ついに始まったトリプルブッキングの処女喪失AV撮影。
カルナは辱めを受けながらも処女膜を映し出し、自分の無垢な事を見せつけた。
(表情や仕草の大部分が演技だった事には驚きだが)

次なるはシホの処女膜撮影だ。
小休止がてら隣の部屋でレイコとミーティングを挟んで帰ってきた井戸田は、
準備万端といった表情で待ち構えるシホに声をかけた。
「撮影の前に言っておく事がある。シホ、あまり余計な台詞を入れるなよ」
「へ? 余計な台詞って?」
「だから、AV見る時間帯は夜だろうからこんばんわ、とか。
 中出しします、とか、そういうのさ」
「あれマズかった?」
「当たり前だろ。特に中出しは絶対しないんだから。
 お前だけ後で自己紹介撮り直しな」
「えぇ〜!」
不平の声を漏らすシホを余所に、おそらく今井戸田とレイコは
まさにそのシホの「余計な言葉」について話し合ってきたのだろうと、
カルナとユーリは見当をつけていた。
「それにしてもシホ、あんた。意外と撮影平気そうね?」
これから処女膜を撮るというのに、シホはその事について躊躇う様子が無い。
今日ばかりでなく、井戸田と練習していた頃からそうだった。
練習の時は相手が井戸田だし、シホは所詮シホなのだから
平気なんだろうと思っていたが、全国販売される映像相手ですら
こうも平然としているのはカルナには解せなかった。
「そりゃあそうだよ。こんな事で恥ずかしがってたら、将来女優になれないじゃん」
いや、本来そんな事は無いんだが……と言いかけた井戸田は、
その言葉を喉の奥に仕舞い込んだ。
月9のドラマでも濡れ場が公然と映し出されるようになった昨今、
確かに陰部を撮影されるごときで躊躇っていては、話にならない。
とは言え、未だに女優になれるつもりで居たのかコイツ……とは思うが。


襟やスカートを動かせば簡単に乳首や陰部を見せられたカルナと違い、
シホの衣装はゴテゴテした重そうなメイド服だ。
襟は喉元までぴっちりと覆い隠しており、スカートも長い。
そのためシホだけ、他の二人と違って一旦ここで服を全て脱ぐ事になっていた。
その脱衣シーンも含めて撮影する予定だ。
シホと井戸田が定位置についた事を確認すると、小田はカメラの電源を入れた。
合図を受け、井戸田はシホに台本通りの台詞を放った。
「それじゃ、次はシホちゃんだね。映像をご覧の皆様に、処女の証明をしてごらん」
「はいよ」
シホは何の躊躇も無く、テキパキとメイド服を脱ぎ始めた。
着た時と違い、脱ぐだけなら簡単らしかった。
しかしそこで井戸田は思わず「カーット!」と叫んでしまった。
まるで現場監督だ。
「シホ、もっと恥ずかしがれ! これじゃファンは冷めちゃうだろ」
「あ、そっか。わりわり、撮り直し頼む頼むわ」
こいつひょっとしたら処女じゃ無いのか?
そんな眼差しを井戸田はカルナに向けたが、カルナは首を横に振った。
「ちゃんと家で私とユーリが確認してます。シホは一応処女ですよ」
「そ、そうか……とても信じられんが」
それから井戸田はシホの方に向き直った。
「良いかい? 脱ぐ時はちゃんと恥じらいを感じさせるんだ。
 こっちが指示するまで、胸やアソコは敢えて手で隠す事。
 指示を受けてもすぐに手を離さず、嫌々裸を曝け出す演技をする事。
 練習の時はちゃんと恥ずかしがってたのに、何で本番じゃ出来ないんだ?」
「やー、練習の時はそういう演技も楽しかったんだけどさ。
 もう照れる演技飽きちゃったし、普通にやれば良いかなって」
「そういうわけにはいかない。勝手にやり方を変えるな」
隣の部屋から見ていたレイコは、例えノーカット版を販売するにしても、
さすがに先程の恥じらいの無いシーンは削除すべきだと密かに判断していた。


シホのこの調子では、いつまた勝手な事をしでかすか分からない。
井戸田はかなり細かく注文しながら進行する事にした。
「それじゃ、次はシホちゃんだね。映像をご覧の皆様に、処女の証明をしてごらん。
 まずはスカートだけ脱いで」
撮り直しなので台詞は先程と同じだが、彼はそこにあと一言だけ付け足した。
一気に脱がせるのではなく、指示に沿って少しずつ脱がせるためだ。
「……はい」
先程に比べればまだ少しは照れの演技も入ってきているが、
まだシホの動作は処女と思えない程キビキビしていた。
「カット」
「えぇ〜、またぁ?」
「ちゃんと練習通りにしろ。最初は嫌がるんだろ?」
「ちぇっ。段取り悪いなぁ」
「いやいやお前のせいだから」
予備のバッテリーは十分用意しているが、こんな事で時間も充電も無駄にはしたくない。
次指示に従わなかったり、練習を無視するような事をしたら、
ゲンコツを振り下ろしてやろうと、井戸田は密かに心に決めた。
「それじゃ、次はシホちゃんだね。まずはスカートを脱いで」
面倒なので、井戸田は台詞を端折り始めた。
シホに有無を言わせないという気持ちの表れでもあった。
「えっ……ス、スカートから、ですか……?」
台本通りだ。
やれば出来るじゃないか。
とは言え、まだ演技臭さは残っている。カルナと比べれば雲泥の差だ。
しかしもうこの程度でカットしてはいられないし、この大根演技も
恥じらいから固くなっているのだとカバーすれば良い。
「緊張してるねー、シホちゃん」
そう言う井戸田にアドリブに、シホは即興の演技で返す。
「だってぇ……は、穿いたままじゃ駄目……かな?」
「穿いたままでどうやってエッチすんのさ(笑)」
「だ、だから……えっちの時は、パンツだけ脱いで……」
「それじゃシホちゃんの大事なところがスカートで見えないでしょ?
 ファンの皆が怒っちゃうよ」
「そ……ですよね……」
シホは出来るだけ時間をかけて、ゆっくりとスカートを下ろし始めた。


スカートを脱いでも、まだエプロンで下半身は隠れている。
井戸田は次に、そのエプロンを脱ぐよう指示した。
「……エプロンも、ですか? それは流石に……」
「駄ー目。ちゃんと全部脱いで。カルナちゃんだって、おっぱい見せてくれたんだから」
「って事は……私も最終的には、その……おっぱいを?」
「勿論」
「うぅ……恥ずかしいよぉ……」
「このぐらいで恥ずかしがってちゃ、もたないよ?」
「はぃ……」
井戸田にアドリブに、シホもうまく合わせて演技してくれている。
ある意味一番息の合う組み合わせはこの二人かもしれないと、レイコは思った。
シホは腰の後ろに手を回すと、エプロンも結び目を解いた。
それから躊躇いがちに腕をヒモに潜らせ、エプロンを脱いでいく。
脱いだ後は、事前の練習通り、急いで下半身を隠すようにそのエプロンを持った。
「そのエプロンどけて」
「ヤ……イヤです……」
「イヤじゃない」
「そんなの、だって」
短い台詞が多いからか、シホは意外と噛んでいない。
噛み癖が彼女のキャラクターであるとは言え、ここで噛まれれば
萎えてしまう視聴者もいるかもしれない。
リテイクの回数が減ってくれるのは喜ばしい事だった。
やがてシホは、後ろを振り返って長テーブルの方を向き、
わざとらしく丁寧にエプロンを畳み始めた。
これもやはり打ち合わせ通りで、少しでも正面から映されたくないという、
処女の恥じらいを演出する効果が見込まれていた。
彼女がエプロンを畳み終えるのを見届けると、井戸田は予定通りの指示を出した。
「もう畳んだでしょ? 早く前向いて」
「は、はい……」
シホは両手を執事のように股間のやや上辺りで組み、
その手でなるべくパンティを隠すようにしながら、カメラの方を向いた。



小田のカメラがパンティに狙いを定めて近付くと、
シホは肘関節を伸ばして、組み合わせていた両手をなるべく下に下ろした。
下腹部の中でも最も重要な、股間部分を隠すためだ――という演技だ。
「はい次。上も早く脱いで。さ、早く」
言われるままに、シホは上着のボタンを外し始めた。
面倒だからさっさと脱いでしまいたいという衝動を抑え、
彼女は出来るだけゆっくりとボタンを外していった。
全てのボタンを外しても、まだブラさえ見られたくないという恥辱を演出するために、
わざと服を片手でかき寄せて、必死で胸を隠す。
もう片方の手は頼りなく股間を隠そうとしたままだ。
「手をどけて、シホちゃん」
「ど、どっちの……ですか……?」
「両方だよ。片手で服脱げるの? 脱げないでしょ」
ノリに乗ってきているのか、シホの演技は練習の時より良くなっている。
カメラから目線を逸らすように俯き、時折縋るように上目遣いでレンズを見返し、
それからまた俯いて、これから曝け出される自身の胸と股間を見つめる。
やがて決意したように両手を体から離し、それから上着を脱ぎ去りだした。
脱ぎ始めてからの動作は早かったが、それは脱いだ服で体を隠したいという、
彼女の焦りをうまく演出していた。
シホは脱いだ上着を胸の前に抱きかかえ、必死で胸元を隠した。
「パンティが丸見えだよ」
「わっ、あっ」
井戸田の指摘で、シホは焦って上着を持つ手を下ろし、パンティを隠した。
すると今度はブラの方が姿を現す。
健康な中学生らしい、装飾の一切無い純白のブラジャー。ファン受けは最高だろう。
「それじゃ、上着はテーブルに置いて」
「うん……」
本来シホはここで丁寧に「はい……」と答えるべきだった。
あくまで映像を見ているファンに向けて話すような体裁を取るためだった。
しかし、そろそろ地が出てきているらしい。
後で音声だけカットするつもりで、井戸田は尋ねた。
「ひょっとして、恥ずかしい?」
「なんか、どんどん冷静になってきて……そしたら途端に恥ずかしさが強くなって」
今更かよ!
と言いたくなるのを、井戸田はグッと堪えた。撮影のためには良い傾向だった。
練習の時は一回目からあんなに平然としていたくせに。
裸を撮影されるという事の意味を、やっとマトモに理解出来たようだった。


シホが後ろを向いてメイド服をテーブルの上に置いている隙に、
小田は予定通りシホに急接近し、斜め下からパンティを映した。
尻の割れ目を覆う頼りない布、生地のわずかな皺の一つ一つが、
ドアップで録画されていく。
どうやらシホは演技でなく本当に少しでもカメラの方を向きたくなくなったらしく、
わざと時間をかけてメイド服を畳んでいる。
その都度、腕や上半身の動きに連動して、尻が自然と動く。
その様子は隈なくカメラに収められていった。
思ったより良い画が撮れそうだった。
普段から下ネタ好きなシホが、この状況で少しでも濡れていたりすると、
本物の処女なのにあたかも偽物っぽくなりそうだと井戸田は危惧していた。
だからもし少しでも股間に湿り気があるようなら、すぐに言うように、
彼は小田に事前に頼んでいた。
小田はカメラをシホのパンティに向けつつ井戸田の方を向くと、
「大丈夫です」と言わんばかりに一つ頷いた。
井戸田が胸を撫で下ろす。
もしこの程度で濡れるようなら、何度撮り直しすれば良いか、
予想もつかなかったからだ。
ここで一旦カメラの電源を切り、小田はシホから距離を取った。
全体像を映すためだ。
小田が電源を入れ直した事を確認すると、井戸田は容赦なく次の指示を出した。
「前向いてごらん」
「ん……こ、こう……?」
シホはまず首だけ斜め後ろ、なるべくカメラの方に向けた。
だが首から下は殆ど反対方向、テーブルの方を向いたままだ。
「もっとこっち向いて」
「恥ずかしいよぉ……」
シホは片腕で胸、片腕で股間を押さえながら、
牛歩戦術のようにゆっくりとカメラの方に向き直した。


しばらくシホはそうして立ったままだったが、
小田は定位置からカメラの角度をズームだけを切り替えて、
彼女の顔、肩、鎖骨、胸、腹、股間、フトモモ、スネ、爪先までを順に映していった。
女性的な魅力に欠ける、貧相な肉体。
二次性徴も済んでいない未成熟な肉は硬さを残しており、
マニアからの評価は高そうだ。
「あ、ハミ毛」
「ヤダ嘘っ!」
途端、シホは今までにも増して両膝をきつく閉じ、
前傾姿勢になって必死で股間を隠した。
これは台本に無い台詞だったが、実際毛が一本だけパンティからはみ出ていた。
シホとしては本当に不意をつかれたのだった。
「そいじゃ次は、テーブルの上に上がってもらおうか」
「えぇっ!? テ、テーブルの上ぇっ!?」
台本にはそう書いてあるのだが、たった今ハミ毛を指摘されたシホとしては、
せめてカットして毛をちゃんと処理させて欲しいという気持ちだった。
意外なところで激しく躊躇と恥じらいを見せるシホの表情が面白いのか、
カルナは部屋の隅っこから興味深そうにシホを眺めている。
シホは三度テーブルの方を向くと、椅子も使わずに、直接テーブルに片足を乗せた。
小田はそれに合わせて一瞬だけカメラの電源を切り、即座に立ち位置を変えた。
ちょうど大股を開いた彼女のパンティを真正面に捉える位置と姿勢だ。
電源を入れ直すと腰を落とし、片足を上げたシホの股間に、
食い入るようにズームアップする。
スジに沿った皺が小さな谷間を形成しているのが、手に取るように分かる。
行儀の悪い事だが、シホは言われた通り、テーブルの上に上った。
脱いだのは服だけなので、靴は履いたままだ。
この靴もその内下着と一緒に脱いでもらうとして、
それでも二―ソックスだけを身に付けた姿というのは、
大層扇情的に映る事だろうと井戸田には思えた。


シホが本気で恥ずかしがっているにも関わらず、井戸田の指示は容赦が無かった。
ブラやパンティを脱がせるのみならず、それで裸体を隠されてはいけないからと、
すぐにテーブルの上に放り捨てるように命令する。
その度シホは、内心で彼を「鬼、悪魔」と罵りながら従っていった。
靴も脱ぎ、とうとう二―ソックスだけの格好となったところで、
井戸田は更なる命令を下した。
「それじゃ、その状態でしゃがんで」
「し、しゃがむのぉ!?」
繰り返すが、これは指示通り、練習通りだ。
スタッフやメンバーの前では何度も予行してきた事だったが、
シホはいわゆる「テンパっている」状態らしく、
台本や打ち合わせの内容を殆ど頭から追い出してしまっているようだった。
シホは仕方なく、股間と胸は相変わらず手で隠しながら、その場に屈んだ。
ちょうど、和式便器で用を足す時のような姿勢だ。
これに比べれば自分が受けた辱めなど微々たるものだったと、
カルナは少し安堵していた。
「手をのけて」
「う、うん……」
シホはまず、薄い乳房を隠していた方の手だけ離した。
その手をすぐさま股間に持って行き、両手でアソコを隠す。
両の二の腕をきつく閉じ、乳首を必死で覆い隠そうとしている。
「下もだよ。分かってるでしょ?」
「そ、それはいくら何でも……」
「オマンコを見せないで、どうやって処女を証明するんだい?」
「それは……そうだけど……でも」
傍らからユーリが「頑張って、シホちゃん!」と声援を送る。
チームメイトからの応援の声は予定には無かったが、
麗しき友情を演出するのには丁度良いと、レイコは判断した。
シホは緩慢な動作で両手を股間から離すと、その手を膝の上に乗せた。
申し訳程度の産毛に覆われた、彼女の恥ずかしい部分が露わになった。


和式便所に腰を下ろす時と同じ姿勢のため、つまり両足は少し開き気味だ。
カルナの時と違い、シホはアナルまで見えるポーズとなっていた。
小田はめざとくそれらを映像に収めていく。
「もっと開いて。自分で拡げてみせてご覧?」
「そんなの無理だよヒロ君……」
あくまでファンに向けた映像であるため、
マネージャーの名を呟くのは本来アウトだ。
この音声は後で削除される事になるだろう。
この時もレイコは商魂逞しく次の企画を考えていた。
「次回の作品は、視聴者の名前をあの子達が呼びながらセックスする、
 ってのも良いかもしれないわね」
どうやって実現させるのか分からず、三瀬はその辺りを問い質した。
「名前を呼ぶって、どうやるんですか?」
「予め一般的な男性の名前を、思いつく限り何百パターンも用意しとくのよ。
 あの子達には場面場面に応じて相手の名を呼ぶ音声を、予め全部録音させるの。
 視聴者はメニューの中から一番自分に合った名前を選んで映像を再生。
 ヒロ君、ケイちゃん、タッ君、リョウちゃん……それら全部の中から、
 自分の名前に一番近いのを選べば、彼女達は自分にだけ語りかけながら
 一所懸命腰を振ってくれてるように映るってわけ」
そうなると、普通のDVDではそこまで細かく音声を切り替えられない。
恐らくはPC専用のソフトとして販売するのが妥当だろうか。
一つ一つの名前を彼女達が囁くのを録音していくだけでも、結構な時間がかかる。
口パクと発声が合わないという欠点はあるが、そこに目を瞑れば確かに売れそうだ。
録音作業にかかる時間と、適したプログラムを作るのに手間は必要だが、
うまくすれば新たなAVのブームを作り出す事も不可能ではない。
三瀬などは目の前で中学生が性的虐待に等しい映像を撮られている事に
とても平静を保てるような心境ではなくなっているのに、
レイコはこんな状況でも動じる事無く、あろう事か次の企画まで考えている。
経営者としては相当レベルの高い方なのだろうと、改めて思わせられた。


シホも家で練習していたので、指でアソコを広げる程度なら痛みは無い。
しかし今更込み上げてくる冷静さが、彼女の動作を鈍くしていた。
「……」
もはやシホは口を開かず、言葉の一つも発していない。
さっきまでは何だかんだ言いながらも困ったように笑いながら服を脱いでいたのに、
いつの間にかそのうっすらした笑顔すら消え去っているところを見ると、
これで今までは結構頑張って作り笑顔を浮かべていたらしい。
その頑張りも、今や掻き消えてしまっている。
時折井戸田や小田の方を見るが、すぐに目を逸らす。
恐らくは、見かねたスタッフが中断してくれる事を期待していたのだろう。
もっともこれが仕事である以上、井戸田も小田も手を抜く事は出来なかったが。
とうとう彼女は、じっくりと時間をかけはしたものの、
どうにかアソコを広げて処女膜を見せつけてくれた。
「シホちゃん。ファンの皆様に何か一言」
予定ならここで、シホには「皆さん、じっくり見て下さいね」
という台詞が与えられていた。
だが今のテンパった状態にある彼女はすっかりその事を忘れていた。
何か言わなければならない事は覚えているが、
この状況に適したどんな言葉を口にすれば良いのか、まるで思い出せない。
しばし躊躇った後で彼女が口にした言葉は、いかにもシホらしかった。
「クッ……クパァ!」
アホかこいつ……と井戸田は心の中で毒づいてしまった。
しかしシホはこういう人間だとファンももう熟知しているので、
これはこれで良いかもしれない。

小休止に入った後で、シホは怒りながら泣くという、器用な顔を見せた。
「この私にここまでさせて、売れなかったら承知しねぇぞオラァ!」
メソメソと泣きながら鼻をすすり、それでも悪態だけはつく。
井戸田は急いで社屋の外の自販機から彼女の好きなジュースを買ってきて与えた。
「とりあえずこれでも飲んで落ち着け、な?」
「ぐすっ、ぐすっ……ヒロ君は優しいにゃぁ……」
普段の噛み癖なのか、それともおどけて猫言葉を使ったのか、判然としない。
シホは酒のようにジュースを一気飲みしながら、
もうこんな会社辞めてやるだの、絶対社長に復讐してやるだの、
物騒な悪態をつき続けていた。


次なるはユーリの番だ。
芸歴が長い分、ある意味一番肝が据わっている。
それに幼さ故か、性的な事に対する抵抗がメンバーの中では一番薄い。
練習の時も、最も躊躇なくマンコを拡げて見せていた。
この子は一番楽な撮影になるのだろうが、問題は井戸田本人の方だった。
何とユーリの処女膜撮影は、彼の膝の上で行われる予定だった。
「自分で拡げるの恥ずかしいから……お願い、お兄ちゃん」
カメラを向けられたユーリは、恥じらいの演技を見せながらそう言った。
「仕方ないなぁユーリは。ほら、こっちおいで」
椅子に腰かけた井戸田は、自分の膝をぽんぽんと叩いた。
ユーリは無邪気にその上に腰を下ろし、井戸田に背を向け、カメラの方に体を向けた。
シホは服を脱がされていたが、ユーリはスク水のままでの撮影だった。
股間の布も、その奥の秘所も、全てマネージャーの手で拡げてやるという段取りだ。
至近距離まで近づいた小田のカメラの前で、
井戸田はユーリの背後から彼女の股間に手を伸ばした。
いくら撮影目的ならば未成年者とのセックスが合法と見做されているとは言え、
やり過ぎだと判断されれば、摘発されるかもしれない。
この映像が全国に出回り、家族や親戚にも見られるかもしれないとなると、
井戸田はユーリ以上に臆病になってしまうのだった。

手際良く拡げられたユーリの両足の間に差し込まれた井戸田の手は、
スク水の股間部分の布を引っ張り上げた。
無毛のスジにそって、布地が細く引っ張られる。
ただでさえユーリは他の二人と違い、まだ具が外側に出てくる年齢でさえない。
同年代の他の娘よりも成長の遅れている彼女は、
例え全裸になったとしても、たった一本の筋しか今は見えないのだ。
だから今カメラに映っているのは、引っ張られたスク水と、陰唇周りの肉だけだった。
「恥ずかしいよぉ、お兄ちゃぁん……」
「全国のお兄ちゃんに、ユーリの恥ずかしい部分、ちゃんと見せてあげようね?」
言ってて恥ずかしいと言うか、ある意味歯が浮くとでも言うか。
井戸田自身にとっても屈辱的な台詞だった。
こんな台詞を自分が口にする日が来るなどとは、ちょっと前までは予想もしなかった。
井戸田は引っ張り上げた布地を横にズラし、ユーリのスジをカメラに見せつけた。
「やぁあ……恥ずかしいぃ……」
あぁ、何て順調なんだろう、と井戸田は思った。
シホの撮影の後では、撮影慣れしているユーリは酷く楽に思えた。
「まだこのぐらいで恥ずかしがってちゃいけないよ、ユーリちゃん。
 ほら、君のオマンコはプリティ過ぎて、中身が全然見えないんだもん」
「え、え? それじゃあ……やっぱりお兄ちゃんにお願いするしかないの……?」
「そうだね。安心してお兄ちゃんに身を委ねてごらん」
井戸田は片方の手でスク水を引っ張りつつ、もう片方の手を彼女の秘部にあてがった。
そ人差し指と中指を使い、巧みに肉を押し広げていく。
練習の時は、最初はこれだけで涙が滲む程痛がっていたユーリも、
今では難なく内側のビラビラまで曝け出せる。
しかし撮影である以上、またファンのためにも、演技は必要だ。
「あっ……ちょっ、痛い……かも……」
「駄目だよ、ユーリちゃん。ほぉら、ご開帳〜」


左右に広がった肉の間から、サーモンピンクの入り口が現れた。
シャーペンの芯すら通らなさそうな程、ぴっちりと穴が閉じている。
これもレイコの指示で、撮影まではなるべく異物を入れないようにと厳命されていた。
「指、入れるね……? 良いかい、ユーリちゃん」
「うん……お兄ちゃんなら、良い……」
台本通りだが、素人の演技にしては、やけに熱が入っている。
井戸田もユーリも実際本心からの言葉だったのだろう。
井戸田は本気でユーリを心配しており、
ユーリは本気で井戸田を受け入れようとしている。
今回の撮影のために井戸田は深爪になりそうなくらい爪を手入れして来ていたが、
それでもこの幼い内壁をわずかばかりも傷つけないよう、細心の注意を払う。
無理に押し広げて激痛を感じさせたりしないよう、
指は刺し込むと言うより、グイグイと指の腹を押すような感じで動かした。
が、それだけでは全然指が入らない。
部屋の隅で、シホとカルナが囁きあう。
「ユーリだけ家でも一切指突っ込む練習してなかったもんねぇ」
「そうね。私達も無理強いはしなかったし……」
カメラのマイクにすら拾われない程小さな囁き声だったが、
その声は井戸田の耳には届いていた。
演技を交えつつ、井戸田はそれとなくユーリに尋ねた。
「ユーリちゃんはここ、自分で指入れた事も無いのかな?」
「そんっ……なの……っするワケ……」
まずい。本気で痛がっている。
ユーリ本人の意思とは裏腹に、体が異物を拒んで、押し返そうとしている。
それを感じ取ったレイコは急遽、指示を追加する事にした。
「ちょっと入るわよ」
ノックと同時に、レイコの声が廊下から響いてきた。
管理職者に監視されているとトリプルブッキングの三人が余計な緊張をするからと
それまではずっとマジックミラー越しでのチェックしていなかった彼女だ。
それが撮影の途中……と言うよりは撮影が始まってすぐに
こちらの部屋に入って来るのは、予想外の事だった。
「井戸田。しゃーないから、クンニでもして先にほぐしてあげなさい」


この行動は本来予定には入っていなかった。
カルナにはしてやる予定だったが、シホとユーリには別のプレイを用意していたのだ。
だが社長の指示ならば、そうも言っていられない。
井戸田はユーリの椅子の前に膝を落とすと、少女の顔を見上げた。
「ユーリちゃん、良いかい?」
「は、はい……お兄ちゃんなら、私……」
が、ここでもう一つ、レイコは予想外の指示を出した。
「ちょっと小田、何電源切ってんのよ。井戸田もそんなトコ座らないで」
「え、でも」
「予定には無かったけど、ついでだからユーリへのクンニも映像に入れましょう。
 でも井戸田のその位置じゃカメラからは邪魔になるから、姿勢を変えて」
井戸田はしばし惑った。
カメラから映るような姿勢でのクンニ――。
「えっと、それじゃあユーリちゃん。テーブルの上に寝てくれるかな」
ユーリは敬愛する兄に言われるままに従った。
椅子に座ったままでは、どうやっても井戸田が壁になってしまう。
井戸田はコの字型に並べられた長テーブルの内側に歩いて行った。
そこで改めて屈み、顔の高さを寝そべったユーリのマンコの位置に合わせた。
「駄目よ井戸田。それじゃあ舐められてる部分が見えない事に変わりないでしょ」
「でもそれだと、どうすれば良いか……」
分かり切った事だ。
だが井戸田は、ユーリの尊厳を守るためにも、敢えて聞かなければならなかった。
自分の悪い想像を、レイコが良い意味で裏切ってくれる事を期待したのだ。
「まんぐり返し! これしか無いじゃない」
「……ですよね、やっぱり」
正直、自分が思いつかないような、或いは知らないような、
もっとマシな体位を教えてもらえる事を彼は期待していた。
その期待はあっさり裏切られた。
「じゃ、ユーリちゃん。悪いけど、ちょっとお尻持ち上げるね?」
「え? え? まんぐり返しって何?」
まだ自己紹介の延長でしかないのに、ユーリが一番ハードな撮影になってしまった。
指を入れる練習をしておいて良かったと、カルナは心底思った。


体育のマット運動で言うところの、開脚後転。
その途中のシーンを切り取ったような姿勢のまま、ユーリの体は固定された。
その小さな尻を井戸田が両手で押さえており、ユーリからもスジが丸見えだ。
姿勢を整えると、井戸田は再びスク水の布地を横にズラした。
それから剥き出しのマン肉を左右に開き、手際良く中身を曝け出す。
小田はそれを斜め上から見下ろすように映した。
「それじゃ今から、ユーリちゃんの処女マンコ味見しまーす」
この台詞も、レイコの指示だ。
彼女は持参していたスケッチブックに今の台詞をマジックで大書きして見せていた。
俺もう人間として完全に終わったな……と思いながら、
井戸田はユーリの秘所に舌を這わせた。
三瀬がマジックミラーの向こうで見ているのかと思うと、情けなくなる。
軽蔑されたりしないだろうか。よそよそしくならないだろうか。

いつでも新しい指示が出せるようにと、レイコはもう隣の部屋には戻らなかった。
シホ達と並んで、部屋の隅で腕組みして撮影風景を監視している。
「それにしても小田の奴、あの状況でも勃起しないなんて流石ね」
「ヒロ君はとうにギンギンになってるのに」
「小学生相手に硬くなる井戸田さんと、
 私達のアソコを見ても反応しない小田さんと、
 どっちが普通なんですか、社長?」
「多分どっちも異常よ、カルナ」
三人はヒソヒソと話し合った。
「それにしてもあの立ち位置と小田の身長だと、小田さえ勃起してれば
 クンニついでにユーリに小田のをフェラさせられるわね」
「それはいくら何でも処女にはハードなんじゃ」
「どっちみち小田が勃起してないから無理ね。次の機会に回しましょう」

隣の部屋から見ていた三瀬は、今程小田を恐ろしく感じた事は無かった。
小田はカメラを持っているだけで何もしてないのだが、
その風貌のせいで、まるで無理矢理小学生を輪姦しているように見える。
井戸田は自分が三瀬に嫌われるかもしれない事を懸念していたが、
三瀬の側からすれば、小田に比べれば井戸田の方が紳士的に見えた程だ。
実際にはユーリに酷い事をしているのは井戸田の方なのだが。
「私でさえ経験無いのに、小学生がヤクザに脅されてあんな事させられるなんて……
 いや小田さんは脅してなんかいないけど、でも……」


三瀬が紳士的と錯覚してしまうだけあって、井戸田のクンニはソフトだった。
殆ど音も立てず、無理矢理な事もせず、ただ表面を舌で撫でているだけだ。
まだ性感が開発されていないユーリにとっては、気持ち良いワケもない。
それでも演技はしなければならないので、ユーリは時折
「んっ……」とか「あ、だめ……」などと小さく呟いていた。
しかし自分自身が快感を得た事の無いユーリでは、演技にも嘘くささがあった。
せっかくマイのAVを見て勉強していたのに、これでは殆ど予習の意味が無い。
まぁ処女が最初から感じまくるよりは、生々しくて良いか……
とレイコは半ば諦めていた。
実はこの数ヶ月後、ユーリの下手な演技は功を奏していた事が分かる。
レイ・プリンセスに追随して他社がリリースしたAVは、
ロストヴァージンを謳っていながらアイドルが最初から喘ぎまくっていたせいで、
Amaz○nやD○Mのレビューでは「スレている」と低評価をつけられる事になるのだ。
また、レイ・プリンセス同様、本物の処女アイドルのAVを販売した会社もあったが、
そちらは視聴者をそそるような演技が微塵も無く、逆に「単調」と酷評される羽目になる。
ユーリの控え目な演技は、結果的に今後彼女らがトップアイドルになる布石となっていた。
もっとも、それは今この時点では彼らには分かる筈も無い事だったが。

レイコはスケッチブックに
「無理矢理舌をねじ込みなさい」と書いて、井戸田に見せた。
その指示を横目で確認した井戸田は、ユーリに悪いなと思いつつも、
指よりは入りやすいだろうと思い、穴の綴じ目に舌を伸ばした。
「ひっ、くすぐっ……あ、変な感じ……」
刺し込んだ舌を左右にグリグリと動かされ、ユーリの膣は徐々に開き始めた。
開き始めたと言っても、今井戸田が舌を抜けば、またすぐさま閉じてしまうだろう。
井戸田は機転をきかせ、この段階でもう指を入れてみる事にした。
ねじ込んだままの舌に沿わせるように、右手の人差し指を少しずつ挿入する。
さっきよりはマシだったが、それでもまだ人差し指の爪の半分くらいしか入らない。
彼は一本の指と舌とで、ユーリの穴を左右に押し広げた。
広げた、と言っても、無論そう簡単には広がらない。
あくまで広げるように意識した程度に過ぎない。
だが舌は指に比べれば大分柔らかい部位だ。
その舌が指の形に合わせて凹んでくれる事で、何とか指は先へ進む隙間を得た。
先を進んだと言ったところで、やはり爪が全部隠れる程度の進み具合でしかない。
まだ第一関節も入り切っていないのだ。
井戸田は思い切って、少し強引に指を突き進ませた。
「痛ぁっ! あっ、ぃぎ……」
ユーリは大袈裟に叫んだが、それでもまだようやっと第一関節が埋没しただけ。
井戸田は慌てて舌を引き抜いた。しかし指は刺し込んだままだった。
ユーリとしては、舌より指を抜いて欲しかったに違いない。
だが本来の目的はクンニではなく、穴を広げて処女膜を見せる事だ。
「ユーリちゃん、ファンの皆が見てるよ? 我慢して」
「は、はいぃ……んぐ」
井戸田は刺し込んだ人差し指をドリルのようにグリグリと回しながら、
ちょっとずつ奥へ突き進んでいった。
それはまさしく「突き」進むという表現がぴったりだった。


あまりやし過ぎて、指で処女膜を破ってもまずい。
第二関節まで到達するより早く、井戸田は手を止めた。
「お兄、ちゃん……お願い……」
「ん? 何だい?」
「ローション……使って……」
それは意外な要求のように聞こえる反面、ユーリの気持ちを考えれば当然とも言えた。
女のように細い井戸田の指ですらキツイのだから、クンニだけでほぐしていたのでは
日が暮れてしまうだろうし、第一ユーリ自身が辛くてたまらない筈だ。
誰に言われるまでもなく、シホが部屋の反対側に置いてあったローションを取ってきた。
「ユーリ、ふぁいと!」
「これもファンの皆のためよ」
シホに続き、カルナも控え目に声援を送った。
シホはローションの蓋を開けると、そこから井戸田の指とユーリの秘穴の
結合部分に粘性の液体を滴らせた。
「冷たいっ」
殆ど穴の開いていないソコは簡単に溢れ、こぼれた分が下腹部を伝って
ユーリの腹まで垂れていった。
井戸田は試みに、もう一方の手を人差し指をあてがってみた。
まだ十分にキツいが、両方の手の人差し指の第一関節までは何とか入れられるようだ。
こんなに辛い思いをさせるのなら、最初から使えば良かったと後悔した。
「それじゃ、ゆっくり広げるからね?」
「う、うん……出来るだけ優しくね、お兄ちゃん?」
ユーリの同意を合図に、井戸田は少女のピンク色の入り口を、
少しずつ左右に広げてみせた。
まだそれでも小指さえ通らない程度の細い穴しか開かない。
照明の真下とは言え、中は暗くて、処女膜すら判別出来ない。
小田はカメラを構えたままレイコの方を振り向くと、首を横に振った。

まだ駄目か……。
そう思ったレイコは、ユーリに対して酷と思いながらも、ある一つの策を思いついた。
物音を立てないようにそっと部屋を抜け出すと、事務室まで急行する。
程なくして戻ってきた彼女が握っていたのは、ペンライトだった。
「これで照らしてみなさい」
口にこそ出さないが、目がそう言っている。
本当に良いのかよ……と臆しながらも、井戸田は指示に従う事にした。
とは言え、彼の両手はユーリの穴をこじあけるので精一杯だ。
ペンライトはカルナに手渡された。
「え、私ですか?」
「シホも仲間のために自らローションを出してくれたんだもの。
 あなたもユーリとの麗しい友情をファンに見せつけなさい」
これが友情かしら、と思いながらも、カルナはそれに従った。
出来るだけペンライトの先端を穴の入り口に接近させ、それで内奥を照らす。
こんなプレイは、処女でなくとも普通はやらない。
実際レイコですらペンライトで中を照らされた経験等無い。
ある意味でクスコを使われるより屈辱的なプレイだと思えた。
「や、やめて……それ、恥ずかし過ぎるからっ……
 お兄ちゃん助けてっ……こんなのヤぁあ……」
とうとうユーリは堪えきれず、大粒の涙を流した。
しかし、薄情と罵られようとも、これが仕事であるならば、井戸田には逆らえない。
会社に逆らってでも妹を守ってくれる兄をユーリは欲していただろうが、
今無理をさせておく事が、後々のユーリの向上のためになる。
井戸田は心を鬼にして、可愛い妹の秘穴を左右に引っ張り続けた。


「あ、見えたかも」
「そうだよ、これ処女膜だよ。やったね、ユーリ!」
カルナとシホが、やっとの事で微かに見えた処女膜に喜びの声を上げた。
まんぐり返しという不安定な態勢は、間近で見れば意外と固定されていない。
照明の角度、ペンライトの光の刺し込み方、ユーリの尻の持ち上がり方、
全ての条件が合致したほんの一秒か二秒だけ、辛うじて処女膜が見える。
「も、もう、これで……これで良いですよね……?」
撮影である事も忘れて、ユーリはレイコに懇願する目を送った。
だがレイコは容赦しない。
「まだちゃんと映ってないでしょ? ファンの皆が分かるように、もっとじっくり」
どうせ巻き戻して一時停止すれば、しっかり見えるだろうに。
井戸田はそう思ったが、しかし彼の目線からは、実は処女膜が見えていなかった。
目の前にある筈なのに暗くて見えず、光の角度も合っていなかった。
実を言うと、見えていたのは左右に居たシホとカルナだけで、
カメラを構えた小田からですらよく判別が出来ない程度の見え方だった。
この状況では、止めてくれる者は誰もいなかった。
井戸田は腕に力をこめて、がっしりとユーリの尻を固定しようと努めた。
小田は自分の声を映像に捉えてしまわないよう、
手だけで井戸田に指示を送った。(元々無口だが)
もう少し右、もう少し手前、行き過ぎ、ストップ、少し戻れ……
そんな風に手首のジェスチャーだけで細かく誘導しながら、
小田はカメラを回し続けた。
そしてとうとう、その小さな穴を可能な限り真正面から捉えられる位置にくると、
人差し指と親指でOKのサインを見せた。
次にカルナがペンライトを動かし、やはり小田のジェスチャーに従う。

ようやく天井の照明とペンライトの明るさ、そしてユーリの尻の角度が噛み合い、
奥に隠れた処女膜を、カメラに捉える事に成功した。
小田から見えるだけで、井戸田にもシホにもカルナにも見えない角度だったが、
小田のOKサインに、一同はほっと一息つけた。
レイコはスケッチブックに新たな指示を書いた。
それを読んだ井戸田が、レイコの方を見るようにユーリに目配せする。
指示を読んだユーリは一瞬ビクッとしながらも、すごすごと言葉を発した。
「み、みなさぁん……私の処女膜、たっぷり見て下さいねぇ〜……」
ペンライトで照らされた処女膜をきっかり十秒程録画されてから、
ようやくユーリは解放される事となった。


録画されたばかりの映像をハンディカメラのディスプレイで確認しながら、
トリプルブッキングは三者三様の感想を口にした。
「やっぱカルナの演技は凄いよ。いや恐ろしいよ」
「私としてはシホちゃんが演技を忘れるくらい焦ってたのが意外だったなぁ」
「それを言うならユーリだって、大変な思いをしたでしょう」
ひとまずは最初の難関であった、処女膜撮影が終わった。
この次は順に一人ずつ井戸田を交わっていき、最終的に4Pに移る手筈だ。
少なくとも前戯の間はそんなに痛い思いをしなくて済むだろうという安心感もある。
問題は、井戸田の方だった。
「ほらガツガツ飲めー、若者ー」
「し、社長……もう無理です……胃がタプタプで……」
「アンタ今から合計四発ヤるんだから、たっぷり栄養剤飲んどかなきゃダメでしょ」
「そうは言っても……うっぷ」
レイコが栄養剤と言って井戸田に飲ませていたものは、
男を強制的に勃起させる薬液だった。
既にはち切れそうな程勃起させられており、すぐにでも射精しなければ
母乳の張った乳房と同じで、痛みに苛まれてしまう。
休憩時間があと十分残っている事が、井戸田にとっては一息つけるような、
或いは早く本番に入りたいような、複雑な気分だった。

コメントをかく


「http://」を含む投稿は禁止されています。

利用規約をご確認のうえご記入下さい

Wiki内検索

どなたでも編集できます