『ねぇ、もし…』

ここは城島家。翌日は土曜日と休みなことも手伝い、しかしながらシンジにしてみれば大学最初のレポート提出を控え翌日の休日を無駄にしないためにも、リビングで各々過ごしている。
時刻は深夜2時少し前といったところである。

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『ねえ、もし、お兄ちゃんが双子の女の子から同時に愛されたらどうする。』

カナミはこの時間やっている某ローカル局のアニメに最近はまり混んでいる。

一度は聞くのをためらったが、しかしながら意を決しシンジに投げかけた質問である。

『んな事言われてもなぁ…一人さえ経験が無いのに…』

シンジはぼやくように言う。

シンジは大学へと入学したものの未だ彼女いない歴=年齢な今日である。

『そっか、お兄ちゃん童貞だもんね。』

エロボケというよりさらりと酷いことを言うカナミ。

『じゃあさ、身近な人がもし双子だったら?これなら想像しやすいんじゃない?』

そういわれてシンジは軽く想像してみる

………………………………

もしナツミが双子だったら…
(華麗なるツープラトンだろうなぁ…)

もし小宮山先生が双子だったら…
(迷惑は2倍だろうな…)

もしカズヤが双子だったら

(はぁ、想像もしたくない。実際の犯罪ぐらい起こしそうだ…)

もしマナカが、ショーコが、金城が、双子だったら…

(カナミ回りで想像するのはよしておこう。いつもの2倍は苦労するだろうな。)

もしアキが双子だったら…

(ツッコミ役が増えるのは歓迎かな。ただアキちゃんだとカナミ達のおもちゃが増えるだけのような…)


そこまで考えてじゃあ、カナミはと思う。


本編中一度も登場しなかった両親がアレなため、兄妹二人暮し。ここにもう一人増えること。

それは素晴らしいことのように思う。

カナミはお兄ちゃんっ子である。

おそらくその由縁は寂しさから来ているのでは無いか?

とシンジは思う。

それに血は繋がってなくとも友人達にまるで姉妹のように振る舞うカナミは実際姉妹がいたとしても、互いを思いやれる良い姉妹になるのではないだろうか。

そんな事を考えているうちにシンジの心の中は次第に暖かいもので満たされていった。

『でも、お兄ちゃん。』

『ん?』

シンジの思考を遮るようにカナミが話しかける。

『もし、お兄ちゃんが双子だったら私のアナルガバガバになっちゃうよ。二人のお兄ちゃんに毎晩代わる代わるアナルを求められるってのは…あ、でも、そうか、遺伝学的にはお兄ちゃんが双子なら、私も双子になるのか!!毎晩スワッピングだね!!』

妹よ、俺がいつおまえのアナルを求めた。
シンジの頭の中にはその事が渦巻き、今までの思考は木っ端みじんに粉砕された。

『だぁー!!この話題禁止!!禁止!!今の現状のままが俺は一番良い!!』

なかばやけ気味にシンジが叫ぶ。

やっぱりカナミは一人だけでいいや。

二人もいるとなんかすごいことになる。

これは予感ではなく、確信である。

そんな事をシンジは思いながら城島家の夜は更けていった。

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