「マサヒコ」
玄関を出ようとしたら、父に呼び止められた。
「今日あまり運勢がよくないようだから気をつけてな」
結構占い好きな父の言葉に素直に頷いた。

朝、学校、玄関。
「おはよー小久保君」
リンコと合う。
「今日も朝から寒いね〜」
まったくだと頷く。
「寒いと縮んじゃうって言うけどホントなの?」
リョーコ仕込みの無自覚な下ネタに付き合わされる。
冷えた体に周囲からの好奇の視線がグサリとくる。

昼、教室、昼食。
「へぇ、小久保は胸派かぁ。なあ天野、若田部。小久保は胸派なんだってさ」
「淫猥!!」
「恥を知りなさい!!」
殴られた。
ツープラトンで殴られた。
胸派って……鶏肉の部位ですが何か?

夕方、自室、家庭教師の授業。
「今日は保健体育を勉強します。まずは四十八手を……」
「なに言ってるんですか先輩!」
脱線するリョーコをアイが制止。
「まずは男女の体の仕組みからはじめるべきですよ」
「む。確かに。基本は大切よね」
…しっかりせえよ家庭教師たち。

夜、リビング、まったり。
「どうだったマサヒコ?」
晩酌をする父に問われ、マサヒコは疑問の視線を向ける。
「運勢は悪かったみたいだが、どんな一日だった?」
マサヒコは一日を振り返る。
朝はリンコの下ネタに付き合わされた。
昼はミサキとアヤナに誤解でどつかれた。
夕方はアイとリョーコが脱線した。
「やっぱりよくないことでもあったか?」
父の言葉にマサヒコは首を振った。
そして、
「別に。いつも通りの楽しい一日だったよ」


END

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