『どうせあんたヒマでしょ?2時にアタシん家に来なさい!』

おまえは涼○ハルヒか!!

というツッコミをマサヒコが入れたかどうかまでは分からないが、突然の呼出しにももはや慣れてしまっているマサヒコは中村宅へとたどり着き、玄関のベルを押した。

数瞬後顔をだしたリョーコに眼鏡はなく、やや違和感を感じながらも、中村宅へと上がり込んだ。

『よっ!マサヒコ!!よく来たね!!』

部屋のリビングには封印したはずのタバコを口にくわえ、悪戯が成功した時のようなにたにた笑いを浮かべ右手をあげるリョーコの姿があった。

………………………………

『はぁ、つまり中村先生も実は双子だったと…』

『『も』ってなによ。他に双子なやつなんかいつものメンツにいたっけ?』

(そういえばあれは夢の中の出来事だったんだっけか。)

言ってしまった後に失言に気づいたマサヒコ。

『まぁ、良いわ。そんな事よりどう?そっくりでしょう?』

華麗にスルーしつつ会話を進めるリョーコ。

リョーコにしてみれば、冒頭のマサヒコの驚き顔を見るのが狙いだったらしく、その後のマサヒコのリアクション等どうでもよかったらしい。

(そっくりって言ってもなぁ…)

確かに外見だけならば違いは眼鏡だけである。

しかしながら、あまのじゃくな性格さえなければ、リョーコは美女である。

目の前のもう一人のリョーコは先ほどからなにも言わずただ二人のやり取りを眺めている。

(ぶっちゃけ静かなら中村先生も…)

嘘偽りなくマサヒコの本音だった。

『改めて紹介するわ。妹のキョーコよ。』

『はじめまして、いつも姉がお世話になります。中村キョーコです。』

なんだか妙な既視感を感じながら差し出された右手に握手をするマサヒコ。

(やっぱり中身は別人だなぁ)

そんな事を感じながらマサヒコが握手をしている最中リョーコが口を開く。

『んじゃ、互いに自己紹介も済んだみたいだし今日の本題行こうか。』

一瞬リョーコが何を言ったかマサヒコは理解できずにいた。

顔をリョーコから戻し再びキョーコに移すとキョーコの目は悪巧みを思い付いた時のリョーコの目になっていた。気づけば距離感も近づいている。

『いやさぁ、最近キョーコ男関係ご無沙汰で色々溜まってるみたいなのよ。相手してやってマサ。』

『という訳でよろしくねマサヒコ君。』

『いや、そもそも俺童t…』

『大丈夫、お姉さんが全部教えてあげるわ!』

じりじりとベッドへと押されていくマサヒコ。

その視界には服を脱ぐリョーコの姿が映った。

『あたしもセイジ以外とはご無沙汰だしね。大丈夫、お姉さんが全部教えてあげるわ。』

ベッドに押し倒されながら、マサヒコの意識は途絶えていった。

………………………………

『夢か…』

まだ辺りは真っ暗な時間マサヒコは飛び起きた。

案の定マサヒコは中村宅にいる訳でもなく、キョーコはおろか、リョーコさえいなかった。

(それにしても…)

マサヒコはまたひとりごちる。

『夢の中とはいえ、一瞬でも馬鹿な事を考えた自分の記憶をぶっ飛ばしたくなるな。フロイト先生も大爆笑な夢を見ちまったもんだ…』

なんだか、今回のマサヒコは多分に涼○ハルヒに毒されているが、こんな夢をみた後では仕方が無いことなのだろうか…

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