『なんか、気に喰わないわねぇ…』

クラスメイトの戸川ユキからの呼び出しに応じた帰り、マサヒコとともに3Aの教室に戻るさなか、アヤナは呟く。

『何がだ?』

『っ!!…何でもないわよ!!』

マサヒコの問いに、一つ拒絶を返すとマサヒコから顔を逸らし、アヤナは足を早めていく。

苦笑を一つ浮かべるとマサヒコはアヤナの後を着いていった。

………………………………

3Aの教室に戻ると、いつものメンバーはそこに残っていた。

家庭教師の為に迎えに来たはずのリョーコとアイを交え、話題に花を咲かせていく。
内容は先程の事の顛末からラブレターについてまで。

『いや、家庭教師の授業は?』

マサヒコの言葉も虚しくその日授業が行われる事は無かった。

リョーコいわく

『ラブレターを通して正しい手紙の書き方を学ぶ国語の授業だったんだから、授業ならしたわよ!!』

だそうであるが…


唐突に帰り間際アヤナが口を開く。

『あ、そうだ、小久保君は話があるからこの後残って。』

『…若田部?』

またしても飛び上がるミサキ。

『か、勘違いしないでよね、今日の事で男の人の意見を聞きたい。ただ、それだけなんだからね!!』

(また?)

(ツンデレ?)


カテキョコンビは思い思い心の中で呟いた。

………………………………

なんだかんだ言いつつも残りのメンバーは帰っていった。

マサヒコはまだ帰りの準備をしていなかったため、自分の机に座っている。

『小久保君、今日はありがとう。』

そんな事を言いながらアヤナがマサヒコの前の席に腰を下ろした。

『その、ね。みんながいる前でこんな事言うのは恥ずかしいから…』

アヤナが頬を赤らめ、照れ臭そうに言う。
そんな表情に、

(こいつもこんな表情するんだな)

等と思い、マサヒコの口許は少し緩む。

『ものすごい、マヌケ面してるわよ。』

そんなマサヒコの表情をばさっと切り捨てるアヤナ。

『それに』

アヤナが続ける。

『付き合ってるフリをすれば良いってわかった時のあの安堵の表情はどういう意味かしら?』

アヤナに指摘され、幾分か引き締まったマサヒコの頬をアヤナが抓る。

『納得のいく答えが欲しいものね?』

そこまで言ってアヤナはマサヒコの頬から手を離し、腕組みをする。
抓られた頬が痛むのか頬を撫でながらマサヒコは思案する。

(いや、どうって…)

普段からしょっちゅうマサヒコに危害を加えるアヤナ。
そのアヤナのキャラがどこと無く今日は違う気がするマサヒコ。
そんなアヤナを見ていると普段の分も込めて、ちょっとした仕返し的な答えを返してまた違うアヤナも見てみたい。
そんな悪戯心にも似た思いが湧き出してくる。

『もし、マジに付き合えってあの時に言ってたとして、』

マサヒコは頭で考えながら口で発するという器用な行為を行う。

『言ってたとして?』

アヤナが先を促す。

『みんながいる前で返事をしたら若田部はどう思った?』

『こ、答えになってないわよ、それ。』

マサヒコは極力顔の表情を変えないように気を遣いながらアヤナを見据える。
アヤナはマサヒコと目を合わせておく事が出来ず顔を背ける。
横を向いていてもアヤナの頬が赤くなっているのがマサヒコにはわかった。
質問に対して質問で返す。ただ、それだけではあまり打撃は見込めない。行為も合わせて初めて掴んだ勝利といえよう。
マサヒコが会話の流れを掴んだのは明白だった。
マサヒコとしてはちょっとした悪戯が成功したような達成感とこの先のアヤナの答えとリアクションを期待する気持ちが生まれる。

『じゃあ、マジだったとしたら、答えはどっちだったのよ?』

顔を若干マサヒコの方に戻しつつアヤナが再び問い掛ける。

『若田部はどっち?』

『…っ!!』

質問に質問で返され、さらに質問で返す。
もちろん先程のようにアヤナを見据えながら。

そんなマサヒコに見つめられながらアヤナは再度同じリアクションをする。
再び顔を真っ赤にしてそっぽを向いた。

『どうした?』

白々しくも先を促すマサヒコ。
アヤナは暫くそっぽを向いたまま黙り込む。

数秒の後、アヤナが口を開く。

『わ、わたしは…』

顔をマサヒコの方に向き直す。
相変わらず顔は真っ赤なままで。

『す…す、す』

『す?』

『す、すごく、嫌いじゃ無いわ!!』

何かが弾けたように大きな声で言うアヤナ。

その声にビビりながらもマサヒコはアヤナの言葉を反芻する。

(すごく嫌いじゃ無い…すごく嫌いじゃ無い…それってつまり…)

マサヒコは今更ながらやり過ぎた事を後悔する。

ここでアヤナが冗談とでも言ってくれるなり、さっきの会話の途中で気づいて会話を打ち切ればこんな事にはならなかったかも知れない。
いや、むしろアヤナに一杯盛られたのかも。
等と思い、視線をアヤナに向ける。

『何よ?返事は?』

一度ギロリと睨むとまた質問を投げ掛けてくる。
睨んだ後の瞳が不安からか揺れているのがわかる。

幾ら鈍いマサヒコとは言え、それの意味するところが分から無くは無い。
しかしながら、マサヒコは自分自身の心が分からずに黙り込む。

アヤナは他のクラスメイトと比べて親しい3人の一角である。
初詣で祈願した通りいつまでも一緒にいたいと思う人間の一人である。

だが、それは友達として?
それとも恋人として?

マサヒコはアヤナの方に視線を向ける。

アヤナは顔を真っ赤にしながらマサヒコを見つめ続けている。
不安からか揺れていた瞳が今では泣きそうで潤んでいる。

凛とした顔立ちをしたアヤナがそんな表情をすると正直くるものがある。
マサヒコはドキリとしてしまう。
アヤナの表情は美しかった。

アヤナはあまり、うまく本心を口にすることが出来ない。
でも、そんな性格も可愛らしくて良いじゃ無いか。
マサヒコはそう思う。

相手の姿に見惚れ、相手の性格を許容した上で、相手と一緒にいたいと思う。

これが人を好きになるということなのかとマサヒコは思う。

それならば、マサヒコの答えは一つだった。

『俺も若田部のことが好きだ。』

『ちょっ、『も』って何よ、『も』って、私はただ、すごく嫌いじゃ無いだけよ!!』

さっき、人に好きか嫌いかを聞いておいて、自分はそれかよ。等と思い、マサヒコは苦笑する。
意地っ張りで本心をうまく言葉に出来ない。アヤナの中で引っ掛かるものがあるのだろう。
そんなところがやっぱりマサヒコの心を揺さぶる。
それでもマサヒコはアヤナの本心を聴きたかった。

『2択で答えてほしい。好きか嫌いか。どちらかで。』

『ちょっ、そういう言い方は卑怯じゃ無い?』

アヤナの顔は火が出そうなくらい真っ赤である。
それでも、マサヒコは目を逸らさない。

『ふぅ…あなたには、敵わないわ。』

観念したのか、緊張の限界なのかアヤナは一つ息を吐き出す。

『…一度しか言わないわよ。』

挑むような視線をマサヒコに向ける。

『私は…』

それでもやはり引っ掛かるのか10秒ぐらい逡巡と決意と不安と…色んな表情を面にだしたのち…

『…わ、私は、マサヒコの事が好き。』

『…ありがとう。アヤナ。』

思わぬおまけ付きでもたらされた答えに対し冷静に、マサヒコもおまけを付けて答えた。

………………………………

それから、暫く、2人は色んな話をした。

『私こんな性格だから、マサヒコに迷惑をかけてしまうかもしれない。』

こんな性格…ツンツンした性格のことなのだろう。

『それでも構わないよ。』

マサヒコは答える。

『それに、本心じゃない事を口走るとしょっちゅう態度に出るしなぁ…』

『え、そうなの?』

『そうだよ。』

苦笑するマサヒコと顔を真っ赤にするアヤナ。

『ちょ、ちゃんとフォローしなさいよ!!』

どうやら今後はフォローする義務が生まれたらしい。
やはりマサヒコは苦笑する。
どちらにしろ、答えは決まっている。
マサヒコはその答えを口にする。

『望むところだな。出来ることならずっと側でその役目をやらせてほしい。』

実際マサヒコにはそう思えた。
アヤナはそう思えるだけの相手だった。

アヤナの答えを待つためにマサヒコはアヤナの唇を見つめる。

『……………』

暫くの沈黙。

『また、セクハラかしら?何を考えてるんだか。』

『ちげーよ。』


アヤナの言い方に特に刺々しさは見当たらない。
アヤナはとっくにマサヒコの視線に気づいていた。
元々、先程からの会話にはさほど大きな意味は無い。
そもそも互いの気持ちを確かめた時点でわかっていた事だったから。
ただ、それでもこうしていたのは、より親密になりたい。そんな思いからだった。
その口実としては充分過ぎるマサヒコの行動だった。

『唇を見つめて何を考えてたの?』

アヤナの目はなおも穏やかだった。
誘ってるんだな。とマサヒコは直感的に思う。

『キスがしたいとは考えてたかな。』

マサヒコは答える。

『その先は考えなかった?』

『ちょっ、アヤナ!?』

言った本人も言われた方も顔は真っ赤である。
一つ息を吐き出すと、ふふっ。アヤナが小さく笑う。

『意地悪な事を言ったわね。』

自然とアヤナの手がマサヒコの手に触れる。

『何度も殴ってしまった事は悪かったわ。』

強くマサヒコの手を握りながらアヤナが言う。

『嫌な思いをさせたと思う。だから、今までの事を償わせて…』

キスをする前にアヤナとしては今までの事を謝っておきたかった。
より親密な関係に進むには何だか申し訳なかった気がしたし、何よりもこの先の行為を自分も望んでいる事をわかってほしかった。

アヤナがマサヒコの唇に自らの唇を近づけていく。
しかし、マサヒコは一度アヤナの唇に自らの指を押し付ける。
アヤナの唇が動く前にマサヒコが言う。

『償いとかそういうものじゃ無いさ。好きだから…』

『マサ…』

マサヒコはアヤナの言葉を遮るようにキスをした。

『ん…ふぁ、あ』


マサヒコは前を開けた状態のアヤナの上半身に手を這わせながら首筋にキスをしている。

アヤナは机の上に座り、マサヒコに身を委ねる。

『ふぁっ…』

マサヒコの手は脇腹へ。

『あっ、ん』

背中へ。

『ふ…ん、あ』

色んな所へと移動し、行く先々でアヤナは好反応を見せる。

『アヤナ…気持ちいい?』

マサヒコが尋ねる。

『…ふぁ、うん…』

顔を赤くしながらアヤナが答える。

マサヒコは思う。
アヤナはよく耳の感度が良すぎると言う。
しかしながら、どうもアヤナが弱いのは耳だけではないらしい。
見るからに早熟なアヤナの身体は感度が発達しているようだ。

『アヤナの可愛い声もっと聴きたい。』

一度手を止め、マサヒコが言う。

『なっ、か、可愛いって…』

もとより赤かった顔はより赤くなりアヤナはそっぽを向く。

『すこしでも良い。もっと、よりアヤナを知るために、気持ちいい所を教えてほしい。』

マサヒコの顔はアヤナの耳へと近づいていく。

『そ、そんなことを言われても…どことか、特定の場所じゃなくて、その、触れられる所、全部…気持ちいぃ…』

恥ずかしいのだろうか、最後の方はほとんど音声として出て行かなかった。

『そんなに敏感なんだ?』

マサヒコは素直に浮かんだ疑問を口にする。

『そんなんじゃ無いわよ!!きっと…』

一転、顔をマサヒコの方へ向けるアヤナ。

『きっと?…』

『きっと、マサヒコだから…そ、そうよ!!マサヒコだからよ。』

もはや、恥ずかしさが臨界点を遥かに振り切ったらしい。
俄かに声を大きくし、開き直るように繰り返す。
しかし、その言葉に今度はマサヒコの顔が赤くなる。
嬉しいような、照れ臭いような、そんな気持ちを確かに感じる。

『…ありがとう、アヤナ。』

わざとぶっきらぼうに答え、耳に唇を付ける。
腰に当てたままだった手の平はアヤナの豊満な乳房へ。

『ふあっ、ひゃっ!!』

最初は下からその重さを確かめるように揺らす。
揺らす動きから、揉む動きへ。

唇は相変わらず耳へと押し付けたままぴちゃぴちゃと音をたてながら、ねぶっていく。

『あっ、あっ…それ、すごっ…っあ』

アヤナの声は嬌声へと変化していく。
その声に自然とマサヒコは昂ぶっていく。
手の動きはマサヒコの昂ぶりを現すように激しいものになっていく。
あいた手を伸ばし、愛撫している方とは逆のアヤナの乳首を摘む。

『あああぁぁっ…それ、あっ…』

アヤナは一つ大きな声を出す。

『気持ちいい?』

マサヒコが尋ねる。

『ふ、んっ、うん…あっ』

アヤナの答えを聞いて、マサヒコは満足する。
とともにもっと気持ち良くなってほしい。そう思った。

『もっと、気持ち良くなってよ。』

『…あっ、ん、いや、わ、わた…んっ、しだけなんて…あ』

アヤナの口からは否定の言葉。

『わたしだけなんて、あっふぁ…ん、嫌ぁっ、ま、マサヒコもんぁっ!!』

言ってアヤナの手はマサヒコの股間へ、快感の前に力が入らない上に、初めてでかなり怪しい動きながらマサヒコのズボンのチャックを下ろし、マサヒコのペニスを取り出していく。

『ア、アヤナ?』

『マ、マサヒコも気持ち良く…』

『ぐぁっ…』

思わず手を止めたマサヒコに一声かけてマサヒコのペニスを扱きだす。
今度はマサヒコが与えられる快感にのけ反る。
構わずにアヤナは瞳を潤ませながらマサヒコのペニスを扱いていく。

『一人だけなんて、嫌よ。』

やっと息が整ってきたのか幾分普段の調子に近い感じでアヤナが呟く。
今まで成すがままにされていたマサヒコも普段の調子に戻ったアヤナの声で我を取り戻したのか愛撫を再開していく。

『ふあっ、あっ』

『く、あっ』

マサヒコの再開された愛撫にアヤナはビクリとし、手がぎこちないものになる。
そのリズムを乱された変拍子はマサヒコにとってまた違う快感として与えられていく。

『あっ、あふ、二人で、あっ』

『ア、ヤナ』

アヤナが望んだ形になっていることは明らかだった。
二人とも呼吸を荒くしながら互いを愛撫していく。

だが、しかしどのような時であろうとも、永遠に続けられるような行為など無い。

『く、あっ、アヤナ、俺、もう…』

『ふぁっ、あっ、私も……あぁぁ、一緒に!!、あぁぁぁぁ…』

マサヒコの射精を合図に二人は絶頂に達した。

………………………………

『…あ、あふっ、このまま、き、て、マサ…』

マサヒコが射精する際、マサヒコが快感のあまり腰を退いたので幸いにもアヤナの制服に精液がかかることは無かった。

しかしながら飛び散った精液はアヤナのふくらはぎからソックスを汚した為、マサヒコはアヤナの脚をテイッシュで拭いていた。
絶頂の余韻で震える声でアヤナが言ったのはその時だった。

『アヤナ、良いのか?』

アヤナの言葉を受け、マサヒコが尋ねる。

『…ん、最初から、決めてたから…来て…』

アヤナの答えにマサヒコは一つ頷き、アヤナのショーツに手をかけ、下ろしていく。
絶頂に達する程の快感を与えられて、アヤナの淫唇は愛液を吐き出し、内股を濡らしている。

(これなら…)

初めての性交にマサヒコは充分であるのかまだ、足りないのかの判断はつかない。
しかしながら、一度、達したとはいえ、マサヒコのペニスはまだ硬さを失わないままである。
その上でアヤナに懇願され、濡れた淫唇を見せ付けられマサヒコの興奮は最高潮だった。

一つ息を吐き、アヤナの淫唇に自らのペニスを突き立てていく。

『っああぁぁぁ…』

アヤナの今までとは違う叫びをマサヒコは耳にし、マサヒコは思わず腰を止めてしまう。

『っあっ、だい、丈夫、男が思うよりも、女は痛みに、慣れてるから…』

嘘であるとマサヒコは思う。
女性の方が遥かに痛みに耐えられるように出来てるとは言え、初めてのこの痛みは別物だと思う。
なによりも痛みに顔を歪め、目尻に涙を溜めたアヤナの姿を見てもそう思う。

アヤナのそんな姿に少しでも痛みを和らげたくて、マサヒコは腰を止めたままアヤナにキスをしていく。

『んっ、ちゅ、ん、マ、サ…』

そんなマサヒコの優しさにアヤナは胸を焦がす。
痛みは確かに感じながらも、胸に流れ込んでくる暖かさに、自然にアヤナに込められた力が抜けていく。

(これなら、大丈夫か、な?)

そんなアヤナの膣内の変化を勿論、マサヒコも感じていて、キスをしながらも腰を押し進める。

『…っあ、あぁぁ!!』

マサヒコのペニスが処女膜を破り、再奥まで届くとアヤナはキスをやめ、顎を反らす。

マサヒコはそんなアヤナを見、幾分か力が抜けていても痛みを確かに感じている事を理解する。
理解し、痛みを和らげようと再びアヤナの乳房と耳へと愛撫を開始する。

『ふあっ、あっ、それ、もっと…』

痛みに若干顔はしかめたままだがアヤナの声には確かに甘いものが混ざる。
マサヒコはその姿に幾分かの安堵を感じながら、ゆっくりと腰を動かしていく。
きつさは幾分か力が抜けた時から和らいではいるものの、それでも充分にマサヒコを締め付けてくるアヤナの膣の感触にマサヒコは腰を震わせる。
快感の昂ぶりにマサヒコの手は次第に激しくなる。
それに併せてマサヒコの腰の動きも大きくなっていく。

『ふあっ、あっ、あっ、あっ、マサヒコ…』

アヤナの声からはどんどんと痛みのニュアンスが消えて、甘い快感に身を震わせている。

パン、パン、ズチュ、ズチュ…

気付けばアヤナの膣は愛液を多く吐き出し、強く打ち付けるマサヒコとアヤナの腰の音とともに水音が教室を支配する。

『ふぁっ、あっ……音、凄い、あっ、あっ、あっ…』

アヤナが呟く。
音がアヤナを刺激しているのか膣内の動きはマサヒコを自らの膣内より深くに導き入れるように変化していく。

『くっ、ああぁ』

マサヒコは快感に思わず呻いてしまう。

『あっ、んっ、マサヒコも……気持ちいい?んっあ、嬉しい…』

アヤナは満足したように微笑む。

再び、二人は快感の虜となり互いを求めていく。

しかしながら先程も言った通り永遠に続く行為などない。

沸き上がってきた射精感にマサヒコが身体を震わせる。

『アヤナ、もう…』

『うんっふ、いい、よ、イッて…ふぁ、あっ、な、か、に…私の…初めて、はっ、あっ、中、あっ…』

アヤナの言葉とともにアヤナの膣はマサヒコのペニスを舐めあげるように蠢く。
その快感に腰を震わせながら、マサヒコは果てた。

………………………………

『なによ、マサちゃん、やっぱ、巨乳の方が…』

それから数ヶ月。リンコの唐突な思い付きによりアヤナ亭に集まって皆で送別会をしていた。

シャンパンに手をかけたミサキは半ば自棄酒のようになり、呟きながら、煽っている。

『あらあら、この後は修羅場かしら?』

こちらも酒臭い息を吐きながらリョーコは話をしているマサヒコとアヤナの元へ。

『あぁ〜、マサヒコくんらぁ〜』

突如マサヒコにしな垂れかかるアイ。

『小久保くーん、これ、美味しいよ〜!!』

リンコさえもマサヒコのもとへと。

『全く。』

アヤナは一つ息を吐き、呟く。

『どうした?』

回りの3人に苦笑しながらも恋人の呟きに反応するマサヒコ。

『いや、渡米する期間のことが少し、憂鬱になっただけよ。』

アヤナが答える。

『ああ』

なんて呟きながら、再び周りの3人に苦笑するマサヒコ。

『良い、浮気なんて以っての外なんだからね!!なんせ…』

そこでアヤナは一つ息を吐き出し、大きな声で言う。

『私はマサヒコの事、すごく嫌いじゃ無いんだからっ!!』

やれやれとマサヒコはさらに苦笑を重ねる。
下の名前で呼び合いながら、未だにアヤナの中でマサヒコにストレートに好きだというのは引っ掛かるらしい。

『わかってるさ』

『なら、良いのよ。』

周りの人間を無視しながら二人は会話を続けていく。

会えない期間というのが、2人にもたらす変化など二人には分からない。
しかしながら再会した時の喜びの大きさは凄まじいものであろうと二人はわかっている。
送別会即お別れといった訳では無いが、それでも2人は再会の時に思いを馳せずにはいられなかった。

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