陵辱注意



 「ほう、またご両親が海外出張なのか。お父様の出張にお母様が世話するために着いていくと。夫婦仲がとて
 もよくて結構なことだな」
 「ええ、そうですね。そのぶんオレとコトミはほったらかしになるわけでもあるんで、複雑ですけどね」
 いつもの活動を終えて帰宅する前にまったりと会話を交わしている生徒会長及びその部下である副会長。
 ちなみに書記を務める七条アリアはお稽古が二本立てということもあって、今日は生徒会活動もそこそこに
して下校してしまった。
 そして会計職の萩村スズは親戚の法事とのことで、今日は学校に来ることなくお休みである。
 そのようなわけで生徒会室にはシノとタカトシのふたりきりであった。
 数代前の役員たちが残していってくれたポットから手にしたマグカップにお湯を注ぎ、インスタントコーヒー
を淹れたタカトシ。
 もちろんシノのぶんも淹れて彼女の前へと置く。目礼で返したシノはずずっと差し出されたコーヒーを飲むと
ほぅっと一息ついた。
 「それはつまりあれだな。夫婦ゴムいらずというわけか」
 「……は?」
 「そのうち新しいきょうだいができるかもしれんぞ。津田としてはやはり妹がいいのか?」
 「…………」
 「可愛いものな、コトミは。あんな妹がもうひとりいれば妹萌えに本格的に目覚めてしまうんじゃないだろ
 うか。ああ、双子の美人姉妹というのも大いにありだな。
 ん? どうしたんだ、津田。急に押し黙ったりなんかして」
 いつものようにぺらぺらと下方面に特化したトークを繰り出していたシノは、目の前にいる少年が沈黙してし
まっていることに気付いた。
 俯いてしまっているタカトシがどのような表情をしているのか窺い知ることが出来ずいたシノ。
 (んー、どうしたものか)
 先日に読んだ「一流上司になれる本」を実践しているつもりのシノは、ここからどのようにしてさらに会話を
発展させるべきかと思案する。
 
 ――ガタンっ

 そうこうしているうちにタカトシが席を立つ。トイレにでも行くのだろうかと考えていたシノの予想を反し、
つかつかとシノの目の前まできたタカトシ。
 「津田?」
 「会長。前から聞いてみたかったんですけど、どういうつもりでそういった下ネタを話してるんですか?」
 「どうもなにも……。別に意識してやっているわけではない。私のデフォルトみたいなものだからな。……
 津田?」
 がしっとタカトシから両肩を捉えられたシノは、座っていたパイプ椅子から無理やり立たされる形となった。
 そしてそのまま机に押し倒されてしまった。
 その一連の流れが実に素早かったため、きょとんとするばかりであったシノはただただ困惑するばかりだった。
 「つ、つだ――んんンっ!?」
 動きを封じ続けられているシノの唇を強引に奪ったタカトシ。


 「なっ、なっ、な……っ!?」
 「ふぅっ。あれ、どうしたんですか。会長」
 今まで頑なに守ってきた初めてのひとつを奪われてしまったシノは、まったくの想定外のことが続いてしまっ
ているため、反応が遅れてしまった。
 「つ、津田っ、一体なんのつもりだ!?」
 「あれ、もしかして会長初めてだったんですか? いつもいつも下ネタ連発してくれちゃってるから経験豊富
 なもんだとばかり思ってたんだけど、悪いことしちゃったかな?」
 「……っ」
 自分を組み敷いてきているこの男は誰だ? 昨年スカウトして生徒会に引き入れた後輩の津田タカトシ――のは
ずだ。
 悪びれた様子がないどころかニヤニヤしているタカトシに対して、シノは得体の知れない恐怖を抱いてしまった。
 「今の今まで会長たちはオレのこと童貞だって思っていたようですけど。オレ、中学のころは結構遊んでたんで
 すよね」
 「えっ」
 「桜才に入った本当の理由は、初心な女子高生を食い放題にできると思ったからなんですよ。オレ、自分にそれ
 なりに自信があるもんですから。
 予定よりだいぶ遅くなっちゃいましたけど、記念すべき第一号は会長に務めてもらいましょうか」
 「なっ、なにをバカなことを言っているんだ! それはレイプという――ぁっ」

 ――パンッ

 一瞬、自分がなにをされたのかシノはわからなかった。左の頬が熱い熱を帯び始めたことで平手打ちを食らわさ
れたのだということに気付いた。
 「と、すみません。つい手が出ちゃいました。オレらしくないなー。あまり手間掛けさせないでくださいよ? 
 オレもできれば暴力とか振るいたくはないんで」
 「…………」
 「まあ、会長にも悪いところがあるんですよ。あれだけ下ネタ連発されると男を誘っているようなもんですから
 ね。それにさっきはオレの家族に対して暴言吐いたわけですし」
 さきほどの両親並びにコトミに対することをいっているわけだ。
 身体の震えが止まらずかちかちと歯を音立てているシノの様子にはさほど感心を示さずに、手馴れているとばか
りにタカトシはリボンタイをシュルっと解くと、次いでブラウスのボタンも取り外していった。
 お目見えしたシノの胸を見たタカトシは、ひゅーっと口笛を鳴らした。
 「んー、気にしているだけあって確かに小さいですね。会長のムネって」
 「な、なにを……っ」
 初めて異性に見られてしまった乙女の柔肌。
 小バカにしたタカトシのセリフにシノは羞恥心を覚え、また同時にコンプレックスであるバストサイズのことを
ことを揶揄されて怒りも覚えた。
 プチンとフロントホックを外されてブラを左右へと押しやると、タカトシは両手で慎ましやかなそれを鷲づかみ
にした。


 すっぽりと収まったそれを揉み込まれていく。
 「んー、やっぱり小さいなー。今まででヤってきたなかで一番小さいかも」
 「はっ、んんっ、ば、バカにするんじゃない……」
 「えっ、そうですか。でも会長は嬉しそうじゃないですか、ほら」
 きゅっとしこり立ってきたふたつの蕾を指先にて弄ばれる。
 「オレに言葉責めされてこんなに乳首立てちゃってるじゃないですか。んっ」
 「んんっ、ああっ、舐めるな、歯を立てるんじゃない……っ」
 おかしい。これは間違いなく婦女暴行――レイプというものだ。
 なのになぜなのだろう。目の前に男にバカにされ身体を自由に弄ばれているというのに、自らの肢体は熱く熱く
燃え盛ってしまっている。
 ちゅぱちゅぱと乳首を舐めしゃぶっていたタカトシは、弄っていた胸元からすっと手を滑らせていきスカートを
ぺらりとめくると、ショーツ越しにシノの陰部へと触れていった。
 「さっきから思ってたんですけど、会長って淫乱ですね。男に乱暴されているのに乳首は立てちゃうし、今弄っ
 てるパンツはほら」
 「はっぅぅんっ、触るな、そんなイヤらしい手つきで触るんじゃない!」
 「もうこんなに濡れちゃってるし」
 抵抗したい。しかし、タカトシの機嫌を損ねると先ほどのように殴られてしまうのではと思うと、行動を起こせ
なかった。
 タカトシの行動にはまったく迷いというものがなかった。股間を覆っていた小さな布切れもあっさりと剥がされ
てしまい、シノの上半身は肌蹴られたブラウスのみとなり下半身は腰元に辛うじてスカートが引っかかっているだ
けと、あられもない姿となってしまった。
 カチャカチャという金属の音が聞こえてきたため、逸らしていた視線を目の前の男に戻した。
 「ひ……っ」
 中学・高校の保健体育の授業で知っているはずだったそれ。しかし実際に初めて目にするそれは、赤黒く充血し
きって鎌首をもたげて獲物であるシノを前にして舌なめずりをしているように見受けられた。
 想像していた以上に威容を誇る逸物に恐れおののくばかりだった。
 タカトシと目が合う。変わらず笑顔を浮かべているタカトシがシノの細腰を掴んだ。
 そして陰部同士を擦り合わせていく。
 「ま、待てっ。そんなものが入るわけがないだろう!?」
 「大丈夫ですって。女の子たちにはご好評いただいているんですよ、これでもね。こいつで会長も女にしてあげ
 ますからね」
 しとどに濡れそぼり淫らな液を分泌し続けている源泉に亀頭を合わせると、それ以上制止する間もなかった。
 「あっ、ウウっ、ああっ、ああ……っ!?」
 初めてであるシノを気遣うこともなく一気に貫いたタカトシ。
 「んっ、やっぱ処女はきついよなぁ。さてと、どうですか、会長。女になった感想は」
 「いっ、いたい、いたいんだ、お願いだ、もうちょっと優しく、んっ、してくれ」
 「やだなぁ。さっき自分でレイプって言ってたでしょ。そんなことする男が優しくしてあげるなんて思っている
 んですか? ほら、ほら!!」
 身体を真っ二つにされるような幻覚から逃れることができない。 


 タカトシはただ自分の牡としての劣情を発散させるべく、しゃにむに腰を振り続けていく。
 処女地から流れ出る破瓜の血は同時に溢れてくる淫らな蜜により洗い流されていく。
 腰を前後させてこの牝は自分のものなのだという証を刻み込んでいくばかりだ。そこには処女を卒業したばかり
のシノを慮って気遣う素振りは一切見受けられなかった。
 「ん、はぁぁんっ、ダメだ、津田、正気に戻れ。君はこんな男では、んンッ……ないはずだろう」
 「いやいや、こんな男なんですよ、オレって」
 相も変わらずにニヤニヤとしているタカトシは、シノの小ぶりな乳房を揉みこんでいき、以前特に敏感だと言って
いた乳首を執拗にかつ丹念にこねくり回していく。
 それにより全身に総毛立つほどの快感が駆け巡っていく。
 「しかし、会長ってビンカンですよねー。普通初めてでそれも無理やりに犯されてるのに、こんな感じたりなん
 かしませんよ」
 「ん、っ違う、ちがう……。ひゃああぁん、私はそんな淫らな女じゃ……」
 「まあ、オレも久しぶりなもんでそろそろ出そうなんですけどね」
 「えっ」
 そうだった。ただ状況に押し流され続けて失念していたが、自分は避妊具を使用されずに犯されている。
 そのことに気付いたシノはなんとかしてタカトシを押しのけようとするものの、男女の腕力の差は歴然だ。
 「いや、だ、ダメだ……。初めてなのに膣内出しなんて、子供が赤ちゃんができてしまう……っ!?」
 「今頃なに言っているんですか、あなたは。まあ、気付いていてもオレはナマで膣内出し派なんで、拒んでも
 構わずにヤっちゃってましたけどね」
 胎内深くに潜り込んできている亀頭部がヒクヒクとしてきているのが、感じられた。
 子種を吐き散らしてシノの身体の奥深くまで染め上げていくつもり――いや、確実にそうするのだろう。
 事実、タカトシの腰の動きは射精に向けてピッチが上がっていた。
 「お願いだ、せめて外に……外に出してくれ!」
 「ん、そうですね。これからオレの気が向いたときに会長のことを好きに犯していいなら、いいですよ」
 「な、なにをバカなことを……。はんっ、私をこれ以上好き勝手に弄ぶだと、ふぁぁぁんっ」
 「悪いようにはしませんよ。たっぷりと開発してオレと視線が合うだけでイケちゃうようにしてあげます。
 と、やべ、そろそろマジで限界だ」
 「わかった、キミのものになるから、だから、だから……っ」
 「約束ですよ」
 タカトシが耳元で囁いたことが引き金だった。強姦されたにも関わらずに絶頂を迎えてしまったシノの身体が
ビクビクと震えていく。
 次いでシノの膣内から自らの肉棒を引き抜いたタカトシは、シノの滑らかな腹部へと白く濁った欲望の証をぶ
ちまけていった。



 テーブル上にて身体を横たえたまま放心状態のシノを尻目に、身支度を整えたタカトシが鞄から取り出した
デジカメでシノの痴態を撮影していく。
 「はい、一応撮らせてもらいました。誰かに相談なんかすれば……頭のいい会長は自分がどうなるかなんて
 わかりますよね」
 「…………」
 虚ろな色を湛えたシノの双眸は決してタカトシと視線を合わせようとしなかった。
 「会長。そんな反抗的な態度取られちゃうと困っちゃいますよ。まあ、別に会長じゃなくても七条先輩でも
 いいですけどね……」
 「ま、待てっ。アリアにも手を出すのか!?」
 がばっと身を起こしたシノは両手で己の身体をかき抱くと、キッと鋭い目で自分を犯してきた少年を見据える。
 「萩村もいいかもですね。あのタイプとはヤったことないんで。でもロリに目覚めちゃったらやばいよな」
 「わかった、わかった! 私が私がキミの相手をするから、だからふたりには手を出さないでくれ!!」
 「ははっ、ありがとうございます。オレに飽きられないようにせいぜい頑張ってオレ好みの肉便器になってく
 ださいね」
 そう言い残してタカトシは生徒会室を去っていった。
 「私は……私は、これからどうなるんだ」
 シノがぽつりと漏らしたその言葉に返してくれるものは誰もいなかった。
 そして生徒会室には少女がすすり泣く声が次第に大きくなっていった。


 「――という夢を見たんだ」
 「あらまあ。津田くんって見かけによらずワイルドなのね。か弱い女の子を犯すだけ犯して肉便器宣告だなんて」
 ここは桜才学園高校の生徒会室。夕方を過ぎたためうっすらと夜の帳が落ち始めてきたことにより、生徒会室
へと差し込んでくる太陽の光は大変弱弱しかった。
 (またオレを置いてオレの話をしやがって、この人たちは……っ。いや、ここはクールに、そうあくまでも冷静に
 なるんだぞ、オレ)
 本日の業務を終えたメンバー一同は、帰宅前の他愛もないおしゃべりに興じていたのだが。
 その席上にてシノが昨夜に見たという夢をありのままに語っていた。その夢にて自らを犯してきたタカトシに許可
などとることは一切なく。またその夢の中でのタカトシがした凶行をぼかすことなども全くなく。
 「でもシノちゃん」
 「ん、なんだ、アリア」
 「Mな津田くんがレイプというのは、ちょっと無理があるんじゃないかしら」
 おっとりと頬へと手をやりながら、アリアが頭に浮かんだ疑問を素直に口にする。
 「いや、SとMはときとしてリバースするという。だから……」
 「きゃっ♪ ということは、津田くんも……」
 シノ&アリアからの好奇に満ち満ちた視線を懸命に耐え抜くタカトシ。
 (ああ、萩村。おまえはこんなくだらないことなんかどうでもいいよな?)
 そしてタカトシはすぐ隣にいるスズへと目を向けた。
 ……あれ、こんな離れていただろうか。
 「は、はぎむら……?」
 一歩近づいて伸ばした手をパンッと払われてしまった。
 「ち、近寄るんじゃないわよ、この強姦魔! 私を妊娠させる気なの!?」
 「ちょ、夢の話だろ、大体そんなキャラじゃないだろ、オレは!?」

 桜才学園生徒会は今日も平和……もとい、平常運転であった。

 


                                      (おしまい)

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