「ん、ちゅ……」
身長差を埋めるように上を向いて、
「ふ、……ちゅ、……ふぁ、」
唇を合わせる様が何だか可愛い。
女子の中では身長が高い方なのだけれど、それが、男女の差となると、簡単にはカバー出来ないようだ。
少しだけ高い俺の視点から、トレードマークが揺れるのがよく確認できる。
「ちゅ……、タカトシ君…」
満足気な表情と潤んだ瞳。
甘えるように俺の名前を呼ぶ声。
陶然として、俺の脳が蕩けるような錯覚。
確かに自らが、彼女に恋心を抱いていると実感する。
「……………………」
それ以上は何も言わないで、ただ、抱きしめる。
服越しだけれど、抱き合った身体から確かに温もりが伝わる。
その温もりに、心は満たされる。
部活を頑張ってやっているはずなのに、常に俺の鼻を抜ける甘い匂い。
ちょっと前に告白されて、付き合いだして、
彼女と過ごす時間。
付き合いはじめた頃はむず痒くて、なんだか苦手だった髪から薫るシャンプーの薫りにも、
今ではすっかり慣れた。
彼女の髪の匂いをのせた空気は、穏やかに流れ込んで、俺の心を満たす。
「ムツミ……」
名前を呼ぶ。
彼女と過ごすまったりとした空気は、俺達の心の内だけに留まらず部屋をも満たしていく。
なのに、何故だろう?
何かもの足りなさを感じるのは。

………………………………

「タカトシ君待った?」
「いや、俺もついさっき、生徒会が終わったとこだよ。」
待ち人の問いに1言返すと、当たり前のように1歩を踏み出す。
日も傾いて、すっかり長くなった影を見下ろしながら歩く帰り道。
付き合い始めてからの決まり事。
別に2人の間で交わした約束でもなんでもないけれど、もはや日課となった肩を並べて歩く帰り道。
元気にお喋りしながら、ニコニコとするムツミを見ていると、ホントに飽きない。
俺は、そんなムツミに引っ張られながら、会話を交わす。
1番楽しい時間だと思う。
「でね、夕べお母さんにこないだの小テストの成績見せたの。」
「で?どうだった?」
俺の顔に笑みが張り付くのが分かる。
毎日毎日、学校にいる間中顔を合わせているはずなのに、不思議と会話は尽きない。
「それがさー、うちの親ったらヒドイんだよ。確かに、そこまで成績は良くなかったけどさ…
今回はお小遣アップは無しだって…」
動きを止めることの無い、ムツミの唇。
何度も、自らのそれを重ねたことのある場所。
だからこそ、自然と視線はそこに向かってしまう訳で…
「そっか、じゃあ、次回は頑張らないとな。」
チラチラとそちらを見ながらも、平静を装って俺が返す。
「まぁ、そうだよね…」
途端にちょっとシュンとするムツミ。
普段、部活を頑張る、というよりも、もはや部活バカの域なムツミ。
だからといって、勉強が出来ない訳ではない。
平均点はしっかりとってくるものの、その先までは、なかなか届かないのも本音なようだ。
「まぁ、それに関しちゃ、俺も言えた方じゃないんだけどな。」
俺は苦笑しながら言う。
かく言う俺だって周囲の手助けがあって、やっと平均点の先の先。
生徒会役員としてはギリギリのラインに何とか滑り込むぐらいだ。



「タカトシ君は、周りが教えてくれるんだもんね…うちなんて皆集まっても、ねぇ、」
それは、ムツミもわかっているようで、俺の苦笑に苦笑を重ねてくる。
「次のテスト前は、ムツミも一緒に教えてもらえるように、言ってみようか?」
俺からの提案。
「うん、でも…」
その提案はムツミとしては、受け入れるのには、抵抗があるようで、どうも、歯切れが悪い。
「その、出来れば、タカトシ君に教えてほしいかな…」
そのままの感じでムツミが言う。
「教えるって言っても俺も…」
「もぉ、鈍感だなぁ、タカトシ君は!」
俺の言葉を遮るようにムツミが言う。
つまり、そういうことだ。
「あぁ、悪かった。」
苦笑しながらそう告げる。
「分かれば良いよ。許してあげる。」
そう言ったムツミの顔には、再び笑顔が貼りついていた。

………………………………

「ん、ふ…ちゅ……」
で、我が家にて勉強会なんてしていたはずなのだが…
「ちゅ……ふぁっ、」
気付けば、ね。
いや、コトミまで出かけてる(空気を読んだらしい)状況で勉強など長続きなどする訳も無く…
「タカトシくん…」
だだ甘な空気に身を任せてしまったりしてる訳で…
こりゃ、次回もムツミの小遣いアップは望めないんだろうなぁ、なんて、自分の事を差し置いて
考えてしまう。
「ん、……ちゅ、」
うっとりと目を閉じたムツミとキスを交わす。
さっきから、どれだけキスをしているのだろうか?
思わずそんなことを考えてしまう。
「ちゅっ、……ちゅっ」
キスをするうちに、唇に感触が残るようになって来てしまっているのが良く分かる。
「ふ、ちゅっ、ふあっ……ちゅぅ……」
それでも、唇が離れていけば、何だか口寂しくて、また、ムツミの唇を求めてしまう。
「ん、っ、ちゅ、タカトシ君…」
唇を離して見つめ合う。
「ムツミ……」
だだ甘な空気を作り出しているのが、自分達だなんて、そんな事は考えない事にする。
「ふふっ、こうしてると、なんか幸せ。」
ムツミが言う。
なんだか、恥ずかしい事を言っているんだけど、不思議と嫌な気はしない。
「ね、もっと。」
「あぁ。」
目一杯近付けた顔を赤く染めながらそう言ってくる。
「ん、、ちゅ…」
おねだりされて、また唇を重ねる。
ムツミの動きに合わせてふわっと薫ってくる薫りが心地良い。
「ちゅ、」
触れるだけのキスを何度も繰り返す。
「ん、ちゅ…」
熱だけを伝えると離れていってしまう唇。
必死に捕まえようとするのだけれど、中々捕まらない。
「ふ、ちゅ…」
何度も繰り返し挑戦するけど、試みは成功しなくて、じれったくなる。
「タカトシく…ん、ちゅ…」
俺が回した手に力が篭ったのを認識したムツミからの声。
その言葉ごと飲み込む。



「ちゅ、ふあっ、ちゅ…」
強く唇を押し付けて、途中で息継ぎ。
一呼吸で、肺に酸素を送り込むと、再び唇を重ねる。
「ちゅ…ん…」
多少強引かもしれないけど、俺に身を任せて、ムツミの身体から力が抜ける。
自然と赴くまま、重ねた唇で、ムツミの唇をはむ。
伝わってくるのは、なんとも言えない、柔らかさと、中毒性を伴う熱。
付き合いだして、何度も繰り返した行為。
「ちゅっ、ん、ちゅっ…ふ」
だから、
だからこそ、知っている。
「ちゅっ、ふあっ、……っ!」
ここから先へは、けして進めない事に。
「っ、ふあっ……っ、タカトシ君……っ!」
だからいたずらをした。
ムツミと合わせていた唇を南下させると、まだ感触の残る唇で、ムツミの首筋をなぞる。
「っ、っ、くすぐったい……ふあっ」
くすぐったさだけとは違うようなムツミのリアクション。
少しだけ気をよくしながら、何度も何度もその行為を繰り返す。
「っ、ふあっ、んん……」
何度もキスをして、少しだけ唇は痺れているけれど、唇からは、ムツミの張りのある肌の感触が伝わる。
「ふあっ、っ、っ、タカトシ君、ストップ!…っ!」
「ごめん。嫌だったか?」
「ううん。いきなりだったからびっくりしただけ。」
俺の問いに、ムツミが答える。
「ただ、何で、そうしてるのかわからないんだよね?キスって唇にするものじゃないの?」
「いや、それは…」
固まる。
ムツミの問いに固まってしまう。
確かに今までの発言から、ムツミが知らないのは、わかっていたことだ。
でも、どう説明すれば良いのだろう?
「まぁ、良いや。タカトシ君がしたい事なら良いよ。」
悩んでいる俺に投げ掛けられたムツミからの言葉。
「なにか、私からしたほうが良い事ある?」
健気にムツミが言う。
その姿が、非常に俺の琴線に訴えかけてくるわけで…
「舌出してくれないか?」
「こう……んっ〜〜っ!ふっ、ちゅぴ……っ!」
おずおずと舌をだしてきたムツミに、その思いごと、吸い付く。
「んっ、ふ、ちゅぴ、……っ、ふあっ、」
今まで頑なに進展しなかった関係の前進に、半ば暴走しそうになりながら、夢中でムツミと舌を絡める。
「ふあっ、……ちゅ、ふあっ、ちゅぴ、ちゅ……っ!」
ムツミに回した手の袖に、ムツミの指が絡み付く。
舌と舌を絡めながら、行き来する唾液を飲み込む。
「あっ、ふあっ、ちゅっ……こくっ、っ!」
同様に、混じり合って流れ込んだ俺の唾液もムツミが飲み込む。
「ふ、ちゅ、ちゅぷ、ふ、ぺちゅ……ふあっ!」
キスの延長でしか無いはずの行為なのに、酷く淫靡なものに感じる。
「ちゅっ、あ、ふあっ、ちゅ、ちゅぷ、─コク、れろっ、」
今まで、1度たりとも踏み込めなかった1歩を踏み出してしまえば簡単で、より多くを求めてしまう。
「ちゅ、……っ、ちゅぷ、ちゅ、れるっ……っ!」
互いの舌を伝って、流れ出した唾液の、スムーズに受け取れなかった分が滴る。
「んんっ、ふ、れろっ、ちゅぷ、ちゅぱ……っ!」
そんな事さえ気にも止めず、むしろそれさえも、自らの興奮の糧として、俺は夢中でムツミを求める。
「ふ、ちゅ、ちゅぱ、っ、……っ!」
キスも相当に気持ち良かった。
でも、その先にあった、性感も伴うこれは、自らを熱病で襲うような、とめどない快感に溢れている。
「ちゅ、あっ、ふ、れるっ、ちゅぱ……コクッ、ふはぁ、タカトシくん……」
脳に霞みがかかるほど夢中だったはずなのに、ムツミと唇を離し、見つめ合った瞳が潤んでいるのを、
はっきりと知覚出来る。



「ムツミ、服めくるよ?」
「うん……、はずかしい…」
さらに先を求め、ムツミを押し倒しながら、そう声をかける。
何を俺が望んで、そうしているのかムツミは分かっていないのに、そうやって応えてくれるのは嬉しい。
「ふあっ、……あっ、んん……っ!」
そうして、露になったムツミの肌に唇をおとす。
舌を這わせる。
「ん、ん、ふあっ……っ、」
臍のやや上方の腹部から、北上して、何度も繰り返す。
「あふっ、ふあっ、タカトシ君……っぁ、」
そのまま、胸にも手を伸ばす。
適度に柔らかくて、張りのあるムツミの乳房を、確かめるように何度も揉む。
「んっ、ふ、胸…ふぁ、っ、」
自らの胸が揉まれているのを、視界にいれながら、ムツミが頬を紅潮させる。
(可愛いな…)
その顔に、胸を高鳴らせた俺は、徐々に、手の動きに力をこめていく。
「ムツミ、胸、気持ちいい?」
「……うん、ふ、ぁ、」
俺の問いにムツミが頷く。
頬の熱をそのまま燈したかのような熱い息で、ムツミは肯定を返してくる。
性の知識など無に等しいはずのムツミなのに、その姿は、妙にエロくて、俺の心にも、
興奮の火が点るのを自覚する。
「ふあっ、あっ、ん、んんっ、タカトシ君……っ!」
名前を呼ばれたぐらいで、昂ぶりはもう抑えられない。
自然と俺の手は、ムツミの下半身へと伸びる。
「んんっ、ふ、、〜〜っ!」
太股の内を、ゆっくりと指先で撫で上げる。
それだけで、ムツミの身体は微妙に撥ねる。
もはや、むず痒さは訴えては来ない。
「ふあっ、っ、んんっ、」
付け根に向かうほど、ムツミの熱を感じ、頭がクラクラする。
「ん、あっ、タカトシ君、ふあっ、そこ、切ない、んふ、……っ!」
ムツミも自らの股を北上する、俺の指を感じとって、自らの感覚を訴えてくる。
直感的に、このまま、自らの秘部まで俺の手が侵入して来るのを悟ったのだろう。
「ふあっ、あっ、んん〜〜っ!」
(熱い…それに…)
ものすごい熱を指先で受け止めながら、付け根まで到達する。
触れた瞬間に、ムツミは背をのけ反らせる。
そちらを視野に修めるのと同時に、ムツミに触れた指先からの湿り気を知覚する。
「んん、っ、はあっ、ふ、タカトシくぅん……」
潤んだ瞳がこちらを見つめる。
恐らく、自ら弄ってみたことも無いであろうソコ。
それでも、恐らく直感的に熱の逃がし方は分かっていて、そうして欲しいと望まれているような…
その瞳からは、そんな感情を訴えて来ているように感じられた。
「ふあぁっ、っ、あぁ、……っ!」
だから、指を動かす。
ショーツ越しに揉むように。
「ん、ふあっ、あっ、刺激、強すぎ〜〜っ!」
指の動きに合わせて、ビクビクとムツミが身体を震わす。
実際には聞こえてはこないが、独特の水音、それが耳まで届いた気がした。
「あふっ、……っ、〜〜っ!」
顔を真っ赤にして、声にならないような声でムツミは悶える。
火傷しそうな程熱い、熱湯の詰まった袋を弄ぶように、指を動かす。
「ふあっ、っ、あっ……っ!」
徐々に自らの指も熱くなってきてるのが分かる。
その熱が自らの指の熱なのか、指が触れたショーツ越しにムツミから伝わっているのかは、良く分から無くなる。
2人の熱が混じり合っているのだろうという、気さえも起きてくる。
「あっ、ふ、っ、……あぁ、……っ!タカトシく、ん……っ!」
スカートから差し入れた手を、足の付け根で蠢かす度に喘ぎ声をあげるムツミの姿は非常に艶やかで、
今まで見たことの無い姿。



ついつい、もっと見たい等と考えてしまう。
「ん、ふあっ、あぅ……ふぁっ、」
俺の動かす指の動きと連動する息遣いは、耳から脳に流れ込んで、俺の思考を痺れさせる。
「んん、あっ、っあ、あふ、んんんっ……っ!」
ムツミのショーツに広がる湿り気が酷くなって来ているのが分かる。
感じてくれているのだろう。
「ムツミ…」
「ふあっ、タカトシ君…」
一度、指の動きを止めて、ムツミを見つめると、潤んだ瞳を差し向けられる。
「俺、ムツミと…」
「タカトシ君がしたいなら…」
そう言って、ムツミが笑う。
潤んだ瞳でのその表情の破壊力は抜群だった。

………………………………

「それじゃ…」
躊躇いがちに口にする。
ムツミに服を全部脱いで横になって貰って、その足の間に座しながら。
「本当は、避妊具を使うべきなんだけど…ごめん。」
なんだか、騙し討ちをしたような気がして悪くて、服を脱いでもらいながら、今までしたこと、
そして、これからしようとしていることは説明した。
緊張というか、期待感というか…そういったもののせいなのか、
ムツミのリアクションまではよく覚えていない。
『タカトシ君が望むなら…』
そう言って、自らの肌を晒してくれたムツミの破壊力に負けた気もするが…
とにかく、一矢纏わぬムツミの身体は綺麗だった。
柔道着の特有のあの分厚い素材は、着るものの身体をしっかり守るらしい。
普段から投げられているはずなのに、痣も見当たらないのは驚くばかりだ。
「……っ、ふ、あぁぅ……っ!」
静かにムツミの膣口にあてがったぺニスを前に進める。
十分にほぐしたそこは多量の水分をたたえており、それを潤滑油として、
静かに、しかし確かに腰は、前方に進んでいく。
「……っ、っ、っ、……っ!」
腰を進める度に、痛みを伴ったような息を吐き出すムツミ。
それでも、拒絶のような反応は一切無い。
「もう少しで、全部……っ!」
ゆるゆると腰を進め、その全てをムツミの中に納めると、俺は、その快感に腰を震わせる。
「っ!……は、……っ!、っ!」
浅く、短い息を繰り返し吐き出すムツミ。
「ごめん。痛かった?」
「……っ、ふ、ううん、ジンジン…は、してる、けどね……っ!」
そう言って横に首を振る。
その言葉にとりあえず一先ずの安堵を覚える。
(暫く、ムツミが落ち着くまでは…)
とは言え、やはり自らの彼女のそんな姿に平気でいられるほど、鈍感では無くて、
暫くその体勢でムツミが落ち着くのを待つ。
「……ちゅっ、ふ、ちゅ……っ!」
そのままの体勢でいるのもアレなので、ムツミに唇を落とす。
何度しても飽きないその唇。
繋がった状態でのキスは少し違っていて、その行為自体からも快感が伝わってくる。
「ちゅっ、れる……っ、ちゅっ、、ちゅ、れろっ……っ、」
またしても夢中で、何度もキスをする。
今、ムツミにキス魔と責め立てられたら、否定できる自信が無いほどに。
キスが気持ち良くて蕩けそうになる。
「……ちゅっ、ふ、はぁ、タカトシ君……ふ、っ、このままじゃ、切ないよ……」
唇を離して、二人の間にかかる糸に視線を送っているとムツミから声がかかる。
「……っ、中にタカトシ君のが、入ったまま、っ、ふ、キスしてるの、すごくもどかしい……っ!!」
潤んだ瞳と目が合う。
その言葉を証明するように、ムツミの膣内が、締め付けてくる。



腰を中心に全身に震えが走る。
「それじゃあ……」
蕩けきったような表情の、潤む瞳にそれだけ言うと、
俺はいよいよ自らの腰を前後に揺すりだしていく。
「……っ、……ふぁ、あっ、ちゅっ、ふ、あっ、」
俺の腰の前後に合わせて、あるいは不規則にムツミが声をあげる。
腰を揺すりながら、またキスを交わす。
「ふぁ、っ、あ、ぅ……あっ、」
クチュクチュと、確かに水音を耳にしながら注挿を繰り返す。
舐め上げられるように絡み付く膣内を、何度も行き来する。
「ちゅっ、ふ……ぁ、あぅ、ふぁ、っ、」
顔を赤くしながら、ベッドのシーツを掴むムツミに、確かにぺニスを打ち込む。
「あっ、ふぅ、……あっ、あっ!タカトシ君……っ!」
名前を呼ばれるだけで電流の走る腰を激しく揺する。
「ふあっ、っ、気持ち……良い〜〜っ!」
ムツミの言葉を証明するように、膣内は幾重にも絡み付いて蠢く。
「ふあっ、ぅ、あっ、ちゅっ、ふ……っ!」
何度も何度もキスをしながら、互いに高まっていく。
「あっ、ふ、……っ、あぅ、〜〜っ!」
高まりに合わせて、視界に霞がかっていく。
ムツミの目を捕らえているはずの目は、ピントがズレてしまっている。
「……っ、あ!ムツミ!」
「ふあっ、あっ、あっ、タカトシ君……っ、〜〜〜〜っ!」
その霞が脳内を埋め尽くすのとほぼ同時に、俺は、ムツミの中に同じ色を吐き出した。

………………………………

「はい、これチョコレート。」
2月14日。
放課後。
2人きりの教室でそれは差し出された。
綺麗な箱に入った6種類の色んな形をしたチョコレート。
「サンキュー」
簡単にだけど、お礼の言葉を述べる。
勉強の甲斐もあってか、見事に小遣いのアップに成功したらしい。
「こないだは、ありがとうね。おかげで、今回は材料から奮発してみました。」
「へ?てことは、手作り??」
「うん。そうだよー。好きだからねー」
ムツミの発言に思わず頬が赤くなってしまう。「お菓子作り。」
………くそっ、赤くなってしまった、自分が恥ずかしい。
そんなことを思っても、目の前で親指を立てて、良い笑顔のムツミに毒気は抜かれてしまう。
それでも、この日のために勉強を頑張ってくれたのであれば、悪い気はしない。
実は、お菓子作りが趣味だなんて、付き合う前の1年以上を含めても知らなかった事実。
それでも、まだまだそんな意外性を秘めていそうなこの笑顔と付き合っていくのを思うと、
自然と俺の顔に笑顔が張り付くのがわかった。
「どうして、笑ってるの?」
ムツミの声が響いた。

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