤイヤと首を横に振るような動き。
気付けば大きく打ち付けるように動かしている腰。
ペニスがカナミの愛液を撹拌して、水音が部屋を支配する。
快感で呆けそうになりながら、本能だけで腰を打ち付ける。
それでも、よく見知った感覚だけは、はっきりと頭が知覚する。
「……っ、カナミ……俺、もう……っ!」
「あっ、あっ、ふあっ、んん……っ、〜〜っ!」
頭の中で花火が起こって、それが爆発するイメージに頭を支配されるのと、
俺がカナミの中に射精するのはほぼ同時だった。

………………………………

「おはよう、お兄ちゃん。」
朝。
毎日変わらない習慣。
朝一番、ベッドから抜け出て、俺はリビングへと向かう。
まぁ、昨日の酒で若干目覚めが違かったのはご愛嬌だ。
普段からそこで、カナミは朝飯の支度をしながら俺を待っていてくれる。
今日も今日とて、リビングに足を踏み入れた俺を迎えてくれたのは、みそ汁の良い臭い。
ここまでで済めば普通に良い話だったのだが…

「兄妹でインセストかましといて、良い話も無いんじゃない?」
カナミ、ツッコミはいれてくれるな。
「さて、それじゃ、その格好の訳を聞こうか?」
「覚えてないかな〜…」
ちょっとムッとしたような表情でカナミが言う。

………………………
……………………
…………………

あれは俺が8歳の頃だったと思う。
2歳差のカナミは当然6歳。
あの頃は、何をするにも俺の後をついて回っているような、
そして、俺はそんなカナミに頼られていることが嬉しくて、
よく一緒に遊んでいた。
ある日の事。
『ねぇ、お兄ちゃん。』
その日もカナミと共に、親の帰りを待ちながらリビングで過ごしていた。
不意に口を開いたのはカナミの方。
『ん?どうした。』
『私大きくなったらお兄ちゃんとケッコンするね。』
無邪気さとは恐ろしいもので、俺はこの時の事を、いつもの戯れの一環だと思っていた。
それほどまでに、普段遊ぶときと変わらない笑顔をカナミが貼付けていたのはよく覚えている。
『うん。』
だから、俺も2つ返事でカナミに応えた。

…………………
……………………
………………………

なるほどな。
全てはあそこに帰結するわけだ。
「だからってなぁ…」
頭の中で全てが繋がったことに頷きつつも、俺は口を開く。
「家では服を着ろっ!!」
裸でエプロンのみを身につけたカナミに対してそう言い放つ。
「いやー、料理してると熱いしね─」
改心のノリツッコミ(?)をいなしながらカナミが言う。

「それに今更じゃない?」
「う゛…確かに…」
その一言で俺は引っ込まざるを得なくなる。
なにせ、それどころでは無いことを昨夜しているのだから…
「あー、なんかまだ入ってるような感覚があるなー」
「……………………」
追い打ちをかけるように呟くカナミ。
「まぁ、あの時の約束は、果たしてもらうってことで♪」
嬉しそうにそうやって言われるのが恨めしい…
「あ、あぁ…」
それでもその言葉には肯定を返す。
だって、俺は今、カナミを直視することが出来ない。
エプロンのみで、惜し気もなく肌を曝すカナミを見ていると、変な気分になって来てしまう。
某泥棒3世の得意技を披露できそうな、さ。
それはつまり、カナミは自分にとってそういう対象というわけで、
つまりは…
まぁ、これ以上は気恥ずかしい訳だ。
4月。
両親は出掛け、俺達は家に2人になった。
何故か、これから250回以上続く予感のする、新しい生活は、俺達の変化した関係から始まった。
正確に言えば、あの時から、チャンスを伺っていたカナミの策略通りかもしれない。
それでも、まぁ、良いかと思ってしまう自分自身。
だって俺は、カナミに、実の妹に、確実に惹かれ始めているのだから───

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