こんなことをする時点で……優しくなんて、できるはずもないのに。
自分のモノに右手を添えて、俺は彼女の小さな裂け目にあてがい、ゆっくりと沈み込ませていった。
"ぬッ……ぷちゅうッ"
「あ!痛ッ!やめてッ……やッ!」
的山が、鋭い叫び声を上げる。
(……キツイ、な……ギッチギチだ)
入り口だけでも、すごい圧力だった。これ以上挿れたら――
俺のモノが、千切れるんじゃないかってくらいだった。
「やだ……痛い……ああ……」
涙を流して、顔を紅潮させて――彼女は、俺にしがみついてきていた。
どんだけ痛いかなんて、男の俺に分るはずもなかった。
「的山……好き、だ……」
「………」
涙目のまま、無言で彼女が俺を見る。
「まだ……言ってなかったよな?好きだって。俺……的山を、大事にするから……
だから……我慢して欲しい。痛いかもしれないけど……少しだけ……もう少しだけ」
そう言いながら、俺は彼女と唇を重ね、それを吸った。
しばらく、入り口からモノを動かさず……肩に、耳たぶに、首筋に、おでこに……
キスをしていった。彼女のからだの強ばりが、徐々に解けていくのが分った。
「………的山、もう少し……深く、いくよ?」
「……」
なおも無言のままだったが、彼女は拒絶もしなかった。
"ず……じゅぐぅ、にゅぷ"
先っぽだけ入っていた俺のモノが……ゆっくり、ゆっくりと的山の中に入っていった。
きつくて……あったかくて……やわらかくて………とけそうだった。
「あッ……!!痛い……ひッ…………ぅ」
声をあげる的山だったけど、徐々に……声は、消えるように小さくなっていった。。
「的山……もう少し、力抜いて……その方が、痛くないから……」
無理をしないように……できるだけ、彼女に負担をかけないように……
そう思いながら俺は、少しずつ、少しずつ動き始めた。
"にゅ……ぬぅ"
肉と肉の擦れ合う感触が、的山の狭い中が俺のモノを包み込んで締め上げる感覚が……
俺の頭を、身体を、痺れさせていた。くちくち、となにかが弾けるような感覚が伝わってきた。
「…………」
顔を真っ赤にさせたまま、唇を震わせて……的山は無言で、俺の為すがままになっていた。
流していた涙は、渇いて、そしてまた小さなひとつぶの滴が目の縁から、流れた。
"ずぷッ……ぷくッ、ぐしゅ"
始めこそ、彼女の身体を気づかっていた俺だったけど……
(ダメだ……気持ち良すぎる……全然、抑えが効かねえ)
もう、我慢できずに動きをどんどん大きくしてしまっていた。
「……………ぉ」
「的山?今なんて……」
「お母さん……」
「!」
罪悪感が、ちくちくと俺の背中を刺していた。それでも……悲しいかな、男のサガって奴で。
俺の腰の動きは止まるどころか加速してしまっていた。
"ずッ……むちゅうッ……ぬぷくッ"
(はああ……ダメだ、もう   )
時間にしたら、十五分も持たなかっただろう。大学時代に何人かの女の子と付き合ってはいたけど、
なにしろ教職についてからは2年も童貞だったもんで……情けないことに、俺はもう限界に来ていた。
「的山……俺、的山……俺ッ!」
「!!はあッ!ああッ!」
"ずるぅ…………ぷッ!ぴゅッ!どぷッ!"
的山の中から俺のモノを引き抜くと、思いっきり彼女の真っ白なお腹めがけて射精した。
溜まっていたせいか、それは彼女のお腹どころか胸や、顎先にまでかかってしまっていた。
§


「あの……的山……俺……」
的山のからだに付着した精液や……股間から、わずかに染み出た鮮血を、
俺はティッシュで丁寧に、罪を償うようなつもりで、拭き取っていた。
だけど―――彼女は、横を向いて視線を合わせようともしてくれなかった。
"すッ"
処理が終わるのを待っていたように立ち上がると、的山は手早く衣服を着込み始めた。
「……ゴメンな、的山……責任は……俺、取るか……」
俺の言葉の終わりを待たず、じっ、と俺を見つめると……
「………好きだったのに」 
小さく、そう呟いて――――彼女は、部屋から出て行った。何もできず……
馬鹿みたいに、俺は立ちつくしていた。いや、実際……俺は大馬鹿野郎だった。
彼女の気持ちも考えず、性欲を抑えられずに負けてしまった、犬以下の……馬鹿野郎だった。

それから一週間が経って……まあ罰が当たった、って奴だ。
俺は、完璧に風邪を引いてしまっていた。木曜日まではなんとか気力で持たせたものの、
結局金曜日はダウンして、寝込むハメになってしまっていた。
一週間の間、不健康で大量の汗を吸い込んだ饐えた匂いのする布団の中で――
頭に浮かんでは消えるのは、全部、的山のことばかりだった。……後悔しか、していなかった。
俺は……俺は、永遠に彼女を失ってしまった……

―――そんな、絶望的な思いでいっぱいになっていた土曜の昼。
"ピンポ〜〜〜ン"
ドアベルが、鳴らされた。なにかの勧誘かと思って、無視を決め込んでいた俺だったけど……
"ピンポ〜〜ン、ピンポン、ピンポ〜〜〜ン"
(このしつこさ……どうせまたリョーコの奴だろう。待てよ、もしかして……
的山がリョーコに泣きついて……それでも、いいか。この際、アイツに裁かれるのも、いいか)
病気で体力が落ちていたうえ、ここしばらくのダウンな気分のせいで
最悪なことしか考えられなかった俺がのろのろと立ち上がって玄関に行こうとしたそのとき……
"ガチャ"
有り得なかった。しっかり鍵はかけていたはず……てことは、合い鍵を持っている人間……
「ああ、やっぱりいたんですね!風邪を引いたんですって?ご主人様!」
思いもかけず、的山が……顔を見せた。当たり前のように部屋に入ってくると、
「病人は楽にしていて下さい……むぅ、この部屋……臭いですよ?」
ぱんぱんに膨れたレジ袋をテーブルにのせ、彼女はさっそく荒れた俺の部屋の片づけを始めた。
「……的山、おまえ……」
「食欲は、ありますか?」
「う、うん……そう言えば、腹減ったかも……」
勝手知ったる他人の家、って感じでキッチンに向かうとなにかを作り始める的山。
いつもののほほん、とした雰囲気は変わらなかったけど……ちょっと不穏な空気を感じたのは、
あの日のことが、お互いひっかかってるからのはずだった。
「なあ……的山?あのさ……」
「は〜〜い♪できましたよ、ご主人様♪」
いつの間にかキッチンでネコミミ、メイド服の正装(?)に着替えていた彼女が、顔を出した。

そうして、まあ……一番最初に、戻るわけだ。
雑炊を食べさせてくれた(そしてまたそれがやっぱり涙が出るくらい旨かった)彼女は今、
キッチンで洗い物や後かたづけをしてくれている。
(……無かったことになんて、できない……やっぱり、キチンと……しないと)
いい加減でスケベな俺だけど、そのくらいのことは……しないと、いけないと思った。
「ふぅ〜〜、洗い物も溜まってましたね……すごい量でしたよ?」
後かたづけの終わった的山が、ようやく顔をのぞかせてくれた。
手元には、水の入ったコップとなにやら小さな紙袋があった。
「先週、ウチのお母さんも風邪引いちゃったんです。今年の風邪はしつこいって言いますしね」
お母さん、って言葉が―――あのときの、彼女の切なげな表情を思い出させた。
「ありがとう……なあ、的山?」
§


「はい?」
「この前のこと……本当に、ゴメンな」
「………」
「俺……もう、お前がこの部屋に来てくれなくなる、って思ってた。
お前を……失ってしまうって、思ってた。それがすごく怖くて…毎日、最低の気分だった。
無理矢理、あんなことをして……ガキみたいに小久保に嫉妬して……
最低のことをした当然の報いだと思ってたけど……それでも、俺は、お前にいて欲しいって、
そう思ってた。だから……お前が、今目の前にいるのが信じられなくて……」
訳の分らないことを言っている、ってことくらい自分が一番良く分っていた。
それでも、言わずにはいられなかった。
「………」
無言で、的山が俺に近づくと……
"ぎゅっ"
俺の頭を、思いっきり抱きしめた。
「?!ま、、的山?」
「あのね……せんせい?私、この前……怖かった。
いつも優しいせんせいが、突然怒ったみたいになって……」
「……ゴメン、それは………」
「でも……ああいうコトされたのは、嫌じゃなかったの。泣いちゃったけど、痛くて……
ビックリして……でも、それだけじゃなくて、私、本当は……あのとき、上手くお話できなくて……」
「………」
「違うって言いたかったけど……ずっとせんせいの部屋に行く勇気が無くて……
泣いちゃったし、せんせいはもしかしたら私のこと、キライになっちゃったのかなあ、って思って……」
(あれから………)
悩んでいたのは、俺だけじゃなかった。一度も会えずにいたのは、
後悔したからでも、嫌いになったからでも、気まずくなったからでもなかった。
そんなものより―――ずっと、ずっと大切なこと……
「俺は……俺はもしかして、お前に嫌われたかも、って思って。会いたかったけど……
会ったら、もう許してもらえなくなるかと思って……会うのが、怖かったんだ。
俺はそんな卑怯者だけど……だからお前が、今日来てくれて……すげえ嬉しかった」
「せんせい……」
力を緩めた、的山の腕から顔を上げると、俺は……
"ちゅ…"
そのまま、彼女と唇を重ねた。
「ゴメンな……的山……」
「?なにがですかあ?」
「あの……昨日っから、風呂入ってないし、歯も磨いてないし……
この布団も、全然干してないから、臭いよな?全然ロマンチックじゃなくて、ゴメンな」
「ふふ……そうですね、匂いますよ……せんせいの、匂いが」
的山はくんくん、と俺の汗くさいパジャマに鼻を擦りつけるようにして匂いを嗅いだ。
「わ!止めろって、的山……」
「でも……私、せんせいの汗の匂いって嫌いじゃないです」
うっとりとした表情でそう言うと、俺の胸の中に顔を埋める的山。……やっぱり、ムチャクチャ可愛い。
「な……なあ、的山?あの……」
「ふふ〜〜お腹いっぱいになったら……こっちも元気になっちゃったみたいですね?」
顔を上げてにっこりと笑うと、的山は柔らかくて小さな手で俺の股間をふにふに、と撫でた。
「!!!!!!!!!!!!!お、おまえ……ちょっと、おい?リョーコみたいなことを……」
「えへへ〜〜、中村先生の言うとおりですね♪男の人は食欲を満たすと次は性欲だって……」
(………結局俺は……)
奴の手のひらの上で踊る、孫悟空状態だったわけか?
そのときの俺は、多分世界で一番情けない顔をしていたと思う。
「この前はやられっぱなしでしたから……今日は少し、攻めさせてもらいますよッ?」
にこにこと笑いながらそう言われてしまえば、大いに引け目のある当方といたしましては……
ええ、引き下がるしかありませんよ。抵抗を諦めた俺の下のパジャマをずるり、と下ろすと、
彼女はトランクス越しにすりすり、と俺のモノをさすり始めた。
§


体調がおかしくなってから自家発電を控えていた我が愚息は、誠に情けないことに……
そんなちょっとした刺激で簡単に勃起してしまっていた。
(……情けない……)
ふと、往年の家族ドラマ、「あばれはっちゃく」シリーズの父親役、故・東野英心の
名ゼリフを一瞬思い出したくらい、情けなかった(…古くてすいません!作者注)。
「この前は良く見えなかったけど……うふふ、男の人のってかた〜〜い!」
こっちのそんな気も知らず、的山は呑気なものだ。そしてそのまま楽しそうに、
トランクスを膝下まで下ろした。本当に、情けないほどギンギンに勃起した俺のモノが、ぴょこん、
と姿を現した。……彼女は、興味津々といった表情でそれを見ている。正直、死ぬほど恥ずかしい。

「全く……お前のバカさ加減には、父ちゃん情けなくて涙が出てくらい」

なんとなく、自分のムスコに向かってさっき思い出したセリフを小声で呟いてしまう俺。
「?せんせい、なにか言いましたあ?」
当然、平成生まれの的山はそんなドラマのことなど、知るわけもない。
「い、いや……なんでもないんだけど……その、もういいだろ、的山?さすがに俺も恥ずかし……」
「ダ・メ・で・す・ぅ〜〜〜♪へへ、今日は中村先生の教えてくれた、"手コキ"に挑戦するんですから」
「手コキって………ああ………」
俺は全てを諦めて、彼女のなすがままにしていた。この前あんなことをしちゃった以上、
もう自分が彼女に抗議する資格も気力が無いことは、一番分っていた。
"すッ……ぐいッ"
的山が、俺のモノを擦り始めた。小さくて、柔らかくて、あったかくて……
我慢しても、我慢しきれないほど、すげえ気持ちよかった。
「あ………」
「?気持ち良いんですか、せんせい?」
「……………………………うん」
「ふふ〜☆なら、りゃ〜〜〜?」
「お、いおおう!」
こすこす、と的山が俺のモノを擦る。すさまじい快感に、それはぷるぷる、と歓ぶように震えていた。
「わあああ……動いています!ご主人様あ!」
だからお前はどこでご主人様と先生の故障、じゃなくて呼称の区別を……
ってツッこむ余裕など、当然俺にはなく。
「ぐ………ふ、おおぅ!」
ただ、情けない声を出すしかなかった。
「ご主人さま……すごいです。真っ赤になって……ピクピク動いて……ふわああ……」
"ちゅ"
「って?お、おいマ……ま、的山あ……!」
的山の唇が……俺のモノの、先端につけられた。彼女の吐息が吹きかけられ、
くすぐったいような、甘ったるいような気持ちになった。
「可愛い……せんせいの、おちんちん……動いて……あったかい……」
無邪気な笑みのまま、すりすり、とモノに頬擦りすると的山は……
"とろ……ぷちゅ"
小さな舌先を、亀頭から………カリの部分、それに谷の部分へと這わせた。
「はほぅ!………おお!」
(待ってくれ、だからここしばらく俺は禁欲生活を送っていたわけで……)
心の中で、魂の叫びを咆哮したが……無論、彼女に届くわけもなく。
"かぁぷ"
好奇心でいっぱいの彼女は、そのままモノを口の中に含んだ。
熱くて……ねちょねちょした、粘膜の感触が、ダイレクトに俺に伝わってきた。
「ま……的山、頼む……もう、出ちゃうって……」
「………」
だが――的山は悪戯っぽく微笑みながら、俺のモノを口内に含んだまま、
舌先でくすぐったり、転がしたりしていた。
"ちゅ…ちろッ、ぶぴゅ"
「ダメだよ……ぅう……マジで……出る……」
§


"ちゅっぷ"
ようやく、彼女が俺のモノから口を離した。―――危ない。間一髪だった、
でもようやく解放された……そう、思った矢先……
「ふふ〜〜、じゃあ、次は出して下さい」
的山がとんでもないことを言い出した。
「え?ってその……いや、さすがにソレは……」
「でもお口の中じゃ"手コキ"になりませんね、わかりました!じゃあ、やっぱり手で……」
またも小さな手でふにふに、とモノをこすり始めた的山。もう俺はなにも抵抗する気がおきず……
彼女の、なすがままにまかせていた。
"しゅるッ……むに"
柔らかく、温かな……的山の手のひらの感触。震えるほど、気持ちよかった。
既に一回危なかった俺には、もう限界が訪れ始めていた。
「……あ……ああッ、出る、よ……的山……」
"ぷッ!……どぷッ、ぴゅッ"
びくん、と小さくモノが跳ねて……俺は、思いっきり青い精を吐き出した。
俺の分身は……それはそれは勢い良く2回・3回と跳ねるたびに大量の精を撒き散らし、
そのうち二・三滴は的山のメガネにまで飛び散ってしまっていた。
「あ……あの……ゴメン的山……また俺……」
「ふはあ……男の人の出るところって、壮絶ですね……」
なぜか感に堪えない、というような表情で的山が感想を言った。
(………感心してる、場合じゃ……)
そう思ったが、下半身を露出させて射精した挙げ句、
元教え子にたっぷりとそれをかけちゃった俺が言える訳なかった。
「あの……的山、とりあえず……メガネに、ついちゃってるから拭いて……」
「はい!ありがとうございます、ご主人様!」
妙に元気に、そう答えると俺からティッシュボックスを受け取り、
メガネに付着した精液をこしこし、と拭き取る的山。………やっぱり、可愛い。
「じゃあ、先生のもキレイにしてあげますね?」
そしてメガネを拭き終わった的山が、何枚かティッシュを抜き取ると
当然のように俺のモノへと手を伸ばしてきた。
「ま、待て!やめ……そんなことしなくて……」
「ダメです!ご主人様のからだをキレイにするのもメイドの勤めです!」
何故か断固とした口調でそう言うと、的山は俺のモノ全体をティッシュで柔らかく包んだ。
……禁欲生活を送っていたせいか……いや、そんなのはただの言訳だ。
柔らかなティッシュの感触、それに的山のそんな姿を見ながら、
ついさっき射精したばかりだってのに、俺のモノは再びむくり、と頭をもたげ始めていた。
「!わああ……すごい回復力ですね……」
そしてその回復を目の当たりにして感心したように呟く的山。
「な、なあ的山……そんな風にされると……気持ち良いっていうか……」
「?私ただ拭いてるだけですよ?それでも気持ち良いんですかあ?」
「………………ムチャクチャ気持良い」
情けないが、正直に答えた。
「うふふ〜〜、そんなに気持ち良いんですか?可愛いですね、ご主人様のおちんちん……」
こんな可愛い子が"おちんちん"なんて言葉を目の前で言っているのを聞けば、
そりゃあ……辛抱堪らん、って奴だ。おまけに、実際に俺のそれを触りながら言ってるんだし。
「あ……あのな、的山……本当に嫌なら、その……いいけど、して……いいか?その……」
我慢しきれず、また言ってしまう俺。……つくづく、自分は懲りない大馬鹿野郎だと思った。
「………はい……本当は……私も……して欲しかったんです」
「え?」
ぽす、と的山が……俺に身体を預けてきた。
「私……あれ以来、先生のこと考えると……悲しくなったり、怖くなったり……でも、
それだけじゃなくて、ずっとドキドキして……カラダもなんだかおかしくなっちゃったみたいで…」
「お……おかしくって?どこが……」
「………」
的山は、無言のまま俺に抱きついていた。
§


(?あれ……まさか……)
"すッ……"
「あ……ッ」
俺は、恐る恐るではあるけれど……的山の、スカートの中へと手を伸ばした。
彼女が、小さく声を上げた。
「う……やッ、せんせい……だ、めッ」
"く……にゅ"
手探りでショーツの中に指を入れると、そこは既に湿り始めていた。
「的山……もしかして、ココが……おかしいのか?」
「きゃッ……ちが……あ……ッ、う……んッ」
(てゆーか……もう、濡れてるみたいだし……もしかして……カラダが前より、敏感に……)
"する……"
そのまま、両手を彼女の胸へ伸ばし、揉む。全然ヴォリュームはないけど……
それでもやっぱりそこは、ぷにぷにと心地よく、柔らかかった。
「あッ……ぅくん、ふ……ぅッ」
「的山……勃ってるよ、乳首」
「やッ……やだあ……」
きゅッきゅッ、と両方の乳首を指でつまんで刺激する。
拒絶の言葉を口にしながら、彼女はとろん、とした表情になってしまっていた。
「そんなに嫌?でもさ、的山……ここは……」
「!!」
再び股間に手を伸ばすと、そこは……本格的に濡れ始めていた。
「なあ……的山のココ…すげえ濡れてる……」
「や……うそ……そこダメッ……」
「的山?」
いったん手の動きを止めると、俺は――真剣に、彼女に向き合った。
「……」
「俺……この前はすごく突然で……乱暴にしちゃって、お前も怖かったと思うし、
本当に悪かったと思ってる。でも、マジでお前のこと好きなんだ。だから……
出来たらお前にもっと気持ち良くなって欲しいって思ってる。……そんなに嫌か?」
「……………嫌じゃ、ないです。ただちょっと恥ずかしくて……本当は、もっとして欲しい…かもです」
「………なら、いいな?的山?」
こくり、と的山が頷くと……
"くい……"
頬を紅潮させたまま、自分でショーツを下ろした。―――愛しい、と思った。
そのまま俺はメイド服を脱がし、ブラを脱がした。目にするのは2度目だったけど……
それでもやっぱり清らかな、としか形容できない、的山の裸体が目の前にあった。
「的山……ここ、触るよ?」
優しく裂け目に人差し指を押しあてると、彼女が目を閉じたままうなずく。
"くちゅ……ぷちゅ"
「あ………んッ、あん」
「気持良い?的山……」
「は……はい……それ触れるの……好き。気持ち……イイです……」
「それじゃないよ……クリトリス。言ってみな?」
「ひゃあッ……く、クリトリス」
「良く言えました……じゃあ……」
"っちゅぷ、……ぷるッ"
指を添えて、優しくクリトリスを剥いてあげた。思ったよりもぷっくりと肉厚なそこは、
ピンク色で……もう、結構な大きさになってしまっていた。
「初めてのエッチは……痛かったんだよな、的山?」
「は、はい…」
「でも、クリトリスいじられるのは好きなんだ?」
「はい……ココ触られるのは……好きです……」
「でも……他のトコも触られるの好きになってな、的山……たとえば……」
"っつちゅ"
§


「きゃ……ひゃアん……」
俺は、的山の狭い中に右の中指を挿れた。可愛い声で、彼女は反応してくれた。
「うわ、もうぐしょぐっしょだな……ほら、中も結構気持良いだろ?」
「は……はい。イイです……あっ……はんッ!」
"ぐりゅ……くりッ"
指で円を描くように中をかき混ぜる。その度にびくん、とカラダを震わせる彼女が愛おしくてたまらない。
"ぬるッ……"
中から指を引き抜くと、ちょっと粘り気のある愛液が線を引いてきた。そのまま、
彼女のおなかにそれを擦りつけて、俺は左の中指と人差し指で乳首をはさんでこりこりと刺激した。
"つぅ〜〜〜"
そしてしっとりと汗ばんだ彼女の首筋に舌先を這わせる。
「は――ッ、は……ぁッ……あっ」
目を閉じて吐息を漏らし、彼女は……感じてくれていた。
そうだ、こんな風に―――本当は、こんな風に優しく、丁寧に愛してあげるべきだったんだ。
しつこいくらいに繰り返した愛撫を終えると、ベッドの下に隠しておいた
(教師とはいえ男なんてそんなもんだ)コンドームの包みを破ってそれを装着した。
彼女の両脚を広げ、もうとろとろになった的山の裂け目の先に俺のモノをあてがった。
「的山……今日はまだ、痛いかもしれないから…ゆっくり挿れてあげるからな?」
「あッ……う……はい」
かああああ、と真っ赤になった顔で……恥ずかしそうに的山はそこを眺めて、小さく頷いた。
"ぐにゅッ……"
「な……うッ」
的山は……涙ぐみながら目を閉じていた。
「………やっぱり痛い?まと……」
「泣かない……今日は、絶対泣かないんだもん……」
泣きながら、的山は小さくそう呟いた。初体験は……痛みしか、感じなかったんだろう。
でも……彼女は彼女なりに、俺を、受け入れてくれていた。
耐えながら、俺の思いに応えようとしてくれていた。――――嬉しかった。
"ぬるッ…………にゅぷッ、にゅぶ"
「泣か……え?……う……やッ、嘘……」
「先っぽだけだけど……入ったよ、的山……やっぱり痛い?」
「う……ううん……痛くない。どうして?この前と同じで……固くて、おっきいのに……」
「さすがにいきなり全部は無理でも……もう大丈夫みたいだな……じゃ……」
ひくひくと、まだ小さく動いている的山の奥へと俺は沈めていった。
"ぐぶ……ぐぢゅ"
「あッ………きゃ……あぁあ……」
ぶるぶる、と両脚の先を震わせて……的山が、声を上げる。
「やっと入ったよ……まだキツイけど……的山……動くよ?」
"くッ……くち、くっちゃ、くち、くっちゃ"
小さく……小さく、俺は動いた。
「あッ……ひゃ……あ、なに?コレ……あんなに痛かったのに…今日は……なんで?」
「どう?的山……気持ち良くなってきた?」
「あ……も……もぉッ」
「………も?」
「も……もっと……せんせい……」
「良くなってきたんだね?的山?」
「あ……でも……ダメ…こんなの……私、おかしく……」
「可愛いよ……的山」
「え……」
「感じてくれて……顔を真っ赤にしてる的山、すごく可愛い」
"ちゅ"
にっこり微笑みかけると、濡れた的山の唇にキスをした。
「ふあ……」
そして―――そのキスで、的山は体から力が抜けて、放心したような溜息を漏らした。
"じゅっく、……じゅくッ、くぷッ"
§


「ふぁ――ッ、ああ―――っ」
ゆっくり、ゆっくり……ピストン運動を早く、強くしていった。
「ダメ……せんせい、私……なかも……おなかも……変に……」
「ちょっと体を……俺に預けて、的山?」
「……ふぇ?」
的山の体を軽く抱きかかえると………
"ぐゆッ"
「え?……ひゃあッ!」
軽く回転させ、バックの体勢になって今度は後ろから勢いよく突き始めた。
"ずぶぅ……ぶきゅッ、ぱん……ぱん"
「うわ……すごいよ、的山……お前の中、すっごく締めてきて……」
「きゃ……きゃうッ、きゃあ……」
"ぐちゅ……ぱん、ぐにゅっ、ぱん……ぐりゅッ"
「……本当にすごい……どんどん……締まっていく……的山、腰をもっと……」
的山の腰を軽く浮かせ、そしてその体勢で深く……奥まで、突き始めた。
「いう……ああ、くあ……あッ、せんせい……なか……おなかに……」
「中に当たってる?的山……」
「うん……んッ」
「じゃあ……今度は、ホラ……」
的山の両脚を持って、後ろから抱きかかえるような体勢に……
古典的に言えば、「乱れ牡丹」の体位で、擦り上げるみたいにして突き上げた。
ネコミミが、俺の視界を少し遮っていたけど……的山と、俺がつながっているところは丸見えだ。
「きゃ?きゃあああッ!」
"ずッ……じゅぷっ、ずぷッ"
「や……せっ、せんせい、それ……私……恥ずかしいよぉ……ヤぁッ…あッ」
「恥ずかしいけど、気持いいんだろ?……ほらッ、なっ?」
「ひぃん、わかんないッ……けど……ッ…だ……め……ェッ」
「じゃ……ここは?ダメ?」
そう言いながら、俺は後ろから両手で彼女の乳首をきゅっ、とつまんだ。
「や……それも……あっ、ダメ……」
「………聞こえないぜ?そんな気持ちよさそうな声出してるくせに……」
くりくり、と乳首を挟んで刺激しながら的山の中を突きまくる。
「やッ……そん……な……あ、私……おか……おかしくなっちゃう……」
「?的山、もしかしてイキそうなのか?」
「わかんない……わかんなッ……けど……」
「2度目のエッチで初イキか……才能あるよ、的山……じゃあ、きちんと……イカせてやるからな?」
俺は後ろに体を倒し、くにくにと露出したクリトリスを指で弄りながら的山を突き上げた。
「あ……あっ………きゃぁ……ひぅッ、せんせい……い……くッ、私……イキます……」
「いいよ……俺ももうすぐだから……ほら、ほらッ!」
「あッ……あ……ッ……きゃ……―――ッ       !!!」
的山が鋭い叫び声をあげてぐったりとしたすぐ後に……
"ぴゅ……ぷっ、ぷぷッ"
俺も、たっぷりと本日二度目の精を吐いて、果てた。
「は……ああ………どう?気持ち良かった?的山……ん?」
後ろから的山をのぞきこむと……ぐったり、とした様子で……
「え?わ?ま、まさか……的山?」
……ヤリすぎた。的山は、完全に……失神してしまっていた。

「申し訳あり、ぐすッ、ません、ご主人さま、私……こんなに汚しちゃって……」
「……いいよ、確かにそろそろシーツも洗わなきゃって思ってたし……」
泣きながら、的山が後かたづけをしてくれた。まあ出すもんを(それもたっぷりと)出したせいか……
俺の風邪は、ほぼ完治していた。でも……俺の心の中では、まだ、ひっかかっていた。
「なあ、的山?」
「?なんですか?」
「こんなんで……本当にいいのか?」
§


「……」
「なんだかさ、流されて……俺と、初体験をして……んで、こんな風に……」
「……やっぱり似てますね」
さっきまで泣きベソをかいていたくせに、くすくす、と笑いながらおかしそうに的山が言った。
「……なにが?」
「……私は、もう先生のこと大好きなのに……そんな風に鈍感なとこが……
前、私の好きだった人にすごく良く似てる、って思って」
「………」
多分……いや、間違いなく小久保のことだった。でも……そのとき、不思議なくらい、
俺は小久保に嫉妬を感じなかった。
(………もしかして……)
的山と結ばれたから、なのかもしれない。まだ……全然、彼女の気持ちとか、
そういったもんも分らない俺だけど……ただ単に、体でつながるだけじゃなくて……
心までやっと少し、結ばれたから……もう、嫉妬とか、そんな感情を……感じなくなったんだろう。
「……せんせい?」
そんなことを考えながら黙っていたら、不思議そうに的山が俺の顔をのぞきこんだ。
「………ま、いっか」
俺は、的山をそのまま思いっきり抱きしめた。
「せ、せんせい?」
「どうせ……なるようにしか、ならないんだもんな、的山?」
「?」
そうだ、これがリョーコの奴が仕組んだことだとしても……俺がそれにまんまと引っかかった、
オマヌケ野郎だったとしても……目の前の的山を愛しいと思う、この気持ちに変りはないんだから。
「ははははは、的山!今度さ、どっか一緒に行こうぜ。遊園地とか」
「?いいんですか?だって見つかったら大変……」
「そんときは、言ってやるさ。世界で一番可愛くて、一番大事な俺の恋人に文句あんのか、って」
「!」
「ははははははは、あはははははは」
俺は、なんだかムチャクチャおかしくて……腹を抱えて笑い続けた。
最初は、不思議そうに……次に、心配そうに(風邪が脳にいってアホになったとでも思ったんだろう)
していた的山だったけど……
「ぷッ……あはははははは」
俺の笑いが伝染ったのか、同じように笑い始めた。
土曜日の夕方の夕焼けに、ふたりの笑い声が重なって……溶けていった。

END

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