最終更新:ID:kVmmA7G3iQ 2008年06月03日(火) 20:59:53履歴
信じられないような出来事ってのは一生に一度きりにして欲しい。
さもなきゃ神も仏も信じられなくなっちゃう。
そんな事を思いながら、マサヒコはアイの家のキッチンで唖然としていた。
が、しかし。
いつまでもアホの子のように唖然としているわけにも行かない。
とりあえず、マサヒコはアイとコミュニケーションを取ることにした。
「えっと……先生。バスタオル一枚の湯上りっぽい姿で冷凍庫に頭を突っ込んで、
教え子が来てもそのまま動かないってのは、あれですか?
先生の地元の風習かなんかで?あ、それとも宗教上の?」
「ちがうよ〜……」
マサヒコの言った通りの格好のアイが、物凄く悲しそうな声色で返す。
「マサヒコ君さむいよ〜……たすけてぇぇ……」
「は?助けて?」
「お風呂でのぼせたから、冷凍庫に頭突っ込んで冷やしてたの。
そしたらほっぺたくっついちゃって動けないの〜……」
「ええ!?それ大変じゃないですか!」
「人も呼べないし。もう十分近くこんな格好なの。お願いマサヒコ君何とかしてぇ」
「あ、はい……って、どうやって?」
「どうやってもいいから助けてぇ」
「……」
常人ならパニックを起こしただろう状況にもマサヒコは冷静だった。
まずコンセントを抜いた。
これで後は時間が経てば体温で氷が溶けて外れるだろう。
が、
「ううう…さむいよ〜…」
「大丈夫ですか?」
「あ、あんな所にラーメンが。おいしそ〜まてまて〜」
それを待っていたらアイが凍死する可能性がある。
つーか既にヤバイ。
「えっと…そうだ!水だ!水で氷を溶かそう」
台所の片隅に置いてあったペットボトルを手に取る。
「先生今水で溶かしますから」
アイの頭のせいで窮屈な冷凍庫にペットボトルをねじ込み、一気に流す。
滴る液体が床を濡らすが、構っていられない。
「先生、取れませんか?」
「ん、もうちょっと……あ!」
もぞもぞとアイの身体が動いたかと思うとアイの頭が冷凍庫から抜ける。
「抜けた〜……」
「うお!先生髪が凍ってますよ!唇も紫色で……うわぁ」
アイの頬に触れる。
「は〜……マサヒコ君の手あったか〜い」
「先生の頬が冷えきってるんですよ。頬に限った事じゃないですけど」
風呂上りでバスタオル一枚だった事。
水滴を丁寧に拭っていなかった事も悪影響している。
漏れた冷気が水滴を凍らせ、ホントに凍死寸前だ。
「まったく、後一歩で明日の――」
三面記事に載るところでしたねと言いかけて、絶句した。
アイが抱きついてきたのだ。
「ちょっ!先生!」
「まさひこくんあったかぁ〜い」
「せ、せんせい!身体身体!隠してくださいって!バスタオルが!」
バスタオルが取れて背中からお尻にかけてが丸見えだ。
抱きつかれているせいで前は見えないが、感じる。
視覚でなく触覚でアイの女を意識してしまう。
「先生マジで!」
なんて言ってたら。
「よーう!アイ〜!昨夜ケッコウ飲んでたけど調子は――」
「げげっ!」
なんとなんと、中村が登場。
さて問題。中村はこの状況をどう捉えたか?
ポイントはアイが半裸――つーかバスタオルも取れて既に全裸――でマサヒコに抱きついている。
以上を加味した結果、
「えっと……ごめん。お邪魔しちゃったわね」
「まて!ちょっと待て!あんたは誤解をしている!!話を聞け!!」
「みなまで言わなくてもいいわ。百聞は一見にしかずって言うでしょ。
だいじょうぶ。私にはわかってるから大丈夫よ」
「わかってない!絶対あんたわかってないよ!」
「いいからいいから。ミサキちゃんには黙っててあげるわよ。
じゃあお邪魔虫は退散するからね」
「あ!こら!!中村先生!濱中先生もなんとか……って先生!?ちょっと!」
「ウフフフ……マサヒコ君ったらぁ…こんなにあったかいモノ持ってるんじゃなぁい」
「うわっ!ちょっと先生!何処触ってるんですか!?ちょ、ちょっと!」
反応してしまっていたマサヒコの聞かん棒をアイはぎゅっと握る。
「マサヒコ君。私のこともっともっとあっためて……ね?」
「せ、先生目が…目がやばいっすよ!」
「私初めてだから、上手く出来ないかもしれないけど我慢してね」
「なにをだぁぁぁぁ!!」
マサヒコの絶叫が部屋に響いた。
小久保マサヒコ。
冷静な彼だがたった一つ間違いを犯していた。
氷を溶かすために用いたペットボトルの中身が焼酎だった事に気づかなかったこと。
そのためにアイがベロンベロンに酔っ払ってしまったことだ。
「さあマサヒコくん。一緒に大人になろうね〜♪」
「いやぁぁぁぁ!」
そして、前述とは違った意味での過ちも犯そう(犯されよう)としていた。
嗚呼小久保マサヒコ。
彼の明日はどっちだ?
END
さもなきゃ神も仏も信じられなくなっちゃう。
そんな事を思いながら、マサヒコはアイの家のキッチンで唖然としていた。
が、しかし。
いつまでもアホの子のように唖然としているわけにも行かない。
とりあえず、マサヒコはアイとコミュニケーションを取ることにした。
「えっと……先生。バスタオル一枚の湯上りっぽい姿で冷凍庫に頭を突っ込んで、
教え子が来てもそのまま動かないってのは、あれですか?
先生の地元の風習かなんかで?あ、それとも宗教上の?」
「ちがうよ〜……」
マサヒコの言った通りの格好のアイが、物凄く悲しそうな声色で返す。
「マサヒコ君さむいよ〜……たすけてぇぇ……」
「は?助けて?」
「お風呂でのぼせたから、冷凍庫に頭突っ込んで冷やしてたの。
そしたらほっぺたくっついちゃって動けないの〜……」
「ええ!?それ大変じゃないですか!」
「人も呼べないし。もう十分近くこんな格好なの。お願いマサヒコ君何とかしてぇ」
「あ、はい……って、どうやって?」
「どうやってもいいから助けてぇ」
「……」
常人ならパニックを起こしただろう状況にもマサヒコは冷静だった。
まずコンセントを抜いた。
これで後は時間が経てば体温で氷が溶けて外れるだろう。
が、
「ううう…さむいよ〜…」
「大丈夫ですか?」
「あ、あんな所にラーメンが。おいしそ〜まてまて〜」
それを待っていたらアイが凍死する可能性がある。
つーか既にヤバイ。
「えっと…そうだ!水だ!水で氷を溶かそう」
台所の片隅に置いてあったペットボトルを手に取る。
「先生今水で溶かしますから」
アイの頭のせいで窮屈な冷凍庫にペットボトルをねじ込み、一気に流す。
滴る液体が床を濡らすが、構っていられない。
「先生、取れませんか?」
「ん、もうちょっと……あ!」
もぞもぞとアイの身体が動いたかと思うとアイの頭が冷凍庫から抜ける。
「抜けた〜……」
「うお!先生髪が凍ってますよ!唇も紫色で……うわぁ」
アイの頬に触れる。
「は〜……マサヒコ君の手あったか〜い」
「先生の頬が冷えきってるんですよ。頬に限った事じゃないですけど」
風呂上りでバスタオル一枚だった事。
水滴を丁寧に拭っていなかった事も悪影響している。
漏れた冷気が水滴を凍らせ、ホントに凍死寸前だ。
「まったく、後一歩で明日の――」
三面記事に載るところでしたねと言いかけて、絶句した。
アイが抱きついてきたのだ。
「ちょっ!先生!」
「まさひこくんあったかぁ〜い」
「せ、せんせい!身体身体!隠してくださいって!バスタオルが!」
バスタオルが取れて背中からお尻にかけてが丸見えだ。
抱きつかれているせいで前は見えないが、感じる。
視覚でなく触覚でアイの女を意識してしまう。
「先生マジで!」
なんて言ってたら。
「よーう!アイ〜!昨夜ケッコウ飲んでたけど調子は――」
「げげっ!」
なんとなんと、中村が登場。
さて問題。中村はこの状況をどう捉えたか?
ポイントはアイが半裸――つーかバスタオルも取れて既に全裸――でマサヒコに抱きついている。
以上を加味した結果、
「えっと……ごめん。お邪魔しちゃったわね」
「まて!ちょっと待て!あんたは誤解をしている!!話を聞け!!」
「みなまで言わなくてもいいわ。百聞は一見にしかずって言うでしょ。
だいじょうぶ。私にはわかってるから大丈夫よ」
「わかってない!絶対あんたわかってないよ!」
「いいからいいから。ミサキちゃんには黙っててあげるわよ。
じゃあお邪魔虫は退散するからね」
「あ!こら!!中村先生!濱中先生もなんとか……って先生!?ちょっと!」
「ウフフフ……マサヒコ君ったらぁ…こんなにあったかいモノ持ってるんじゃなぁい」
「うわっ!ちょっと先生!何処触ってるんですか!?ちょ、ちょっと!」
反応してしまっていたマサヒコの聞かん棒をアイはぎゅっと握る。
「マサヒコ君。私のこともっともっとあっためて……ね?」
「せ、先生目が…目がやばいっすよ!」
「私初めてだから、上手く出来ないかもしれないけど我慢してね」
「なにをだぁぁぁぁ!!」
マサヒコの絶叫が部屋に響いた。
小久保マサヒコ。
冷静な彼だがたった一つ間違いを犯していた。
氷を溶かすために用いたペットボトルの中身が焼酎だった事に気づかなかったこと。
そのためにアイがベロンベロンに酔っ払ってしまったことだ。
「さあマサヒコくん。一緒に大人になろうね〜♪」
「いやぁぁぁぁ!」
そして、前述とは違った意味での過ちも犯そう(犯されよう)としていた。
嗚呼小久保マサヒコ。
彼の明日はどっちだ?
END
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