「そうじゃなくて……まだマサちゃんとセックスしてないんだね?」
「(%'T)'&=?L`&A>ななんなななななななななななななななななな」
「落ち着いてアヤナちゃん、日本語になってないよ?」
「落ち着けるわけないでしょうがあああああ!!!!!!!!!!!!!ミサキちゃん、あなた今何を……」
「あっれ〜〜〜、一日かけたのにまだ思い出せないんだ、昨日の約束?」
(…………昨日の、約束?やくそく?ヤクソク?)
ぐわんぐわん、と記憶が蘇ってきた。

「れね、旅館の経営に専念して、あとはもうゆっくりとするつもりなの……」
ロレツがかなり怪しくなってきた私の前には、ニコニコしながらお酒を飲んでいるミサキちゃん。
「そうなの〜〜、いいな〜〜〜、アヤナちゃん……もう三十歳で隠居状態なんら〜〜」
……彼女もかなりベロンベロンだったようだ。
「ふふ、そりゃあね、結婚もせずに仕事を頑張ってきたんだから。
それに株とかでちょこちょこ儲けたりして、なんだかんだで3億くらい貯金もあるし」
「うわああ……スゴイねえ……さすらはアヤナちゃんだよ〜〜〜!!」
「ただねえ……今にして思うと、結婚はともかく子供は欲しかったのよね……」
「何言ってるの、まだまだこれからじゃない、アヤナちゃん!」
「……本当はね、羨ましかったよ、ミサキちゃんが」
「?」
「学生時代や……社会人になってからも、何人か男の人とお付き合いしたけどね、
小久保君みたいな男の人ってつくづく貴重だったんだ、ってそのたびに思ったもん」
「……そう言うけど、あれでマサちゃん結構だらしないし……だって初恋だったんでしょ?
だからアヤナちゃんの中で、あの人のことが美化されちゃってるんじゃない?」
「……ううん、そういう意味じゃないんだ。あのね、ミサキちゃんは……最初っから彼のことが好きで、
ずっと一緒だから分らないのかもしれないけど……人の悪口や愚痴を言わなくて、
口先だけじゃなく女と対等の立場で考えることができて、卑屈になることもなくて、
相手の言うことに耳を傾けることのできる男の人って、超貴重なんだよ?」
「…………そんなに……マサちゃんは、立派なひとじゃ……」
「立派じゃなくて良いのよ。最近つくづく思うんだけど、男で重要なのは財力でもルックスでもなく、
人間として大丈夫な人かどうかなのよね……小久保君の良さってさ、そういうことなんだよね」
「………アヤナちゃん、もしかして今でも……」
「あは、大丈夫。さすがに未練はもう無いから。でも……惜しかったかな。
せめて小久保君の子供は欲しかったかもね……シングルマザーでもいいからさ。
育てる自信もあるし。ふふ、なんなら今からでも小久保君の種を頂いて育てたいくらい」
酔った勢いに任せて、かなりキワドイ発言をしたもんだ。うつむいて、黙り込むミサキちゃん。
さすがにちょっと調子にのりすぎたか、と思って謝ろうとしたそのとき――――
「…………ねえ、アヤナちゃん?アヤナちゃんさえ良ければ……私、いいよ?」
「?いいって……」
「マサちゃんも良いって言うなら……私、アヤナちゃんがマサちゃんの子供を産んでも、大丈夫」
「!!!ちょ、ちょっとミサキちゃん、やあねえ、冗談よ、冗談……」
「………アヤナちゃんは美人だし、言い寄ってくる男の人もこれからいっぱいいるかもしれないけど。
でも、家族って恋人とはやっぱり違う。それに……ひとりは寂しいよ?
アヤナちゃんのことはマサちゃんも好きだと思うし、変なところで浮気されるよりずっとマシだよ」
「あ、あのね……でも……」
「そのかわり、あくまでマサちゃんが私を大事にして、アヤナちゃんも大事にするっていうのが条件。
あのね、言っておくけどアヤナちゃんへの同情とかじゃないよ?
だってアヤナちゃんがまだマサちゃんのこと引きずってる以上、そうするのが一番いいんだもん」
ずばり、と彼女は私の一番痛いところをついてきた。口では未練がないとかなんとか言っておきながら、
私がいまだに小久保君の幻影を振り払えていないのは、やっぱり事実だった。
それを、この日、イヤと言うほど実感していたのだった。
「………でも、それってやっぱりミサキちゃんの余裕だと思うよ。一番小久保君に愛されていて、
必ず彼は自分の元に戻ってくるっていうのが分っているから……そういうことが言えるんじゃない?」
「うん、そうだと思う」
憎々しいほど、あっさり彼女は私の言葉を肯定する。
「でもね、アヤナちゃん?私は……傲慢かもしれないけど、それがアヤナちゃんにも良いと思う」
§


その後……どんな話をしたのかは、やっぱり思い出せない。
ただ、結局ミサキちゃんと合意に達したっていうか……小久保君を今日一日貸してもらって、
ついでにそのえっと……子作りっていうか……その、セックスをするって話に、確かなったような気が……

「あは〜〜〜思い出した?アヤナちゃん?」
「………なんとなくね。あのねえ、ミサキちゃん、でもやっぱり……」
「ダメだよ、自分に落とし前つけるって……そう言ってたじゃない」
「………親友に、その旦那との浮気を勧められるなんて普通有り得ないよね」
「浮気じゃないよ」
「………」
「浮気だったら、私は許さない。アヤナちゃんも、マサちゃんも」
「………これが、浮気以外のなんなのよ………」
「このままアヤナちゃんがね、マサちゃんのことを引きずるのイヤなんだ、私。
アヤナちゃん、私とマサちゃんのことを……いつまでたっても祝福してくれないじゃない?
それはね、アヤナちゃんがマサちゃんとキチンと一回お話して、それで気持ちの整理をつけることでしか
解決しないと思うの。その結果として……ふたりがセックスするんだったら、それは浮気じゃないよ」
「…………」
強い、と思った。初めて会った頃から、彼女は強かった。
可愛らしくて、女の子らしくて、思わず守ってあげたくなる――
そんな風に同級生の男の子たちはミサキちゃんのことを言っていたけど、私は知っていた。
彼女は、強い子だ。小久保君とのことも……学校での成績も、結局その強さに、私は負けたんだ。
「……分ったよ、ミサキちゃん?ただし、小久保君がOKするかどうかだから、そのあたりは……」
「うん、だからマサちゃんと代わって……」
再び携帯を小久保君に手渡した。
「は?え?☆#'%はああああ※!!?!?みみみみ、ミサキお前!!!!」
くるくると、青くなったり赤くなったり……小久保君の顔色が変わるのを眺めていた。
なんだか、妙に可笑しい。そんな風に思えるってことは、私もこの状況を楽しむ余裕が出てきたのか?
「あの……えっと、若田部……ミサキの奴が、変なこと言ったみたいでゴメンな」
携帯を折りたたむと、申し訳なさそうな顔をして……小久保君がそう言った。
「ふふ……良いのよ、始めは私がミサキちゃんにお願いしたんだし……」
「え?そ、そうか……アイツ、お前の冗談を真に受けて……しょーがねえな、まったく……」
「………冗談じゃないのよね、コレが」
「へ?」
「小久保君……ずっと、ずっと好きでした」
「は?」
「中学生の頃、ずっとあなたを見てた……初恋だったの、私の」
「??あ、あの……若田部?」
「さっき小久保君、私があなたと会わなかったって言ってたじゃない?
確かに私、あなたたちの結婚式にも出なかったし……アレね、やっぱり悔しかったんだ。
ミサキちゃんにあなたを取られて。でも……ミサキちゃんは一番の友達で。
だからもしあなたと会ってしまったら、自分の気持ちを抑えられるか自信が無くて。
あれから十五年もたったし、さすがにもう大丈夫だろうと思って昨日の同窓会に行ったんだけど……
やっぱり、全然ダメだった。私は今でもあなたのことが好きなの。
あの頃と同じように……ううん、あの頃よりずっと」
「………」
「だからね、小久保君…………あなたのことが好きだった15年間の、思い出が欲しいの。
あなたの……子供が、私……欲しい」
「……ちょ、ちょっと若田部……でも、それって……第一、子供って……」
「ねえ……小久保君?君はミサキちゃんのこと、愛してるよね?」
「……そりゃ、まあ……そうだけど」
「ふふ、そうなんだよね。ちょっと悔しいけど、それが現実なのは私も分ってる。でも……
ミサキちゃんがあなたを愛してるのと同じくらい、私があなたをずっと愛してたのも現実なんだ。
だからもしあなたが私のこと、昔、ほんの少しでも好きでいてくれたのなら……私を……愛して欲しい」
「若田部……でもさ、あの……子供をつくるって、その子に責任とか……」
「安心して。私がシングルマザーとして育てるよ。小久保君が会いたくなければ、会わせないし」
§


「でも………」
反論しようとして、でも言葉にできずに……迷ってる、小久保君。
そんな表情もすごく可愛い。ああ、やっぱり私は彼のことが好きなんだ。15年前と同じように。
「えい!」
「わわわわ、若田部?」
勢いをつけて彼に抱きつく。引っ越しで体を動かしたせいか、彼の首もとからはほんのり汗の匂いがした。
―――お互い様だ、今の私のカラダもちょっと汗くさいんだろう。
「ねえ?小久保君は、あの頃私のこと……あなたは、どう思ってた?」
「ど、どうって……」
「怖い女だとか、殴る女だとか、そう思ってた?」
「いや……なんつーか……その……うんと……高嶺の花っていうかさ、
俺らみたいな平凡な野郎には手の届かない女の子っていうか……」
「ふふ、そんな風に思ってたんだ?でも、ホラ……手の届くとこにいたじゃない、小久保君は?」
「そう言う意味じゃないんだよ。距離的には近くても……多分、若田部は……俺なんかじゃ」
「………私ね、本当は待ってたんだよ?もしかしたら……小久保君はミサキちゃんじゃなくて、
私を選んでくれるんじゃないのかな、って。ずっと、アメリカに行ってからも……淡い期待を持ってたんだ」
「……ゴメン若田部、俺……お前がそんなこと考えていたなんて、全然……思ってなくて……」
「うふ、良いんだよ?でも、そう言ってくれるってことは……あの頃、
小久保君も私のこと嫌いじゃなかったって……そう、都合良く思っちゃっていいのかな?」
「あ、ああ……俺……正直、お前が眩しくて……それで、自分に言訳して……
なにも言えなかったのかもしれない。……本当は……俺……」
あの頃の思い出は、ちっとも褪せることがなかった。
いくら言葉を尽くしても、あの頃に戻ることはできないかもしれないけど……
それでも私たちは、お互いを確かめ合うように……言葉を紡いでいた。
「ねえ、小久保君?キスして……」
「………ああ………」
"ちゅ……"
迷いながら……躊躇しながら……小久保君が、唇を押しつけてきた。
彼の唇は、少し冷たくて、柔らかくて、心地よかった。
いったん小久保君が唇を離すと―――それでもまだ、不安そうな瞳を私に向けて言った。
「……なあ、若田部?あのさ、でも……本当に……いいのか?」
「うん……もう、あの頃には戻れないのは私も分ってるけど……今日だけは、
15歳の頃の小久保君と、私に戻りたい。あの頃みたいにふざけ合って……
あの頃はかなわなかった望みを……あなたを、手に入れたい。お願い……小久保君」
「あ、ああ……お前が……そこまで言ってくれるなら……」
もう一度唇を重ねる。さっきより、ほんの少しぎこちなさがなくなって、ちょっと大胆に……重ねる。
「ん……んう……」
小久保君が私の唇を吸う。舌先が口の中に入ってくる。私の手を柔らかく握りしめる。
ぷちゅぷちゅと、口の中から互いの舌が絡み、泳ぎ、ほどける音が漏れる。
「若田部……いい?」
「うん……」
小久保君が、私を抱きかかえてベッドの上に横たえた。
「ふふ……でもお互い、ジャージのままって……」
「………色気無いか?」
「ううん……ちょっとこれも中学生の頃みたいでいいかな、って」
私の言葉を聞くと、苦笑してボリボリと頭をかく小久保君。そんな仕草も、やっぱり可愛い。
「その前に……ちょい自己申告、若田部」
「?なにそれ、小久保君?」
「えと……実はさ、俺、あの……ミサキとしか、こういうことしたことないんだよね。
んでミサキも多分俺としかしたことがないし……だから多分その………上手くないと思うんだ。
なんであんまその……期待しないで欲しいっつーか……」
「…………馬鹿」
真剣な顔をしてそんなことを言うもんだから、可笑しくなった私は彼の両耳をつまんで引っ張った。
「イテ!痛て!つつ、止めろよ、若田部!」
「ほんっとに女心分ってないよね、君は………あのね、小久保君?」
§


「いたたたた、だから離せって!」
「女の子はね、セックスが上手くても、そいつがイヤな奴だったら全然気持ち良くないの。
好きな人が一生懸命愛してくれるなら……それが、どんなセックスでも嬉しいんだよ?
もう……こんな恥ずかしいこと女に言わせないでよ、ドンカン!」
「わかりました、すいません、若田部さん、降参です、参りました、俺が悪かったです……」
情けない顔で両手を合わせる小久保君が愛おしくて、私はそのまま彼の頬にキスをした。
「それに、私だってそんな何人もしてきたわけじゃないもん……今でも、本当にイクって良く分らないし」
「……そうなの?」
「そうだよ……だから……えっと、乱暴にしないで……大事に、して下さい……」
照れてしまって、なぜか最後の方は………少女の頃みたいな、お願い口調になってしまっていた。
「……それくらい……分ってるよ、若田部は……大切にされなきゃいけない人だってことくらいは」
そう言うと、小久保君は優しく私の頬にキスをして、ゆっくりと耳に舌を這わせた。
「きゃん!!ダメ……そこ……」
「……へへ、弱点はあの頃から変わってないね?若田部」
「もう……でも、覚えてたんだ?小久保君……」
「うん……薄くて、形が良くて……キレイな耳だよね、若田部の耳。あの頃も……そう思ってた」
吐息を吹きかけ、耳たぶを甘く噛んだり、口に含む小久保君。
「あ……きゃ……あん……イヤ……」
くすぐったくて……気持ちよくて……むず痒いような……
今までの男の子たちには教えずにいた急所を嬲られているのに、少しも嫌悪感はなかった。
むしろ心のどこかでそれをずっと待っていたような――そんな気がしていた。
「色っぽくて……キレイだよ、若田部……」
「あ……はあッ………もう……だめ、許して……小久保君」
「若田部、ココ以外にも弱いトコあるの?」
「……やだ、教えない。だって言ったら小久保君また私をいじめるもん……」
「教えてくれないなら見つけるしかないな?じゃあ……」
「!?きゃ……」
小久保君がジャージ越しに胸を擦るように触れてきた。
ブラはしていたけど、ジャージの上から触られるのは思っていたよりずっと生々しくて、
直接触られるのとはちょっと違った感触だった。
―――小久保君の手のひらの動きにあわせ、ゆるやかに……柔らかに……私の乳房が揺れる。
「うわ……でも、やっぱり大きいよな若田部……」
「そのせいで、もう最近じゃおっぱいも少し垂れ気味のおばさんですよ〜〜〜だ」
「いや……すげえよ、柔らかくて……おっきくて……気持いい……」
小久保君が、私の胸の谷間に顔を埋めてくる。どの男でも一回はこれをしてくるけど……
これをされると、男って可愛いって思えるから不思議だ。母性本能が刺激される、ってやつかな?
「うふ……赤ちゃんみたいだよ、小久保君……」
「いや……その、ゴメン……若田部」
また照れる小久保君が可愛くて、彼の頭を抱きかかえてつむじのあたりにすりすり、と顎を押しつけた。
「可愛い可愛い小久保君、私の可愛いマサヒコ君……」
小久保君の吐息が私の胸にかかる。幸せな体温を感じる。
「若田部……あの……じかに、いいかな?」
「うん、いいよ……」
小久保君の手が、私の背中に回ってくる。ぱちり、とホックが外され、ブラがするすると脱がされる。
ジャージの上着がめくられ、私の裸の胸が小久保君の目の前にさらされる。
「キレイだよ、若田部……すごく……」
「………だから垂れかけてるし……」
「どこがだよ……すげえって」
そう言うと、小久保君が私の胸にむしゃぶりついてきた。
指で乳首をいじられ、谷間に舌を這わされ、おっぱいを揉まれた。
「あん………あッ……ううん……」
今までに何度も男の子にされたことのあることなのに……
やっぱり相手が小久保君だからなのか、それとも単純にセックスそのものがご無沙汰だったせいか……
私のカラダは今までに感じたことのないくらい、敏感に反応してしまっていた。
「小久保君も……脱いで……」
§


ちょっと感じすぎてしまっている自分が恥ずかしくて、小久保君におねだり。
「あ、ああ……じゃあ……」
うっとりと、小久保君の裸を見つめる。やっぱり何度見ても、彫刻みたいにキレイだ。
「キレイよね……小久保君って………」
「?はへ?いや、そんなこと言われたの、初めてなんだけど……」
「ミサキちゃんとしかしてないってことは……この裸を自分のものにしたことがあるのは、
ミサキちゃんと私だけなんだよね……うふ、嬉しい……」
"ちゅッ"
小久保君の肩にキス。そこから腋に舌を這わすと、男の人のむっとした匂いがした。
「わ、わわ、やめろって!汗くさいだろ、若田部……」
「ふふ……小久保君の汗の匂い、好き……」
………そう、誰にも言ったことがないけど、実は私は匂いフェチの気があったりする。
特に男の人の匂いは、大好物だ。とは言っても、太った人の腋臭じゃなくて、
痩せ気味の人のちょっと枯れた、蒸れた汗の匂いが好きなんだけど。
ぷちゅぷちゅと、小久保君の腋から肩から乳首を舐め続ける。
「わ……ちょ、くすぐったいって、若田部!いへ……」
むずがるように、小久保君がカラダをひねる。情けない顔の小久保君、すごく可愛い。
もっともっとイタズラをしたくなった私は、そのまま彼のカラダに抱きついたままキスを続けた。
「わ、や、やめ……わかた、わ……」
「許してあげないんだから」
「へ?」
「ずっと私の気持ちに気付かないで、知らないふりをして15年も放っておいた小久保君なんて、
これくらいじゃ済まないんだから。えへへ……今日は私がたっぷり小久保君を愛して、
その代り小久保君もいっぱいいっぱい、私を愛するんだからね?ふふ……許さないゾ?」
にっこりと彼に笑いかけると、脇腹にも、お臍にも、胸板にもたっぷりとキスをしてあげる。
もう観念したのか、小久保君は私のなすがままになっていた。
調子に乗った私は、もぞもぞと彼の股間をまさぐった。
「ど!ちょい、若田部……それはその……」
「ねえ、小久保君?ミサキちゃんってフェラチオしてくれる?」
「!!い、いや、それはその……」
「答えなさい、イエスなの、ノーなの?」
「……………その……たま〜〜〜〜〜に」
「たまにってどれくらい?」
「…………え〜〜〜と、あの……半年にその……十回くらい……いや、もう少し多いかも……」
「へ〜〜〜、意外にヴァリエーション少ないのね、夫婦なのに」
「いや、その……そんなもんじゃないかと……」
「あのね、小久保君……私ね、コレするの、初めてなんだ」
「え?」
小久保君の下のジャージとトランクスを脱がすと、ぴょこん、とおちんちんが顔を出した。
愛しくて、可愛い。ちっとも汚いなんて思えない。ちゅっ、と先っちょにキスをした。
「今まで……他の男の人には、なんだか恥ずかしくて……汚く思えちゃって、出来なかったんだ。
あのね……もう、ヴァージンじゃないけど……お口は、初めてだから…特別だよ?小久保君」
かぷり、と小久保君のを口に含む。あったかくて、ちょっと匂いがして、好き。
「うッ……いいの?若田部……でも、そんな……ムリしなくても……」
「ムリじゃないもん……小久保君の、おちんちん、好き……可愛い……」
そう言ってもう一度口に含むと、舌先でちゅりちゅり、と彼のをくすぐった。
「う……わふ……お、おい……そんなされると……」
切なげな表情で身悶える小久保君が愛しくて、そのまま舌先で先っぽからその周りを舐め回した。
口の中に、ちょっと苦っぽい味が広がる。たっぷりと唾液が溜まって、一緒に混ざる。
それを潤滑油にして、私はゆっくり、ゆっくりと上下に小久保君のを口の中で動かした。
"くちゅッ、ぬるッ、ぷちゅッ"
小久保君のが私の口の中で大きくなる。ぴくぴくと、小さく震えるように動いている。
唾はいっぱい溜まっているのに、なぜかひどく喉が渇いていた。
だらん、と伸びたふくろみたいなのに指先を伸ばして、むにむに、と揉む。
「う……ふぁああ、ゴメン……若田部、もう俺……お願い、出ちゃうから……」
§


口の中で出してもらっても良かったけど……でも、今日は赤ちゃんが出来るまでしてもらわなきゃ。
ちょっともったいないけど、口から彼のを離した。
「えへ……どう?小久保君、私とミサキちゃん、どっちが上手だった?」
「う……それは、その……」
「今日が初めての私と、いっつも小久保君のおちんちんを好きに出来るミサキちゃんなのに、
迷ってるんだ〜〜〜。ふ〜〜〜ん、ミサキちゃん、意外に耳年増の割に……」
「………いや、いつも好きに出来るわけじゃ……」
「うふ、でも初めてにしては結構上手だったでしょ?」
「…………うん」
「じゃ、次は……お願いね、小久保君?」
「あ、ああ………」
小久保君が私の下のジャージとショーツを脱がす。
ぴっちりと太腿を閉じてしまっていたけど、自然と両脚が開いてしまう。
「若田部……触るから、もう少し力抜いて……」
「うん……」
"くち……くちゅ"
さっきので実はちょっと濡れてしまっていた私のあそこから、小さな、湿った音がした。
恥ずかしいけど、小久保君の指は細くて、長くて、気持ちよくて……嬉しい。
「若田部……結構、敏感なんだね……もうこんな濡れてる……」
「……そう?あん!……うふ……でも小久保君も上手、くッ!だよ……」
「………そうなの?どうも自分だと分かんないんだけど……」
のんびりとした口調だけど、そう言いながら小久保君はもう一本指を増やしてきた。
「あん……もう……もっと……ゆっくり、優しくして……」
「ゴメン……若田部が可愛くてつい……」
言葉と裏腹に、私の中を掻き混ぜるのを止めない小久保君。
……ズルイくらいに、私のポイントをさわって、撫でて、擦っている。
「うん……きゃ……ふわぁあああ……小久保君……私、もう……お願い……来て……」
「あ、ああ……あの……本当に、良いんだよな、若田部、その……ナマで……」
「ウン……私……欲しいの。小久保君の赤ちゃん……お願い……」
彼の首に両腕を巻き付けて、切なげな顔のままおねだり。
まだちょっと迷ってた小久保君も、覚悟を決めて私をぎゅっと抱きしめる。
そして自分のを私のあそこにちょこん、とつけてきた。
「好きだった……若田部」
「小久保君……」
「今まで……ずっと言えなかった。あの頃……俺は……でも……ゴメンな、今は……」
本当に、バカがつくくらい正直な人だ。でも私は……そんな彼の誠実さが、大好きだった。
「いいよ……私も、大好きだった。十五年間本当に、ずっと忘れられなかったくらい……好きだったの」
「若田部………」
「小久保君………」
"ちゅ"
小さく、軽いキス。でも思いは重くて、深くて………かけがえがなかった。
「いくよ……若田部」
こくん、と私がうなずいたのを合図に、小久保君のが私の中に入ってくる。
痛みとも痒みとも知れない、鈍い電流のような疼きが私の頭から爪先までを貫く。
私は小久保君に挿れられながら、なぜか彼に優しくねじられているような気分になる。
痛くはないけれど、少し胸苦しいけれど、すごく気持ち良い。
息が詰まる。気が遠くなる。小久保君のがゆっくり私の中で動くのを感じる。
なにか………鋭い音が、ずっと耳の奥から頭の中にこだましている。
からだが、気持ちが、熱くなってくる。自分がとろり、と溶けてバターになってしまうような錯覚を覚える。
小久保君のが私の奥を突いて、撫でて、かき回す。
それは大きくて、滑らかで、私の中をいっぱいに満たしてしまう。
首の真後ろらへんに突然疼きじゃなく、痺れが襲ってきて私は目を見開く。
両脚が思わずぴょん、と跳ね上がる。
(や……ヤダ……もしかして、私………これが……イクってこと?)
虚脱感が一瞬心に訪れるけど、小久保君はまだ許してくれない。
§


私のカラダも……私の心と裏腹に、まだ小久保君のをしっかりとつかまえて離そうともしない。
貪欲に……淫らに、彼を貪りつくそうとして、自然に腰が動いて、彼に密着しようとする。
痺れる。欲望に抗うことすら考えられず、夢中になって小久保君の動きに合わせる。
小久保君のが優しく私の中を掘り起こす。私の中の熱いのがぐしゃぐしゃに混じり合わされる。
小久保君が角度を変えて、少しだけ掻き出すように私を突いたとき―――
ぐしゅり、という鈍い湿った音が頭の中で響いた。
私の中に……彼の熱い精が何度も、何度も、爆発するように解き放たれ、溢れてくるのを感じる。
膣の、子宮の、内臓の奥の奥まで小久保君の精液で埋め尽くされるような幻覚を見る。
「あ……ああ……あ……」
小久保君の口から、言葉にならない声が漏れる。
ずるり、と小久保君が私の中から自分のを引き抜く。私の中から、熱いのが溢れ出る。
「まだ……ダメ」
「え?」
「小久保君……すごかった。私……セックスで、頭の中が真っ白になって……からっぽになるなんて、
はじめてだった。お願い……まだ、ダメ……赤ちゃんが、できるまで……今日は……何回も、して」
こんな淫らなことを言っている自分にもう一人の私は驚いている。
でも、現実の私は涙目のまま彼に顔を向け、彼の肩をつかんだまま懇願し続けている。
「若田部………そう言われても、男ってのはそんなにすぐには……」
「なら……小久保君が出来るようになるまで……つながっていて……」
「あ、ああ……」
彼が一回抜いたおちんちんを、私の中に挿れてきてくれた。
さっきと違って固くなくて、大きくなかったけど……それは、気持ちよく私の中に収まった。
「好き……小久保君。大好き、小久保君……」
ちゅっちゅっ、と小久保君の頬に、瞼に、顎にキスを続けた。くすぐったそうにする彼の、
顔を舐め回すみたいにキスをした。段々と、彼のが私の中で大きくなってくるのを感じていた。
「若田部……俺、もう大丈夫で……その、もう出来そうだけど……」
「うふ……いいよ……今度は、あなたの好きなようにして……」
「えっと……なら、若田部……よつんばいになって、後ろを向いて……」
一回も許したことのない、屈辱的な体位。でも私はもう、彼の言葉にも、自らの欲望にも……
自分が逆らうことができないことを知っていた。その言葉通りの体勢になった。
私の中から、さっき彼が出した精液が漏れて太腿を伝うのを感じた。
恥ずかしさより、彼の到来が待ち遠しかった。早く、貫いて欲しかった。
"ぐッ………ぬちゅッ……"
お尻の両側がつかまれ、開かれると私の中に濡れた彼のが突き立てられる。
私をまた、強烈な疼きと痺れが襲う。背中の中心を、稲妻が走るような感覚。
「あ……あああッ……くぁ……」
後ろから小久保君が私の中を掻き混ぜる。逆らえない。もう、なにも考えられない。
(子供………赤ちゃん………小久保君の……私と、小久保君の……)
欲望の渦に身も心も沈めながら、私は子供の名前を必死で考えていた。
―――きっと可愛い女の子が生まれる。なぜかそんなことを思いながら。

END

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